愛とは歓喜である。性愛の喜びは愛の喜びである。神々の歓喜の姿を大らかに謳いあげ、一千年の時を超えて神の子=人間に至福の人生を教える、奇蹟の世界遺産。
虎狩りの士官が密林に発見したアジャンタの壁画、灼熱の岩盤を掘り抜いたエローラの巨大な彫刻建築に、インド美術の精髄を見る。豊穣アジアの旅。
日本語さえ知っていれば不自由のなかった日本社会は今、転換を迫られている。多言語の「先進国」インドの状況を知ることは、日本の明日をさぐることへと通じる。本書では、言語と政治の関わりを、インドの言語政策を国家と州の両面から追究し、多言語の中で人びとが何と向き合い言語状況がどのように動いていこうとしているのかを明らかにする。
“How much weight can an elephant lose?”-「象が痩せるとしたら、どれほど痩せられるだろうか」。この諺には「少々のダメージに、へこたれるな」という激励の意味が込められている。巨大で頑健な象も、時には体調を崩し、体重を落とすことがある。しかし、10キロや20キロ痩せたところで、総体としての象の大きさ、力強さは不変だというわけである。著者は「象」を「日本」になぞらえ、日本にエールを送っている。
人はなぜ、やさしく、おおらかに生きられるのか。タゴールの学園で学んだ若い日、民話を求めて訪れた村、神や仏のやどる花と木、市場と食卓にならぶ草花…。人と植物とのかかわりを描く、“スローライフ・エッセイ”54編。
様々な階層、集団に見られる女神祭祀の多様な展開を詳述した貴重なモノグラフ。王権・カースト・親族・ジェンダーなど、南アジア人類学の今日的課題に迫る力作。
著者は海外プロジェクトの建設に関わっていた。1964年に台湾に初めての海外出張をしたのを皮切りに、以来、東南アジア諸国を中心に、退職までの業務出張は20数ヶ国を体験した。延べ出張日数は4000日を越えている。著者は技術指導員として開発途上国の人たちに自分の持っている技術を教えた。その半面、出張国の文化や習慣などを教えられた。技術は世界共通である。言葉の違いはあっても、教える側、学ぶ側に軋轢はない。NGO、PKO、語学研修などで長期に海外生活をする人たちは、異文化体験の数々から、海外生活のヒントを。観光で海外へ出掛ける人たちは、本書で紹介されたトラブル例を海外旅行の参考に。
旅、日常、家族、教育、時事…涙と笑いのエッセイ88連発。幸せって、なんだろう?インド放浪者の社会復帰物語。
詩人シファは、毎年インドを訪れている。旅人の心はそのときどき、傷つき、挫折し、悩んでいたに違いない。それでもインドはいつも同じように、彼の固くなった心をときほぐしてくれた。したたかに生きる人びととの出会いが、新しい一日を迎えるエネルギーを与えてくれるのだ。オンボロ宿屋の主人、マンゴージュース売りの老人、闇夜の盗賊、無賃乗車のサドゥ、大衆食堂の店主、絵はがき売りの少女、鳥占い師…。皆、金も家もない貧しさの中で、本当の意味で生きている。彼らが旅人に授けてくれる人生の悟りはこのうえなく味わい深い。生と死が背中合わせ、貧しく汚らしい問題だらけにみえるインド社会。そのうわべだけを見ている者には気づかない本物の人間の姿を、ユーモアたっぷりに描き出す、珠玉の一編。
「コイヌール」の謎を追って、インドを南から北へ、汽車とバスで辿る歴史・冒険紀行。