労働市場の偏在、家族の育児・介護、キャリアの中断etc.-女性の社会進出には制約が依然として多い。福祉政策見直しの中で、税制はどのような影響を及ぼすのか。
女性の「内なる差異」の追究から共存的フェミニズムへの道をひらく。
明治後期から高度成長期に至る、女性事務職の「意味」の変遷。職場に「男女の差異」を見い出す視点の生成を具体的に追求する。
大名の奥方、農漁村の女奉公人、朝鮮の女たち、愛国婦人会…歴史のなかに女たちの生き方をさぐる。
ジェンダーの視点で利用者・当事者をエンパワーメントする。ソーシャルワークの最も新しい考え方を分かりやすく具体的に記述した、画期的な入門書。
文化人類学、ジェンダー研究のパイオニア、原ひろ子。国際保健医療学を専攻する気鋭のパワーあふれる医師、青山温子。紛争/災害被災民の健康を守るために腐心する国際的な医師、喜多悦子。この3人の女性が、開発途上国の女性を守るために、平和への足がかりの第一歩として意欲的に取り組む。
ジェンダーでみる社会福祉援助のあり方。離婚、子育て、養育権、養育費問題、公私支援…「同居」「同居していない」父親の日米面接調査の結果報告。
ジェンダーの差異を巧妙に利用して帝国支配を確立したインカの実像と、スペインによる植民地主義に抗ってアンデス女性が企てた。自らの文化を守るための抵抗のかたち、先インカ期から植民地時代後半まで、ジェンダーと国家権力確立の関係を史料を駆使して解明する。支配と抑圧を正当化するインカ独自のジェンダー思想とはいかなるものであったのか。
社会的・文化的に構成された性=ジェンダーの視点から、普段気にもとめていなかった自分たちの性とそのあり方を問い直していきます。ジェンダー論の意味と男と女をめぐる日本の現状を、平易な文体で身近な問題から説き明かした。
第1作『アメリカの女性大学:危機の構造』で女性に対する米国高等教育の現状を分析・詳説し、第2作『アメリカ大学史とジェンダー』と本書で、男性本位に形成された伝統的大学教育に対する、女性の視点からの『自覚的問いと対話』を、当時の一次史料から生き生きと呼び起こす著者渾身の労作。
比較文化論の新たな地平を切り拓く、領域横断的研究の成果。
日本の“家”の歴史において“子ども”はどのように位置づけられてきたか。また、文化史の流れのなかで“子ども”はいかなる範疇に布置されてきたか。「儀礼」という視点にたち日記、絵画、物語などさまざまな史資料を通して原始・古代から中世にわたる“子ども”と“家”の歴史と文化をみわたす。
その強烈な存在感とカリスマ的人気で音楽シーンをリードした「ヴィジュアル系」と呼ばれるロックバンド。狂おしいまでに鮮烈、残酷なまでに華麗なその独自の美的空間と情熱的パフォーマンスは新しいバンド・スタイルを築きあげ、若者文化に深いインパクトを与えて、価値観や行動様式に不可逆的な変容をもたらした。頽廃のなかに愛と永遠を求める彼らの音楽は、いったいどこからきたのか?ヴィジュアル・ロックに魅了された論者たちが、ジャンルとしてのロック史、音楽業界の動向、化粧やコスプレ、少女マンガなどのサブカルチャー批評、ジェンダー理論の視点から、その欲望と世界観とを縦横に読み解いて同時代を探求する画期的な論集。
女性、高齢者、子ども、外国人…。近代国民国家はいくつもの境界をつくりだし、私たちを分断している。社会に渦巻く不安と不満のはけ口として、弱者はつねにスケープゴートにされてきた。なぜ定住外国人の市民権獲得が阻まれるのか?家父長制に苦しむマイノリティ女性はどこに助けを求めればいいのか?境界に潜む差別と抑圧の構造を揺るがし、国民の呪縛によって硬直した自らのアイデンティティを問いなおすことなくして、ポスト国民国家時代の“共同性”はありえない。外なる差異と内なる差異を超え、ともに暮らす社会をめざす“解放”の思考が、ここにある。
仕事と家庭の両立を試みている多くの父親と母親に贈るアグネス・チャンからの新たなメッセージ。少子化日本に一石を投じる話題の書。
近代化の過程で、女性たちは、どのように自己表現の回路を切り開いてきたのか。古典から現代小説までの描かれた女性像を通して性差文化の構造と深層を明らかにし、ヴァージニア・ウルフ、林芙美子、白石かずこ、吉原幸子ら、ジェンダー文化からの脱出を志向する女性表現者たちの強靱な思考力と想像力の魅力に迫る、刺激的なエッセイ集。