ヴィトゲンシュタインの〈言語ゲーム〉をモデルに、仏教を運動として記述する。「仏教の言説戦略」「大乗教試論」の二本を中核とし、他に貨幣論からの日本論まで、八本の論文を収録。
序
I 〈言語ゲーム〉論のあとさき
1 ゲームと社会
2 法の記号論へ
3 喩としての貨幣
4 フーコーの微分幾何学ーー権力分析の文体論
II 宗教の言説戦略
5 仏教の言説戦略ーー言語ゲーム・ルール・テキスト
6 大乗教試論ーー基本ゲーム・部分ゲーム・拡大ゲーム
7 イスラム教の言説戦略
III 来るべき機械主義
8 にっぽん:記号の王国論
9 法とことばとその源泉(ソース)
10 来るべき機械主義(メカニズム)
あとがき
文献
索引
初出一覧
CONTENTS
苦手なシーンでも落ち着いて話せる!あがり症アナウンサーだった私でもできた、うまく伝えられる簡単なコツ。
1970年代のイタリアにおいて、言語学者トゥッリオ・デ・マウロは現代の複言語主義に類似する民主的言語教育を提唱した。CEFRによって複言語主義が提言される20年以上も前のイタリアで、なぜそのような教育が創出されたのか、思想の起源や概念、教育実践を解明し、その意義を明らかにする。
■まえがきより
筆者がCEFRや複言語・複文化主義という言葉を始めて耳にしたのは、イタリアで日本語を教えていた2005年頃であった。国際交流基金がその動向をとらえ、日本語教育への応用に向けて議論が高まり始めていたが、当時、筆者はその噂を一教師として聞いた程度で、まさか自身がそれに傾倒し研究を行うとは想像もしていなかった。
しかし帰国後も、日本において次第に存在感を増してゆくCEFRについて、たびたび目にし、耳にすることとなった。日本語教育に限らず、外国語教育においてこれほどCEFRが着目されたのは、言語教育に携わる者であれば、だれもが日々経験する感覚的なものが、そこに言語化されていたからではないか。複言語・複文化主義や共通参照レベル、能力記述文、ポートフォリオ、自己評価など、そこに記された教育思想や教育的ツールはいずれも、言語教師にとって合点がゆくものだった。
筆者もそう感じた一人であった。日本語教育に携わるなかで「言語を学ぶことは我々に何をもたらすのか」と考えるようになり、その答えが複言語主義にあるような気がしたのだ。自身が学校教育で英語を学び、その後イタリア語を学んだこと、また日々接する留学生が第2、第3外国語として日本語を学ぶこと。これらは各々の人生、あるいはその社会に何をもたらすのか。言語を学ぶ根源的な意義を知りたいと考えたのである。
(中略)研究を始めてからは、イタリア固有のplurilinguismoの解明に没頭し、民主的言語教育の提言者トゥッリオ・デ・マウロの教育思想に魅了された。研究中、デ・マウロの言説には何度も心を震わされた。
執筆を終え、本書では筆者が抱いた疑問への解答、つまり「言語を学ぶことは我々に何をもたらすのか」という問いへの答えを少なからず示せたのではないかと考える。実のところ、デ・マウロが名付けた「民主的言語教育」という言葉にその答えは集約されていると感じている。本書によってデ・マウロの教育思想や業績を日本の読者に届けられることを心から嬉しく思うと同時に、読者が言語教育の意義を共に感じ、考えてくださることを心から願っている。
【目次】
序論 民主的言語教育の研究意義
第1章 近現代イタリアにおける言語状況と言語政策の展開
第2章 イタリアにおけるplurilinguismoの歴史的変遷
第3章 トゥッリオ・デ・マウロの構想したplurilinguismo
第4章 民主的言語教育における複言語教育の実践
結論 民主的言語教育の教育的意義
付論 トゥッリオ・デ・マウロについて
付録 民主的言語教育のための10のテーゼ(Dieci tesi日本語訳)
第二言語ライティング研究の理論的背景から実践にいたるまで、主要なテーマを日本語で総括した世界で初めての学術書。習得論とライティング論の融合へ。
第1章 本書の背景
1.1 学問領域を超えた知の融合の重要性
1.2 「書く力」とは
1.3 ライティング教育の重要性の高まり
1.4 本書の構成
第2章 第二言語習得研究と第二言語ライティング研究
2.1 第二言語習得研究の発展経緯
2.2 第二言語ライティング研究の発展経緯
第3章 母語と第二言語間のライティング能力の関係
3.1 言語相互依存仮説と共通基底能力モデル(Linguistic Interdependence Hypothesis & Common Underlying Proficiency Model)
3.2 マルチコンピテンス (Multi-competence)
3.3 トランスランゲージング(Translanguaging)
第4章 第二言語ライティング能力の発達とその評価
4.1 第二言語ライティング能力の定義
4.2 第二言語ライティング能力の測定
4.3 第二言語ライティング能力の評価
第5章 第二言語ライティング指導におけるフィードバック
5.1 言語形式についての訂正フィードバック:
誤用訂正(Error Correction)
5.2 訂正フィードバックの効果や影響
5.3 内容についてのフィードバック:
教師によるコメント(Teacher Commentary)
5.4 ピア・フィードバック(Peer Feedback)
第6章 第二言語ライティングの指導:言語能力と文章能力の統合に向けて
6.1 第二言語ライティングの指導:言語形式重視か,伝達内容重視か
6.2 技能間の統合を視野に入れたライティングタスク
6.3 自由英作文(エッセイ)のデザイン
心理学・認知言語学において重要な研究テーマの1つである「比喩」について、哲学、心理学、言語学、人類学など諸分野の研究を検討し、文学作品を含むさまざまな具体例を豊富に挙げながら、どのように人間の認知と関わってくるかを検証した包括的な解説書。メタファー、メトニミー、アイロニー、イディオムのほか、子供のメタファー理解なども取り上げている。著者はメタファーの心理学・認知言語学的研究における現代の第一人者であり、本書はその研究の集大成として、論文などに引用される頻度も高い。
コミュニケーションも仕事もうまくいく。人生と運命が上向いていく。
武術の心と身体の使い方をもとに
現代人のコミュニケーション力を養う!?
力が無い、身体が小さい、お金が無い、知識が無い、権威が無い…そういう弱さに敗北感を感じる必要は無い! 作家であり、古武術活用研究家である著者が、武術を通して得た発想や身体感覚を交えつつ、現代人がコミュニケーションに活かせる兵法を伝授します。「切るより、引き出す」、「執着を去り、自由な心を得よ」... etc. 武術愛好家はもちろん、武術未経験者にも役立つ武術の智慧を日常生活や仕事に活かすヒントをわかりやすく紹介します。負けず勝たずの話術の極意です!!
CONTENTS
第1章 敵をつくらない話術
柳生新陰流会話術
「切らず、とらず、勝たず、負けざる」剣/喧嘩は弱いが、口は立つ!?/
話術はいつも本番/争いの根を消す
会話力は、語彙の量では決まらない
語彙と筋力/競り合わず「無刀取り」/もてる知識は全部使う
コミュニケーションと視覚
話題に困ったら?/視覚に導かれる飛躍/「視聴同時」の感得
第2章 人との距離
「間合」を制する
斬らない「間合」/「親しみ」と「遠慮」/攻撃的な相手の場合
上下関係と距離感
隠れた依存心/自分が恐がられたら/上下を超えた対話
最も危険な「近間」
人は自然には話せない!?/改めつつ、変化に対応/怒りと支配欲
聴く力としての「目付」
相談されたら?/切るより、引き出す/とらわれず、流れを生む
勇気と自由
困った人/入口でよく吟味/自由になることが肝心/
欲がなく、志のある消極主義
第3章 コミュニケーションの「ものさし」
虚と実
文章の虚実/形のない「実」/「虚」が生む度量
男女の会話から
女の話は長い?/意外に合理的な女性達/自分の話ととらえる
夢、データ、武勇伝
「教える」男子/武勇伝の歴史/個人を見つめて勝負
褒められた時
決まり文句の罠/欠点が褒め言葉を活かす/素直に喜ぶ
欠点を突かれた時
切られる線は一本/複数の価値基準/反省し、動揺しない
第4章 言葉の転換
いい形容、悪い形容
両極端を知る/間接的に褒める/「対」の活用
人をコントロールしない
「人脈」を疑え!?/人生はその人のもの/例外的なケース
受け手の技量
ものは言いよう/浅い解釈は身をほろぼす/「その心」を考える
第5章 実践修行
日常会話の磨き方
「おばちゃん的」話術者/武器はいつ持ち出すか/「事理一体」の工夫
仲裁
論戦が生む盲点/目を開いて語る/仲裁で、中心を知る
予習と復習
会う前にできること/予習が自分を変える/日常にとけ込む復習
節
忍術の知恵/一貫した伏線/「辻褄合わせ」の苦しさ
独立心
小よく大を制す/自分で考えない人間/独立心と気概
第6章 理とその奥
表と裏
…他
この本には1分から、長くても3分程度でスッキリまとめるスピーチを集めました。冠婚葬祭から会社の行事、季節の行事まで、状況別、立場別に掲載しました。
丸山圭三郎に師事した言語学者、思想家が改めて「言葉」という視点から現代社会をとらえる。私たちの表現、考え、思想、哲学はすべて言語によって成り立っている。本質的な意味での言語とは何かを、言語思想、そしてユダヤ思想までを含めて論じる。
【目 次】
言語の復権のために
㈵ 世界は言葉のなかに
世界は言葉のなかにーー言語とその主体
㈼ 丸山圭三郎からソシュールへ
文学と饒舌ーー丸山圭三郎の死をめぐって
ラング、ランガージュ、エクリチュールーー丸山圭三郎と〈言葉〉という多面体
言語学、言語哲学、文学ーーソシュールからソシュールへの道のり
ソシュール『一般言語学講義』--〈言語学〉とその外部
言語のなかへーー丸山言語哲学を導きとして
㈽ ソシュールからイェルムスレウへ
言語学と文学の出会い、あるいは記号論の誕生
〈聴く立場〉の言語学ーーロマーン・ヤーコブソン
形式としての言語ーーソシュールからイェルムスレウへ
㈿ イェルムスレウ、極北の言語学
イェルムスレウ言語学のために
言語のなかの主体
格とは何か
言語と言語の差異はどこにあるのか
グロセマティック、《全体言語学》として
言語類型論序説ーー言語の多様性、そしてその彼方へ
デカルトからイェルムスレウへーー言語への信頼感の回復
㈸ 愛と差別の言語学に向けて
固有名詞への愛を生きるーー恋愛の記号論
愛と差異に生きるわたしーー区別・差別・対立・差異をめぐって
愛の言語思想家、ザメンホフーー言語差別を超えて
【Column】ソシュール、バンヴェニスト、メルロ=ポンティ、ラカン、イェルムスレウ、メイエ、マルティネ、ロラン・バルト
失なわれた時の果てに
1990年代以降、英語圏で急速な発展を遂げている翻訳研究(Translation Studies)。そうした学問的な活況を反映して出版されたRoutledge Encyclopedia of Translation Studies,2nd edition(2009)の第1部(一般概念項目)から、とくに日本人読者にとって重要と思われる27項目を厳選して訳出した。日本版オリジナルの情報も追加し、「意訳か直訳か」といった狭い議論から解放された翻訳研究の可能性に満ちた世界への入門書として編纂した。
人間関係がうまくいかない!日々のコミュニケーションが難しい!自分の話し方に問題があるのでは…と悩む人がいます。本書は、これらの悩みを解消すべく、「聞き方」によってあなたの生き方を変える目的で書かれています。あなたも「生き方上手」になりましょう。
6000以上あると言われる世界の言語の大多数が、満足に記録されることもなく、次世紀までに滅びることが危惧されている。言語の消滅によって、人類は何を失うのだろうか。-絶滅危惧にある言語の研究から、言葉の本質を学ぶ。
日本の文字の進化論的図式は正しいのか。
漢字から「万葉仮名」へ、そして平安時代の仮名へ。
『万葉集』を世界の文字史から見ると、7・8世紀の日本の書記や文学の歴史の問題がより明らかになる。
「万葉仮名」は歌を書くなかで生み出されたのではなく、
書くためにふさわしいメディアとして意識的に選びとられたものであった。
『万葉集』を通して世界を見るダイナミックな視点も提示。
古代日本の研究成果が、世界の文字史研究に寄与することを説き、日本古典研究の明日を拓く。
世界的規模の人類文化史的視点から、独自の『万葉集』文字文化の研究を進める気鋭の学者による、講演録。
はしがき(小川靖彦)
講師紹介(小川靖彦)
*
1 はじめに
『万葉集』の書記の多様性
「表音文字」と「表語文字」という視点
2 世界の文字史の伝統的な史観における〈表語〉と〈表音〉の関係
〈表語〉から〈表音〉への〈進化〉という捉え方
アルファベット=〈文明〉という神話
“表語から表音へ”という図式では説明できない
3 表音への〈進化〉とその〈干渉〉という概念が日本に当てはめられる
ディリンジャーの文字史観の限界
「東洋史における悲劇」
当たり前のものでない「言文一致」
「偉大な勝利」として複数のリテラシーの併存
英語のスペリングの表語性
文字制度をどのように捉えるべきか
4 『万葉集』と世界の文字史
表音文字主体の書記の少ない『万葉集』
表語文字主体から表音文字主体へという一九七〇〜八〇年代の定説
歌木簡の発見によって覆った定説
さまざまな要因によって選択された表語文字書記・表音文字書記
表音文字主体書記の多様性
5 おわりに
表語文字の排除という問題
『万葉集』から世界の文字史へ
講演を聴いてーコメントとレスポンス
●コメント(小川靖彦)
講演から想起されたことー日本語の文字の諸相
研究史における講演の位置
三つの質問
●レスポンス(ディヴィッド・ルーリー)
西洋と東洋では反対方向となる文字の神話化
書く行為と読む行為のさまざまなバランス
文字を使ったパフォーマンス
●会場からの質問への回答
⑴
1韓国・朝鮮語のハングルのように制定者が明らかな場合には文字は神話化しないのか
2現代韓国語が漢字でなく、表音文字のハングルを使っていることをどう考えるか
⑵ 資料1ⓐⓑのように同じ歌が別の巻に重複して掲載されているのは、編集ミスによるものか
⑶ 『万葉集』の表音文字主体の歌と表語文字主体の歌とでは、英訳する際に違いがあるのか
○青山学院大学文学部日本文学科主催招聘講演「世界の文字史と『万葉集』」について(山下喜代)
認知科学における言語研究の基礎と流れを概観し,理論的・実証的研究の展開を解説。言語研究に考えを巡らせられる「ことばの認知科学」への誘い。〔内容〕ことばと社会/ことばと文化/ことばとユーモア/ことばと機械翻訳/ことばのコーパス分析/ことばとAI/サブカルチャのことば/オンラインのことば