長年行方不明だった義兄の登場。
崩れ始める、平穏だった家族関係。
ある一つの悲劇をきっかけに、
すべての景色は一転する。
会社員の夫・秀嗣、五歳の息子・洸太、義母の治子と都内に暮らす折尾里佳子は、主婦業のかたわら、フリーの校閲者として仕事をこなす日々を送っていた。
ある日、秀嗣がサプライズで一人の客を家に招く。その人物は、二十年間以上行方知れずだった、秀嗣の兄・優平だという。現在は起業家で独身だと語る優平に対し、息子本人だと信用しない治子の態度もあり、里佳子は不信感を募らせる。しかし、秀嗣の一存で優平を居候させることに。それ以降、里佳子の周囲では不可解な出来事が多発する。
『代償』の著者が贈る、渾身のサスペンス&ミステリ。
【著者略歴】
伊岡瞬(いおか・しゅん)
1960年東京生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』で第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をW受賞しデビュー。著書に『145gの孤独』『瑠璃の雫』『教室に雨は降らない』『代償』『もしも俺たちが天使なら』『痣』『悪寒』『本性』『冷たい檻』など。
結婚をしないまま、娘・千草を産んだゆり子。スーパーのパート勤めの間、千草は母・菜穂子のもとに。父が出ていったあとに一人暮らす母のいる家は、ゆり子の「見憶えのある場所」だった。千草の姿に重なるように家族の日々と忌わしい記憶が蘇る。母はゆり子と千草の生活にかかわるうちに、次第に常軌を逸していく…。母と娘の確執、それぞれが抱える苦悩を丹念に描く注目の小説。
欲しいものは確かなもの。確かな約束、確かな未来、形の見える幸せ。…美月・26歳。忙しい仕事の逃げ場として結婚に行き着いたのに、今は結婚の逃げ場が仕事になっている。…英利子・34歳。ひとりの男性を挟んで交錯する、ふたりの人生のゆくえ。
手書きで法的に有効な遺言書が書ける。遺言書に同封する愛する人への手紙用紙つき。
「おいしゅうございます」で一世を風靡した岸朝子さん。89年になろうとする彼女の人生は、常に「食」と一緒だった。「食は命。命は食にある」の心で歩んできたその道をたどるとき、いまを生きる私たちの暮らしに本当に必要なものは何かが浮かんでくる。
昭和初期当時、焼き魚にしょうゆ味のおかずが主流だった台所に、マヨネーズやバター、ケチャップなどの新調味料、豚肉や牛肉などの新食材が出回るようになり、婦人各誌ではどのようにして料理すればよいのか競って紹介。レシピはまさに百花繚乱。和洋折衷であり、初めて使う食材に奮闘する料理家たちの姿がレシピの裏に見え隠れする。そんな料理を、当時のレシピのまま再現した食するブログ「温故知新で食べてみた」を立ち上げた山本直味。目をうばうほどの奇想天外さと斬新さのある料理にとりつかれ、ブログは8年めに突入し、作って試食した数は220点にも及ぶ。但しこのブログ、奇抜、大胆、ユニーク、奔放と、面白さを追求するばかりではない。レシピを紹介する人々には、日々の食卓を豊かに楽しく、家族に喜んでもらおうと努力する主婦代表の夫人、滋養に富む新食材を普及したいと考える博士、モダンで美しい料理を提供したいと願うプロの料理家など、多彩な面々の横顔を探っている。本書は、「温故知新で食べてみた」ブログを新たに再編し、追加取材を加えて、今の時代に応用できるもののとらえ方、楽しみ方、愛情の示し方を伝える。もちろん、紹介するレシピは作れるものばかり。そのまま作るのもよし、アレンジするものもよし。この本と対峙すれば、必ず必ずあなたも、新たな味、新たな気づきが訪れる。
「子どもがまた悪さをしちゃった!」「もう限界!マジでキレる3秒前…」なときの対処法を練習します。
40代からの生き方を考えるために、38歳で沖縄本島に単身移住。縁あって石垣島出身の書家と結婚。ウチナーンチュの嫁として、沖縄で子育てしながら働く主婦として、自らの体験と取材をもとに綴る、沖縄暮らしの食ルポエッセイ。
お金との付き合い方と、幸せな人生は相関関係。お金って、どんなふうに使えば、幸せになれるのでしょう? そして、貯めること、殖やすことに意識が向かいがちで、意外になおざりなのがそもそも「お金って正体ってなんだろう?」ということ。
家庭の主婦から、雑貨店店主、文筆家、ファイナンシャルプランナー、投資家まで16人に、「お金ってなんですか? お金との上手な付き合い方とは?」とじっくり聞いてみると、それぞれお金の使い方、ため方、稼ぎ方、には、たくさんの工夫やこだわりがありました。
スペシャルインタビュー
自分のためにお金を使うなんてつまらない。
お金っていわば“応援券”。
フリーランサー 稲垣えみ子さん
<第1章 みんなどうしてる? 家計のやりくり>
自分以上になりたがらなければお金は足りる
後藤由紀子さん 「hal」店主
家計管理は家族の歴史そのもの
西胤真澄さん 主婦
高くても、安くても 納得する値段で買う
幸栄さん 「toiro」主宰
苦手だからこそ逃げずに向き合う
中村伸江さん コーチングコーチ
<第2章 それぞれのお金との付き合い方>
稼げるときに稼げる人が稼げばいい
大草直子さん 「mi-molle」編集長
自分を知ってよく着る服を賢く買う
進藤やす子さん イラストレーター
お金と時間は気持ちよく、たっぷり使う
山本ふみこさん 随筆家
お金に左右されず凛として気高く生きる
桐島洋子さん 作家
<3章お金の向こう側へ。新しい経済の考え方>
神奈川県の藤野で見つけた
お金の外側にある「もうひとつの世界」
池辺潤一さん 藤野地域通貨「よろづ屋」主宰
時間をお金に変えない生き方
渡邉格さん 麻里子さん 「タルマーリー」店主
お金って何ですか? 投資って何でしょう?
藤野英人さん 投資家
Column
(1)主婦が好きなことでお金を稼ぐ
「ビビディバキッチン」主宰 和田聖子さん/ライフオーガナイザー橋本裕子さん/ヨガ講師木村由佳さん
(2)みんなの適正価格ってなあに?
(3)みんなのお財布
(4)竹川美奈子さんに教えてもらう
絶対に挫折しない家計管理
夫と姑からのモラハラに耐えながら必死に娘を育てる専業主婦・有森千里(36歳)はある日、誘われるように入った店で謎に包まれた占い師・Adaと出会った。
「あなたの人生は怪物に喰いつくされる」Adaの言葉に導かれ、千里は夫への復讐を決意し…!!
虐げられた女性たちの大報復劇、開幕!!
中学校教師と作家の二足のわらじを履く多忙な生活から一転。主婦となり、のん気な夫とやんちゃな娘と暮らす毎日が始まって──。ほのぼのとおかしく、心があたたかくなる、著者初の家族&育児エッセイ。
志乃子が貰い受けた手文庫には、小さな手縫いのリュックサックと、1946年に北朝鮮から決死の逃避行を試みて、三十八度線を越えて帰国した家族の手記が入っていた。命を賭けて困難に立ち向かう人々の歴史。数奇な運命が連環し、志乃子は持ち主を探しはじめる…。ひたむきに生きる人々の喜び、哀しみ、怒り、そして祈りー善き人たちのつながりに舞い降りる、幸福と幸運の連鎖。奇跡のような出会いの物語。時が紡ぐ豊穣、感動長編。
妻はなぜ、一線を超えたのか?
乾くるみ・28歳 愛犬家 何を最も愛するべきなのか、それが全て──。
天野照大の嫁・28歳 帰省中 湯気立ちのぼるこの土地で、戦慄の妻となり、望むのは──。
爽 清花・25歳 専業主婦 どこを? 何を? どうしてきれいに?
香取あんじゅ・27歳 会社員 さあ、備えよう。災いの足音は、聞こえてこないものだから。
家庭内の「明るい隙間」を描く傑作短編集
ネットオークションにはまる専業主婦、会社が倒産し主夫となった夫、ロハスに凝る妻に辟易する小説家の夫……など。あたたかい視点で描く新しい家族の肖像。第20回柴田錬三郎賞受賞作。(鑑賞/益田ミリ)