新宿・歌舞伎町で客引きとして生きる花田章は、日本に滞在させるため偽装結婚した中国人女性をふとしたことから愛し始めていた。しかしー。(表題作) 才能がありながらもクラシック音楽の世界を捨て、今ではクラブのピアノ弾きとして生きる元チェリストの男の孤独を描いた「スターダスト・レビュー」など、やさしくもせつない8つの涙の物語。
本書は建築環境工学のうちの、日照、日射、採光、建築音響(室内音響と騒音防止)に人工照明・色彩を加えた範囲について、著者が建築系学科で行った講義のノートをまとめたものであり、大学・大学院程度の教科書あるいは建築設計者、技術者の参考書を目標としている。
本書の目的は最適化問題を取り扱う際に必要となる基礎的な事柄を、主として凸解析の観点から解説することである。
本書は、熱力学が関連する物理量を熱平衡状態という概念をもとに、巨視的な立場から解説を試みている。1章から5章までは熱力学の基本的理解を試み、6、7章ではその応用として、機械工学が対象とする最も身近な作動流体である水の熱力学的性質や、いろいろなエネルギー変換サイクルについて、熱をエネルギーの流れから説明している。
植物や家畜の不思議な生命力を感じる観察のポイント。失敗しないつくり方・そだて方をその道の先輩がわかりやすく手ほどき。楽しい食べかた、加工・利用法。やってみたくなるおもしろ実験。歴史や文化や先人の知恵を発見。アサガオの「ジョーシキ」をひっくりかえすような、まかふしぎな世界。
「雨の名前」422語、「雨の写真」148点、「雨の詩とエッセー」35篇。雨の日を3倍に楽しむ本。辞典+歳時記+エッセー+写真集のアンサンブル。
今まで見えなかった部分は他の資料から補う、百衲本形式を採用。よくわからない文字には、骨格を線で示す“骨書”が、より難しい文字には、字形と筆順が付いています。
本書では「数学」を「整数についての数学」に限定。小数、無理数、三角関数、微分積分といったものについては、一切触れない。こうすることにより、数学における「感性」が養える。つまり、数学についての「知識」の入門ではなく、「感性」の入門書なのである。
なぜ子供は学校に行かなくてはいけない?素朴な疑問に、ノーベル賞作家はやさしく、深く、思い出もこめて答える。子供から大人までにおくる16のメッセージ。心の底にとどまる感動のエッセイ。
極道小説で売れっ子になった作家・木戸孝之介は驚いた。たった一人の身内で、ヤクザの大親分でもある叔父の仲蔵が温泉リゾートホテルのオーナーになったというのだ。招待されたそのホテルはなんと任侠団体専用。人はそれを「プリズンホテル」と呼ぶー。熱血ホテルマン、天才シェフ、心中志願の一家…不思議な宿につどう奇妙な人々がくりひろげる、笑いと涙のスペシャル・ツアーへようこそ。
進展するとみえて、なかなか思うようにすすまない勝利とかれんの「秘密の恋」。互いの心が見えなくて、不安になったりもしたけれど。そんな気分をすべて洗い流したくてふたりで来た鴨川。思いっきり海ではしゃいだその帰り、外房線の不通というアクシデントが。「…今日は、鴨川にいない?」消え入るようなかれんの言葉の意味が、ようやく理解できたとき勝利はー。はじめての、ふたりだけの夜。
花沢支配人は青ざめた。なんの因果か、今宵、我らが「プリズンホテル」へ投宿するのは、おなじみ任侠大曽根一家御一行様と警視庁青山警察署の酒グセ最悪の慰安旅行団御一行様。そして、いわくありげな旅まわりの元アイドル歌手とその愛人。これは何が起きてもおかしくない…。仲蔵親分の秘めた恋物語も明かされる一泊二日の大騒動。愛憎ぶつかる温泉宿の夜は笑えて、泣けて、眠れない。
『凍える牙』で、読者に熱い共感を与えた女性刑事・音道貴子。彼女を主人公にした初の短編集。貴子自身がゴミ漁りストーカーに狙われて、気味悪い日々を過ごす「あなたの匂い」。ビジネスホテルで無理心中した老夫婦の、つらい過去を辿る表題作など6編。家族や自分の将来に不安を抱きつつも、捜査に追われる貴子の日常が細やかに描かれる。特別付録に「滝沢刑事と著者の架空対談」。