本書では、司会者として心得ておきたいことや、ちょっと高度な司会テクニック、そして、すぐに応用できる行事別の司会実例を数多く紹介している。
語られたことはどうして理解できるのか。言語哲学と心の哲学の二つの領域に跨がる「意味と信念」を考え課題を整理した中級の入門書。
1990年頃を境に言語哲学は中心舞台を去り、代って心の哲学が躍り出た。その背景には、脳神経科学、コンピュータサイエンス等の爆発的な展開がある。だが言語哲学は役割を終えたわけではない。よりべーシックな位置へと移動したのである。本書はこうした趨勢を反映した、言語哲学と心の哲学の今後の実りある共働へ向けた試論である。
序論 語られたことをどうして理解できるのか
第一章 言葉は何を意味しているのか──語用論的意味論の提案
1 外延的意味論とは何か
2 意味内容の導入による外延的意味論の補完の試み
3 記号の語用論的解釈
4 語用論的解釈の擁護
第二章 信念総体が言葉の意味を規定する──全体論の検証
1 分析性とは何なのか
2 言葉の意味が変わるとき
3 意味の合成原理と全体論的制約はどう関係するのか
4 全体論からの帰結
第三章 フランス国王は禿か──前提と背景信念
1 記述の理論
2 使用の理論
3 前提とは何なのか
第四章 あなたが言いたいこと──公共の意味と話者の意味
1 直示の意味論・語用論
2 確定記述の帰属的使用と指示的使用
3 話者意味の特定としてのメタファー解釈
4 会話の含み
第五章 あなたは何を信じているのか──信念内容のパズル
1 事象信念のパズル
2 言表信念のパズル
3 信念帰属の分析
4 パズルの解法
第六章 双子地球の物語──語り手の視点
1 信念内容の把握とは何か
2 信念帰属の物語
3 語り手の視点と語られる者の視点
4 「意味」の意味
第七章 あなたの考えとは何か──「内在主義」対「外在主義」
1 内在主義と外在主義とは何なのか
2 環境と信念内容はどのように関わるのか
3 外在主義と一人称権威
第八章 言語の社会性と個人性
1 意味に関する懐疑と権威の承認
2 固有名の指示と権威の役割
3 言葉と心
註
あとがき
文献表
事項索引
人名索引
〈翻訳不可能なものの翻訳〉をめぐる、ポストコロニアル研究を牽引してきた最前線の研究者たちによる一大総括にして、新たな出発点
2020年2月、ポストコロニアル研究の世界的思想家がニューヨークに集結。異文化の間、政治と文化の間、男女の間など、いたるところに翻訳不能なものはある。それを超えたところに翻訳は成り立つのか。人間関係の他性、理解不能性の根源を問う、日文研主催の国際会議の成果。
◎目次
序文 磯前順一、平野克弥、プラダン・ゴウランガ・チャラン
開会挨拶ーータイムズスクエアの日文研 荒木浩
総論 タラル・アサド(茢田真司訳)
○第一部 翻訳不可能なものの翻訳
第一章 翻訳不可能なものを翻訳することーーポストコロニアル研究の総括 磯前順一
第二章 言語の数え方・人類の分け方 酒井直樹(大村一真訳)
第三章 翻訳とポストコロニアル研究の遺産 ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァク(舟橋健太訳)
第四章 神(々)を翻訳することーーポス トコロニアルという契機以後の宗教研究 ヘント・デ・ヴリース(久保田浩訳)
○第二部 東アジアにおける翻訳のポリティクス
第五章 日本酒 vs ワインーー夏目 漱石の「文化的翻訳(不)可能性」概念をめぐって プラダン・ゴウランガ・チャラン(山本昭宏訳)
第六章 セトラーコロニアルな翻訳ーー「文明化」作用とアイヌの声 平野克弥
第七章 日本の拡張主義イデオロギーを読み換えるーー戦時期の東亜聯盟運動に参加した朝鮮人 松田利彦
第八章 翻訳としての二〇世紀中国ーー中国及び空間革命における条件 汪暉(村島健司訳)
○第三部 円卓討論
ポストコロニアル翻訳論における翻訳不可能性とは何か?
酒井直樹、マリオン・エガート、ヘント・デ・ヴリース、ガヤトリ・C・スピヴァク、安井眞奈美、楠綾子、平野克弥、徐禎完、松田利彦、プラダン・ゴウランガ・チャラン、磯前順一(村島健司訳)
エピローグ 磯前順一、プラダン・ゴウランガ・チャラン
あとがきーー人文社会科学の今後に向けて 安井眞奈美
古今の芸術思想、言語・文学理論、英仏独語の表現に通暁した現代随一の批評家が、文化史、哲学史の沃野を渉猟しつつ、言語の複数性という巨大な謎に真っ向から取り組んだ、翻訳研究の古典。聖書やホメロスをはじめ、ヘルダーリン、ベンヤミン、ハイデガーほか無数の固有名への解釈から立ち上がる、語と意味の翻訳(不)可能性をめぐる遠大な思索。今日の人文学の必読書、上下巻完結。〔文芸批評・言語・思想〕
日本語版への序文
序章 共同体と諸地域
言語社会史/共同体の問題/比較研究/物語
第1章 「話を聞けば,どんな人物かが判明する」--近世における言語の発見
中世末期/言語の発見/欠損と余剰/1 言語史/2 言語の多様性
第2章 ラテン語 言語共同体への模索
教会のラテン語/文人共和国におけるラテン語
第3章 競い合う俗語群
革新派解釈とその諸問題/ルネサンスと俗語の賞讃/競い合い/言語領域/法律と行政/言語と政治/学術的分野/宗教の言語/翻訳/帝国主義/欧州での勝者と敗者/共通語としてのフランス語
第4章 標準語化する諸言語
印刷物の役割/規範化/綴字法と句読法/特定の方言の勝利/共通語の興隆/聖書の言語/印刷業者の役割/話しことば/求心力と遠心力
第5章 混ざり合う諸言語
言語学習/英語の事例/接触の場所/言語混交の実感/出会いと交流/新世界ポルトガル語の事例/欧州における混合/混合の場(メルティング・ポット)としての軍隊/実用上の混合化/遊戯的混合ーーマカロニ風借用の隆盛/言語的交換
第6章 言語の純化
純粋性を擁護する活動/ラテン語の純化/純化としての標準語化/防衛的純粋性,ルネサンスから宗教改革へ/一七ー一八世紀/反純粋派/純粋と危険
終章 言語と民族
一七五〇年以前の言語と民族/スコーネの場合/一八世紀後半/想像の共同体/民族主義と純粋性
訳者あとがき
年表
地図・付表
索引
正しく「無音の音」を響かせ、うまく「有音の音」を合わせれば、自然とあなたの毎日が整って、美しい「声」が生まれるのです。
アルファベット、漢字、アラビア文字…。世界にはさまざまな文字が存在する。日本人の場合、英語や中国語ならなんとなく読みが類推できるが、これがドイツ語・ロシア語、あるいはハングル、さらにはアラビア文字やヒンドゥーとなると、読むどころか、どこまでが1文字かわからないものまである。この事典の目的は、世界の様々な言語を、その言語にほとんど予備知識のない人でも、文字を声に出して読み、カタカナで転写することができることにある。旅行、ビジネスに、また人名や地名をカタカナ表示したい時、外国人の名前を正しく発音したい時などに大いに役立ち活用できる、今までなかったユニークな事典。
1:ラテン文字・ヨーロッパ
アイスランド語/アイルランド語/アルバニア語/イタリア語/ウェールズ(カムリー)語/英語/エスト
ニア語/オランダ語/カタルーニャ語/クロアチア語/スウェーデン語/スペイン語/チェコ語/デンマー
ク語/ドイツ語/ノルウェー語/バスク語/ハンガリー語/フィンランド語/フランス語/ポーランド語/
ポルトガル語/ラトビア語/リトアニア語/ルーマニア語
2:ラテン文字・ヨーロッパ以外
アゼルバイジャン語/アフリカーンス語/インドネシア語・マレー語/ウズベク語/ケチュア語/ズールー
語/スワヒリ語/ソマリ語/トク・ピシン/トルコ語/ハウサ語/バリ語・インドネシア地方語/ハワイ語
/フィジー語/フィリピン語/ベトナム語/ヨルバ語/リンガラ語
●コラム:中米の地名
3:キリル文字とその他アルファベット
アルメニア語/ウクライナ語/カザフ語/ギリシャ語/グルジア語/セルビア語/タジク語/ブルガリア
語/モンゴル語(キリル文字)/ロシア語
4:ブラーフミー系文字・インド
オリヤ語/カンナダ語/シンハラ語/タミル語/テルグ語/ヒンディー語/ベンガル語/マラーティー語/
マラヤーラム語
5:ブラーフミー系文字・インド以外
カンボジア語/タイ語/チベット語/ビルマ語/ラオ語
6:アラム系文字
アラビア語/ウイグル語/ウルドゥー語/ヘブライ語/ペルシア語/モンゴル語(縦文字)
7:東アジア・その他の言語
アイヌ語/アムハラ語/韓国語/中国語(拼音)/日本語点字
8:古代文字
エジプト象形文字/シュメール楔形文字/西夏文字/マヤ文字
●コラム:パフラヴィー文字と日本のかな・漢字
●コラム:アラビア系文字の拡がる世界
9:文字系統
アラム系文字/アルファベット/インド系文字/漢字
付録1:国際音標文字・発声器官の名称
付録2:言語・文字用語集
多くの日本人はこう思っています「日本なんてたいしたことない」
日本に住み、生活をしていると日本や日本人の魅力をなかなか感じることはありませんが、
外国人と結婚し、海外で暮らす期間の長かった著者は
「日本人ほど世界で尊敬されている人たちはいない」と感じるそうです。
外国には、日本や日本人を褒め称えるエピソードがたくさん伝わっています。
日本人は知らないけれど、その国の人は全員知っている、そんな話も多くあるのです。
デュランさんが、日本人の心性を読み解いていきます。
長年住んだヨーロッパから日本に戻ってきて感じるのは、
日常によく使う言葉で、日本人の精神性や品位を表すものが、
たくさんあると気づいたことです。
こういう私がいわば“惚れ直している”日本語のなかで、
ひときわすばらしい言葉を書き出してみると、共通点を見出せました。
日本語にしかない「お」の概念を、感じてみていただければと思います。
【目次】
・第一章 日本語にしかない「お」の概念
・第二章 おもてない
・第三章 おかげさま
・第四章 おてんとさま
・第五章 おめでとう
・第六章 おつかれさま
・第七章 おたがいさま
【著者】
デュランれい子(デュランレイコ)
1942年生まれ。文化学院美術科卒業。博報堂でコピーライターとして活躍、受賞多数。76年、スウェーデン人と結婚。スウェーデン、オランダ、ブラジルに住む。77年、「英国国際版画ビエンナーレ」で銅賞受賞。ロンドン、パリ、アムステルダムなどで個展、グループ展。その後、欧米のアーティストを日本へ紹介する。2000年、南仏のプロヴァンスに移住して執筆活動を開始。日本ペンクラブ会員。現在は日本に拠点を移し、執筆のほか、岐阜県高山市の“Can I Help You?”グローバルコミュニケーション講座での講師活動などをしている
1本の線が議論を変える!枠を使えば、話し合いが沸く、アイデアも湧く。
仕事や、結婚式でのお祝い、その他イベント等での定番スピーチ・あいさつのコツや実例をまとめたオールインワンの一冊。
豊富な場面を網羅しているので、スピーチする状況に合わせて応用できます。
使える言葉、気を付けたい言葉もやさしくフォロー。
これで信頼に確実に応えられるスピーチができます!
本書は、生成音韻論の黎明とされるSPEの前後から、最新の実験的・統計的手法に基づく音韻理論に至るまでの音韻論の歴史・進展を、時代別・テーマ別にその概要を俯瞰できるようにまとめた「百科事典的な音韻論の総覧」である。第一線で活躍する研究者たちが、音韻論に関わる13のテーマについての研究史を紐解き、その理論の意義や価値をまとめた。音声学・音韻論に携わる研究者・学生にとって有益な論考が掲載されている。
第1章 音韻理論の歴史概説
田中伸一&還暦記念出版委員会
Part I 黎明期(50〜60年代):音韻論の形式理論化
第2章 弁別素性と規則に基づく音韻理論(SPE)
山田英二
Part II 反抗期(70年代〜):SPEへのアンチテーゼ
第3章 自然音韻論
上田 功
第4章 韻律音韻論・自律文節理論
クレメンス・ポッペ
Part III 繁栄期(80年代〜):普遍性と多様性の探求
第5章 素性階層理論・不完全指定理論
平山真奈美
第6章 語彙音韻論と形態インターフェイス
本間 猛
第7章 韻律階層と統語インターフェイス
時崎久夫
第8章 生成韻律論
岡崎正男
第9章 統率音韻論とエレメント理論
那須川訓也
Part IV 転換期(90年代〜):新たな統語理論への収束
第10章 最適性理論:古典的標準モデル
渡部直也
Part V 円熟期(2000年代〜):それぞれの専門分化と多極化
第11章 最適性理論:重みづけによる発展型
熊谷学而
第12章 事例基盤モデル
橋本大樹
第13章 神経基盤モデル
黄 竹佑
第14章 進化基盤モデル
田中伸一
『生成音韻論の歴史と展望』特別企画 座談会「音韻論はどこへゆくのか」
高機能と使いやすさで人気の高いRubyによるテキストデータ処理を基礎から応用まで分かりやすく解説。今までできなかったことが可能になり、手作業で行ってきたことが大幅に効率化。日本語研究だけでなく、あらゆる種類の研究、仕事、日常のデータ処理に幅広く活用できる知識がこの一冊でわかる。
生成文法理論の最大の貢献は、その目標自体(=個別言語の言語能力および普遍的言語獲得能力を明示的な形で表現するための理論装置の開発)が、理論・実証両面で多くの発見を促し、統語分析の質を飛躍的に高めたことにある。最近の主流をなす極小主義プログラムは野心的であるが、理論と経験的事実との健全な相互依存関係が希薄になる傾向が見られる。著者は極小主義に立つ多くの研究が依拠する基本的仮定群を再検討し、生成文法の基本理念に基づくより妥当な文法理論の建設を目指す。