年に1回、上野の美術館で開催されていた読売アンデパンダン展。それは、出品料さえ払えば誰でも出品できる無審査の展覧会で、1960年代には絵の具とガラクタと青年たちの肉体と頭脳とが灼熱した坩堝だった。当時、出品作家でもあった著者が、目撃者として、作品や読売アンデパンダンで培養されつつあった不確定性の芸術〈ハプニング〉について描く。
いつもと違う時刻に就寝の挨拶にやってきた伜。まさかあの味気ない会話が親子今生の別れになるとはー。翌日、三島由紀夫は自ら生涯を閉じた。生き急いだ彼を、肉親はいかに見つめていたのか。毒舌家で知られた実父が、独特の諧謔を連ねつつも、愛息の誕生から「事件」まで、無念の思いを滲ませて描いた回想の記。
街なかにひっそりとたたずむ、無用だけどなぜか人の心をとらえて離さない「トマソン」。第一物件発見から24年、トマソンと命名されてから14年、多くの観察者によって採集されてきた無数の物件写真のなかから、21タイプ304物件の名品を精選し、詳細なデータ・コメントを付した、世界初の大図鑑。本書には第一発見物件である「四谷階段」に代表される「無用階段」はじめ7タイプ156物件を収録した。
本書には「高所」「ウヤマ」「カステラ」など14タイプ148の物件を収録した。トリを飾るのは、トマソン物件中もっともポエティックなものとして近来人気の高まっている「蒸発」タイプである。
こう見れば日本美術が面白くなる!大胆不敵・奇想天外の新発見・新推理!雪舟=長嶋説から安井曾太郎前衛説まで俊英の鬼才の21世紀式日本美術鑑賞法。
その夜、年明けの挨拶回りにつきあわされ、くたびれ果てて帰宅した恭子を待っていたのは、高校時代のクラスメイト、恵からの電話だった。「お正月早々に墓掘りすることになったんよ」-。表題作「厄落とし」をはじめ、青春ホラーの傑作短編5編を収録。第6回日本ホラー小説大賞短編賞「お葬式」につづく、待望の書き下ろし。
長さや大きさが違って見える錯視図形。ある条件で見ると絵が現れてくるアナモルフォーズ。一つの絵が二つに見える多義図形。物を集めて人の顔を描いた画家アルチンボルドの世界。自分の眼が信じられなくなる不思議で楽しい遊びの百科。
元祖インターネットPC・アプティバ、ゲームビジネス、ゲームマシンのネット接続、そしてブロードバンド。常に時代の半歩先を歩き、実績を残してきた名物男が明かす「自分のために仕事をする方法」とは。
性の起源から解き明かし、進化と自然淘汰による性比の偏りを、論証する。アオウミガメの卵は28度以下だとオスになり、30度以上だとメスになる。アカシカは順位の高いメスが息子を多く生み、低いメスが娘を多く生む等、具体的事例を交え、生物の性比の謎を、わかりやすく解説する繁殖生態学入門書。
1ねん1くみで、とつぜんテストがあったんだよ。くろさわくんは0てん。だけど…みんなが100てんになるまでテストをしたんだ。だからくろさわくんも100てん。とってもうれしそうだった。
内戦を勝ち抜いたアンリ四世。実母と抗争するルイ十三世。「太陽王」ルイ十四世。愛人たちに溺れたルイ十五世。そして断頭台の露と消えたルイ十六世。強き王と華麗なる人間模様が織りなすフランス絶対王政の栄華と自壊を活写する。
赤瀬川原平の眼がとらえた猫たちの作法。