長時間労働、過労死、社畜、経済摩擦…。繰り返し指摘されてきた、日本の企業中心社会が作り出す歪み。だが、従来の議論ではある問題がー女性と男性が直面する〈現実〉の違いがー忘れられてはいなかっただろうか。「ジェンダー(性別)関係」をキーワードに、あらたな角度から現代日本の構造と動態をとらえる刺激的な試み。
世界の男女平等趨勢に照らして、不公正と言うべき日本の労働・生活・政策のジェンダー・バイアス。日独比較を通して変革のために何が必要かを説く。
映画と文学からのアプローチ。アメリカの現在の文化情勢を文学的な立場から概観する。たんなる文学研究から文化研究へと視野を広げることで、多元文化主義にもとづく「アメリカの近代」の姿が、その矛盾とともに浮かび上がる。
ヴェトナム系アメリカ人の女性の眼で、アジア・アフリカの「周縁性」を解体するー詩的に、そして分析的に。ドキュメンタリー映画論ほか、挑戦的な批評。
教育現場に自信と誇りを取り戻すことはできるだろうか。偏見にみちた短大のイメージを壊し、学生と教員の本音を引き出す。
家族単位から個人単位へ。差別的な社会秩序の変革を目標に、われわれの常識、法律・福祉など具体的諸制度を考察する。男女両性にとっての解放論。
芸術作品として鑑賞されてきた日本の絵画をもう一度見なおしてみよう。美しくあるいはエロチックに描かれたたくさんの女性像がある。これら女性像はどういう状況の下で描かれたのか。平安時代から近代まで、絵画に描かれた女性像をとりあげ、時代や社会が女性に何を求めていたのか、女と男の関係はどうなっていたのか、その隠されたメッセージを読み解く。新しい美術史入門。
いま『女性として生きる』とは?「女らしさ」を再生産する文化的装置と社会心理を徹底的に解明し、女性が真にエンパワメントする条件を追求する入魂の労作。
近代日本の思想モラルの本質を問う。
両性の平等教育は、文化的、歴史的に形成された性別秩序ージェンダーを見直し、旧来のそれにとらわれない、対等・平等な関係を男女生徒にいかに育てていくかというジェンダー・フリーの教育としてもとらえられ、実践されるようになってきた。本書は、これまで全国各地で行われたすぐれた実践を皆で共有し、さらに発展、普及させることを目標とするもの。小、中、高のさまざまな教科で授業として取り組まれた実践、授業以外の諸活動による実践を取りあげている。
フィールドワークをもとに伝統と近代の相克の中で変わるアジア・オセアニアの女性たちを描く。
ヴィクトリア時代の社会は、社会階級と性差によって、明確に階層化されていた。そのなかで女性はその階層に「ふさわしい」生活を送るために、どのように教育されたのか。また、その教育の様式は時代を経てどのように変わっていったのか。イギリスの代表的女性史・女性学研究者の一人である著者が、放送大学のテキストとして書いた、イギリス女性教育史のスタンダード版。
日本における現在、過去のイメージ・身体文化における「女」「日本」「美」という表象の語られ方を改めて問題化、その背後にあるイデオロギー的な権力を問い直し、新たなジェンダー批評を探究する。
はじめに 今改めて「女」と「日本」と「美」について考える………熊倉 敬聡
第1部 ジェンダーで読み解く美と権力
Introduction いま現在を生きる「あなた」と「私」の間に………千野 香織
ジェンダーの視点から見る古代・中世の宮廷絵画 近・現代の視点の相対化を目指して………池田 忍
韓国近代美術におけるジェンダー 植民地期官展の女性イメージをめぐって………金惠信
日本国天皇の像をジェンダーで読む………加納実紀代
知の植民地体制と日本的であること 理論と同時的な共同体をめぐって………酒井 直樹
美術館・美術史学の領域にみるジェンダー論争 1997-98………千野 香織
ジェンダー研究とアレルギー………光田 由里
ジェンダー論による美術史研究への批判の構造………鈴木杜幾子
第2部 現代の表象文化とセクシュアリティ
Introduction ジェンダー批評の「空白」を超えて………熊倉 敬聡
ロック・ポップスにおける異文化間のスタイルと意味の伝播 デヴィッド・ボウイのセクシュアリティを中心に………小倉 利丸
これは仮定だけど、そんなときはぼく 少女まんがと同性愛………足立 典子
異形から異装へ 晒された身体の変容………鴻 英良
第3部 ARTとACTの狭間で
Introduction「私は常に当事者でありたかった」………熊倉 敬聡
「女」?「日本」?「美」?ノート………森村 泰昌
「他者」の視線と向き合う………嶋田 美子
「脱芸術」的実践に向けて………熊倉 敬聡
おわりに ジェンダー批評の未来へ………千野 香織