いま激動する社会に最適なかたちを模索して試行錯誤する日本の家族。進化心理学、文化心理学など新たな視点をも統合した、新しい家族心理学。
織工として定収入を得る人から、彼女たちの家事を代行して稼ぐ人まで、戦間期にイギリスの女性の働き方や暮らしは一気に多様化する。理論と実証研究の統合を目指した意欲的なオーラル・ヒストリー。一九二〇年代以降にイングランド北西部、ランカシャーで就労していた女性の経験について、一九九〇年代初頭に実施した調査をまとめたもの。
子どもの多様な性の世界へ
1人ひとりが異なる性のありようを描く子どもたちの姿を、どのように理解すればよいのか。園・学校や地域社会における性の多様性を尊重する環境づくりと、アイデンティティの観点に立った子どもたちへの支援とは。子どものジェンダーとセクシュアリティの発達に関して、基本的な理解と支援のあり方を丁寧に解説する。
序章 性的マイノリティのカテゴリー
第1章 心理的性の発達
第2章 性の多様性を尊重する園・学校,地域社会
第3章 セクシュアル・アイデンティティ支援
第4章 ジェンダー・アイデンティティ支援
第5章 医療的身体介入を求めている子どもへの支援
「ケア」と「ジェンダー」の両概念の「定義」に正面からアプローチし、
福祉社会学を多様な視点と分析手法によって考察した意欲作。
本書は、編者である西下が名古屋市内にある金城学院大学に在職当時に指導した社会学専攻博士課程大学院生あるいは修士課程院生であったメンバー達と共同で執筆している。筆者は、30代前半から40代後半まで14年間在職しており、その間に指導した院生達である。ここ数年にわたる活発な議論を通じて本書は完成している。
本書は、幾つかの特色をもつ。まず第1に、本書のタイトルに入る「ケア」と「ジェンダー」の両概念についてそれぞれの「定義」に正面からアプローチしている点が挙げられる。具体的には、序章でケアとジェンダーに関する先行研究の定義を参照し、批判的に検討した上で筆者の暫定的な定義を提示している。第2に、これも本書のタイトルに入る「福祉社会学」の概念が、その定義において重層的であることを明らかにした点が挙げられる。つまり、福祉社会学は、第1に社会学の一分野である連字符社会学であり、第2にあるべき福祉社会を模索する学際的な科学であるという2層から構成される概念であると理解する。その考え方は、前職の大学で「福祉社会学科」を新設する際の基本的な枠組みとなった。第3に、具体的なトピックスとして各執筆者の研究キャリア上で選ばれた介護制度、子供の共同監護、女性労働、単身高齢者、路上生活者に焦点が当てられ実証的な分析が行われている。その際、国際比較の視点あるいは国内比較の視点、共時的視点、通時的視点といった様々な視点から多様な分析が展開された。第4に、本書は大学の学部、大学院の教科書として使われることを意識して執筆された。具体的には、多くの章で、章の最初に理論的な考察や理論的な背景の説明がなされ、その考察や説明を踏まえた「人々の語り」(質的データ)が多様な方法で事例分析されている。教科書としての分かりやすさが、十分に発揮されていると考える。意欲に満ちた本書が広く長く読まれることを期待したい。
ヨーロッパ中世、近世イタリア、戦中・戦後の日本映画、ピンクリボンキャンペーンなど、古今東西の乳房イメージと社会との関係を明らかにして、女性の身体そのものから乖離している乳房イメージと、それに密接に絡み合うジェンダー力学を解明する乳房文化論。
はじめに 山崎明子
第1章 男/女の差異化ーー医学的言説における乳房 黒田加奈子
1 医学史概略とジェンダー
2 医学史に見る乳房・乳をめぐる言説ーー体液としての乳
3 薬剤としての乳
第2章 美の威嚇装置 山崎明子
1 ピンクリボンキャンペーンとは
2 ピンクリボンキャンペーンの歴史
3 蓄積される乳房の表象
4 新たな意味創造の困難
5 「乳がんではない」美しい身体
6 表象の裏切り
7 ピンクリボンキャンペーンをめぐる表象の政治学
第3章 「聖戦」論理の構築 池川玲子
1 戦時下日本映画にみる「授乳」のイメージ
2 銃後映画の「授乳」イメージ
3 戦地・占領地映画の「授乳」イメージ
4 満洲移民映画の「授乳」イメージ
第4章 都市秩序の再生 新保淳乃
1 ペスト危機と乳房イメージ
2 ペスト図像での乳房イメージ
3 授乳しない乳房の系譜
4 都市秩序の再生
第5章 男性優位のジェンダー秩序の再編/強化 千葉 慶
1 「危機」の時代の/「危機」に抗する日本映画ーーレイプ表象の生産/消費の背景
2 「俺たちをケダモノにしたのはお前たちじゃないか」--「劣情有理」とレイプ表象
3 「あんたも、お嬢さんなんて仮面を早く取ることだな」--「レイプ神話」の定着へ
あとがき 山崎明子
第16回山川菊栄記念賞。摂食障害の経験をもつ女性の感情や気持に耳をかたむけ、女性と性をとりまく問題を明るみに出す。
自分を愛して行っているはずの行為が、自分を抑制することにつながっているという逆説的状況が、フェミニズムに対するバックラッシュの一環として生みだされている。摂食障害をめぐる状況は刻一刻と変化しているが、私が強調したいことは、「自己肯定」とか「自己発見」とかいった口あたりのよい言葉にからめとられることなく、現状を批判する作業を続けていかなければならない、ということである。<あとがき>より
はじめに
序章 社会現象としての摂食障害
1 原因をめぐる論争
2 「女性の時代」と摂食障害
3 ジェンダーが摂食障害をつくる
4 インタヴュー調査にあたって
第一章 ジェンダーの呪縛
1 かわいい女の子でいたい
2 やせた女性が美しい
3 やせればよいことがある
4 私を認めてほしい
第二章 どのように「摂食障害」になるのか
1 ダイエットの社会的な意味
2 嘔吐の学習
3 摂食障害というアイデンティティ
4 悪循環の回路
第三章 摂食障害からの脱出
1 生きる方向の発見
2 フェミニズムと出会う
3 脱出は解決への第一歩
第四章 女性誌からのメッセージ
1 二つの傾向ーー解説型とルポルタージュ型
2 摂食障害になりやすいタイプ
3 正しいダイエット
4 女性身体の自己管理
5 自己発見の病いという美化
終章 女性身体の肯定へ
1 解釈という政治
2 「心の病い」とフェミニズム
3 自己肯定と語りによる回復
補論 摂食障害の原因をめぐる議論
1 母子関係原因論
2 文化・社会原因論
協力者のプロフィール
インタヴュー募集のチラシ
あとがき
主要参考文献
索引
1980年代から現在に至るまで活躍する女性作家たちの小説を、結婚制度とそれにまつわる社会状況を照合しながら多角的に考察する。
凡例
序 章
第一節 「結婚小説」の解体
第二節 近代文学研究における「家族」(一)-家庭の崩壊と女性表現の批判性
第三節 近代文学研究における「家族」(二)-家族の「多様化」という評価
第四節 近代文学研究における「家族」(三)-「家族」概念の操作
第五節 本書の研究方法と目的
第六節 本書の構成と概要
注
第一部 結婚の境界線を探ること
第一章 労働と結婚を繫ぐものー山本文緒・絲山秋子の女性表象からー
第一節 均等法以後ー篠田節子『女たちのジハード』が残したもの
第二節 ゲームの裏切りー山本文緒「囚われ人のジレンマ」
第三節 「無意味さ」としての女性身体ー絲山秋子「勤労感謝の日」
第四節 均等法が残したもの
注
第二章 暴力からの脱出/他者への接近ー津村記久子「地下鉄の叙事詩」論ー
第一節 公的領域としての鉄道内空間
第二節 新自由主義の内面化
第三節 暴力の空間
第四節 満員電車という環境下のジェンダー
第五節 公共空間における偶発的なすれ違い
注
第二部 異性愛主義の延命
第三章 結婚をめぐる争いー笙野頼子『説教師カニバットと百人の危ない美女』論ー
第一節 文体と物語内容
第二節 「怒り」の居場所
第三節 「愛」と「不公正」の狭間
第四節 もう一つの争い
第五節 生活を共にする「猫」
注
第四章 教化される感覚ー多和田葉子「犬婿入り」論ー
第一節 「郊外文学」の系譜
第二節 国立市の歴史をめぐって
第三節 伝播する犬婿伝承
第四節 忘却された感触
注
第五章 包囲される/衝突する女性同性愛ー松浦理英子『ナチュラル・ウーマン』における欲望と関係性ー
第一節 「女性同性愛」表象の分析にまつわる困難
第二節 婚姻制度の牽制
第三節 白と赤の衝突
第四節 欲望と関係性の差異をめぐって
第五節 「完璧な眺め」を見下ろすなかで
注
第三部 選択肢としての結婚/まとわりつく結婚
第六章 親族関係という「蜘蛛の巣」-金原ひとみ作品の二人組と結婚ー
第一節 金原作品における「結婚」の機能
第二節 「不妊」の行方
第三節 「母」になる/させられるということ
第四節 子供の「親」とは誰なのか?
注
第七章 「不幸」な結婚が意味するものー鹿島田真希「冥土めぐり」論ー
第一節 結婚の「新たなモデル」?
第二節 「冥土めぐり」の快楽
第三節 「母殺し」の方法と脱出の構図
第四節 飼い慣らされる「不幸」
注
第八章 「家族」を作らないという選択ー姫野カオルコの介護作品を中心にー
第一節 「介護の社会化」の後に
第二節 滑川までの「三時間」
第三節 赤江朋子の家族構成
第四節 鶯小屋からの親密性
注
終章
第一節 各章の要点
第二節 偶発的な親密性を取り込むこと
注
後記
女性と政治を隔てているものとは何か?
共同体に滅亡をもたらす者、革命家として憲兵の刃に倒れる者、産まれたばかりの我が子を手にかける者……死と暴力にまみれ、恐怖(テロル)の相貌を帯びた女性たちはなぜ描かれたのか。
19、20世紀を生きた作家たち、宮崎夢柳・福田英子・平林たい子・三枝和子の諸作品から、今なお根強く残るジェンダー秩序と、女性表象や女性解放をめぐる問題に鋭く切り込む。
凡例
序章 公/私区分とジェンダー
1 自由と女ー宮崎夢柳の政治小説
第一章 「佳人」の死ー「芒の一と叢」における女性表象
はじめに
一 「諸君は此の髑髏の誰れたるを知るか」
二 勤王志士の系譜
三 女性像の転換
おわりに
第二章 土佐を歩く夢柳ー初期テクストと土佐自由民権運動の距離
はじめに
一 夢柳と土佐自由民権運動
二 陽暉楼/得月楼
三 「近水の楼台月の面影」
四 「芸郡紀遊」
おわりに
第三章 「鬼啾啾」における「主義」と「私事」
はじめに
一 女性像の変遷
二 公/私区分の再編と「自由」な政治的主体
三 「私事」としての女権論
おわりに
2 階級と女ー福田英子と平林たい子
第四章 「女壮士」の行方ー景山英子から福田英子へ
はじめに
一 英子をめぐる言説1-崇拝と侮蔑
二 英子をめぐる言説2-〈公〉か〈私〉か
三 『妾の半生涯』の同時代的文脈と戦略
四 「婦人世界」における女性解放論
おわりに
第五章 「理知」と「意志」のフェミニズムー平林たい子における公/私の脱領域化
はじめに
一 「承認」の政治からの再評価と批判
二 「理知」と「行動への意志」
三 「施療室にて」
おわりに
第六章 境界をめぐる物語ー平林たい子「夜風」論
はじめに
一 公的な活動様式
二 「身辺的認識」からの脱却
三 農民文学をめぐる論争
四 「夜風」
おわりに
3 文化と女ー三枝和子のフェミニズム・ディストピア
第七章 亡霊的な「女性原理」-「鬼どもの夜は深い」を中心として
はじめに
一 滅亡への志向性
二 亡霊としての「女性原理」
三 「鬼どもの夜は深い」
四 一九八〇年代フェミニズムにおける和子の位相
おわりに
第八章 「自由」への憧憬と懐疑ー『八月の修羅』から『隅田川原』へ
はじめに
一 第二波フェミニズムと「自由」
二 『八月の修羅』
三 「江口水駅」
四 「隅田川原」
おわりに
第九章 友でもなく、敵でもない者
はじめに
一 「敵」と「友」の境界線の混乱
二 「「法」ロゴス」と「エリーニュス」
三 「幽冥と情愛の契りして」
おわりに
終章 テロルの女たち
初出一覧
あとがき
索引
原初史の最初に出てくる天地創造物語は史実なのかどうかが争われてきた。宗教と科学の対決とも言われてきた。しかし、この物語が史実なのか神話なのかという二者択一の問いを立てること自体が、原理主義にとらわれた行為ではないか。原理主義からの解放を視野に入れながら、原初史物語に託された「聖書の著者(たち)」からのメッセージは何かを聴きとる。
はじめに
1時間目 旧約聖書の構成、成立、伝達
1.聖書のよみ方
批判的に聖書を読む
批判と非難
「歴史を学ぶ」とは?
聖書との対話を通して
2.「旧約聖書」とは何か
「旧い契約」「新しい契約」
「契約を切る」
四つの契約
70人訳聖書
構成について
新共同訳聖書
五書の成立、ヴェルハウゼンの提唱
スピノザの排斥
マルチン・ノートーー『モーゼ五書伝承史』
書記の誕生
正典化・キャノナイゼイションの過程
正典化の必要性
公的朗読
死海写本
ソーフェリーム・数える人々
2時間目 天地創造物語
はじめに神は天地を創造した
闇から光りを
希望の光
パターンのくり返しと、言葉による創造と行為による創造
左右対称に込められたメッセージ
クリエーショニズムー創造主義と進化論
信仰の告白
生きることの意味
バビロニア捕囚
バビロニアの信仰体系との対決
バビロニアの創造物語
神々の奴隷としての人間、「神の似姿」しての人間
神の像の「民主化」
3時間目 アダムとエバ物語
「人間は土の塵から造られた」
「エデンの園」
「マイムマイム」
地に仕える僕
善悪の知識の木
エバの創造
父母を見捨てて
蛇の誘惑
関係の崩壊
原因譚
エバ、「命」
アダムとエバの関係
問題の箇所
アーダームは男か
ケネグドーーー彼と向き合う助け手
男性だけの翻訳委員会
4時間目 ノアの洪水物語
カインとアベルの物語
二資料仮説によるノアの洪水物語
J版洪水物語
P版洪水物語
増補改訂仮設
神による継続的創造
古代オリエントの洪水物語
5時間目 バベルの塔物語
物語のような歴史、歴史のような物語
通時的研究・共時的研究
著者が託した主張
バベルの塔物語を読む視点
嫉妬による殺人
人間の悪への裁き
バビロニアのバベルの塔
多様性の祝福
多様性を生き抜く
むすび
おわりに
参考文献
『もうひとつの声で』初版から四十余年。〈ケアの倫理〉の首唱者がたどり着いたラディカルな新境地!
ケアの倫理が発しているのは、〈もうひとつの〉声にとどまらず、ジェンダー二元論や家父長制の支配に抵抗し、全ての人びとの解放を志向する〈人間の〉声にほかならない。「不逞不遜な大胆さ」を奮い起こして、この世の不正義に抗おうーーそう私たちに呼びかけてくる。
著者キャロル・ギリガンは第40回京都賞2025(思想・芸術部門)受賞。
エピグラフ
著者と訳者の往復書簡
緒言
序
第一章 女性たちの声と女性たちの沈黙
第二章 妊娠中絶の意思決定について誰しもが沈黙する理由
第三章 イヴの登場
第四章 道徳的損傷/毀損
第五章 もうひとつの声で 第二幕
結び ケアの倫理
原注
初出一覧
訳者あとがき
文献一覧
用語索引
1980年代以降の生活保障システムを詳細なデータを基に跡づけ分析し,日本の社会・経済の脆弱性を照らしだす。特に貧困や地域格差など偏ったお金の流れ,個々人の「生きにくさ」がジェンダーと深く関わっていることを明らかにする。迫力ある著者待望の書。
序 論 危機や災害に脆い社会
第1章 所得の格差・動態にかんするデータ─ミクロとマクロ
第2章 生活保障システムというアプローチ
第3章 福祉レジーム論をふりかえる
第4章 生活保障システムの3類型と日本
第5章 「失われた20年」のガバナンスの推移
第6章 「失われた20年」の始まり─1990年代のガバニング
第7章 小泉改革とはなんだったか─2000年代のガバニング
第8章 生活保障システムの比較ガバナンス─2000年代の日本の座標
終 章 グッド・ガバナンスに向けて
ジェンダー平等をめぐる教育現場での錯綜は男子になにをもたらすか。
男子の学力不振、厄介者の男子、「男らしさ」の市場価値の下落……
男のあり方をめぐるパラドックスに迫る。「男性優位社会」日本における 男の生きづらさ とは。
第1章 男子問題の時代? -男子をめぐる論争の展開と構図ー
第2章 男性支配のパラドックス -男の生きづらさ再考ー
第3章 下落する「男らしさ」の市場価値 -産業構造の変化と男性支配の再編ー
第4章 ジェンダーの正義をめぐるポリティクス -保守・平等・自由ー
第5章 個性尊重のジレンマ -〈男女平等教育〉の実践事例からー
第6章 分けるか混ぜるか -別学と性別特性をめぐる言説の錯綜的展開ー
第7章 男子研究の方法論的展開 -「ジェンダーと教育」研究のさらなる可能性ー
日本、東アジア、西洋、イスラムーー
王を支えた女性たちはどのように生き、どのような役割を果たしたのか?
社会構造における共通性、独自性はなにか?
宮廷女性をキーワードに時代や地域を横断し、政治に参加した女性の姿を浮かび上がらせる。
後宮・奧・ハレムと呼ばれる日本・アジアのみならずヨーロッパ諸国の「奥向き」について、組織面・制度面、そこに属する人々(后・妃嬪。女官・男官)に加え、彼ら彼女たちが携わった儀礼・文化にも目配りしながら検討を行った。地域・時代を越えた比較検討を行うことで、多様性を見いだすことが可能となり、多彩な「宮廷女性」像・「奥向き」像を提示することができたと自負している。(「はじめに」より)
………………………
〈目次〉
座談会 宮廷女性研究の現在と未来
第1部 宮廷内で働く女官・女房たちの仕事から考える
「采女」と女性の「貢」--日本古代国家の人材登用と男女の出仕(伊集院葉子)/中世日本の「後宮」--後継者の「生産」に果たした役割(松薗斉)/女房としての紫式部(倉本一宏)/後宮女房の生涯と人事ーー中世〜近世移行期日本の女房職の相伝性(神田裕理)/明代の女官についてーー後宮の管理と後宮儀礼の実態(前田尚美)
第2部 性差から宮廷内の役割を考える
中世日本の日記における女性のよばれ方(村井章介)/オスマン帝国ハレムのジェンダー秩序(小笠原弘幸)/モンゴル帝国の宮廷の女性が果たした政治的役割(宇野伸浩)/レディース・イン・ウェイティングの役割とその影響(山木聖史)
第3部 出自・身分・宗教による所属集団から考える
尼となる后妃たちーー南北朝〜隋唐時代の後宮(松下憲一)/足利将軍家の「妻(室)」と「母」--その呼称をめぐって(木下昌規)/室町・戦国期の尼寺と尼僧ーー南御所・入江殿を中心に(高鳥廉)/幕末維新期の公家女性と奥ーー菊亭美子の妻・未亡人・母として担った役割(田中暁龍)/女子修道院の歴史とその文化活動(滝澤修身)
女性はなぜ生きづらいのか。常識を疑う叛骨の精神が組み込まれたジェンダー概念を用い、政治学に埋め込まれた男性の優位性、女性に対する抑圧と排除、男性と女性の不公平な関係に焦点を当て、市民社会やリベラル・デモクラシーに内在する不平等を解き明かす。政治学の土俵でフェミニスト・アプローチの可能性を探る。
序章
第一章 フェミニズムとジェンダー
1 第一波フェミニズム──女性の権利獲得運動
2 第二波フェミニズム──女性解放運動
3 多様化の時代のフェミニズム──「再分配」から「承認」へ
4 分析概念としてのジェンダー
結語
第二章 「性」の支配──女性はなぜ敗北したのか
1 支配システムとしての「家父長制」
2 家父長制と資本主義
3 家父長制の起源
4 家父長制の定着
結語
第三章 「労働」の支配──ジェンダー役割分業観念はいかに構想されたのか
1 西洋社会の女性と労働
2 ブルジョワ階級女性をめぐる労働と生活の変化
3 資本主義はなぜ「ジェンダー役割分業」を必要としたのか
4 ジェンダー役割分業の行方
結語
第四章 リベラリズムにおける排除と包摂──平等のディレンマ
1 フェミニストのシティズンシップをめぐる議論
2 古典的リベラリズムの排除の論理
3 ソーシャル・リベラリズムの二面性
4 普遍的平等の不平等
結語
第五章 リベラリズムにおける平等と差異──「積極的平等」をめぐる批判と反論
1 積極的平等政策
2 機会の平等、能力主義への挑戦
3 不名誉な烙印
4 派閥の台頭
5 本質主義への回帰
結語
第六章 ジェンダー不在の市民社会──フェミニストの批判
1 市民社会概念
2 市民社会と女性
3 フェミニストの市民社会(論)批判
結語
第七章 市民社会の再構想──「重なり合う、切れ目のない世界」の提案
1 アイリス・ヤングの市民社会モデル
2 ヤングの三層モデルの効果
3 ヤングの三層モデルの課題
4 重なり合う、切れ目のない世界
結語
第八章 リベラル・デモクラシーの不平等──議会における過少代表
1 リベラル・デモクラシーの不平等
2 政治社会の先住集団と後続集団
3 女性議員の多寡を左右する要件
結語
第九章 リベラル・デモクラシー再訪──議会代表と議会外代表
1 記述代表と実質代表
2 議会を越える女性の政治代表
3 議会外代表の強調が引き起こす問題
4 議会代表の潜在力
結語
終章
参照文献
あとがき
索引
近世の版本、ポスター・雑誌、CM、流行歌、映画、小説などの多彩な資料から、遊女、町娘、農婦、上流階級女性、モダンガール、作家、街娼、女工、主婦の喫煙や「たばこ屋の娘」の表象、戦争とたばこ、嫌煙権、分煙社会の方途に挑んだ意欲作。
被爆国がなぜ原発大国になったのか?ヒロシマはなぜフクシマを止められなかったのか?なぜむざむざと54基もの原発建設を許してしまったのか?-。
イギリス帝国が海を隔てた植民地下の帝国臣民および被支配民に与えた影響を考察する。政治・外交史というこれまでの植民地史のアプローチを超えて、ジェンダーやマイノリティ問題などにも言及しており、多文化社会のイギリスを考える上で重要な本となろう。
初版への序文
第二版への序文
日本語版への序文
目次
地図
第1章 王国の統合
第2章 奴隷、商人、商業
第3章 「新世界」への入植
第4章 アメリカ合衆国独立以降
第5章 インドにおけるイギリス
第6章 グローバルな成長
第7章 帝国を支配すること
第8章 支配されるということ
第9章 ジェンダーとセクシャリティ
第10章 イギリス帝国への抵抗
第11章 脱植民地化
謝辞
訳者のあとがき
年表
索引
ベル・フックスのアメリカ黒人現代アート批評、待望の邦訳。白人至上主義的・資本主義的・家父長制による排他的な視覚の政治学が深く浸潤する現代アートとその批評、システムの内部にメスを入れ、真の黒人の美学を開示する。
社会学するとは何かーメディアを通して様々な「常識」や「記憶」が創られている。身近な文化現象を、理論/歴史/流行現象の視角から再考し、社会学を「実践」することの面白さと奥深さを開示する。