本書は松尾壽之先生(国立循環器病センター研究所名誉所長・元宮崎医科大学学長)をリーダーとするホルモン研究師弟チームの幾多の新発見を成し遂げた輝かしい業績をわかりやすくまとめた書である。その成果は八章に詳述されているように、臨床面でも多大な貢献をしている。この研究チームの究極の目標は細胞たちが交わす言葉を解明して細胞言語学の新しい側面を掘り起こしていくことであるという。新発見を成し遂げるためにブタ数十万頭の脳を収集したという、非常にスケールの大きな研究に読者は驚かされるだろう。
序章 未知の脳ホルモンを探す
第一章 ストックホルムへの道ー内分泌学におけるギルマン(Guillemin),シャリー(Schally)の先陣争い
第二章 新しいペプチドホルモン探索法ーポスト・ゲノムシークエンス時代のホルモン探索
第三章 脳と下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)
第四章 脳とグレリン
第五章 脳とオレキシン
第六章 脳と性腺刺激ホルモン・インヒビン
第七章 脳とナトリウム利尿ペプチド
第八章 ホルモンの構造決定から医薬品開発まで
座談会 脳のホルモンをめぐって
福島原発事故をテーマにした、朝日新聞連載の書籍化第6弾。事故からまる3年が経過したが、被災地の復興はほど遠い。故郷を追われた人々の多くは、帰還をあきらめはじめている。被災者の苦悩と真実の叫びを追い続ける渾身のルポルタージュ。
耐震強度偽装事件以前の日本の構造設計がどのように展開されていたか。1990年から2006年までの17年間に起こった構造デザインの潮流について、実例を通してたどり、明らかにした。
これから10年、大転換後の大局を読む!各分野を代表する識者たちが「次なる社会」の行方について論じる。
建築家の黒川紀章(1934-2007)は日本を代表する建築家であり思想家である。1972年に東京・銀座に竣工した中銀カプセルタワービルの再利用が発表となり大きな話題を呼んでいる。2022年春に建物が解体されたあと、140個のカプセルは取り外され海外の美術館に展示し、国内各地で宿泊施設として用いられる。黒川は弱冠26才で建築を新陳代謝させる理論運動「メタボリズム」を展開し、1969年にカプセル宣言を行った。コンパクトで機能的な未来の住まいと、インターネットを用いたノマドなライフスタイルを既に50年前に予言していたのだ。1970年の大阪万博のパビリオンや、1973年の別荘カプセルハウスK、1979年に発明した世界初のカプセルホテルなどを、関係者の証言を元に検証し、新たに撮り下ろしたカラー写真と図面で解説する。また、今後のカプセル建築の展開や、知られざる黒川紀章の素顔についてまとめた。
□はじめに
カプセル建築の系譜
ホモ・モーベンスの住まい
□ギャラリー
中銀カプセルタワービル、カプセルハウスK、埼玉県立近代美術館
□黒川紀章のカプセル建築をひも解く
座談会(茂木愛子、阿部暢夫、黒川未来夫、鈴木敏彦)
1969 カプセル宣言
1970 大阪万博、タカラビューティリオン、空中テーマ館住宅カプセル
1972 中銀カプセルタワービル
1973 カプセルハウスK
1979 カプセル・イン大阪
2014 ナインアワーズ成田空港
2021 ダンボールスリープカプセル
□中銀、その後
中銀カプセルタワービルの解体後の展開 前田達之氏に聞く
メタボライジング・メタボリズム マルコ・インペラドリ
次世代のカプセル建築
□おわりにかえて
私と黒川紀章
規制緩和以降、「安かろう悪かろう」が蔓延した貸切バス業界と国交省の人柱行政を告発。
サプライチェーンを取り巻く環境は、近年ささやかれている労働力やコンテナ不足による「物流クライシス」に端を発し、昨今にあってはコロナ禍、カーボンニュートラルへの社会的要請等の未曽有の課題との遭遇により、チェーンの存続すら危ぶまれている。今後は企業間にある協調領域をどれだけ拡大できるか、即ち「強調あっての全体最適」を目指す取り組みこそが、物流業界の活路となる。「競争から協調へ」の志向により物流業界の再構築を図ろうとするのが本書である。巻末には『サプライウェブ』で著名な小野塚征志氏&「世界一受けたい授業」でも著名な西成活裕氏らによる座談会を完全収録。
グローバルに活躍するコンサルタントの仕事が分かる!企業の世界進出を支援するコンサルファームを徹底取材!仕事内容から社員育成制度まで、知っておきたい情報満載。
1:【CONTENTS】 ※一部抜粋
2:あの時君は若かった The History of the 50KAITENZ(ヒストリーインタビュー)
3:Awful HANGOVER(Danny Comic)
4:墓場まで同行願 う!ゲキ推し!レコー ドレビュー!
5:祝!新作完成記念!真夜中の緊急座談会!
6:男ド根性!!R&B高校(Bogie Comic)
7:狂熱の精神世界!ゲキ推し!書籍レビュー!
8:Nevermind The Bolloks あこがれのレモーンズの巻(Dory Comic)
9:ザ50回転ズのいまさら全曲解説!
10:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11:〜バンド結成10周年を迎える“ザ・50回転ズ”のアニバーサリー本!
12:ヒストリーインタビュー、アーティスト対談など盛りだくさんの内容。〜
小堀遠州の出生地・長浜で、寺社のみならず、個人の住宅にも優れた庭園が多く遺されている。「ながはまのお庭プロジェクト」では専門の庭師の指導の下、各地の庭を訪問し、それぞれの歴史を聞き取ってきた。これまでシリーズ本として5冊を作ったものを総集編として1冊に収録。
「ながはまのお庭」出版にあたって
第一章 隠れ庭の魅力を語ー対談・鼎談・座談会
対談 庭はまちの豊かさをあらわす顔
鼎談 中世の正統派から近代の植宇まで 多様な庭が見られる長浜のまち
座談会 近代長浜の庭園文化と京都とのつながり 鈍穴・植宇の庭から辿る
長浜の郊外村落に花開いた庭文化 土地に息づく自然崇拝の心と、宗範・鈍穴の活躍
湖北の経済力を示す在家の名庭 景物や構成にみられる地域性
コラム 緑と川がつくる町並み景観/近江の名工・西村嘉兵衛とその作品/
庭を演出する灯籠/個性豊かな石たち/長浜の庭に関わった作庭家たち/
第二章 慈しみの庭を訪ねる
池泉の庭/枯れ池の庭/枯山水の庭/平庭/露地庭・流れの庭/寺社の庭・公共の庭
第三章 庭のある暮らしの未来を考える
庭とともに暮らして お庭の所有者に聞く
造園業者・庭師の立場から長浜の庭の存続を考える
「ながはまのお庭」活動の軌跡とこれから
座談会 10年の活動を振り返って/活動の軌跡/京大生、庭づくりに挑戦!
あとがき お庭プロジェクトメンバー9
すべてのチェンバロ演奏家・研究者・愛好家のために──
日本のチェンバロ研究の最前線を伝える唯一のジャーナル。
第5号は「古代ギリシャ・ローマと音楽」「ルッカースのチェンバロ」の2特集を掲げています。
第1特集では、ルネサンス時代以降、西洋文化の範とされるようになった古代ギリシャ・ローマ時代と音楽との関係を探ります。西洋美術史をたどって古代ギリシャ・ローマがどのように描かれたかを明らかにするとともに、古代ギリシャ・ローマを理想と仰ぎ文芸復興(ルネサンス)をめざしたフィレンツェで生まれた音楽劇やバロック末期イタリアの古代音楽観にせまっています。
第2特集では、ベルギーの楽器製作家ルッカース一族のチェンバロの歴史と魅力をさまざまな視点から明らかにします。
研究レポートでは、19世紀から20世紀初頭のフランスの作曲家サン=サーンスのおこなったピリオド奏法研究の意義にせまります。
その他、書評、楽譜紹介、アトリエ訪問、海外レポート、会員の録音物紹介など、チェンバロやフォルテピアノにかんする最新の研究・情報を満載した充実の内容となっています。
日本チェンバロ協会 公式ウェブサイト:
https://japanharpsichordsociety.jimdo.com/
本書はその初版(2013年)から堅調な売上を記録し、現在第4刷が刊行されている。
定評ある初版部分はそのまま保存版とし、この7年間の社会の変遷が企業・株価・市場に与えた影響について、大幅加筆で総括する。今回の[増補版]により、筆者陣が唱える株式投資の普遍性・先進性にフォーカスし、改めてその理論の正統性を世に打ち出すものである。
読者対象は、機関投資家、アセットマネージャー、株式投資に関心のあるビジネスパーソンほか一般人、投資理論を学ぶ学生等。
第1章 「市場」は買えるのか 川北 英隆
株価にみる日本と欧米の格差拡大/PBRの1倍割れが生じる背景/大企業の資本効率性の低下/経済成長の低下が企業間の格差を拡大させる/日本の株式への投資のあり方/おわりに
第 2章 高投資収益率企業の定量的特色 菅原 周一
はじめに/上場企業の過去の投資収益率の大きさと銘柄の分布/高収益率企業の定量的特色/投資収益率分布から考える厳選投資の可能性/厳選投資の可能性と限界/まとめ
第3章 脱市場投資のあり方ーロングオンリー絶対リターン型株式投資の内外事例 堀江 貞之
ロングオンリー絶対リターン型株式投資とは/絶対リターン型株式投資の特徴/絶対リターン型投資の2つの投資アプローチ/普及への条件/絶対リターン型投資の成長に向けて
第4章 長期投資に耐えうる企業群への投資ー企業を選別して長期的に投資する 渋澤 健/伊井 哲朗
はじめに/長期的に企業価値を向上できる企業の特徴/投資先企業と投資家がつくる新しい価値創造
第5章 企業価値増大を楽しむ投資 奥野 一成
リターンの源泉/投資先企業の選定/企業価値評価/産業・企業分析の現場/まとめ
第6章 企業とともに成長する投資 中神 康議/光定 洋介
企業価値向上支援型投資/実際の投資先選定基準/主なバリューアップの手法/バリューアップ活動と実際に企業経営が変わった例/まとめー経営進化のための株主の役割
第7章 年金からみた望ましい日本株式への投資 近藤 英男
年金運用のパフォーマンスを振り返る/株式投資の考え方/年金からみた日本株式投資アプローチ/おわりに
第8章 大阪ガス企業年金における国内株式運用管理 石田 英和
大阪ガスでの15年間の運用実績/運用機関の構成/投資戦略別の実績/超過収益(アルファ)の投資戦略別要因/おわりに
第9章 【座談会】インデックス運用か厳選投資か
株式投資の意義と位置づけ/インデックス運用か厳選投資か/アセットマネジャーの役割、義務、効用、現状/株式市場への期待と問題点
第10章 王道となった選別投資 川北 英隆
本章の目的と位置づけ/選別投資とは何なのか/7年間の経済環境の変化/株価の推移と格差/日本企業の格差の概観/企業間の格差とPBR/具体的な企業の事例/株式市場は選別投資を求める