マンディはこの西部の町、レッドポイントに戻ってきた。この町を出たのは…いや、逃げ出したのは、もう二十年以上も前になる。そのころ彼女は、教育の理想に燃える新米の小学校教師だった。昔と変わらぬ観光用SL鉄道に立ち寄った彼女は、オーナーだというさわやかな男性とふと言葉をかわし、親しみを感じた。向こうもマンディのことをよく知っている気がするという。やがて思い出したふたりは、気まずい顔でにらみ合った。わたしが初めて担任を受け持った六年生の、クラス一の問題児。わたしにここからしっぽを巻いて逃げ出させた、あのジョーイ。
損失補てん、暴力団との取引、矛盾だらけの行政指導ー。“ドロ沼”にはまり込んだ日本経済の癒着の構図を明らかにし、再生への道を探る。
ルーク・ブランスンはこれまで冷静さを決して失わずに、女性の心をとらえてきた。だが、今回の出会いはいつもと違っていた。黒い髪、グリーンにきらめく瞳、小柄だが、ほっそりとして魅力的な体つき。個性的な雰囲気を持つセリーナを一目見ただけで、ルークの心は燃え上がってしまったのだ。彼女のためなら、命だって賭けられる。タフで強烈な魅力でいっぱいのルークに男性不信のはずだったセリーナも…。
あれはブラッド…?ケリーは我が目を疑った。彼は四年前、まだケリーが十八歳のときに出会った初恋の相手ー。そして熱い思いを打ち明けた彼女を冷たくつきはなした卑劣な男だ。以来、ケリーはダムや橋を建設する土木技師を目指して脇目もふらず一心不乱に勉強を続けてきた。それなのに、メキシコで建設中のダムへ行こうというこの日に、ブラッドと再会するとは、なんと運が悪いのだろう。その上、偶然にもそのダムの現場監督を務めるブラッドは男ばかりの工事現場に若い女性を入れるわけにはいかない、とケリーのダム行きに強く反対した。
生前から、神話のヒーローとしての道を歩かされてきたジム・モリスン。謎に包まれたその死には、未だに数多くの憶測がなされている。本書は、短い生涯ではあるが、彼が可能性を求めて生きた証しを克明に記した、唯一無比のドキュメンタリー・ブックだ。
ダイナの恩人である、ソーシャルワーカーのレオのもとに、彼が面倒を見ていた女の子の一人から、救いを求める手紙が届いた。南米で、身重の体を抱えて困っているらしい。だが、レオは二ヵ月前に亡くなっていた。死の床にある彼から女の子たちのことを頼まれたダイナは、さっそく車で南米へ向かった。ところが、目的地も間近の山道で、車が動かなくなってしまった。そんな彼女を、ヒッチハイク中のジョーという男が助けてくれる。ジョーにはどこか人を寄せつけないところがあるが、仕事を持たずに放浪していると話す彼にダイナは心を惹かれた。
女子高生には女子高生なりの、OLにはOLなりの、人妻には人妻なりの、セックスの楽しみ方がある。そんな女性たちの赤裸々な実態を描く官能ロマン。
“あのきざな男をぜったいぎゃふんと言わせてやるわ!”映画評論家のアマンダ・バタワースはその鋭い批評力を買われて、地方の小さなテレビ局からセントルイスのKCNX局へと引き抜かれた。しかも、そのセクシーな魅力で人気抜群の評論家カイル・フォックスが映画紹介をつとめる『シアター・トーク』の相手役としてだ。だが、才能、容姿の点でカイルには劣らないと思われるアマンダにも唯一弱点があった。それは、一見したところセクシーとはほぼ遠い、時代錯誤のお堅い女だと見られてしまうことだった。そんなアマンダをからかうように、カイルは初顔合わせのすんだすぐあとで彼女にいきなりキスをした…。
地球温暖化により40年後(2030年代)には、岡山は一体どうなるか?など最新情報のほか、岡山県内の気象に関する情報を網らした“お天気小百科”です。
江戸中期、千石船で伊勢を出て、漂流しアムチトカ、オホーツク、ヤクーツク、イルクーツク、モスクワ、ペテルブルクと“おろしや”を横断。望郷の念ひとすじに日本に帰りついた大黒屋光太夫の漂流漂泊10年、4万キロの旅。200年前の船乗りたちの苛酷で壮大な運命の旅を追う。冒険家シーナの未知とオドロキ。極寒の知で出会う人間たちのオモシロ真剣シベリア大紀行。
花の都パリからアフリカ大陸最西端のダカールまで、1万1000キロに及で世界一過酷といわれるクルマの大レース。その間に展開する参加者たちの闘い、行く先々の現地人たちの生活、美しくも厳しい大自然の姿など、プレスマンとして参加した作家の目をとおして、つぶさに描いた、清新なパリダカ体験記。