思い出のハリウッドスターをノスタルジックなタッチで描いた久保幸造のファンタジーな世界。
冷戦体制崩壊後、今日の資本主義は新たな展開を迫られている。地球を覆う環境破壊・膨張する人口・西西問題…。各民族のもつ文化的多様性をベースに協調・共生は可能か。価値観の転換・知的枠組の再構築を考える。
「経済の論理」と「政治の都合」に揺れる“最後の巨人”。行方定まらぬ大欧州のコンパスを読む、迫真のドキュメント。
聴く者を見知らぬ光景へと誘ってやまないシューマンの音楽-。狂気の影に深く覆われた最晩年の日々を緊迫感あふれるタッチで描き出し、ピアノ曲を中心にその音楽の秘密にせまる。フランス精神分析学者による感動的なシューマン論。
本書はマカオの礎をつくりあげた歴史を概観し、そしてその都市と芸術の発展を20世紀初めまで辿るものである。
「ぼく、闇の森に行ってきたいんだけど…」ためらいがちに話す、ヨシュアの一言が始まりだった。闇の森は、ヨシュアの両親がなくなった地、そこを訪ねたいと言う。反対するカレンとゼオを尻目に、ライラはヨシュアを連れ旅に出発してしまう。だが、そんな二人を密かに見つめる瞳があった。そして、闇の森に到着したのを待ちかまえるかのように、ライラとヨシュアに襲いかかる。ヨシュアを奪われ、深手を負ったライラは、謎の麗人シャルバートの助けを借り、謎の女、アサギを追うが…。
幻影の女性をもとめ、科学読み物のライターが陥った孤独という穴。消えた自分への戦慄。ファンタジー文学の鬼才が、あえて自らの生を刻印した驚愕の虚構。
仕事も家庭も満ち足りた中年に突然甦る青春の恋心を描く10編。
狼になるために「勝利者の地」にやってきた少年、ジェフリー。金鉱が発見され、無法地帯となったこの地では、黄昏狼ー彼らの正式な名称は処刑執行請負業者。総督府の認可を受けて、犯罪者を狩る賞金稼ぎーが治安を護っている。正義の拳銃で極悪非道の輩を裁く血塗られた法服への憧れ、そして胸の奥深く秘めたある目的から、ジェフリーはやってきた。だが、見知らぬ土地で、人を撃った経験もなくては、生き残る可能性は全くなかった。ミニマムと名乗る緑の髪の少女と出会うまでは。
グラフィック・デザインの最前線を疾走する表現者による真に実験体な試み。実作者必携。Macintosh Landseape CG、魔術的衝撃。
新天地を求めて、韓半島から倭国に渡ってくる舟中に、伽耶国の王子の姿があった。名を伊可留と言い、万人を超える異能力の持ち主であった。伊可留が辿り着いたところは、女王卑弥呼が支配する邪馬台国だった。しかし、容貌に衰えを見せ始めた卑弥呼には、諸国を治める霊力さえ翳りつつあった。卑弥呼に留まることを請われたが、伊可留は伽耶人が棲む大和へと向かった。そこは辰砂(朱)を産する地で、これを掌握する者が最高権力者になり得るほど貴重なものだった。それを求めて雄略天皇が、やがて継体天皇が飛鳥の地に進出し、歴史は放たれた独楽のように回転していくのだった…。卑弥呼の時代から聖徳太子の青春期までを描く大河歴史小説。
痴呆、脳卒中、骨粗鬆症、難聴など老年期特有の病に屈さず、豊かな老後を送るためにはどうすればよいか。循環器疾患のベテランとして数多くの「老い」と出会ってきた著者が、高齢化社会のなかで新しい生きがいを見つけ、心身の健康を保っていくためのコツを説き、お年寄りの悩みにこたえる。