バイオテクノロジーの発達により、根源的再考を迫られる人間概念と生命の倫理。われわれは未曽有の危機とともに、新たな生命論、身体論、人権概念の誕生前夜というスリリングな時代に遭遇している。拡大する問いの圏域、過熱するコンフリクト。科学・哲学・教育・社会・生態から領域横断、融合的にとらえる生命論のハード・コア。
十代の性感染症患者や妊娠中絶は激増している。情報はゆたかでも、知識があやふやでは仕方がない。すべての恋する中高校生に贈る、わかりやすくて役に立つ性の知恵袋。
医療をとりまく状況の急速な変化の中で、とりわけ、あらゆる局面において市場化と標準化が強く進展する現代社会において、それらはどのように変化していくのだろうか。本書は、臨床文化と職業・技術の関わりに光をあてながら、現代社会における「病」の行方を考える臨床社会学書である。
近年、経営工学に課せられているものは、自分で問題の発見と解決のできる技術者、あるいは、技術的な課題と、その解決に関わることのできる管理者の育成にある。本書は、「問題解決」をキーワードに、経営計画・質管理工学・数理工学・情報工学の4つの柱を平易に解説したテキストである。「IT時代」の特徴である、「複雑性」と「曖昧さ」を見据え、経営工学という総合的学問の意義を再確認するために、東京理科大学工学部経営工学科の教員が集い議論を重ねて著されたものである。内容も文体もバラエティに富んでいるが、「経営工学とは何か?」という“ソリューション”を提示し、経営工学の秘めた可能性の「発見」を目指している。
問題解決環境、すなわちPSE(Problem Solving Environment)とは、コンピュータやソフトウエアを使用するにあたって、特別の知識やスキルがなくとも利用できる「人にやさしいコンピュータのハードおよびソフトの環境を構築し、提供すること」を目的とする、シミュレーション科学・計算科学における新しい学問領域である。本書はそのPSEについて、基礎編では、PSEとは何か、PSEの考え方、PSEの可能性を中心に解説し、応用編では、PSEのさまざまな分野での実際問題への適用例(Grid、可視化、シミュレーション、エンジニアリング、バイオ関連など)を紹介する。人にやさしいコンピュータのハードやソフトの重要性がますます高まっている昨今、PSEの見方・考え方がいかに求められ、大切であるかを学ぶことのできる本邦初の解説書である。
本書は7つの章と付論から構成されている。本書のねらいは少子化が引き起こす諸問題を明らかにすること、端的にいえば少子化はなぜ問題なのかを論ずる。
本書は、次の二つの視点から「NGOの発展の軌跡」を明らかにする。(1)主に国際協力の分野で活動しているNGOを対象に、近代社会の中でなぜNGOが誕生し発展してきたのか、先進国(主に欧米諸国)、開発途上国、日本のそれぞれのNGOの事例を検証する。(2)NGOの誕生と発展と併せて、開発協力、開発教育、政策提言、国際政策キャンペーン、北のNGOと南のパートナー団体とのパートナーシップ、アジア共生社会、アカウンタビリティ、NGOと政府によるパートナーシップの観点から、NGOの専門性の発展の経緯を考察する。
環境汚染、森林破壊、地球温暖化、生物多様性の破壊、…。私たちは、「教わること」ではなく「学ぶこと」によってのみ、環境や社会を維持し、現在の危機的状況をよい方向へと再構築することができる。本書は、「持続可能な社会のための環境学習」を考えるための見方・考え方について、実際の現場で活動・研究している執筆陣が、国連「持続可能な開発のための教育の10年」に対する実践的・理論的な提案となることを加味しつつ書き下ろされたものである。
「もの」ではなく、「こと」としての道徳。理論と実践の両面から、人をめぐる具体的な関係のなかで立ち現われる道徳をとらえる。