京マチ子から渡哲也、山田孝之、そして綾瀬はるかまでーー。
俳優たちが体現し、破壊し、そして生み出された「女らしさ/男らしさ」とはなにか?
ジェンダー・セクシュアリティのあり方、「女らしさ/男らしさ」の価値観が一変した戦後日本。移りかわる理想像を俳優たちはいかように体現し、人びとはそこから何を見出したのか。古典から近年の話題作まで、映像内の身体表現を俊英がつぶさに読み解き、浮き彫りにする。
ここ10数年で社会環境は大きく変化し1つの企業・組織で継続的・安定的に「キャリア」を築くことは困難となり、自らの価値観・職業観・人生観に基づいてキャリアを形成する必要が出てきました。価値観の多様化した時代に自分らしいライフキャリアを手に入れるにはどうしたらよいのでしょうか?日本はジェンダーギャップ指数が低いことが話題に上りますが女性より男性の方が幸福度が低い珍しい国でもあります。課題解決の上で着目すべき視点が、「男性はスカートをはいてはいけないのか」問題なのです。本書では、2名のキャリアコンサルタントが社会事象の中でのジェンダーについて過去・現在・未来を展望してジェンダーを取り巻く「今」を知り、ジェンダーに対する考え方のアップデートにつなげることを目的に作られました。社会通念としてのジェンダー規範は、ある時代のある場所における、考え方のひとつであり、常にアップデートされるものなのです。
とあるハプニングバーに集まるセクシャルマイノリティの人々の物語ーー。
ハプニングバー「BAR California」。ここは性別・性癖・性的指向も異なる人々が集まる場所。
人々は「何か」になるためにこのバーを訪れるーー。
他人の声に傷ついてきたトランスジェンダーのバイセクシャル。
本当の恋を探すパンセクシャル(全性愛者)。
男女二つの性自認を持つ両性ーー。
人の数だけセクシャリティがある。
性と愛にまつわる珠玉のオムニバスストーリー!
「ジュニアそれいゆ」と「子供の科学」という2つの雑誌を読み込み、手芸・人形・インテリアなどの女性と結び付けられる〈手づくり〉と、工作・模型・ミリタリーなどの男性に割り当てられる〈自作〉をキーワードに、手づくり趣味の近・現代史を描き出す。
◆特集1「『結婚の自由をすべての人に』訴訟を考える」と特集2「ハラスメントのセカンドステージ」を掲載ー実務と研究を架橋し、新たな共生社会を拓く【ジェンダー法学】の専門誌◆
第9号は、特集1「『結婚の自由をすべての人に』訴訟を考える」は、原告当事者を含む6本(国見・たかし、中谷、中川、西山、二宮、鈴木)、特集2「ハラスメントのセカンドステージ」は5本(三浦、三成、浅倉、中野、菅野)。家族やジェンダーの動向として2本(田中、ヨ)、「立法・司法の動向」は、夫婦別姓訴訟のその後(寺原)、アメリカの中絶の権利裁判についての翻訳(マッケナ/立石〔訳〕)を掲載。
グローバル時代の今日、社会運動はますます様々な境界を越え、時に世界をも変革する大きな力を持つようになっている。ジェンダーの問題には保守的とされるイスラーム世界ではどのような広がりを見せるのか、各国の具体的な事例から多様な社会の現在を報告する。
「イスラーム・ジェンダー・スタディーズ」シリーズ刊行にあたってーー2『越境する社会運動』
はじめに
ジェンダー開発指数と自由度の評価数値
第1部 近代化とイスラーム諸国におけるフェミニズム運動
第1章 イスラームの興りと女性をめぐるイスラーム法の展開[小野仁美]
第2章 エジプト女性運動の「長い20世紀」--連帯までの道のり[後藤絵美]
第3章 チュニジアの女性運動ーー国家フェミニズムから市民フェミニズムへ[鷹木恵子]
コラム1 ジーン・シャープが指南する非暴力行動という戦略[谷口真紀]
第4章 トルコにおける女性運動とイスラーム[若松大樹]
第5章 革命後イランの女性運動ーー女性活動家の言説[中西久枝]
第6章 湾岸諸国の女性運動ーー社会運動の不在あるいは団結できない事情[大川真由子]
コラム2 サウジアラビア女性の権利と政府のイニシアティブ[ドアー・ザーヘル]
コラム3 萌芽期のインドネシア女性運動ーー近代への試練[小林寧子]
第2部 越境する社会運動とジェンダー
第7章 女性をめぐる問題へのトルコの市民社会における取り組み[幸加木文]
コラム4 アメリカでヒズメット運動を実践するトルコ人移民の女性たちーー断食明けのニューヨーク[志賀恭子]
第8章 戦略としてのトランスナショナリズムとジェンダーーーヨーロッパとトルコにおけるアレヴィーの事例から[石川真作]
コラム5 アラーウィー教団のエキュメニカル運動とSDGs[鷹木恵子]
第9章 アメリカにおける若者世代のコミュニティ形成と社会運動[高橋圭]
コラム6 行動するトルコの女性たちーー女性の命は女性が守る[新井春美]
コラム7 「ひとりの女性も欠けさせない」--ラテンアメリカ発、“女性殺し”への抗議[伊香祝子]
第10章 国際移動を生きる女性たちーー越境するアフマディーヤの宗教運動[嶺崎寛子]
第11章 インドネシアのムスリマ活動家たちの結集ーー世界的に稀な女性ウラマー会議開催[野中葉]
コラム8 ヒジャブの陰でーータイ南部パタニ女性たちの挑戦[西直美]
コラム9 「ムサワ」の活動とムスリム・フェミニズム[小野仁美]
コラム10 男女の区別は存在しないーーセネガルのニャセンにおける女性指導者たち[盛恵子]
第12章 イスラエル人女性による平和運動「Women Wage Peace」--パレスチナと世界との連携を求めて[小林和香子]
コラム11 「水+塩=尊厳」--パレスチナの囚人をめぐる運動[南部真喜子]
コラム12 中東におけるラップとジェンダー[山本薫]
第13章 ゲイ・フレンドリーなイスラエルーートランスナショナルな運動と政治[保井啓志]
参考文献
女性・ジェンダー関連の団体組織と研究所のリスト
「男なのに胸がふくらみはじめたーー!?」ある日、自分の身体に異変を感じ始めた小学生の潮類(うしおるい)。同級生男子からはからかいの対象になり、母親をはじめ家族にも「普通ではない」ことを指摘され、男らしくなれない自分は存在自体を認めてもらえていないことにショックを受ける。成長するにつれ、違和感は次第に劣等感に変わっていき、みんなと同じになりたいと願う類はわざと男らしく振る舞うようになる。しかし、外見に現れる顕著な変化に類自身も戸惑うようになって……!? --曖昧な「性」に翻弄される、類の葛藤と成長、そしてそれに伴う家族・社会との向き合い方を描くヒューマン・ドラマ!!
激動するインド社会を理解するのにジェンダーの視角は必須である。カースト、宗教、階層、エスニシティ、言語、都市と農村、歴史的変化。さまざまな位相とジェンダーの規範とが複雑に絡み合い、多元的なインド社会を形成している。インドの女性をめぐって流布されてきた画一的なイメージから思考を解き放ち、ジェンダー研究の新たな地平を切り拓く画期的な入門書。
貞淑という悪徳、“不真面目な”ヒロインたち、
不条理にキラキラのポストモダン、
結婚というタフなビジネス……
「男らしさ」「女らしさ」の檻を解き放て!
注目の批評家が贈る〈新しい視界がひらける〉本
・ジュリエットがロミオにスピード婚を迫った訳とは?
・フェミニズムと優生思想が接近した危うい過去に学ぶ
・パク・チャヌク映画『お嬢さん』の一発逆転!〈翻案の効用〉とは
・『マッドマックス』の主人公がもつケアの力と癒やし
・「マンスプレイニング」という言葉はなぜ激烈な反応を引き起こすのか……etc.
閉塞する現代社会を解きほぐす、鮮烈な最新批評集!
手仕事をめぐる言説に隠されたジェンダー構造を明らかにする画期的研究
人々の関心を集めながらも、社会の傍流へ追いやられる手仕事がある。そんな「やりがいのあるものづくり」が奨励されるとき、その言説にはジェンダーの問題が潜んでいるのではないか。学校での家庭科、戦時下における針仕事の動員、戦後の手芸ブーム、伝統工芸における女性職人、刑務所での工芸品作りなど、趣味以上・労働未満の創作活動を支えている、フェミナイズ(女性化)する言説を探る。
「多くの女性化された創造活動は、それが「仕事」であっても、「家庭」と結びつけられやすく、またその語りは「楽しさ」や「やりがい」など、自己啓発的な言葉に満ちている。そして女性化された仕事は、今日、グローバルに組織されたものづくりの現場に広がっている。そこには、「女性」だけでなく、移民、女性化された男性、そしてその子どもたちも含まれ、家父長的な家族観がまだ強く、労働のための法やその準備のための教育が十分に確立していない社会では、こうした家父長的な構造を容易に利用できてしまうのだ。近代家族の中で女性たちが行ってきた仕事は、より女性化された人々に移譲され、消費者となった女性たちには移譲の現実が不可視化されている。この問題は、今を生きる私たちにとって、決して他人事ではないはずだ。」(本書より)
◎目次
序 言説の旅の始まり
言説が生み出すものづくりの世界
梅棹忠夫かく語りき
ジェンダー化のポリティクス
本書の構成
第一章 万一のために手芸をせよーー近代手芸論
学校で手芸を学ぶべし
皇后だって養蚕をしているのだから……
先ず心の美より養ふべし
母たる方々に手芸は実に必要
手工は家庭をして平和幸福の天地とならしむ
申さば一の慰み稽古の如くなり
第二章 国益に供せよーー内職論
産なきの輩への内職のススメ
国益に供せよ
誰にでもできて上品
決戦下の主婦の務でありませう
お金もうけだけが目的でできるものではありません
第三章 貴女は慰めになるーー戦時下の手芸論
戦争中なのに手芸なんて
軍艦だつてもとは手芸から出発してゐる
花をつくっている奴は非国民だ
真心の弾丸
メディアの中の慰問人形
背囊に小さな人形をぶら下げて
戦時だからこそ手芸が必要なのです
第四章 祈りを届けよーー千人針の表象
女性の“呪力”によって敵から身を守る
「千人針」という戦時パフォーマンス
表象の「千人針」
縫う女を見ていたい…
時代を反映する選りぬきのテキストに解説を付し、日本の近代思想を読みなおして捉えるためのアンソロジーの第4巻。近代日本において、ジェンダーにまつわる問題に関して女性が執筆した様々なテキストを収録。広義の意味でのフェミニズム思想の展開をたどりながら、女性のおかれた状況やその背景を捉える。
はじめに
I 家族と性役割
1 近代家族と良妻賢母規範
2 母性保護論争
3 高群逸枝と婚姻史
4 家族制度の民主化と農村女性
5 主婦論争
資料編
母性偏重を廃す(与謝野晶子)
招婿婚の研究(高群逸枝)
蕗のとう(山代巴)
主婦労働の値段ーーわたしは“主婦年金制〞を提案する(水田珠枝)
2 性、愛
1 「新しい女」と「両性の相剋」
2 貞操論争と堕胎論争
3 女性同性愛
4 性暴力とセクシュアル・ハラスメント
5 森崎和江の性愛論
資料編
生血(田村俊子)
逃げた娘(松田解子)
百合子へ(湯浅芳子による宮本百合子宛書簡一九二四年六月十三日)
第三の性ーーはるかなるエロス(森崎和江)
3 性を売る
1 公娼制度と廃娼制度
2 芸娼妓による手記・自伝
3 からゆきさん
4 キーセン観光反対運動資料編
現代生活と売春婦(山川菊栄)
辻の華(上原栄子)
女の情況 なぜ私はキーセン観光に反対するのかーー経済侵略と性侵略の構造を暴く(松井やより)
4 権利と解放
1 自由民権運動と女性
2 『青鞜』
3 ウーマン・リブ
資料編
同胞姉妹に告ぐ(しゅん女(岸田俊子))
泣て愛する姉妹に告ぐ(清水豊子)
元始女性は太陽であったーー『青鞜』発刊に際して(平塚らいてう)
いのちの女たちへーーとり乱しウーマン・リブ論(田中美津)
明治期から現在までの図書館は女性にどのようなサービスや資料提供を行ったかをジェンダーの観点から文献により検証・考察した一冊。戦前に存在した婦人閲覧室や戦後に設立された男女共同参画センター・女性情報ライブラリーについて取り上げ、その存在意義を再確認できる。日本の図書館におけるジェンダー問題を可視化し、関連資料提供の際のヒントに。「巻末に索引」付き。
アフガニスタンの人々は、度重なる外国の政治介入、軍事侵攻、内戦などの過酷な現代史を生きてきた。とりわけ日常生活でさまざまな差別や暴力を受けてきた女性たちは、1977年にRAWA(アフガニスタン女性革命協会)を設立し、平和で民主的な社会を求め歩んできた。
2001年の同時多発攻撃(9・11)以後、米国は英国などとともにアフガニスタンを爆撃し、ターリバーン政権を崩壊させた。しかし、以後の政権下で女性は解放されるどころか、むしろ暴力・差別・貧困は悪化している。
アフガニスタンへの無関心が続く日本で、連帯は可能か。本書はこれまでのそしてこれからも続いていくRAWAとの連帯の記録である。
はじめに (前田 朗)
読者の皆さまへ──RAWAからのメッセージ
第1章 アフガニスタンにおけるジェンダーに基づく暴力──その形態と諸要因 (清末愛砂)
第2章 RAWA設立者・ミーナーの生涯 (前田 朗)
第3章 RAWAのいまとこれから (清末愛砂)
第4章 近年のRAWAの声明
第5章 RAWAと連帯する会のとりくみ (桐生佳子)
資 料 ゆっくり読もう、アフガニスタン現代史 (前田 朗)
おわりに (清末愛砂)
〈わたし〉から始める本書では,身近な問い,自分の中の「なんで?」から始めて,その問いに潜む社会の特性を考える。個人的なことが社会的なことにつながる,その面白みを味わいながら,歴史や比較といった社会学の射程の広さ,アプローチの多様性を体感できる。
序 章 パーソナル・イズ・ポリティカル
第1部 「近代家族」は変わったか
第1章 妻の脱主婦化の落とし穴と夫の働き方の問題/第2章 地域におけるM字型カーブの推移/第3章 日本における「近代家族論」の展開と社会へのインパクト/第4章 育児と仕事の競合/第5章 「タイガー」マザーと「不合格」母/コラム1 育児ネットワークと会話分析
第2部 わたしたちはどこから来てどこへゆくのか
第6章 子どもはどちらについていくのか/第7章 伝統家族の複数性を読み解く/第8章 日本的近代化と家の展開/第9章 日本における「近代のエスノグラフィー」の誕生/コラム2 〈わたし〉の沖縄家族社会学
第3部 国境を越える家族/国境を越える研究
第10章 〈外国人の子どもの声〉が声になるまで/第11章 国際結婚で「第1の近代」は揺らいだのか/第12章 2つのオリエンタリズム/第13章 非西洋文化圏における家族研究/コラム3 アジア家族の多様性に迫る
インタビュー・エッセイ 落合恵美子に聞く!
圧倒的な想像力で、性別の“当たり前”をユーモラスにぶっ壊す!!
医療の進歩で男性でも母乳が出せるようになった世界。
哲夫は、ついに授乳を経験するが? (「父乳の夢」)
機械を装着することで筋力差がなくなり、性別による役割分業が減ったら? (「真顔と筋肉ロボット」)
性差への理解を深めたら月経が訪れるようになった男性の変化とは? (「キラキラPMS(または、波乗り太郎)」)
など、驚くべき想像力で性差が減った未来(ユートピア)をユーモラスに描く、全4編収録。
【著者略歴】
作家。性別非公表。2004年にデビュー。目標は、「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」。他の著書に、『ミライの源氏物語』『母ではなくて、親になる』『ニセ姉妹』『美しい距離』など。日常の社会派。趣味は育児。
女性の窮状、脆弱な層への負荷の偏り、ケアの危機等をもたらした権力構造を分析し、ポストコロナ時代に求められる政治や行政を見通す。編集委員長=三浦まり
現在までのコロナパンデミックが与えた広範囲な影響を検証し、それを踏まえてこの時点で今後の新しい社会の設計に女性という視点から提言する。
昭和女子大学女性文化研究叢書 第13集
コロナ禍の労働・生活とジェンダー
目次
刊行によせて 武川恵子
総説 坂東眞理子
第1章 コロナ禍で浮上した女性の雇用継続課題とポスト・コロナの雇用平等促進への政策提言
ーー欧米のジェンダー平等先進国からの学びーー 青木美保・武川恵子
第2章 コロナショックでみえた女性労働者の就業継続の現状と課題 大橋重子・瀬戸山聡子・清水直美
第3章 エッセンシャルワークを担う福祉従事者に関する研究
ーー全国社会福祉法人経営者協議会役員へのインタビュー調査からー 北本佳子
第4章 新型コロナ下における家族介護者の働き方と生活資源マネジメントの課題
ーージェンダーとケイバビリティを手掛かりとしてーー 伊藤純・粕谷美砂子・山本咲子・吉田仁美・斉藤悦子
第5章 コロナ禍における「本格的な趣味」としての家庭料理と女性
ーー日本の社会教育学・生涯学習論に示唆するものーー 歌川光一
第6章 機構危機×COVID-19とジェンダー
ーーいかに新しい社会システムを構築するかーー 松葉口玲子
「女らしくしろ」「女になるな」
日本の女子選手たちは、男子選手ならば経験することのない、こうした矛盾した要求を突きつけられる。なでしこジャパン、女子レスリング……2000年代以降、かつて「男の領域」とされたスポーツで活躍する女子選手の姿をメディアで多く目にするようになった。
強靭な身体と高度な技能、苦しい練習を耐えるタフな精神力や自律が要求されるエリートスポーツの世界。その中でも「男らしいスポーツ」とされるサッカーとレスリングの世界で活躍するたくましい「女性アスリート」たちはどう語られたのか。メディアの語りから見えてくる「想像の」日本人の姿とは。そこに潜むコロニアリティとは。また、トランスジェンダーへの差別が絶えない社会で、トランスジェンダーやシスジェンダーでない選手たちは、女子スポーツの空間や「体育会系女子」をめぐる言説とどのように折り合いをつけ、スポーツ界に居場所を見出してきたのだろうか。
本書は、日本の女子スポーツ界を取り囲む家父長制的、国民主義的、異性愛主義的、そしてシスジェンダー主義的言説を明らかにし、抑圧の構造に迫る。同時に、その抑圧的環境を創造的に克服してきた選手たちにスポットライトを当てることで、「生きることのできるアイデンティティ(livable identity)」、そしてより多くの可能性に開かれた主体性(subjectivity)のあり方を探る。
◆名もなき人々の小さな一歩が、歴史に大きな一歩を踏み出す。2023年に開催された貴重なオンラインシンポジウムの熱気が、今、本書でよみがえる◆
「どうする、日本のジェンダー平等戦略」と題した女性人権機構からの発信第1弾。第一部「女性を罰する社会?少子化は当然の帰結」。第二部は、今日の世界的災禍を克服する国際的な枠組みについて語る。名もなき人々の小さな一歩が、歴史に大きな一歩を踏み出す。オンラインシンポ2023の記録。
『どうする、日本のジェンダー平等戦略(信山社ブックレット)』
橋本ヒロ子・林 陽子・芹田健太郎 編
【目 次】
はじめに〔橋本ヒロ子〕
第一部 「女性を罰する社会? 少子化は当然の帰結」【講師】大沢真理
1 女性を罰する社会の正体
2 加速する人口減少
3 貧困率の高さはOECD諸国で有数
国際比較
男女別比較
シングルマザーの貧困率
日本の貧困層の所得の現状
伸びない日本の所得と賃金
4 コロナ禍よりもコロナ対策禍ではないか
コロナで亡くなったのは誰か
超過死亡という社会問題
女性の自殺率の変化
若い女性の自殺率が急増
姥捨て社会にNO
5 結語に代えて
第二部 「W7の歩みとSDGsから見たジェンダー平等の課題」【講師】三輪敦子
1 W7とは
2 W7の歩み
2018年 G7 シャルルボア(カナダ)サミット
2019年 G7 ビアリッツ(フランス)サミット
2021年 G7 コーンウォール(英国)サミット
2022年 G7 エルマウ(ドイツ)サミット
3 2023年 G7 広島(日本)サミット
スローガンとテーマ
5分野の提言とは
4 SDGs目標5の達成への働きかけ
第三部 特別対談「気の向くままに、ゆるくジェンダー平等を語る」〔芹田健太郎×大沢真理×三輪敦子〕
1 改めて問う、現代の市民社会
2 非軍事主義とジェンダー平等
3 女子教育機関の役割
4 SDGsの目標達成への提言
●女性人権機構の歩み
あとがき