この社会で「女子」たちは「女のくせに」と罵られ、なのに常に女子力を求められる。上から目線で評価され、「女なんだから」と我慢させられる。これはもう、呪われているとしか思えない! この理不尽さと生きづらさを「なんだか変じゃない?」と問いかけ、解決のヒントを探るエッセイ集。日本版#MeToo を応援する1冊。
「フラジリティ(感性)」・「表象」・「言説」・「自然」
“個”が差異を超越できる“世界“を見据え、実在する人間社会のジェンダーや美学を繊維な表現で紡ぐ。
秦 辰也(近畿大学国際学部教授・シャンティ国際ボランティア会副会長)
第1部 フラジリティ(感性)と身体
第 1 章 フラジリティ(感性)の身体的次元
1 - フェミニズム認識論に向けて
2 - コンシャスネス・レイジング(CR)の流れ
3 - ウーマン・リブと身体への問い
4 - 自助と互助のあわい
5 - ヒューマニズムと実存
第 2 章 演劇セラピーとエンパワーメントータイー日移住女性たちの経験からー
は じ め に
1 - 日本へ働きにいかなければならなかった
2 - わたしたちは女性だから
3 - 自分たちの「ホーム(居場所)」
4 - 経験は詩になりうる
お わ り に -エンパワーメントの意味ー
第 3 章 フラジリティ(感性)の主体形成
1 - エンパワーメントに向けて
2 - 主体形成の被傷性
3 - ラディカル・デモクラシーの行方
4 - 経験のアポリア
第2部 フラジリティ(感性)と表象
第 4 章 別の身体になることーエヴァ・ヘッセの空間性と自己意識ー
は じ め に
1 - 人が見るフレームを覗く
2 - リアルを感じる
3 - 非物質性の空間
4 - 自己とイメージの物質性 -愚かさに宿る夢ー
お わ り に
第 5 章 フラジリティ(感性)の表象的次元
1 - 性的差異と普遍的なもの
2 - 感性の分有
3 - 翻訳可能性
4 - 詩学と悲劇的なもの
第3部 イメージと象徴
第 6 章 従軍慰安婦を表現する平和の少女像の象徴様式 -エルンスト・カッシーラーの神話的思考に照らし合わせてー
は じ め に
1 -『表現の不自由展・その後』をめぐる攻防
2 - モニカ・メイヤーのインスタレーションに通底するもの
3 -「従軍慰安婦」を象徴するということ
4 - 個人的な体験と視覚表現
5 -「慰安婦」をめぐる公的言説の環境
お わ り に
第 7 章 象徴様式の哲学
1 - 道徳的イメージをめぐって
2 - シンボルを操る動物
3 - 神話とフラジリティ(感性)
4 - 生と精神
第4部 「自然」とジェンダーの交錯
第 8 章 呼吸するコミュニティ・アートー植物的生物としての私たちー
は じ め に
1 - コミュニティセンターとしての会館
2 - 空間の広がり
3 - 社会とのつながり
お わ り に
第 9 章 ファブリック製品とジェンダーに配慮した生産ーフェアトレードの試みを通じてー
は じ め に
1 - フェアトレードと国際協力
2 - ソーシャル・ビジネス
3 - 布の象徴作用
4 - オルタナティブな構造のあり様
お わ り に
独立革命の時代から今日まで200年にわたるアメリカ女性の歩みを辿り、フェミニズムはどのようにして生まれたのかを追求する。
本書は、議論の対象は対象関係論からユング派まで幅広く、ラカンについての理解もはるかに深いものであり、近年のカルチュラル・スタディーズにおけるフェミニズム分析を読解するための格好の参考書ともなっている。フェミニズムと精神分析についてのアンソロジーなどは数多く出ているが、これだけの集大成は見られず、まさに刊行が待たれた一冊であると言えよう。自由闊達な諸議論は、性とセクシュアリティを政治性の次元からも倫理的な次元からも徹底的に問い直しており、フェミニズムだけでなく、精神分析の側から見ても、たいへん示唆に富んだ内容となっている。
優生裁判、AV新法、宗教右派などの動きをめぐり、排除・抑圧・対立の歴史をふりかえりながら、性と生殖の権利を捉え直す。
【特集】生と性:共存するフェミニズム
正当な地位を獲得すればするほど進む若い世代のフェミニズム離れ。それはなぜか。近代主義的な言説の厚む幾重もの屈折を解きほぐす。
『装置としての性支配』(1995年)につづく第五論集。90年代後半から今日までのフェミニズム、ジェンダー論を中心とした著者の代表的な仕事を収める。「女の時代」と呼ばれた80年代から一転して90年代のフェミニズムは、普及と拡散という事態に直面し、フェミニズム離れという現象すら起きている。少子化、晩婚化、経済不況の深刻化のなかでフェミニズムが抱えている課題を明らかにする。総論から各論へ、女性全体の問題から個別の問題へ、という時代の変化の意味を探っていく。性の商品化、性暴力、自己決定、セクハラなどの問題群をどう考えればよいのか。
客観性,合理性,価値中立性,真理など科学の中心的概念から科学と権力の共謀関係を問う。グローバルなレベルで社会正義と民主主義に反するプロジェクトを推し進める近代西洋科学への論争の書。フェミニズム,ポストコロニアリズムの立場から現代社会と科学の関係を批判的に考察してきた科学哲学者,ハーディングの本邦初訳。
日本語版への序文
はじめに
謝辞
序章 科学と不平等ーー論争を呼ぶ問題
論争となっている問題
専門用語についての挑戦
第1部 科学的研究の社会
1章 人種と科学について考える
科学は人種差別主義なのか
人種差別的な科学実践の擁護
科学の世界ーー人種、文化、帝国
結論ーー人種差別への抵抗が担うラディカルな役割
2章 他人が我々を見ているように、自分自身を見つめる
--ポストコロニアル科学論
「妖精ジニーが我々に与えてくれる贈り物は……」
自然科学は多文化的なものなのか
近代科学は他にもあるのか
3章 両目を開けてーー科学の世界
1つの地球、多くの科学?
南側諸国を出発点とするプロジェクト
北側を出発点とするプロジェクト
4章 北側のフェミニスト科学論ーー新たな挑戦と機会
北側におけるフェミニスト科学技術論
5章 差別的な科学認識論と科学哲学
スタンドポイント研究ーーその方法論的性質
科学実践はどのようにして文化化された自然をつくり出すのか
事物がいかに科学を悩ませるかーー行為遂行的な科学実践
実践に焦点を当てたフェミニスト科学哲学の重要性
6章 啓蒙思想の周縁に位置するフェミニスト科学技術論
フェミニズムと南側のポストコロニアル科学技術論
GESDにおけるフェミニスト固有のテーマ
結論
第2部 真理、相対主義、そして、科学の政治的無意識
7章 西洋科学の政治的無意識
外在的対内在的な民主主義の問題
科学にとっての民主的な理想
科学の統合というテーマーー1つの世界、1つの真理、1つの科学?
統合という理想のコスト
反民主的理想と民主的理想
近代西洋科学の政治的無意識を再考する
8章 科学において真理の主張は意味をなさないのか
初期の懐疑的立場ーークワイン、デュエム、ポパー、クーン、ファイヤアーベント
最近の分析
なぜすべての科学が「民族科学」でなければならないのか
知者はひとり?
意味をなさない真理の理想
9章 相対主義の脅威はパニックに値するのか
単一の基準に対する挑戦への3つの反応
誤った2つの仮定
近代主義者の夢を過去のものにするーーポスト実証主義のアプローチの1つ
絶対主義と相対主義を捨てる
訳者あとがき
注
文献
索引
女性解放運動から第三波フェミニズムの誕生まで。浮かび上がるもうひとつのアメリカ現代史。
黒人女性が受けた人種差別と性差別という二重の抑圧を告発し、中産階級の白人女性を偏重してきたフェミニズムに一石を投じる。「女性」が一枚岩でないこと、階級と人種をも考察すべきであることを指摘し、フェミニズムのその後の方向性に影響を与えた古典的名著。
謝辞
凡例
序章
第一章 性差別と黒人女性奴隷の経験
第二章 奴隷制廃止後もおとしめられつづけた黒人女性像
第三章 家父長制という帝国主義
第四章 人種差別とフェミニズムーー責任の問題
第五章 黒人女性とフェミニズム
訳注
監訳者あとがき
参考書目録
事項索引
人名索引
動物をめぐる思想はここまで到達した
いまや動物にとどまらず、あらゆる存在の解放をめざす包括的正義の理論へと至った批判的動物研究を始めて本格的に紹介。理論水準を大幅に引き上げるとともに、実践へと誘い、シンガー『動物の解放』以来の衝撃をもたらす力作。
19世紀にはじまり、ピーター・シンガー『動物の解放』をもって本格化した動物擁護、動物解放の理論はその後、多様な社会運動や学問との協力・批判を経て、種を越えたあらゆる抑圧と差別に反対し包括的正義の実現を目指す、強靭な理論=実践へと鍛え上げられた。批判的動物研究と呼ばれ、世界的な隆盛をみせるその潮流は、いまやどんな思想も理論も無視できないものとなっている。本書では批判的動物研究を主に哲学、社会学、ポスト人間主義、フェミニズムの観点から整理、検証し、諸正義を結ぶ領域横断的な解放理論として描き出す。動物をめぐる数々の翻訳を手掛けてきた著者が、渾身の力で放つ初の著書。
◎目次
謝辞
序論
批判的動物研究
本書の構成
第一章 動物たちの現状
食用利用
肉用牛/乳用牛/豚/乳用牛/産卵鶏/魚介類
動物実験
行動研究/医学研究/製品試験
動物園と水族館
ペット産業
第二章 道徳哲学
功利主義革命
理論の重要性/功利主義アプローチの問題
動物の権利
内在的価値と生の主体/尊重原則から権利の導出まで/
権利論の実践的帰結/救命ボートの事例
新福祉主義
新福祉主義の実害/新福祉主義の元凶
廃絶主義アプローチ
単一争点の活動/平和的な脱搾取の啓蒙活動
第三章 社会学
抑圧理論
資本主義
商品化/物神崇拝
疎外
構造的暴力
労働者の逆境/環境破壊
動物産業複合体
エコテロリズム
第四章 ポスト人間主義
人間学、人間主義、人間中心主義
人間の名、動物の問い/生贄構造
生政治
生政治と生贄構造/動物生政治
ポスト人間主義の倫理
ポスト人間的状況/差異と応答/未分化と変成
資本・労働・抵抗
動物労働論/接触地帯/紛争地帯
第五章 フェミニズム
父権制と自然
女性・動物・自然/二元論の形成
父権的抑圧
残酷への意志/暴力の正当化/生殖支配/性と肉食…
中絶の権利と胎児の生命に対する配慮は両立できるのか。フェミニズム思想の深化をめざして、リベラリズムとの差異を明らかにする。
フェミニストが主張する「私の身体は私のもの」と、リベラリズムの身体の自己所有の概念とは同じものか。それぞれの特徴を探る。フェミニズムは「女の身体は女のもの」という中絶の自由の主張を、リベラリズムの権利の概念を用いて正当化してきた。しかし胎児の生命のとらえ方をめぐって、リベラリズムに対していらだちや違和感をかかえこんでいる。女性の権利と胎児の権利の衝突をどう調停すればよいのかを考え、二つの思想の特徴を明らかにする。リベラリズムを批判的に相対化しようとする試み。
はしがき
序章 産む産まない権利とリプロダクティブ・フリーダム
1 中絶の権利の諸問題
2 リプロダクティブ・フリーダムと中絶の「権利」
1 フェミニズムとリベラリズムの相克
第一章 井上達夫・加藤秀一の論争
1 中絶は権利葛藤問題か
2 論争のすれ違いが意味するもの
2 身体を所有する権利をめぐって
第二章 所有権としての中絶の「権利」
1 身体の自己所有の原則
2 所有権による中絶の正当化1--パーソン論における中絶の「権利」
3 所有権による中絶の正当化2--ジュディス・トムソン「人工妊娠中絶の擁護」
4 所有権に対するフェミニストの異議ーー「胎児の両義性」の主張
第三章 身体的統合の平等としての中絶権ーードゥルシラ・コーネルの試み
1 身体的統合の権利と中絶
2 コーネルは所有権を乗り越えたか
第四章 「身体」の再編
1 <対象としての身体>から<私が存在する身体>へ
2 胎児と「私の身体」の境界
3 <私の身体は私のもの>再考
3 プライバシー権をめぐって
第五章 公私の分離原則とプライバシー権
1 正の善に対する優位
2 中立性の原則
3 個人の独立性
4 プライバシー権としての中絶の位置づけ
5 フェミニストのプライバシー権批判
第六章 「ケアの倫理」とリベラリズム批判ーーキャロル・ギリガンの『もうひとつの声』
1 もうひとつの声
2 ケアと正義(リベラリズム)をめぐる論争
3 ケアの倫理と再生産責任
第七章 宗教的自由としての中絶の「権利」--ドゥオーキンの『ライフズ・ドミニオン』をめぐって
1 「価値」問題としての中絶
2 「宗教的自由」論はプライバシー権批判をのりこえたか
終章 リプロダクティブ・フリーダムに向けての課題
1 リベラリズムとの決別
2 フェミニズムと「孕む」ことーー「生命倫理学」を超えて
3 リプロダクティブ・フリーダムに向けての課題
4 リベラリズムとフェミニズムの今後
あとがき
参考文献
索引
本書は金沢21世紀美術館での「ぎこちない会話への対応策ー第三波フェミニズムの視点で」展に関連して出版されました。
人は皆、ケアを必要とする存在である。リベラリズムの普遍主義を問い直し、依存する他者に対し柔軟に応じうる規範理論を構想する。
「第4波フェミニズム」期のまっただなか、2015年に誕生した社会派アートグループ「明日少女隊」。
これまでの作品や活動を網羅するだけでなく、ジェンダー学の基礎知識や時事問題をふんだんに盛り込み、
「フェミニスト×アート」を実践的に学べる入門書決定版!
世界中に散らばる約50名の隊員で構成され、ピンクのマスクがトレードマークの匿名アーティスト集団「明日少女隊」。本書は、フェミニズムの旗を掲げ結成した2015年から、2023年の最新作までを収録した初の作品集です。フェミニズムに関わる社会の出来事を年表化しながら、それに応答してきた「明日少女隊」の活動を時系列に追いかけます。
明日少女隊の特徴は、アートとしてフェミニズム問題を表現するだけでなく、実際に社会への強い働きかけを行うところにあります。その活動範囲は広く、性犯罪に関わる刑法の改正、広辞苑のフェミニズムの定義の見直しのほか、「慰安婦」問題やトランスジェン
ダーの権利問題など多岐にわたります。
本書の特筆すべきポイントは、単に作品集であるだけでなく、女性の参政権獲得に始まるフェミニズムの歴史を解説するなど、フェミニズムの入門書としても使えるように基礎知識をわかりやすく説明しているところです。外部の有識者による寄稿や対談を盛り込み、また会話形式や吹き出しを多用することで、フェミニズムを身近に感じることができる一冊となっています。
フェミニズムは今日盛り上がりをみせていますが、美大などの専門の教育機関でさえ、アートとフェミニズムの両方を学ぶ機会は少ない現状にあります。本書は、こうした状況を打開すべく、フェミズム・アートを一から学びたい方のためにつくられており、それは、
「全ての性の平等を願うフェミニズムの思想」を広める明日少女隊の活動そのものといえる書籍となっています。
家事労働と賃労働とのダブルバインドのなかで、フェミニズムは「働くこと」それ自体がはらむ問題を見据える地平に立った。資本と男たちとによる搾取からの解放の道をめぐっての論争、対論、働く女たちの現場からの発言の集成。
低賃金労働力、セックスワーカー、家事労働者、嫁・妻・母として、そして国際社会に繋がる1人として、女たちは越境し続けるー自らの解放の糸を手探りで紡ぎながら。1970年代の経済大国化した日本からアジアへ向けた視線、そして21世紀、格差と貧困化が新たな分断を生む世界で、身を切るような挑戦から切り拓いてきた連帯の回路を読みなおす。
「もうフェミニズムに頼らなくても、女性だって活躍できる」
「女性差別がなくなった現代において、フェミニズムの時代はもう終わった」
と彼女は言った。
では、私やあなたの心のどこかに張りついている「女であることの不安」はいったいどこからくるのだろうか。
ーー「女らしさからの自由」と「女らしさへの自由」、どちらも実現できる世界をともに目指すために。
「ポストフェミニズム」という視点から、若い世代の性別役割分業や性行動の意識調査のデータを分析。さらにSNSにおけるハッシュタグ・ムーブメントや、雑誌『Can Cam』による「めちゃモテ」ブーム、「添い寝フレンド(ソフレ)」経験者などへの調査を通じて、現代社会における「女らしさ」のゆくえを追う。
離れる他に、できることはないのだろうか。病理/非病理、偽物の愛/真実の愛、不幸/幸福、支配・従属/支え合いなど、多くの両義性を抱える「共依存」をめぐる言説を分析。そこに存在する倫理観を暴き出すことで、臨床の専門家や各領域の理論家が見逃してきた倫理と現実を提示する。