中国、韓国、台湾、香港の4地域で沸き起こっているフェミニズム運動を一挙紹介。豊富な写真と当事者の寄稿が伝える、フェミニストたちの苦闘と創造力。あなたの知らないフェミニズム、あなたの知らない東アジアがここにある。
貞淑という悪徳、“不真面目な”ヒロインたち、
不条理にキラキラのポストモダン、
結婚というタフなビジネス……
「男らしさ」「女らしさ」の檻を解き放て!
注目の批評家が贈る〈新しい視界がひらける〉本
・ジュリエットがロミオにスピード婚を迫った訳とは?
・フェミニズムと優生思想が接近した危うい過去に学ぶ
・パク・チャヌク映画『お嬢さん』の一発逆転!〈翻案の効用〉とは
・『マッドマックス』の主人公がもつケアの力と癒やし
・「マンスプレイニング」という言葉はなぜ激烈な反応を引き起こすのか……etc.
閉塞する現代社会を解きほぐす、鮮烈な最新批評集!
『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者による表題作を収録!
「ヒョンナムオッパへ」の主人公は、ヒョンナムに恋をし、精神的に支配されながら、それが暴力であるということにも気づいていない。あとからそれに気づくという小説を書きたかった。
ーーチョ・ナムジュ
嫁だからという理由で、妻だからという理由で、母だからという理由で、娘だからという理由で受けてよい苦痛はない。ただ女だからという理由だけで苦しめられてよい理由などない。
流さなくていい涙を流さなくてすむ世の中を夢見ている。
ーーチェ・ウニョン
#Me Too運動の火付け役ともなった『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著)が韓国で100万部以上の売り上げを突破し、大きな話題を呼んでいる。本書は韓国でその人気を受けて刊行された、若手実力派女性作家たちによる、初の書き下ろしフェミニズム小説集の邦訳である。
チョ・ナムジュによる表題作「ヒョンナムオッパへ」の主人公は、地方出身の女子。ソウルの大学に進学して、先輩のヒョンナムに恋をし、彼に守られて10年以上青春期を過ごすが、実際には何もかも彼に操作されていたと気づき……。『82年生まれ、キム・ジヨン』では、女性として生きる上で直面する様々な困難や疑問が提示されたが、本作では実際に行動を起こすところまで踏み込んでいる。
ほかに、母親との葛藤を抱えた女性の主人公が、弟の結婚を契機に母との関係、女性としての生き方に思いを巡らす「あなたの平和」、受験を控えた中学生の息子と小学生の娘の問題に悩む専業主婦の複雑な感情に光を当てた「更年」など、各篇に描かれている事例は、日本の各世代の女性たちの共感を呼ぶ。
また、韓国の男性社会の暴力性への違和感を、都市空間への違和感として象徴的に描いた「すべてを元の位置へ」や、ハードボイルドの男女の役割を入れ替えたサスペンス仕立ての「異邦人」、宇宙空間での出産をテーマに、女性のクローン人間と雌犬とロボットの心温まる交流を描いた「火星の子」など、フェミニズムへの多彩なアプローチを楽しめる。
「ヒョンナムオッパへ」チョ・ナムジュ
「あなたの平和」チェ・ウニョン
「更年」キム・イソル
「すべてを元の位置へ」チェ・ジョンファ
「異邦人」ソン・ボミ
「ハルピュイアと祭りの夜」ク・ビョンモ
「火星の子」キム・ソンジュン
解説:斎藤真理子
19世紀にはじまり、ピーター・シンガー『動物の解放』をもって本格化した動物擁護、動物解放の理論はその後、多様な社会運動や学問との協力・批判を経て、種を越えたあらゆる抑圧と差別に反対し包括的正義の実現を目指す、強靭な理論=実践へと鍛え上げられた。批判的動物研究と呼ばれ、世界的な隆盛をみせるその潮流は、いまやどんな思想も理論も無視できないものとなっている。本書では批判的動物研究を主に哲学、社会学、ポスト人間主義、フェミニズムの観点から整理、検証し、諸正義を結ぶ領域横断的な解放理論として描き出す。動物をめぐる数々の翻訳を手掛けてきた著者が、渾身の力で放つ初の著書。
97人の女たちが真摯につづった率直な思い!彼女たちにとって、フェミとはいったい何だったのか。
離れる他に、できることはないのだろうか。病理/非病理、偽物の愛/真実の愛、不幸/幸福、支配・従属/支え合いなど、多くの両義性を抱える「共依存」をめぐる言説を分析。そこに存在する倫理観を暴き出すことで、臨床の専門家や各領域の理論家が見逃してきた倫理と現実を提示する。
フェミニズムはリベラリズムの継承者か、それとも批判者か。錯綜した関係を、集団と個人、性の商品化、自己決定権などから解く。
アメリカというダイナミックな文化に展開する最近のフェミニズム批評を、文学批評の流れの中にたどるアンソロジー。いま、フェミニズム批評が見えてくる。
「テレビは見ない」「「YouTube」は見る」といった二者択一の議論ではなく、テレビを真正面から語るために、社会的な課題であるジェンダーやフェミニズムの視点からバラエティーとドラマを中心としたエンターテインメントコンテンツを多角的に問い直す。
まえがき 青弓社編集部
第1部 バラエティーとフェミニズム・ジェンダー
第1章 第七世代が浮き彫りにするテレビの問題点 西森路代
第2章 人気バラエティー番組でのジェンダーの“描かれ方” 清田隆之
第3章 テレビ史から見える女性芸人というロールモデルと可能性 西森路代
第4章 わきまえない女たちーー女性芸人とフェミニズムとエンパワーメント 西森路代
第5章 バラエティー番組の暴力性ーー性的マイノリティをめぐる表現から 松岡宗嗣
第6章 なぜワイドショーはずっとああいう感じなのか 武田砂鉄
第2部 ドラマとフェミニズム・ジェンダー
第7章 フェミニズムの視点を取り入れた日本のドラマの変遷ーー二〇一四年から現在まで 西森路代
第8章 坂元裕二、宮藤官九郎、野木亜紀子ーー三人の作家とフェミニズム 西森路代
第9章 『チェリまほ』とBLドラマの現在地 前川直哉
第10章 プロデューサー本間かなみに聞くーードラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』を作って [聞き手:西森路代]
第11章 フェミニズムから見る韓国ドラマクロニクル 佐藤 結
第12章 画面の向こうとこちらをつなぐ“シスターフッド” 岩根彰子
第13章 わたしのためではない物語に親しむーーマイノリティ、ジェンダー、テレビドラマと社会空間のあいだから 鈴木みのり
あとがき 西森路代
若い女、中年の女、母親、主婦…孤立させられた女たちが声をあげたリブ。制度や意識の変化を経ても、性愛から老いまで、いまだ「名前のない問題」と向き合い生き抜く思想は終わらない。「女であること」と格闘し掴み取られて来たひとつひとつの価値を、手渡す/受け取るというセカンドステージへ。
いま、なぜ『青鞜』か。「新しい女」を生んだ『青鞜』とはどんな雑誌だったのか。創刊から約90年、女性たちを取り巻く状況はどう変わり、何が変わらないのか。女性問題を論じた先駆としてのみならず、近代女性文学の成果として、多角的に発掘・再評価する本邦初の試み。23人の気鋭による決定版評論集。
ヒロインたちの境遇を描き分けることで、近代夜明けの女の生き難さをくっきりと浮かび上がらせた女性作家・樋口一葉。〈性差の規範〉を超えゆこうとした表現の全体像を「女性の視点」でとらえた画期的論集。
誤解や無知によってせっかく与えられている本当の快楽を味わう事なく過ごしてしまうのは、もったいないことだと思います。本書は、性の初歩的な疑問、性のテクニック、現実の悩み、男女の性愛の違いなどに明快に応えております。巷に氾濫する珍説、俗説、医学的説、伝説、錯覚の類いまで網羅し、正しい性知識を身に付けるように配慮しました。