満50歳の誕生日の当日、石井清が愛用のライフル猟銃で謎の死をとげた直後に警視庁嘱託の尾高一幸は盛岡の彼の自宅を訪れた。尾高は遺産相続の件で和歌山を訪れたとき盗難に遭い、その急場を画家仲間と旅行中だった石井たち一行に救われた返礼にやって来たのだった。証言からも自殺の動機が考えられないことから、不審な死に疑問を抱きながら、尾高は秋田の小松茂男宅に向かったが、そこでも異常な事故死の報が待ちうけていた…人間の善意が一瞬にして悪意に暗転、殺意の矢が放たれる恐怖を練達の筆致で描く書下し。
舞鶴順平、三十四歳。有能なファイナンシャル・プランナーである彼は、無類の女好き。抜群のベッド・テクニックを生かして「離婚請負人」とか「絶頂請負人」などもやる自称、導淫師。パーティーで知り合った美貌の未亡人・壇上三千絵から、遺言状の調査を依頼された舞鶴は、天才的な性技を発揮して、疑惑の鍵を握る女性達を次から次へと忘我の淵に…。痛快官能小説。
本書は、編者らが先に著した「果樹の生育調節」(博友社.1990年)の応用編として、現に農薬登録されている果樹関係生育調節剤・除草剤について、その使用方法を取りまとめたものである。
緊迫する十八世紀ヨーロッパの国際情勢を背景に、ルイ十五世の密命を帯びて暗躍した「男にして女、女にして男」シュヴァリエ・デオンの数奇で劇的な生涯を活写した歴史読物。
元・東京銀行勤務の俊英がリアルに描く。合併に揺れる銀行員たちのヒューマン・ドラマ。
大企業がすべての権力を握った西歴2050年の“TOKYO”。しかし、そんな大企業に決して屈しないものたちがいたーそれが、影の世界を生きる戦士“シャドウランナー”たちだ。ミステリアスな女性メイジ“ジェーン”の呼び掛けにより、チームを組むことになった六堂、紫雲、殺(シャア)、マオの四人。彼女の目的、それはすべてを奪った六人の虐殺者を倒すことだった。ジェーンは四人の力をかりて復讐を果たすことができるのか。“私はヤツらを許さない”ジェーンの魂の叫び声が大都会に響き渡る。
谷川千百里、27歳。元ファッション・モデルの美貌を武器に会社重役の愛人となり、池袋ではじめたバーは兜町関係者でにぎわった。株に絡む男達の熱気の中で、初めて買った銘柄で千百里は儲けた。株なんて、こんなものかーと思いつつ、次第にのめりこんでゆく。表題作ほか女性を主人公にした五篇を収録。
本書は題名から想像されるかもしれない暴露話ではない。日銀の政策決定に際し反対票を投じた硬骨の任命委員がいた事実等を、長年に亙る取材を通じ実証した真面目な第一級の歴史的文献である。日銀法の全面改正論議に一石を投ずる必読の書。