本書を書いた目的は、漢語音韻学の基礎的な概念・資料・方法それに結論を紹介するためである。
〔本書の内容〕一、本文ならびに傍注・頭注の鮮明な影印。一、補注は現代の源氏学の立場からその注釈に対し加えた。一、解説は各巻の内容上の特色、本文と注釈の傾向などについて編者の新見解を叙述した。一、挿絵は江戸時代の各種の源氏物語絵入版本から集成し、中世・近世の源氏物語の鑑賞のあり方を追体験できるように配慮して、テキストとしても特色あるものとした。寛永十七年成立、寛文十三年刊。頭注・傍注形式をはじめて用いた簡便明確な注釈書。河海抄・花鳥余情・和秘抄・弄花抄・細流抄・孟津抄・紹巴抄・万水一露など中世から近世初期にかけての注釈を要領よく引用するが特に「或抄」と題して頭注にしばしば引く正体不明の注釈は、「首書源氏」の著者自身の傍注とともに「源氏物語」を読み物として楽しく理解しようとする姿勢が貫かれていて、同じ形式を真似た「湖月抄」よりも「源氏物語」を楽しく読ませる。本文も有朋堂文庫本・岩波文庫(旧版)・講談社学術文庫の底本になるなど、源氏物語研究史に大きな影響を与えてきた。
薬物など外来性異物の代謝のみならず、生体機能の維持に関わる物質の代謝においても重要なチトクロムP-450の構造とその生理機能を中心に、最新の情報を取り入れ、わかりやすく解説する。
現代の日本人は“金の力”を信用しすぎてはいないだろうか。金さえあれば、なんでもできると思い込んでいる。あたかも、金が現代の神であるかのように…。金の虚構性を見極め、経済価値の嘘を暴く。
気鋭の社会科学者が提唱する、「現代文明」を考える視点。
シラケ、指示待ち世代、安定指向、マユ族…。若者を揶揄する言葉は多い。しかし、彼らは白けていなかった。指示も待たなかった。安定指向でも、マユ族でもなかった。92年夏、「東京工学院」の学生たちはひとつの講演会を成功させた。炎天下の52日間で、彼らを何を見つけたか。
本書では、人間性の進化を実現することを目的に、理性を中核とした近代の人間観を批判し、感性を人間の本質と考える感性論哲学の新しい人間観を提示した。
冬から冬へ。めぐる季節に出会ったもの、見たもの、失うもの。どこか滑稽で哀しい夢のような日々、人々の孤独の風景を、鮮やかな文体で描いた会心のデビュー作。