思春期外来を訪れる母親たち。家族や周囲に振り回され、子育てに傷ついた彼女たちの苦しみにベテラン精神科医が優しく寄り添う。
1 干渉しがちな母と無関心な父
2 期待と不安は紙一重
3 子育ての理想と現実
4 子どもが愛せない!
5 夫婦の確執が影を落とす
6 姑の視線に縛られる
7 親の言葉が子育てを支配する
学者でも専門家でもない、どこにでもいるお母さんたち。一つだけ違うのは多言語習得の活動に参加しているということ。そんなママたちも、子育ての日常では、戸惑ったり、驚いたり、喜んだり、時には泣きたくなったり・・・。ドタバタな毎日の中、赤ちゃんや子どもたちがことばが話せるようになっていく姿を、みんなでおしゃべりしながら見てみると、いろいろなことが見えてきました。
当たり前だと思っていた日々の生活や成長の中から見えてきた、赤ちゃんからのメッセージは、「もっと驚き、感動してよ!」「人間っておもしろいよ!」ということ。
家族で多言語活動に参加しているママたちなので、こどもたちのことばの成長のことだけではなく、ママ自身が新しいことばと出会ったときの体験の中に、大人の中にもある、ことばの赤ちゃん体験を見つけることもできました。
子育てのあるあると愛がいっぱい詰まった話に共感できるところもいっぱい。
読んだみんなが「子育てが100倍楽しくなる!」そんなきっかけになれる本です。
【目次】
第1章 赤ちゃんは生まれた時から話してる
第2章 子育てはゆっくりと
第3章 赤ちゃんのプロセスに、“まちがい”はない
第4章 そのプロセスから見えること
第5章 人との関わりの中で生まれてくることば
第6章 お母さんの目
第7章 お絵描きはことばと一緒
第8章 文字も昔から
第9章 家族みんなでホームステイに挑戦
第10章 多言語で子育て
〈解説〉より抜粋
この本の講義は、グループでの親ガイダンスの前に、親への子育てに関する心理教育をするために、講義形式で行われたものです。本書の中で先生は、親の育て方が悪かったなどの罪悪感や不安、絶望感にとらわれるのではなく、子どものこころに何が起きているのかを理解する方向へと、軸足を移していくことを勧めています。
思春期青年期のこころの発達を理解する上で、本書にある「愛着(対象との強い絆)」、「分離(対象との分離や離別)」と「個体化(自分自身を作ること)」の三つをキーワードとして考えることができます。人のこころの発達は、生後一年間に、母親対象との間で強い絆を作ると同時に、その母親と自分は別個の存在であることに少しずつ気づき、自分という意識を持つようになります。この三つの側面は、その後のこころの発達においても続き、一生を通じて繰り返し現れます。思春期青年期における親への自己主張や反抗が大人を悩ませますが、これは本書にあるように、象徴的に親を「超えること」や「心理的親殺し」という分離の側面を現しています。また、仲間や友達関係を作り、愛情対象を選び出すことは、愛着形成の側面を現しています。さらに「自我理想を現実に沿って置き換える」については、たとえば野球選手やサッカー選手になりたい、アイドルになりたいという、大きいけれど画一的な夢から、現実的な目標へと変化していくことであり、それは個の確立を現しています。
また、この講義で先生は、思春期青年期を中学三年から高校一年あたりを境に、大きく二つに分けて考えています。そして、思春期前半については、二次性徴にともなう体の変化が生じ、それをどのように受け入れていくかという課題があること、後半については、子ども時代や親対象にどのように別れを告げ、愛情対象の選択や職業選択ができる大人になっていくのかについて述べています。
思春期青年期では、これまで述べたような発達の課題があり、子どもは大きく揺れ続けます。そして、先生の講義では、両親が子どもに起きていることをどのように理解するか、揺れる子どもに対して、どのように接したらよいかについて具体的な示唆を与え、子どもが困難な時期を乗り越え、先に進んでいく力を信じるように励ましています。その際に、夫婦の間に何か問題があったとしても、子どもへの対応については、両親が協力して、一枚岩になって対処することの重要性を繰り返し述べています。さらに、第2章では、困難な時期を夫婦が協力して乗り越えることで、夫婦間の親密さが戻ることや、夫婦仲を良くするためのヒントまで話されています。また、第3章では、こころの発達を一時的に止めてしまうこと(不登校)、攻撃性の問題(家庭内暴力)、生きる方向ではなく死ぬ方向に考え出す(希死念慮や自殺企図)や性的逸脱の問題(性非行)について述べています。
援助関係における対話のなかで言葉は,どのように機能するのでしょうか? 本書は相談場面(カウンセリング)における思春期クライアントとセラピストの対話をとりあげ,そこで交わされる言葉に着目し,その言葉がどのように思春期クライアントにポジティブあるいはネガティブな影響もたらすかをあきらかにしています。
PART1で「思春期支援のエッセンス」と題して,思春期クライアントの特徴と思春期支援のゴール(とそのゴールに至る道筋),思春期支援において大切な概念・技法を紹介しています。PART2とPART3では,〈親に連れられてやってきた思春期のクライエント〉という同一のケースの「初回インテーク場面」を取り上げ,思春期支援の目標である「自分で考え,自分で行動できる」ための支援,つまり「自己理解」→「意思形成」→「意思決定」→「行動」までを伴走する,カウンセリング場面を紹介していきます。ここではセラピスト・クライアントの言動のもつ意味や機能を詳述しています。
PART4ではあらためて,PART3で紹介した「カウンセリングの成功例」の重要局面をピックアップし,一連のやりとりのなかで展開された理論的背景を解説します。
PART1 思春期支援のエッセンス
思春期支援の特徴と心がまえ
思春期支援にとってのゴールとそのゴールに至る道
・スタート地点
・ゴール地点
・ゴールへ至る道
思春期支援にとって大切な概念・技法を知ろう
・共感とは何か? 共感するときの注意点は?
・不適応行動とは何か? どうしたら減らすことができるのか?
・強化とは何か? セラピストは何を強化すべきなのか?
文脈とは何か? なぜ,内容ではなく文脈に目を向けるのか?
PART2 カウンセリングの実際(失敗編)
自己理解・意思形成・意思決定・行動に導くカウンセリング(失敗例)
1.導入前の声かけ(失敗例)
2.導入(失敗例)
3.問題認識を確認する(失敗例)
4.道を探す(失敗例)
5.道筋に沿って情報を収集(失敗例)
6.現在の生活に焦点を当てる(失敗例)
7.向かう方向を考える(失敗例)
8.危機介入(失敗例)
9.向かう方向に沿った道づくり(失敗例)
後日談
PART3 カウンセリングの実際(成功編)
自己理解・意思形成・意思決定・行動に導くカウンセリング(成功例)
1.導入前の声かけ(成功例)
2.導入(成功例)
3.問題認識を確認する(成功例)
4.道を探す(成功例)
5.道筋に沿って情報を収集しながら価値観を描き出す(成功例)
6.表面上の問題ではなく,本当の問題を探る(成功例)
7.現在の生活に焦点を当てる(成功例)
8.向かう方向を考える(成功例)
9.危機介入(成功例)
10.向かう方向に沿った道づくり(成功例)
後日談
PART4 カウンセリングの理論的背景
PART3(成功例)の重要局面を理論的に振り返る
はじめに
文脈における内容と機能
文脈における選択的強化
体験の回避
価値および価値に基づいた行動
人生という長期的行動を,その原動力となる主体性が確立される時期としての思春期・青年期(AYA)に着目して理解し,この時期が生涯発達や精神的不調からの回復にどのような意味を持つかを問う.最新の科学知および実践知にあふれる教育関係者・支援者必読の書.
はじめに(福田正人)
I 私たちはどう生きるかを脳・生活・人生から考える
1 人生行動科学ーー思春期/AYA世代に培う主体性(笠井清登)
2 生活史戦略から考える人生(長谷川寿一)
3 言語の起源ーー思考かコミュニケーションか(岡ノ谷一夫)
4 主体性と生活の脳基盤(柳下 祥)
5 ライフストーリーから考える「いかに生きるか」(能智正博)
コラム1 インターネットと生活行動習慣(森田正哉)
II AYA世代の健康と発達を調べる
6 思春期保健への国際的取り組み(安藤俊太郎)
7 世界の出生コホート研究と東京ティーンコホート(山崎修道)
8 AYAの脳科学(小池進介)
コラム2 セクシュアリティと主体性(正岡美麻)
III 精神的・身体的不調からの回復を支援する
9 人とのかかわりを通じてーー発達障害と精神療法(青木省三)
10 言葉と内省にもとづいてーー精神分析的心理療法(笠井さつき)
11 行動を手がかりにーー認知行動療法と行動活性化(横山仁史・岡本泰昌)
12 主体性を大切にーー求められる支援とは(山口創生)
13 心と身体の統合的支援(近藤伸介)
コラム3 学校改造計画ーー若者の当事者研究(向谷地生良)
コラム4 バリアフリーとコ・プロダクション(熊谷晋一郎)
IV AYAの人生行動を支援する
14 学校場面の心理発達と支援(市川絵梨子)
15 AYA世代と居場所(中原睦美)
16 いじめ・ひきこもり支援(平野直己)
17 自殺予防・危機介入(大島紀人)
18 加害少年の取り返せない過去に寄り添う(青島多津子)
19 身体・知的・精神の重複障害のある人のトランジション(熊倉陽介)
コラム5 トラウマインフォームドケア(亀岡智美)
コラム6 ピアサポートとリカバリーカレッジーー経験者だからこそできること(宮本有紀)
V 生活の中で人生行動科学を体験する
20 精神障害の子どもの親の立場から(島本禎子)
21 医療を必要とする子供の家族の立場から(三ツ井幸子)
22 ユースメンタルサポートColorの活動を通して(田尾有樹子)
コラム7 メディアを活用したAYAの健康啓発(中野彰夫)
Science for Adolescence:
Values-based Determinants of Your Life Course
Kiyoto KASAI, Kazuo OKANOYA, Masahiro NOCHI, and Masato FUKUDA, Editors
思春期には「身体の変化」、「心の変化」、そして「役割、立場、人間関係の変化」と3つの大きな変化が訪れます。心の辛さを解決しながら、生き易く暮らすヒントがギッシリと詰まった一冊。
発達障がい、生活リズムの乱れ、不登校、非行…思春期に現われる子どもたちの心と身体の変化に、どのように向き合えばいいのか?本書に掲載する“実例”は、今苦しい思いをしている親子が救われるヒントにあふれています。
8才、9才、10才のプレ思春期に向き合うママへ贈る“泣ける育児実用書”本書では、8〜10才のプレ思春期にぶつかる育児の“つまずき”を300人のママに取材。「ゲームに夢中になり、勉強に集中しません」「我が子のダメなところばかり見えてしまいます」「友だち関係が見えなくなってきて心配…」「いじめは大丈夫」?
本書は,著者が臨床経験の多くを費やしてきた思春期から青年期にかけての若者と,その保護者などを交えた心理療法の実際をまとめた論集です。
著者 乾先生の技法的な中核は,精神分析的心理療法ですが,それだけではなく,短期療法や家族療法,親子並行面接法などもケースによっては用いており,クライエントの状況やニーズに合わせた幅広い心理療法が行っています。
本書には,それらを用いて治療された,強迫性障害,自閉症,境界性パーソナリティ障害といった疾患ベースのケーススタディ論文,あるいは学生相談や病院臨床,個人開業といった多彩な臨床現場ベースの論文が所収され,事例と技法について具体的な解説がなされています。
長年の経験と研究によって書かれたこの本には,この世代特有の精神分析的な発達理論,精神病理論も詳解されていて,とてもわかりやすく,初学者から中堅の心理療法家にとっては得るところの多いものでしょう。
心理臨床への凄みと醍醐味が詰まった一冊といえそうです。
第1部 精神分析的アプローチという方法
第1章 力動的心理療法とは何か
第2章 心理臨床の現場をささえる精神分析
第3章 精神分析的立場からみた評価と見立て
第4章 心理療法における深さ浅さとは?
第5章 来談動機は心理療法の生命線
第6章 分析状況でクライエントはどんな体験をするかーー治療的退行(K. Menninger)に学ぶ
第7章 家族とのかかわりーー精神分析的並行父母面接の面接過程とその機序
第2部 思春期・青年期臨床への考え方と援助
第1章 中学生から大学生までの精神発達とその病理
第2章 五月危機型学生と無気力型学生
第3章 思春期の危機と強迫
第4章 青年期の心理療法ーー青春期後期を中心に
第5章 青年の攻撃性へのアプローチ
第6章 青年期治療における“new object”論と転移の分析
第7章 パーソナリティ障害としての境界例ーー僕は一体何者?─青年の新たな自己選択
第8章 パーソナリティ障害を持った家族の並行治療
第9章 40年間の自閉症を生きる
大家さん、高校生になる!
激動の中学生活を乗り越え、ついに高校生デビューを迎えるチエちゃん。
宿題もない春休みは、誰にも邪魔されない「自分だけの時間」。
一人ピクニックで自然を満喫したり、和装で優雅なひとときを過ごしたり、
友達とのショッピングで大笑いしたりー。
仲良しとの別れや、新しい生活への期待と不安が交錯して……?
春の風がそっと背中を押し、新たな一歩が始まる第19巻。
思春期とは何か。この問に答えるためには、少年少女たちのこころと身体の変化を追わなくてはならない。変化はまず身体にくる。その身体の変化にこころは付いて行けない。この「ちぐはぐさ」に子どもたちは戸惑う。性の問題に悩み、大人との関係に違和感を持ち、こころを病む。子どもたちは何を信じればいいのか、どこへ向かえばいいのか。本書はそんな迷える子どもたちへ手を差し延べる精神科医の「思春期解体新書」である。
・「子ども」とも違う、「成人」とも違う、「思春期」。実際の治療方針だけでなく、その対応にも悩んだことのある医師は多いのではないでしょうか。
・予防的介入は?家族への説明は?行政との連携は?……治療以外でも考えることが多くあります。
・本書を読めば、日々現場で思春期の患者に接している執筆者による「自分はこのように対応している」という生の声がわかります。
1章 総論
1 思春期の診察はなぜ難しいか?
2 思春期の面接
3 プライマリケアの現場で「普通の医者」が思春期患者の慢性的な愁訴をみるとき
2章 乳幼児からの思春期医療:予防の観点から
1 乳幼児期の体験が思春期に与える影響〜子どもの権利の視点から〜
2 発達障害の診断
3 発達障害の療育
4 発達障害と学習障害の診断
5 子ども虐待の診断
6 子ども虐待とプライマリケア
7 慢性疾患のある子ども
8 親をなくした子(死別,離婚など)
9 乳幼児期に保護者にどう関わるか。どのようにサポートするか─愛着形成の重要性
10 若年妊娠・出産
原先生からの一言1
3章 思春期に多い疾患について診断と治療を知る:知識領域
1 小児の起立性調節障害(OD)と睡眠・覚醒相後退障害(DSWPD)との鑑別・併存の見きわめ
2 片頭痛
3 月経困難症,PMS
4 統合失調症
5 うつ病・双極性障害
6 適応障害,社交不安症
7 甲状腺異常症
8 摂食障害
4章 関係各所との連携を中心としたケア:態度,プロフェッショナリズム
1 行政や福祉との連携:困難な家庭背景を持つ子どものケア
2 行政・教育・医療機関との連携:包括的支援の実践
3 行政や学校との連携:いじめへの対応
4 学校との連携:発達障害,学習支援
原先生からの一言2
5章 主訴からみる思春期診療:外来での実践,臨床医が外来で生き残るコツ
1 頭痛
2 腹痛
3 めまい・ふらつき
4 学校へ行けない
原先生からの一言3
6章 思春期の頻用薬剤
1 西洋医学における薬物療法
2 東洋医学的アプローチ
思春期・青年期は、子どもから大人に変容する時期であり、この時期特有のさまざまな心理的問題が出現することがある。
本書では、心理臨床の実践の視座からこの時期をとらえ、この時期がはらむ問題について考究する。また、思春期・青年期の特徴を学び、この時期に生じやすい心理的問題と心理臨床の視座からの対応について学ぶことを目標としている。
思春期・青年期は、大人であれば誰でも通過してきたはずの時期である。その時期にあった自分自身のことを思い出しながら学習することが望まれる。
1.思春期・青年期の誕生 2.思春期・青年期の心のあり方 3.ともだち関係と思春期 4.発達障がいという概念 5.学校と思春期 6.思春期・青年期と「異界」 7.思春期・青年期と非行 8.思春期・青年期と不登校・ひきこもり 9.思春期・青年期と身体 10.思春期・青年期の心理療法(1)-カウンセリングと非言語的療法 11.思春期・青年期の心理療法(2)-発達障がいの心理療法 12.思春期・青年期とメディア 13.思春期の子ども期、おとなの思春期 14.思春期・青年期と家族のつながり 15.思春期・青年期を生きるということ