人生という長期的行動を,その原動力となる主体性が確立される時期としての思春期・青年期(AYA)に着目して理解し,この時期が生涯発達や精神的不調からの回復にどのような意味を持つかを問う.最新の科学知および実践知にあふれる教育関係者・支援者必読の書.
はじめに(福田正人)
I 私たちはどう生きるかを脳・生活・人生から考える
1 人生行動科学ーー思春期/AYA世代に培う主体性(笠井清登)
2 生活史戦略から考える人生(長谷川寿一)
3 言語の起源ーー思考かコミュニケーションか(岡ノ谷一夫)
4 主体性と生活の脳基盤(柳下 祥)
5 ライフストーリーから考える「いかに生きるか」(能智正博)
コラム1 インターネットと生活行動習慣(森田正哉)
II AYA世代の健康と発達を調べる
6 思春期保健への国際的取り組み(安藤俊太郎)
7 世界の出生コホート研究と東京ティーンコホート(山崎修道)
8 AYAの脳科学(小池進介)
コラム2 セクシュアリティと主体性(正岡美麻)
III 精神的・身体的不調からの回復を支援する
9 人とのかかわりを通じてーー発達障害と精神療法(青木省三)
10 言葉と内省にもとづいてーー精神分析的心理療法(笠井さつき)
11 行動を手がかりにーー認知行動療法と行動活性化(横山仁史・岡本泰昌)
12 主体性を大切にーー求められる支援とは(山口創生)
13 心と身体の統合的支援(近藤伸介)
コラム3 学校改造計画ーー若者の当事者研究(向谷地生良)
コラム4 バリアフリーとコ・プロダクション(熊谷晋一郎)
IV AYAの人生行動を支援する
14 学校場面の心理発達と支援(市川絵梨子)
15 AYA世代と居場所(中原睦美)
16 いじめ・ひきこもり支援(平野直己)
17 自殺予防・危機介入(大島紀人)
18 加害少年の取り返せない過去に寄り添う(青島多津子)
19 身体・知的・精神の重複障害のある人のトランジション(熊倉陽介)
コラム5 トラウマインフォームドケア(亀岡智美)
コラム6 ピアサポートとリカバリーカレッジーー経験者だからこそできること(宮本有紀)
V 生活の中で人生行動科学を体験する
20 精神障害の子どもの親の立場から(島本禎子)
21 医療を必要とする子供の家族の立場から(三ツ井幸子)
22 ユースメンタルサポートColorの活動を通して(田尾有樹子)
コラム7 メディアを活用したAYAの健康啓発(中野彰夫)
Science for Adolescence:
Values-based Determinants of Your Life Course
Kiyoto KASAI, Kazuo OKANOYA, Masahiro NOCHI, and Masato FUKUDA, Editors
近年の医療の進展に伴い,小児期発症の慢性疾患患者の入院期間は短縮傾向にあり,多くの子どもたちが外来通院を継続しながら地域社会で生活するようになった.本書は,小児期発症の慢性疾患に関する理解を深め,小児期から成人期への移行支援を実践できる能力を身につける,「プライマリ・ケア看護師」向けテキストである.
目次
1 移行支援におけるプライマリ・ケアの役割
1 移行支援とは
2 移行支援を支える診療体制
3 移行支援にかかわる制度・政策と課題
4 病院の果たす役割
5 プライマリ・ケア看護師の役割
2 移行支援の対象の理解と看護
1 思春期・青年期の成長発達課題
2 小児期発症慢性疾患患者の発達課題
3 疾病に関する教育と症状マネジメント─遺伝医療と成育医療の視点から─
4 小児期発症慢性疾患を有する子どもと家族への看護
3 小児期発症慢性疾患患者と家族の特徴
1 小児期発症慢性疾患患者と家族のファミリーライフサイクルとその課題
2 家族志向の移行支援の重要性
3 家族を1 つのケアユニットとして捉えたアプローチ
4 家族の構造に対するアセスメントツール
5 活用できる社会資源
6 成人移行期のピアサポートプログラム
4 プライマリ・ケアにおける移行支援が必要な疾患とその影響と看護の展開
1a 染色体異常
1b 染色体異常(事例)
2a 膠原病リウマチ
2b 膠原病リウマチ(事例)
3a 1型糖尿病
3b 1型糖尿病(事例)
4a アトピー性皮膚炎
4b アトピー性皮膚炎(事例)
5a 先天性心疾患
5b 先天性心疾患(事例)
6a 発達障害
6b 発達障害(事例)
7a 小児がん
7b 小児がん(事例)
8a 腎疾患
8b 腎疾患(事例)
9a 神経性無食欲症
9b 神経性無食欲症(事例)
10a 小児外科系疾患
10b 小児外科系疾患(事例)
5 これからの移行支援の課題
1 在宅で暮らす重症心身障がい児の課題
2 難病・デュシェンヌ型筋ジストロフィー
索引
思春期は、異性や同性、部活(先輩・後輩)などの人間関係の悩みに加え、社会生活(家庭や学校が中心)を自主的・計画的に過ごすため、将来にむけて仕事や自立を意識するための内容も盛り込まれています。対象年齢:小学校高学年から中学生、高校生くらい。
摂食障害の治療法として有効性が認められている強化型認知行動療法(Enhanced Cognitive Behavior Therapy: CBT-E)の若年患者向けプログラム。神経性やせ症、神経性過食症、過食性障害(むちゃ食い症)ほか、摂食障害全体を治療ターゲットとし、その中核となる精神病理にアプローチする。個別性の高い治療ステップのすべてを、著者の幅広い臨床的実践をふまえて詳説する、臨床家必携のガイドブック。「食の問題チェックリスト」ほか、臨床で使用できるダウンロード付録も充実。
目次より
第1部 概要
1章 思春期の摂食障害と認知行動療法
2章 思春期の摂食障害のためのCBT-E--概要
3章 評価,準備と身体管理
第2部 基本的な実施方法
4章 思春期のためのCBT-E の3ステップ─-概要
5章 セッション0
6章 親のみのセッション
7章 セッション1
8章 セッション2
9章 変わる決心をする
10章 振り返りのセッション
11章 低体重と摂食不良に対するモジュール
12章 ボディイメージに対するモジュール
13章 摂食抑制に対するモジュール
14章 出来事,気分,食行動に対するモジュール
15章 ぶり返しと思考様式に対するモジュール
16章 上手に終わる
第3部 より複雑で重症な患者への適用
17章 拡大版CBT-Eモジュール
18章 CBT-Eの強化外来治療
19章 CBT-Eの入院治療
20章 併存疾患と思春期版CBT-E
付録 A 摂食障害の精神病理を記述するための用語
B カロリー制限と体重減少による影響ーーミネソタ飢餓実験
C 飢餓症状に関する調査票
D 食の問題チェックリスト
第1部 概要
1章 思春期の摂食障害と認知行動療法
2章 思春期の摂食障害のためのCBT-E--概要
3章 評価,準備と身体管理
第2部 基本的な実施方法
4章 思春期のためのCBT-E の3ステップ─-概要
5章 セッション0
6章 親のみのセッション
7章 セッション1
8章 セッション2
9章 変わる決心をする
10章 振り返りのセッション
11章 低体重と摂食不良に対するモジュール
12章 ボディイメージに対するモジュール
13章 摂食抑制に対するモジュール
14章 出来事,気分,食行動に対するモジュール
15章 ぶり返しと思考様式に対するモジュール
16章 上手に終わる
第3部 より複雑で重症な患者への適用
17章 拡大版CBT-Eモジュール
18章 CBT-Eの強化外来治療
19章 CBT-Eの入院治療
20章 併存疾患と思春期版CBT-E
付録 A 摂食障害の精神病理を記述するための用語
B カロリー制限と体重減少による影響ーーミネソタ飢餓実験
C 飢餓症状に関する調査票
D 食の問題チェックリスト
援助関係における対話のなかで言葉は,どのように機能するのでしょうか? 本書は相談場面(カウンセリング)における思春期クライアントとセラピストの対話をとりあげ,そこで交わされる言葉に着目し,その言葉がどのように思春期クライアントにポジティブあるいはネガティブな影響もたらすかをあきらかにしています。
PART1で「思春期支援のエッセンス」と題して,思春期クライアントの特徴と思春期支援のゴール(とそのゴールに至る道筋),思春期支援において大切な概念・技法を紹介しています。PART2とPART3では,〈親に連れられてやってきた思春期のクライエント〉という同一のケースの「初回インテーク場面」を取り上げ,思春期支援の目標である「自分で考え,自分で行動できる」ための支援,つまり「自己理解」→「意思形成」→「意思決定」→「行動」までを伴走する,カウンセリング場面を紹介していきます。ここではセラピスト・クライアントの言動のもつ意味や機能を詳述しています。
PART4ではあらためて,PART3で紹介した「カウンセリングの成功例」の重要局面をピックアップし,一連のやりとりのなかで展開された理論的背景を解説します。
PART1 思春期支援のエッセンス
思春期支援の特徴と心がまえ
思春期支援にとってのゴールとそのゴールに至る道
・スタート地点
・ゴール地点
・ゴールへ至る道
思春期支援にとって大切な概念・技法を知ろう
・共感とは何か? 共感するときの注意点は?
・不適応行動とは何か? どうしたら減らすことができるのか?
・強化とは何か? セラピストは何を強化すべきなのか?
文脈とは何か? なぜ,内容ではなく文脈に目を向けるのか?
PART2 カウンセリングの実際(失敗編)
自己理解・意思形成・意思決定・行動に導くカウンセリング(失敗例)
1.導入前の声かけ(失敗例)
2.導入(失敗例)
3.問題認識を確認する(失敗例)
4.道を探す(失敗例)
5.道筋に沿って情報を収集(失敗例)
6.現在の生活に焦点を当てる(失敗例)
7.向かう方向を考える(失敗例)
8.危機介入(失敗例)
9.向かう方向に沿った道づくり(失敗例)
後日談
PART3 カウンセリングの実際(成功編)
自己理解・意思形成・意思決定・行動に導くカウンセリング(成功例)
1.導入前の声かけ(成功例)
2.導入(成功例)
3.問題認識を確認する(成功例)
4.道を探す(成功例)
5.道筋に沿って情報を収集しながら価値観を描き出す(成功例)
6.表面上の問題ではなく,本当の問題を探る(成功例)
7.現在の生活に焦点を当てる(成功例)
8.向かう方向を考える(成功例)
9.危機介入(成功例)
10.向かう方向に沿った道づくり(成功例)
後日談
PART4 カウンセリングの理論的背景
PART3(成功例)の重要局面を理論的に振り返る
はじめに
文脈における内容と機能
文脈における選択的強化
体験の回避
価値および価値に基づいた行動
主に小児糖尿病診療を専門としない実地医家を対象に,小児・思春期における1型糖尿病診療のノウハウを平易にまとめた,日本糖尿病学会・日本小児内分泌学会による書籍.両学会編著による『小児・思春期糖尿病コンセンサス・ガイドライン』の内容をもとに,要点を簡潔な箇条書きとしており,実臨床においてすぐに活用できる.
【内容目次】
1 定義と分類
2 診断基準
3 病因と病態
4 疫学
5 コントロール目標
6 治療のプランニング
7 インスリン療法(持続皮下インスリン注入療法(CSII),SAPを含む)
8 血糖自己測定(SMBG)と連続皮下グルコース濃度測定(CGM)
9 食事療法(カーボカウントを含む)
10 糖尿病ケトアシドーシスとその治療
11 低血糖とその治療
12 シックデイ・外科手術への対応
A シックデイ
B 手術時
13 保育施設・幼稚園,学校生活での指導
14 心理指導
15 災害時の対策
16 糖尿病キャンプ
17 就職,結婚への対応
A 就職
B 結婚,妊娠,出産
18 小児医療から成人医療へ
文献
索引
"春はすぐそこ!中学生大家さん、
もうすぐ高校生になります。
高校入試も無事終わり、中学生最後の日々を
名残りおしみつつ日々を楽しむチエちゃん。
アパートの住人たちも少しずつ環境に変化が!?
そんな彼らを見て少し焦りをおぼえる前田さんですが……?
春めく毎日がわくわくする第18巻!"
友だち関係にのめり込む思春期の子育てにこそ、親への「愛着」が重要であることをやさしく解説。溢れる情報に惑わされない「愛着」の原理を活かした子育てを提唱する。
第1章 思春期を知る
1 「思春期」ということば
2 思春期の意味
3 思春期の始まりと終わり
4 子育ての要としての思春期
第2章 思春期の親子関係
1 対人関係の構造変化
2 子どもと親の葛藤状態
3 思春期に何が変わるのか
第3章 子育ての条件としての愛着
1 子育ての前提条件
2 愛着の理論
3 愛着の本質
第4章 思春期の愛着の危機
1 思春期の愛着
2 子どもを蝕む「仲間指向性」
3 仲間指向性がもたらす災厄
第5章 子どもを手放すな
1 仲間指向性を後押しする現代社会
2 子どもに友だちは必要か
3 子どもを引き寄せる
第6章 愛着にもとづく子育て
1 愛着だけが子育ての「場」を作る
2 愛着を損なわないしつけ
3 親にしかできないこと
第7章 愛着の村を作ろう
1 一人では育てられない
2 大人の役割
3 愛着の村の構造
第8章 子育ては「技術」ではなく「関係」
1 「正しい子育て」のプレッシャー
2 子育ての「技術」への依存
3 子育ては「関係」
第9章 思春期のメンタルヘルス
1 メンタルヘルスの時代
2 思春期の病理化
3 本当のメンタルヘルス
4 メンタルヘルスも愛着次第
第10章 子育てのゴール
1 子育ての終わり
2 子育ての目標
全国のお兄ちゃんを応援します♥♥
異世界メイドに
巨乳オプション実装♥
「おとなの薄い本」
付き特装版も同時刊行!!
白鳥兄妹×心乃香先輩の健全な3人交際は
2学期後半を迎えてさらに自然体に! ?
一歩ずつ恋を育んでいく親友たち、
そして白鳥兄妹にも変化がー!
思春期もりもり兄妹ラブコメ第10巻!
お風呂回もあるよ♥
著者は,時代とともに変容する家族,学校,社会を視野に入れながら,時を経ても変わらざる子どもや若者の心性に寄り添ってきた。本書には「思春期臨床は,クライエントの現実の〈人生の質・生活の質〉を向上させるものでなければならない」との思いが貫かれ,児童・思春期臨床四十余年の臨床経験が凝縮されている。
今回の第三版では,従来の章の加筆修正に加えて,発達障害やトラウマ,チーム・アプローチや薬物療法などの10章を新たに追加,大幅な改訂増補となった。クライエント一人ひとりの個別性を尊重し,次につなげる道筋が見えてくる,心理療法面接に関する臨床的知見の宝庫といえよう。
序章:思春期外来から見えるもの
□第1部 思春期臨床の基本的視点
思春期の治療を引き受ける時
精神科面接の基本
児童青年期の臨床的発達論
青年の内的世界と現実ーー能動性と受動性
思春期における薬と精神療法
思春期における支持的精神療法
思春期・青年期におけるチーム・アプローチ
集団体験について(その1)--ひきこもり青年とたまり場
集団体験について(その2)--さまざまな「動き」を通して
こだわりスペクトラムーー日常臨床における活用概念として
子どもの治療や支援の中で,薬物療法をどのように位置づけるか
*エッセイ:精神医学における曖昧さと明確さ
□第2部 思春期臨床の現場からーー治療と支援の実際
思春期面接のすすめ方
思春期・青年期の治療に活かす心理アセスメントの実際
青年期患者に対する森田療法的アプローチーー社交不安障害をはじめとして
*エッセイ:家族の姿
不登校を考える
境界例,境界性パーソナリティ障害
摂食障害
転換性障害
解離性障害
強迫性障害ーー主として不潔恐怖を中心として
青年期の自己破壊を考える
青年と不安
自閉スペクトラム症の診断をめぐってーー主として思春期以降の例について
自閉スペクトラム症に対する精神療法的アプローチ
おとなの発達障害
*エッセイ:「趣味人」として生きる
思春期臨床とトラウマ
私なりの精神療法,心理療法の学び方
*エッセイ:民芸と精神科治療
私の青年期臨床ーーこれまで,そしてこれから
あとがきに代えてーー癒しの鳥
思春期には「身体の変化」、「心の変化」、そして「役割、立場、人間関係の変化」と3つの大きな変化が訪れます。心の辛さを解決しながら、生き易く暮らすヒントがギッシリと詰まった一冊。
友だちはほしいけれど不安やこだわりで前に進めなくなってしまう、思春期の複雑な対人関係を前に立ちすくんでしまう……発達障害の特性のなかでも人との関係に課題を抱えている子どもたちに、友だち作りのソーシャルスキルを提供する「PEERS(Program for the Education and Enrichment of Relational Skills)」。「PEERS」には他のプログラムにはない4つの特徴があるーー1自閉スペクトラム症をはじめとする社会性に課題のある子どもたちが苦手とするスキルにフォーカスしていること、2思春期の子どもを対象にしていること、3子どもと保護者の同時参加によってスキルの般化を目指すこと、4プログラムの効果が科学的に証明されていること。さらに「PEERS」では2つの場面で体験しながら友だち作りのスキルを学ぶーー1家庭では親子でいっしょにホームワークに取り組む、2グループセッションでは仲間たちのロールプレイや行動リハーサルを通して自分を振り返るフィードバックを受ける。
ひとつひとつ課題をクリアできるように設計された全14セッションをトレーナーといっしょにこなしていけば、学んだことを学校でもすぐに応用できるなど、親子で効果を実感できる工夫があちこちに盛り込まれ、保護者と思春期・青年期の子どもたちに向けて「PEERS」の内容をまとめた『友だち作りの科学』(2017)と併用すれば、もっと上手にもっと効果的に「PEERS」を使いこなせるようになる。友だちを見つけて楽しく明るく日々を送るための、友だち作りがみるみる身につく「PEERS」トレーナーマニュアル!
思春期の子どもと親の持てる力を共に活かし,問題に責任を負わせて問題を維持させる「悪循環」ではなく,解決・未来志向の「良循環」を生みだすための臨床レッスン。思春期臨床にかかわるあらゆる立場の人たちのためのヒントを余すところなく紹介する。 思春期の人々と彼/彼女たちに向き合う親への理解を深める第1部「思春期の『秘密』」に続き,第2部「思春期臨床の『実戦=実践』」では,ときには戦い(実戦)にもなる思春期臨床の八つの実践事例を紹介する。
反社会的仲間集団の問題行動,思春期の仲間関係と同調圧力,ネットいじめと「ひきこもり」,DV家庭の家出事例,親子の来談ニーズが異なる不登校事例,親と担任教師の合同作戦会議を用いた不登校事例,自傷行為で入退院を繰り返した事例,思春期にはじめて顕在化する発達障害など,いずれも思春期特有の課題をテーマに展開。最後に第3部「思春期臨床の『種明かし』」では,思春期臨床のポイントとスタンスをまとめる。 心理臨床家,相談援助職,教育・医療・福祉・育児・司法・矯正領域のスタッフ,思春期の子どもをもつ親/保護者のために書かれた,思春期の子どもたちへのケアと親への支援を「やさしく」伝える思春期臨床実践。
第1部 思春期の「秘密」
01 リビングアウトをつかまえてー思春期の「秘密」
02 こじれて もつれて つながってー思春期の親子関係
第2部 思春期臨床の「実戦=実践」
03 同質と異質の境界でー思春期の仲間関係と親子支援
04 中二の夏のLong Winding Road-反社会的仲間集団からの「離脱」
05 二つの裏切りー家族システムと家族再生プロセス
06 誰もいないところへーアクティングアウトからの家族再生
07 “母親失格”なのか?-交錯する親子のニーズ
08 大人たちの共同戦線ー保護者コンサルテーションのすすめ
09 元優等生の自責と充電ー解決志向アプローチ
10 二人のエリー問題外在化アプローチ
11 自分を知ることー思春期発達障害(神経発達症)のアセスメントと対応
第3部 思春期臨床の「種明かし」
12 思春期に吹く風ー思春期臨床の「種明かし」
AYA世代とは「15歳〜30歳前後の思春期・若年成人」を指す。
小児期と成人期の間にあたるAYA世代の患者は「病気の治療が生殖機能に及ぼす影響」「晩期合併症」「通勤や通学に及ぼす影響」「多感な時期に病気に罹患することによるさまざまな精神的ストレスや将来への不安」などの問題を抱えている一方、サポート情報が少ない。
本書は医療従事者だけではなく、教育、就労支援など多方面の専門家が、治療や妊孕性、メンタルケア、経済問題、教育、栄養、コミュニケーションなど幅広く論じた。