江戸の女の新鮮な感情世界。美しい侍の妻の奇妙な眼の色。女たちの心の奥の奥を描く、著者初の傑作時代小説集。
自炊は面倒と思っている人にうってつけ。手間ヒマかけずにおいしくできる料理がズラリ。ヤングアダルトたちのための生活便利本。
中国戦国時代を舞台にくり広げられる美姫・宋美漣の激しい恋と大活劇ロマン。父の仇を討つ。この命にかえても。凶兆は、婚約者・子雄が黄帝の剣を手に入れた時にはじまった。宋家の一人娘・美漣は国内でも五本に指に入ると噂される美女だ。そして、見かけとは裏腹の武芸好きで、天才的な剣の達人でもある。親に決められた婚約者・子雄の剣が黄帝の封印をとき、百鬼王を世に甦らせてしまったのだ…父を惨殺された美漣は、魑魅魍魎の跋扈する戦国の世に仇討ちを決意、旅立った…。
川崎市で一家三人が銃殺され、12歳の長女舞衣が姿を消した。根本警部が行方を追い始めたやさき、銃撃事件が続発、舞衣の兄俊一の仲間たちも射殺された。凶器はいずれも競技用拳銃だったが、なぜか同種銃の犯罪記録はすべて封印されていた。根本は渋谷のディスコで射撃銃を持つ舞衣を発見したが…。家族の復讐を誓う少女、舞衣は何を見たのか。やがて浮上するテロ組織の驚くべき正体とは。実力派作家が贈る渾身のサスペンス傑作。
北宋の都開封府の武術師範・毛範泰が、表沙汰にできない事件を密かに解決するために組織した「遊戯隊」に集った面々-美人女優にして武芸十八般を修得した劉蘭姫、二刀流の伊達男虎郎将、剛波昇竜拳を極めた美青年伏之竜、怪力破戒僧玄敢…は、いずれ劣らぬ曲者揃い。下品で酒好き、女好きでは人後におちない郎将が恋患い。宿酔いでもがき苦しむ郎将を街でやさしく介抱してくれた美少女に一目惚れしたというのだ。爾来、彼女の姿を追い求め、ついに再会。褥を共にした後、彼女は、蘭姫を殺してほしいといった。
舞台は中国、明の時代。港町の寧波に都から色男の判官、柳禎之がやってきた。迎えうつのは海の荒くれどもを従え、港を牛耳る若き女傑、高悠環。その美貌とはうらはらに、火竜娘と呼ばれるほど気性は激しい。そこへ彼女に好意を寄せる呉家の頭、鷹訓もからんで…。恋と権力、冒険。痛快無比の中国ロマン。
時は永楽末年。京師で酒屋を営む女、杜紅萌は、仲間の香姫の不手際により、京師を逃れるはめになる。香姫が京師一の博徒一家の男たちを殺してしまったのだ。竜嫂、燕児を加えた女四人衆は、どうにか追手を逃れるが…息もつかせぬ波乱の展開、中国歴史活劇ロマン。
「そなたはとうとう己に打ち勝ったな」紅夢斎は手放しの賞賛を与えた。「いえ、まだ、ほんの緒を掴んだだけです。己のすべてを知るというのは、実に難しい」「だがそなたにならば、それができる。して…その新しい秘太刀の名だが、なんと」流之介は戸惑った。そんなことは、考えてもみなかったのだ。考え考え、「さしずめ、夢幻流烈破の太刀とでも名付けましようか。老師」「ほう、夢幻流…なんと奇麗な-」「ついでに、老師の御名より一字頂き、夢路流之介と称したく存じますが」「夢路流之介、か。そなたに似合いの、実にとぼけた好い名じゃな」流之介が、仙界山と称するこの秘境に棲まう仙人もどきの奇妙な老人、紅夢斎の弟子として暮らすようになってから今日まで、早五年の歳月が流れていた。「明日には山を下り、何年かかろうとも、真実の親を捜したく思います-」怪奇と幻想の交錯する室町を舞台とする歴史恋愛活劇。
洛陽の宮中で密かに進む謀反の企み!その探索を命じられた隠密司馬・朱炎の恋と活劇を鮮烈に描く、書き下ろし中国冒険恋愛ロマン。
(完全に、狂っている-)と流之介は思った。たじろいで足を止めたその一瞬に、だが見るもおぞましいものを彼は見た。恐ろしい呪いの言葉とともに悪魔の高笑いを続ける女の、ただでさえ醜怪な顔がみるみる溶け崩れ、皮膚が肉が、不気味な異臭を放ちながら、モクモクと黒煙を吐き出しはじめたのである。怪奇と幻想の交錯する歴史恋愛活劇。
辺塞の風、数奇な美女の運命。漢の後宮から匈奴の王に嫁した伝説的美女。比類のない生命の輝きを鮮やかに描く傑作。
舞台は8世紀前半の唐の都・長安。名家の生まれでありながら女詐欺師に身を落とした瑤瓊は、今日も悪たれどもを手玉に口八丁手八丁の活躍。男勝さりの彼女にとって唯一の泣きどころは大将軍の養子でありながら居酒屋の親爺におさまっている異母兄の勇烈。そして瑤瓊に結婚をせまるやくざの若親分竇進。だが瑤瓊の胸のうちには異母兄への切ないほどの思いがあるー。中国時代活劇ロマン長編。
代々女帝によって統治される西域の国『西涼』には、個性派ぞろいの四姉妹がいた。長身で屈託のない長姉・妹紅、清冽な美貌に鋼のごとき険しさをもつ次姉・絮星、なにかにつけて要領のよい末姉・琲梨。そんな優秀な姉たちにコンプレックスを抱いていた末姫・瑛蓮に、国の存亡を担う神毒山への御託宣伺いの役がまわってきた。供はなぜか瑛蓮に冷たい馮昂のみ。瑛蓮にとって単調で厳しい旅だったが、吟遊詩人を名乗る張圭白の難儀を救って以来、様々な事件が起こりはじめた…。
人望厚い栃木県知事鳩村諄二郎が首を吊った。直後、忌しい、諄二郎の幼児プレイビデオを発見した実兄で蔵相の光彦は、密かに警視庁特捜刑事根本に真相解明を命じた。やがて、政界の名門鳩村家に関わる人物が次々に怪死していた事実が判明。根本がその背後に“ヒカリ”という謎の女の存在を突き止めたとき、ついに光彦にも魔の手が…。はたしてヒカリの正体は?鳩村家はなぜ狙われたのか?実力派作家が妖艶な魔性の女の犯罪を描いた白熱の書下ろしサスペンス。
北の丸公園で西新宿署の小室警部が拳銃自殺をし、同日、パチンコ代欲しさに売春をする主婦香取妙子が投身自殺した。誰もが無関係と思った二つの事件にただ一人不審を抱く男がいた。警視庁別係の相羽刑事である。相羽はただちに二つの事件の関連を追い始めるが、直後、新宿の巨大パチンコ店が爆破され、元過激派の香取義雄が緊急手配された。だが、これは巨大な人喰い顎への入口に過ぎなかった。さらなる爆破予告が届いたのだ…。
西陵城のある可南の地では、死者が蘇る、雄鶏が卵を産む、河南にいるはずのない『夜光猴』が現れるなど、異変が相次いでいた。不吉なそれらの出来事に、梨佳は大きな戦乱が近いことを感じ取り、凌の身を案じるのだった。暴虐をつくす蚩尤との決戦に備えて兵を鍛える凌だったが、凌を狙う百鬼王が蚩尤を操っていることに気づいていない。降りしきる雨の中、突然現れた蚩尤軍に度肝を抜かれ、混乱を極める凌の軍勢。そして両軍の兵士が見守る中、ついに凌と蚩尤の一騎打ちが始まった。
中国の後漢末、群雄割拠の時代にきら星のごとく現れた眉目秀麗な呉の武将孫策。彼に幼少から従い、補佐した周瑜。宿敵曹操の大軍に立ち向かう少数精鋭の呉軍。中原の覇をかけ、赤壁の戦いの火ぶたが、切って落とされようとしていた。孫策と周瑜の若き二人の獅子を叙情深く見事に描ききった「三国志」絵巻。
必殺の剣が奔る。桜子姫、危うし。漆黒の髪に艶やかな目鼻立ち、三日月藩主の娘・桜子姫。江戸家老の御家騒動の陰謀を阻止せんと上屋敷を出奔…。それに従うは、乳母の楓に、浪人者・藤十郎、女手妻師・お多香。ハチャメチャ痛快!もう、読みだしたらとまらない。