親密な眼差しがとらえた芸術家たちの素顔。黄金時代のモンパルナスで制作する芸術家たちに注がれたドアノーならではの眼差し。創作の優れた証人であり、時代へのノスタルジーをも内包するドアノー写真の魅力を、機知に富む撮影メモとともにあまさず伝える。決定版ドアノー写真集第2弾。
音楽や舞踊、演劇に代表される舞台芸術は、アーティスト(演奏家)と聴衆が「その時間」「その場」を共有するという点で、他の芸術とは異なる運営上の特色や難しさを有している。本書は、舞台芸術の中でも特に音楽に焦点をあて、「芸術」(art)概念が変化した現代において、その魅力を、より多くの(かつ多様な)聴衆といかに共有できるかという観点から、人的体制のあり方や、運営を担うマネジメント人材の育成のしくみ作りについて、具体例をもとに論じる。コンサート(音楽祭、プロジェクトなど)の効果的な運営のあり方や、望ましいマネジメントの方向性についての新しい可能性を提示する。
特集 よみがえる黄瀬戸
黄金に輝くようなやきもの「黄瀬戸」は、桃山時代の美濃で、わずかな期間しか作られなかった。同じく桃山時代に作られた「志野」や「織部」が歪みを持った造形で器種も多彩である一方、黄瀬戸は鉦鉢や向付といった食の器が中心で、形も端正である。手本となる本歌の種類が少なく、約束事が多いためだろうか、黄瀬戸を制作する現代作家は少ない。しかしだからこそ、黄瀬戸の魅力、本質をどう捉え、いかに自分らしく表現するか、作家の創造力が問われる。本特集では、今後を担う1960〜80年代生まれの作家を通して、令和によみがえる黄瀬戸の魅力に迫っていく。
特集 よみがえる黄瀬戸
黄瀬戸の名品と歴史
黄瀬戸の魅力を再発見する
談・伊藤嘉章(愛知県陶磁美術館総長・町田市立博物館館長)
松村 遷
素材から追いかけ直す黄瀬戸
加藤高宏
黄瀬戸のアンビバレント
各務賢周
美濃の自然から黄金を生み出す
西岡 悠
黄瀬戸に織部の遊び心を融合する
山口真人、鈴木 都、大前 悟、後藤秀樹
松原一哲、山田洋樹、黒岩達大、有本空玄
伊藤公洋、木村 元、岸野 寛、浜田敦士
松浦祐介、藤原和夫、加藤三英、加藤圭史
徳川 浩、田中 孝、鈴木伸治、深見文紀
太田 梁、富永善輝
「古典と現代」高麗茶碗
杉本玄覚貞光
わび茶の美学と井戸茶碗
フォーカス・アイ 伊村俊見
寡黙か雄弁かー遊漂の黒陶
文・正村美里(岐阜県美術館副館長兼学芸部長)
期待の新人作家 樽田裕史
現代工芸の作り手たち 第33回 ガラス 伊藤真知子
連鎖する生命の姿を編む
文・中島春香(富山市ガラス美術館主任学芸員)
展覧会スポットライト
挂甲の武人 国宝指定50周年記念
特別展「はにわ」
文・河野一隆(東京国立博物館学芸研究部長)
2024/10/16〜12/8 東京国立博物館
2025/1/21〜5/11 九州国立博物館
心象工芸展
文・岩井美恵子(国立工芸館工芸課長)
2024/9/6〜12/1 国立工芸館
國吉清尚
文・倉成多郎(那覇市立壺屋焼物博物館学芸員主査)
2024/10/25〜11/24 那覇市立壺屋焼物博物館
陶芸公募展レポート
第13回国際陶磁器展美濃
文・石崎泰之(岐阜県現代陶芸美術館館長)
2024/10/18〜11/17 セラミックパークMINO(岐阜県多治見市)
第18回パラミタ陶芸大賞展
文・衣斐唯子(パラミタミュージアム学芸員)
2024/6/7〜7/29 パラミタミュージアム
工芸入門講座 陶と漆の技法 第8回 錫粉蒔き・針描き・メノウ磨き
講師・菱田賢治
陶芸マーケットプライス
展覧会スケジュール
インフォメーション
HONOHO GEIJUTSU English Summary
他
デジタル化とコモディティ化が進む現代,アートの「場」から得られる知見や着想,地域や文脈とのつながり,そして真正性は,企業にとって有益なものである。アートプレイスの構築から企業が得られるものとは何か。取材と分析から得られた知見をもとに伝えていく。
序 章 アートプレイスへの注目
第1部 メディアとしてのアートプレイス
第1章 企業と芸術とのかかわり 第2章 ビジネスにとってのアートプレイス
第2部 事例研究1 オウンド・アートプレイス
第3章 工藝作家が育つ場をつくり,「文化をたのしむ,くらし」を届ける:日本毛織株式会社「工房からの風」 第4章 芸術家との交流が「資生堂らしさ」を育み,企業文化が事業を駆動する:資生堂ギャラリー,資生堂アートハウス 第5章 「よく生きる」をともに考える地域社会の要:ベネッセアートサイト直島 第6章 創業の精神が宿る2つの場所を起点とした芸術支援:サントリー美術館とサントリーホール 第7章 地域に愛される存在をめざした関係づくり:トヨタコミュニティコンサート
第3部 事例研究2 ペイド・アートプレイス
第8章 美術を通じたステークホルダーの結節点:大原美術館 第9章 つながりをつくる社会包摂型の芸術劇場経営:可児市文化創造センターala(アーラ) 第10章 クリエイターとの協働によって企業のマインドセットを刷新する:ロフトワーク 終 章 アートプレイスの形態が生み出すコミュニケーション効果
補 論 本書が依拠する概念と理論
補論1 アートプレイスの役割 補論2 企業と社会のあいだ 補論3 企業のコミュニケーションと文化芸術
シェレ、ロートレック、ミュシャ、……
街に氾濫する大型の広告ポスター。大量に流通し始めたポピュラー・イメージの衝撃に画家やデザイナーはいかに対峙し、美術批評家、文化政策、産業界はどう関わったのか。フランス美術史への新しい視点。
序文 7
本書の問題意識 9
本書の構成 12
研究史の現状 17
第一部 “アフィショマニ(ポスター愛好)”とポスター芸術論の形成 21
第1章 十九世紀末フランスの“アフィショマニ”とロジェ・マルクス 23
序 23
一.一八九〇年代のフランスにおける“アフィショマニ”現象 27
二.ロジェ・マルクスのポスター批評(一八八九〜一九〇〇年)32
結 43
第2章 二〇世紀に臨む広告芸術論 -ギュスターヴ・カーン著『街頭の美学』(一九〇一年) 44
序 44
一.著書『街頭の美学』(一九〇一年) 47
二.第一次世界大戦前後の揺れる視点 55
三.広告芸術論の形成へ 63
第3章 世紀転換期のジュール・シェレ -ポスターから公共装飾画へ 67
問題の所在 -装飾画(家)の領分 67
一.ポスター・デザイナーとしての業績 69
二.装飾画家としての起用 76
三.キャリア転向の背景 -支援者のネットワーク 90
結 95
第二部 画家として、ポスター・デザイナーとして 97
第4章ジェームズ・ティソ作《パリの女》シリーズ
-油彩画と版画(リトグラフ/エッチング)の双方向的関係 99
序 99
一.油彩画《パリの女》シリーズ(一八八三〜一八八五年)とその版画化構想 100
二.作画過程 115
三.公開後の展開 130
結 136
第5章パリのミュシャ再考 -ミュシャはポスターの巨匠であったのか? 138
序 138
一.後発のポスター・デザイナー 139
二.称賛されるミュシャ様式 143
三.アフィショマニ(ポスター愛好)の現象 147
四.ミュシャ -装飾芸術としてのポスターの巨匠 151
第6章 領域横断する芸術家トゥールーズ=ロートレックのポスター 156
序 156
一.世紀末フランス、ポスター発展の環境 157
二.ロートレックとポスター 163
第三部 ポスター芸術の産業化と制度化 175
第7章二〇世紀初期フランスのポスターをめぐる広告業と現代芸術家連盟 177
序 177
一.広告業 179
二.現代芸術家連盟 183
三.アメリカ型広告との差別化 189
結 196
第8章醜いヌーディズム -一九三〇年代現代芸術家連盟批判に見る伝統主義とその背景 197
序 197
一.現代芸術家連盟の設立(一九二九年)と目的 198
二.「醜いヌーディズム」(一九三三年) -現代芸術家連盟批判に見る伝統主義 203
三.現代芸術家連盟マニフェスト「現代芸術、あるいは現代生活の環境のために」(一九三四年) 208
四.一九三〇年代フランスにおける装飾芸術観の振り幅 213
第9章ポスター美術館の誕生(一九七八年) -現代フランスのポスター受容と文化政策 217
序 217
一.最初のポスター専門美術館 219
二.広告美術館へ 225
三.芸術概念の拡大と広告振興 231
結にかえて -ポスター美術館の現在 236
あとがき 239
─
註 1
志望校攻略に欠かせない大学入試過去問題集「赤本」
特集「〈劇場〉の現在形ー「拡張」と「拡散」の間で」に対して3つの視点から渡邊守章、きたまり、宮沢章夫、黒瀬陽平、蔭山陽太、三浦基らが発言。他にアジアにおける演劇教育(平井愛子)をはじめ論考多数を収載。
芸術ってどんなもの?
石器時代から現代までの彫刻の歴史はもちろん、
オーギュスト・ロダン、パブロ・ピカソ、イサム・ノグチなど
近代彫刻の10人の奇才も紹介します。
付属のピースを組み立てて、自分だけの傑作を作りましょう。
世界文化遺産登録オフィシャル・ブック
日本のほぼ中央にそびえ立つとともに、日本人の心の真ん中にそびえる美しい山・富士山。富士山は古来より日本人の精神の拠り所として、また、文化の源泉として、常に私たちとともにありました。
そして、そんな富士山がもつ高い文化的価値の全貌を初めて明らかにし、世界の人々に強く訴えかけたのが、「認定NPO法人 富士山を世界遺産にする国民会議」および「富士山世界文化遺産登録推進静岡・山梨両県合同会議」によって、そのモットーである「いつまでも富士山を世界遺産に」公式本として刊行された本書でした。
その意味で、このたびの富士山の「世界文化遺産」登録に際して、本書が果たした役割は、決して小さくないと自負しております。
信仰、美術、文学、民俗などさまざまな分野において日本を代表する研究者や宗教家の協力によって生み出された本書をぜひ、御覧いただき、なぜ富士山が「世界文化遺産」に登録されたのか、その真相に迫るとともに、あらためて富士山の偉大さに、直接、触れてみてください。
ユネスコ世界遺産会議に提出するための公式学術的資料として、日英バイリンガル仕様です。
移動とアートの関係、模倣が創造に変わる節目とは?
ノーベル文学賞受賞者カズオ・イシグロ、V・S・ナイポールの作品世界に投錨し創造の航路をつぶさに描き出す。
創造と模倣の関係を幅広く問う論考。
アートは移動する。アーティストも移動する。
鑑賞者も移動する。
異文化の窓としての港、文学。
長崎でカズオ・イシグロ作品の記憶の残像に出会う。
作中人物たち、先行研究者たち、先行読者たちの記憶の残像。
空隙とためらい。
模倣とはまねること。あらゆる生活の場面に模倣はある。
模型、ミニチュア、根付、オブジェや絵画。
拡大、縮小、反復、翻案、転用、転換による創造。
オリジナルと複製芸術。パスティシュと「まがい物」。
イデアとミメーシス。ポストモダンと模倣社会。
画家・作家・音楽家を巡る映画から創造と模倣を見る。
レンブラント | フェルメール | ゴヤ | ターナー
マネとモリゾ | ルノワール | ゾラとセザンヌ | ロートレック
ジェイン・オースティン | ヴァージニア・ウルフ
パガニーニ | シーレとクリムト | ダリ
フリーダ・カーロとディエゴ・リヴェラ | 「THE FORGER」
ジャクソン・ポロック | カーウァイ三作。
V・S・ナイポール『模倣者たち』。
旧植民地の模倣と建国の創造、中心の発見。
弟シヴァ・ナイポールの模倣と創造。
イシグロ作品の成立の過程、そして創造。
第一章 アートと移動
第二章 イシグロのトポス
大阪から長崎へ、
そしてポストコロニアルへの旅
第三章 模倣から創造へ
第四章 創造への転換
画家・小説家・音楽家を巡る
映画を糸口に
第五章 創造と信頼
カズオ・イシグロの世界の成立
東南アジアという地域の特性を理解したうえで,上演芸術を通してインドネシアの社会,文化のさまざまな側面を考察する.人々の生活における上演芸術の位置づけ,宗教・信仰との密接な関連,儀礼における芸術の上演,演劇とそれを支える物語の世界,音楽と楽器から見る自然環境とのかかわり,楽器の象徴性,舞踊と身体,ポピュラーカルチャーとアイデンティティについて,民族音楽学・文化人類学的な視点から解説する.
2019年で生誕120年を迎える映画史上の名匠アルフレッド・ヒッチコック。「サスペンスの神様」という呼称だけではおさまらない、その特異な作品の魅力、オブセッションを考察する。
あなたは、自分が夜空に輝くあの星たちと共通点を持っていることや、月がなぜいつもそこにあるのか、などについて思いを馳せたことがありますか? 惑星のすばらしいダンスや、過ぎ去っていく時間のこと、そして森羅万象の原理について、考えてみませんか?
この世界は、あまりにもふしぎに満ちています。私たちは、今までになく複雑化した文明の中で暮らしていますが、そこには美しいもの、そして、「どうやって」「なぜ」という問いの答えに出会う幸せも存在しています。
ニューヨークタイムズのベストセラー「翻訳できない世界のことば」の作者による「ことばにできない宇宙のふしぎ」は、繊細な思考の広がりとイメージ豊かなイラストによって、宇宙のふしぎへの探検にあなたを誘います。私たちのすぐそばにある、おどろくべき原理や法則、現象に光を当て、心を震えさせてくれるのです。
目次
はじめに
私は炭素でできている
太陽を食べながら
この宇宙でもっとも輝けるもの
惑星の動き
熱さって何?
光の魔法
原子は芸術作品
植物の賢い生き方
天の川銀河と太陽系
今日、あなたはあなた自身ではない
ミトコンドリア・イブ
私は青のある所にいるよ
遠く離れた関係
雲に泣く
時間って、本当は何?
月はなぜ空にあるの
分類学
日と年
生命の世界
本当の所、何を吸い込んでいるのだろう
話したいのは、あなただけ
眠る山々は、そのままに
ストレスにさらされるサンゴ
空っぽの空間でダンスを踊る
理論は推測ではない
宇宙はあなたより年上
あなたの大部分は細菌
あなたはただ、一番最近思い返したことだけを記憶している
科学の言葉
日が昇ったあとで寒くなる
あなたは放射線を出している
それはただの夢だった
地球を5周する
心臓の鼓動が26億回
何にも触れられない
なぜ、いつも私の上に雨が降るの
進化
周期的に
死にゆく星々の匂い
オイゲングラウ
宇宙に電話をかけたい
2つ以上 の心臓
5個以上の感覚を持っている
南天オーロラ
初夏はどれほど世界を変えるか
翼も持てるかもしれない
いっせいに
太陽は典型的な恒星
元素のこと
恒星は止まってはいない
永遠の真実はない
音楽芸術の振興及び保護に係るマネジメントや政策に関する研究、
音楽芸術に係るアートマネジメント教育に関する研究、
その他広く音楽芸術に関する研究を推進し、
もって音楽文化の発展と普及に寄与することを目的として設立されました。
【巻頭言】
『音楽芸術マネジメント』第10号の発刊にあたって 中村孝義
【学会設立10周年記念特集1】「これまで・これから」
学会10年の歩みとこれから 川村恒明
「日本音楽芸術マネジメント学会」これまでの10年、これからの10年 中村孝義
文化行政のこれまでとこれから 韮澤弘志
これからの日本の文化政策〜2017年と今後 石田麻子
“たゆたえど沈まず”〜公立文化施設のこの10年と今後の展開 松本辰明
公立/民間ホールをめぐる10年、そして10年 森岡めぐみ
実演芸術団体にとってのこの10年、そして今後の10年を見据えて 澤恵理子
音楽芸術の本質的な価値がもたらす成熟した社会に向けて 丹羽徹
【設立10周年記念特集2】「10年間の軌跡〜研究会・研究大会、学会誌、会報」
研究会・研究大会 開催記録(2018〜2017)
学会誌 掲載論文・記事等一覧(第1号〜第9号)
会報 掲載記事一覧(0号〜20号)
【研究論文】
小学校における音楽アウトリーチの有用性についてー『学習指導要領』における観点から 伊志嶺絵里子
【研究ノート】
劇場・音楽堂と芸術団体の提携の事例研究─ティアラこうとうにおける双方向タイプの提携 中川俊宏・上田順
地域と大学の連携によるワークショップの成果と課題ー青森県「アートスクール」を事例として 市川恵・佐野靖
【現場レポート】
指定管理者制度によるオーケストラの公演形態の変化 中原朋哉
【Book review】
【紹介】
『音楽芸術マネジメント』投稿規程
美術・音楽・演劇・舞踊…各芸術分野の教育を包括する観点から、芸術教育の
理念、内容、方法を探究する。
社会、教育、生活などに芸術の諸機能を働かせて、
それらの人間的な転換を求める広義の芸術教育の考え方に立ち、
美術教育、音楽教育、演劇教育、舞踊教育……各芸術分野の教育を包括する
多様な視点から芸術教育の課題を考えるポリフォニーとしての芸術教育論。
第I章 芸術教育の射程
1 学校教育におけるアートの可能性
2 芸術教育の視点を見直す
3 人間の文化的主体性の形成と芸術・芸術教育の役割
─障害児者の芸術文化活動に寄せて─
第II章 芸術教育の社会的展開
1 平和のための教育としての芸術教育の性格
2 地域社会における芸術文化活動の視点と展開
3 コロナ禍に向き合う芸術文化の取り組みと芸術教育の展望
第III章 学校改革と芸術教育
─「芸術の教育」から広義の「芸術による教育」へ─
1 学校改革運動としての芸術教育─学力向上論と芸術教育との関係に寄せて─
2 総合学習に芸術教育の視点を活かす
3 学校文化活動の性格と役割をめぐって
─「芸術の教育」か「生活指導」かを超えて─
4 学校における芸術教育の性格をめぐって
─山住正己の芸術教s育論の歴史的意義と課題─
第IV章 美術教育論の探求
1 子ども自身から生まれる真の表現の探求
2 発達論を基礎にした美術教育論の探求すべき課題
3 造形表現能力の発達の視点を軸にした美術教育論の探求
第V章 芸術教育論の基礎概念の再考
1 「表現」と「模倣」の原理に見られる芸術の真理性の根拠と性格
2 「共通感覚論」再考の視座─中村雄二郎『共通感覚論』を批判的に読む─
3 芸術教育学の「学」としての固有性と可能性
巻頭特集:細密銅版画 線刻の魔術師たち
「細密画」とは、細部まで緻密に描かれた小型の絵画のことをいいます。16世紀の西洋で「小型の(ミニヨン mignon)」という語と混合して、写本の挿絵や装飾文字、装身具などに描かれた小型の絵を指す「ミニアチュール」の訳語とされるようになりました。ミニアチュールというのは、はじめは朱色の鉛丹(ミニウム minium・羅)で描かれたことに由来しています。
細密画は文字通り「細部まで緻密に描かれている」ことが前提となりますが、その場合、「線描」によるディテールの描写が決め手となります。すると、それを描くための道具はペンや鉛筆、より鋭く硬質な線描を得意とする銅版画が主流となってきます。
本特集では、エッチングやエングレーヴィング(ビュラン)技法を主とする線刻による銅版画を「細密銅版画」として紹介します。その手数の多さから、時に職人的、超絶技巧という言葉で片付けられてしまう細密銅版画ですが、現在活躍している若い銅版画家の中には、あえてその技法に取り組んでいる者も少なくありません。本特集では4章に分けて、今現在、細密銅版画を制作している日本の作家と、そのルーツとなった西洋の歴史について紹介しています。
第1章「今 注目される若き細密銅版画家」では40代以下の作家4名を取り上げ、各々の細密銅版画の技法や表現のこだわり、作品のテーマについてインタビューを行いました。第2章「細密銅版画家傑作選」では、ベテラン作家5名と、これまで小誌に登場する機会が少なかった作家8名の、合わせて13名の作品を、3つの質問への回答とともに紹介します。第3章「細密銅版画のルーツ」では、アルブレヒト・デューラーに始まる16世紀以降の西洋の、特に細密描画によって制作された銅版画の流れを紹介し、第4章「現代欧州の細密銅版画家たち」では、1970年代以降に活躍したヨーロッパ・東欧の作家、フィリップ・モーリッツやニコライ・バタコフらの作品を掲載します。
細密銅版画というテーマの通り、密度の濃い特集です。是非じっくりと誌面に顔を近づけて、緻密な線の織りなす迷宮を堪能してください。
掲載作家:池田俊彦、謝敷ゆうり、齋藤悠紀、増田奈緒、坂東壮一、久保卓治、蒲地清爾、尾崎ユタカ、林 由紀子、片岡外志子、馬場 恵、生熊奈央、藤田典子、木村遥名、初田有以、山根一葉、雨宮ひかる
マルティン・ションガウアー、アルブレヒト・デューラー、ルーカス・ファン・レイデン、ゼバルト・ベーハム、ジョルジョ・ギージ、ピーテル・ブリューゲル(父)、ジャック・カロ、ヘンドリク・ホルツィウス、コルネリス・ホイベルツ、ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ
フィリップ・モーリッツ、ニコライ・バタコフ、カロル・オンドゥレイチュカ、カレル・デメル、エリック・デマジエール
2022年から23年にかけて、展覧会が全国を巡回し、死後25年を経てなお変わらぬ人気を証明した芸術家・岡本太郎(1911〜96)。その芸術家像は、作家自身や長年の秘書・岡本敏子から語られたものをもとに形づくられ、なにより停滞を突き破るエネルギッシュな言葉がその芸術同様多くの人々を引きつけてきた。そのような中、本書では太郎の創作活動について、とりわけ作品の図像と作家などによる言説の関係性に注目し実証的に考察するという、従来とは異なるアプローチをとる。このことで、数ある岡本太郎関連書とは異なる、新たな岡本太郎像の提示を目指す。川崎市岡本太郎美術館で学芸員を務めた著者の長年の研究成果をまとめた一冊。
レンブラント、フェルメール、ウォーホル、フリーダ……実証主義を超え、真実らしさを求めた映像が挑んだ、新たな芸術家の詩的真実に迫るスリリングな映画論。