[本書の構成]
民族教育や多文化主義、多文化教育に関する先行研究を検討し、民族教育と多文化共生教育の相互作用を検討する際の有効な視座を示した。多文化教育への検討においては、教育の場の位置性に注目し、場の性格とあり方、そこにかかわる人々との関係が、マイノリティ児童のアイデンティティの形成になぜ重要なのかを、カリキュラム論を中心として分析を行う必要性を提起した。
本文(第2章から第10章まで)では、公教育における民族教育の歴史を、戦後の民族学級の草創期にまで遡って検討し(第2章)、続けて「民族型」民族教育の実践の事例として、京都における民族学級のあり方(第3章から第5章)、「折衷型」民族教育の実践事例として、大阪における民族学級のあり方(第6章から第8章)、川崎市ふれあい館における民族教育の場のあり方(第9章と第10章)について、長年のフィールドワークに基づいて分析・考察を行った。それぞれの民族教育が行われていた場において、とりわけ1990年代以降の多文化化の潮流の中で、従来の民族教育の基本精神・原則がどのように継承あるいは変貌されているかに注目し、分析・考察を行った。
終章では、各地域の公教育における民族教育の場の基本原則や精神、そして多文化共生教育との関係や相互作用を総合的に検討し、各事例における公教育における民族教育の位置と関係の図式化を試みた。その上で、公教育において、どのような民族教育と多文化共生教育との関係が望ましいのかについての提言を示し、二つの教育の間に繰り広げられてきた葛藤や不調和の超克の可能性と課題を探った。
[目次]
序章 : なぜ、公教育における民族教育の場に注目するのか
第1章 : 多文化共生と多文化主義、そして民族教育
第2章 : 公教育における民族教育の場の誕生、衰退、そして再登場
第3章 : 京都の市立小学校における民族教育実践の生成と継承
第4章 : 京都市立小学校の民族学級
第5章 : 多文化共生の中の民族学級
第6章 : 大阪の民族学級
第7章 : 大阪市立小中学校の民族学級
第8章 : 大阪の民族学級と多文化共生教育
第9章 : 川崎のふれあい館における教育実践の生成
第10章 : 川崎市ふれあい館における教育実践と多文化共生
終章 : 民族教育と多文化共生教育は「共生」できるのか
「おとなはバカだ」と
泣いていたころのあなたに
この本をささげます。
みーんな「はだかの王さま」なのに、
だーれも「王さまは はだかだ」って言わない。
わかっていないのに、わかっているように見える技術、できないのに、できているように見える技術。そんな技術に囲まれて、私たちはみんなが「はだかの王さま」になっているのかもしれません。
これがながくつづくと、私たちは本当は自分はなにができるのか、なにがしたいのかを見失ったまま、やみくもに評価や充実感を求める「できる」依存症におちいるのだと思うのです。
全身をつかって、みる・きく。そんなあたり前のコトがむずかしい時代になってきました。目的や意味が、みて・きいて、感じるより先に言葉であたえられて、「できてしまう」現代社会。
このおかしさに気づくことができるのは、「おとなはバカだ」と泣いていた子どものころのあなたなのだと思うのです。
【この本を彩ったKuwa.Kusuより】
荒々しい言葉の塊が打ち砕かれている。
思考し、言葉を形にし書き記し物質にし、
そして、その塊を本書で易々と打ち砕く。
世代を問わずグレることをよしとし、
「おとなはバカだ」と、なおひではいう。
はじめに おとなはバカだ(臨床的視点から)
その1 できるわたし、から、多様なわたしへ
1-1 みんなちがって、みんないい、のに何でテストするの?
1-2 多様性ってなに?
1-3 平野啓一郎氏の「分人主義」
1-4 壮絶でない人生はない
1-5 できるわたしも、できないわたしも、SUKI
1-6 だれもがサザエさんである時代
1-7 イノベーションの前提条件
1-8 イノベーターを育てるArt-Science Link Worker(マスオさん)
その2 価値観の大変革とモノつくり
2-1 安全だけどANSHINじゃないモノつくり
2-2 論理的アプローチと身体的アプローチ
2-3 全体を身体で把握している人がいない
2-4 あえて狭い視点から
2-5 ヒトの依存症について
2-6 多様性の欠如による依存症発症
2-7 「できる」という依存症
2-8 人間拡張「ヒトに寄り添うモノ」と「モノに寄り添うヒト」
2-9 カッコわるいArt-Science Link Worker(マスオさん
2-10 価値観といいますか目的といいますか、そういったこと
その3 身体性を求めてとびはねる人たち
3-1 教育(教え育てること)の裏側をのぞき見する(アート演習)
3-2 「疑う」から「裏側をのぞく」へ
3-3 課題の意味は自分で発見する
3-4 「うろうろしろ」「こだわれ、妥協するな」「ナルシストたれ」
3-5 「本当にそんなことをしたいの?」
3-6 科学は自然の合理性のほんの一部分を見ているだけ
3-7 真剣に遊ぶ覚悟
おわりに 同調圧力のない社会へ
自動車・鉄道など貨物輸送の約4割を占めている内航海運。内航海運のこれまでの歩みや国の海運政策を振り返り、内航海運業が抱える問題や特質を明らかにする。また船舶事故や労働災害、安全確保に関する公的制度を分析・検討のうえ、事業者による事故防止に向けた課題と展望を示す。
からだで聴くことば、ことばを生むからだ、「未来を予見する」言語教育論。
民族、階級、ジェンダーの複合的差別、継続する植民地主義ー抵抗の唄とことばをつむぐ彼女たち。マイノリティを分断してきたのは、「私たち」マジョリティではないか。日朝運動に参加しながら、夜間中学で学ぶオモニたちに関わってきた著者が、その「語り」と「沈黙」に向き合う。
RIETIが実施した金融機関の支店長への全国アンケート調査を通じて、現場の実態と変化を明らかにし、事業性評価や企業支援の取り組みの現状と課題を浮き彫りにしたもの。
将来の人口減少下で日本の成長には人材育成としての教育の政策効果を最大化することが欠かせない。限られた資金をどのような制度の下で配分すれば、教育・研究の費用対効果を高められるのか。財政的・経済学的視点から国・地方自治体の責任主体別費用と財源の構造を明らかにし、効率的で公平な教育財政・資金配分制度を提案する、画期的な解説書。
・ わが国の将来を担う「人財」の育成と、科学技術開発をさらに発展させるための研究には、国からの十分な教育予算が必要であることは間違いない。一方で、教育支出の拡大にはそれなりの財源が必要となる。国は財政状況を意識しながら予算配分を設定するのだが、現在のわが国の財政状況は世界でも突出した債務を抱えており、予断を許さない。
・ 教育・研究開発を進化・充実させる方法としては、教育のための資金投入を増やすほかに、教育の質を高める方法もある。それは、教育支出の費用対効果を高めることである。現在の教育支出が真に費用対効果が高いかたちで配分され、使われているのか、費用対効果を高めるためにはまず何ができるのかを検討する必要がある。
・ 本書は、日本の将来に向けて、どの程度の教育支出を国が設定し、その予算をどのように配分していけば効果的な人材育成と教育の質の向上が図れるのかを検討する解説書である。国および地方自治体の主体別支出と財源構造を明らかにした上で、どこに無駄があるのかを洗い出し、よりよい投資支出を考える上での土台を提供する。現在本書のような財政的(経済学的)視点を伴った教育投資分析を試みた書物は少ない。
序章 教育財政の視点
1章 日本の教育方針と教育支出
2章 教育財政の姿
3章 国立大学(高等教育)における財源構造
4章 公立小中学校(義務教育)における財源構造
5章 公立大学(高等教育)における財源構造
6章 公立小中学校(義務教育)における費用構造
7章 公立大学(高等教育)における費用構造
育休申請したら、会社は断れない?就業規則と働き方関連法案を見比べよう。契約書がなくても契約成立!株式会社の最高決議機関は?善意の第三者って、だれ?「働き方改革」「闇営業」「あおり運転」…時事問題から読み解く。ビジネスに効く法律リテラシーが身につく90分。
本書で紹介するPST(問題解決療法)は、“今ここで”患者が直面している困難さと将来の目標設定に焦点を当て、患者/セラピストの協働作業によって解決へと導く画期的なアプローチである。問題解決療法のメリットは、構造的アプローチがわかりやすく、精神保健の専門家でなくても実施可能な点にある。本書では、アプローチの各段階におけるポイントを箇条書きでまとめ、現場ですぐに問題解決スキルを活用できるようになっている。精神保健の最前線にいる精神科医、心療内科医、臨床心理士はもちろん、看護師や保健師など、患者のこころのケアに携わっている方、不安や抑うつで悩まれている方にもぜひお読みいただきたい。
ピュイゼ理論では、視覚的、触覚的にも食べ物を理解させ、味が「丸い」「ごつごつしている」「サクサクしている」など、味を頭の中に食べ物の言葉を思い浮かべて意識させることで、子供が食べ物と仲良くなることを目指している。図や絵なども掲載されているため、お母さんやお父さんも手に取りやすい食育に関する子育て本となっています。「味覚の目覚め10回コース」を日本向けレシピに大幅改訂。
日本経済の根幹を支えるのは、この国の全企業数の99%を占める中小企業である。その中小企業で事業継承の問題が深刻化してから久しい。本書の著者は、九州北部で躍進を続ける物流企業の2代目であり、すでにその長男に社長の座を託し終え、業績も右肩上がりで推移している。ロジテム九州ではなぜ、後継者問題がスムーズに解決したのか。その秘密と著者の後継者問題についての分析は、事業継承に悩む中小企業経営者にとって必読である。
発売:ワニブックス 発行:ワニ・プラス
諸外国の一貫地理教育カリキュラムを比較・分析し,【内容】【方法】【価値】の3つの構成領域をもとに一貫軸を示して,日本における一貫地理教育カリキュラムを理論編と実践編で示した教科書。日本地理教育学会の研究グループの成果。地理教育の最新キーワードも多数盛り込まれているので、これからの地理教育の動向を体系的に学ぶことができる。
はじめに
用語解説
◆第1部 理論編
第1章 地理的概念による理論をつくるー地理的概念を主柱とするさまざまな一貫軸
第1節 研究の背景と基礎研究
第2節 地理的概念を主柱にしたフレームワーク
第2章 カリキュラムの様相を知るーさまざまな地理教育における一貫性
第1節 社会系教科における地理教育
第2節 戦後の地理教育における一貫カリキュラム研究の変遷
第3節 アメリカ合衆国
第4節 オーストラリア
第5節 ドイツ
第3章 【内容】の構成領域を考えるー地域の枠組みと地理学体系による構成
第1節 地理的概念と地域の枠組み
第2節 地誌と系統地理からみるつながり
第3節 内容の構成を考えるー人口の扱いを事例に
第4章 【 方法】の構成領域を考えるー地理的探究,フィールドワーク,GIS・地図
第1節 地理的探究と地理的ツール
第2節 フィールドワーク
第3節 GIS と地図からみた指導の一貫性
第5章 【価値】の構成領域を考えるー地理的価値態度と近未来社会的市民性の育成ー
第1節 小中高一貫地理教育カリキュラムを見据えたSDGs を活用したESD授業
第2節 ウェルビーイング,近未来社会的市民性
◆第2部 実践編
第6章 実践を研究するーフレームワークによる効用
第1節 新たなデジタル・テクノロジーから考える一貫地理教育
第2節 立地概念を中核にして考える一貫地理教育
第3節 「身近な地域の調査」から考える一貫地理教育
第4節 テーマから考える一貫地理教育
第5節 様々な実践から考える一貫地理教育
第7章 幼小中高一貫地理教育カリキュラムを考えるー理論と実践の往還に必要な系統表
第1節 理論と実践の成果
第2節 到達目標となる系統表
第3節 よりよい実践を求めて
おわりに
著者紹介
医療通訳の日常の実践現場と、外国人の保健医療や多文化共生という理論をつなぐものとして「医療通訳士」の役割と実際を紹介。外国人に対する医療や、多文化コミュニケーションに関心をもつすべての人に、医療通訳士の仕事を理解してもらいたい。
【執筆者】
西村明夫、飯田奈美子、沢田貴志、村松紀子、西山利正、エレーラ・ルルデス、竹迫和美、李節子、重野亜久里、伊藤美保、瀧澤清美、吉富志津代、寺嶋幸司、小笠原理恵
はじめに
第一部 医療通訳士とは何か
1章医療通訳士の必要性と重要性 -外国人に対する保健医療の現状と課題ー
2章医療通訳士に求められる共通基準
3章医療通訳士倫理規定を読み解く
4章医療通訳士の教育研究システム
第二部 医療通訳士の役割
5章病院における医療通訳士の役割
6章コミュニティ活動における医療通訳士の役割
7章メディカルツーリズム(医療観光、国際医療交流)の将来性と医療通訳士の必要性
8章外国人患者からみた医療通訳士の役割
9章米国における医療通訳士の発展の軌跡から学ぶ
第三部 医療通訳士活動の実際
10章自治体における医療通訳士教育について
11章「医療通訳」を創る -医療通訳制度、人材育成、社会環境づくりー
12章外国人集住地区における医療通訳派遣システム -東海地方ー
13章ITを利用した医療通訳システム
14章コミュニティビジネスとしての医療通訳
15章視覚障害者の医療シーンにおける情報保障の課題
おわりに
ICTの発達を享受する今日の世界において、大学教育がそれをどのように利用し、
またその発達から生じる課題にどう対処すべきかを追究することを目的とし、
現在大きな話題となっているChat GPTのような生成AIツールに焦点を当て、
大学教育のあり方を具体的に検討する。
教育・総合科学学術院の教育と研究における生成AIの利用状況と課題を明らかにし、
AIに関する専門家を招聘してオンライン教育研究会講演会を開催。
その講演会の活動において得られた知見をまとめたブックレット。
【執筆者】
宮川 健、香山瑞恵、青木栄一、松山洋一
はじめに 宮川 健
人工知能とつくるミライ 香山瑞恵
ロボット教師を社会実装するために必要なこと 青木栄一
Tutorial English AI -文理融合型技術と
言語コミュニケーション教育が拓く未来ー 松山洋一
総括討論 香山瑞恵
青木栄一
松山洋一
オンライン教育調査研究グループ
「つながり」「多様性」「知」。ESDのキー概念と実践を、教育、環境、ネットワーク、マネジメントの4つの視点からわかりやすく解説。
西欧オペラの受容から、ロシア独自のオペラ創出へ…
「オペラ大国ロシア」の知られざる前史。
エカテリーナ2世の治世、パリ・オペラ座に憧れ、その舞台をモスクワで実現しようとした大貴族がいた。
農奴劇場とは、当時ロシア全土に170超も存在した貴族の私営劇場。
なかでもシェレメーチェフは、才能を見出した農奴に演劇・音楽・舞踊の専門教育を行い、規模の大きさと質の高さで傑出していた。
宮廷勤務を嫌い、チェロに没頭。
農奴出身の「歌姫」と身分違いの結婚を果たした、ニコライ・シェレメーチェフ伯爵の創造の軌跡。
* 2025年(令和7年)第57回 日本演劇学会 河竹賞奨励賞 受賞
はじめにーー「オペラ大国ロシア」ができるまで
凡例・用語法
第1章 一八世紀ロシアの劇場文化
1 西欧化するロシア
2 花開くオペラ文化
第2章 パリ・オペラ座の衝撃
1 ニコライ・シェレメーチェフ
2 あこがれのパリ滞在
第3章 シェレメーチェフ家の劇場
1 農奴劇場の始まり
2 拡大する「シェレメーチェフ・カンパニー」
第4章 ニコライの野望
1 「オペラ劇場」へのこだわり
2 パリの最新作を、ロシアで
3 ニコライ渾身の舞台制作ーーグレトリ《サムニウム人の婚礼》
第5章 挑戦と挫折
1 トラジェディ・リリックに挑戦する
2 新たなオペラ劇場へ
第6章 ロシアのオペラを創る
1 悲願のトラジェディ・リリック上演
2 オリジナル・オペラの創作
3 ロシア語オペラの誕生ーー《ゼルミーラとスメロン》
おわりにーーシェレメーチェフ家の劇場が残したもの
あとがき
[巻末]
人名索引
シェレメーチェフ家の劇場のオペラ・レパートリー
年表 シェレメーチェフ家の劇場と一八世紀ロシアのオペラ文化
関連地図
主要参考文献
注
近年,わが国では平均寿命,健康寿命ともに大きく延びているが,一方でうつ病や不安症などのストレス関連障害,不登校やひきこもりも増加の一途をたどっており,こころの健康への関心がますます高まってきている。
心の健康教育とは,こころの問題が発生することを予防するとともに,問題を抱えてしまった時にその状態から速やかに回復できるようになることを目的として行われる教育活動である。本書では,斯界の第一線で活躍する執筆陣が基礎資料や最新の知見に基づいて,こころの健康の維持増進に向けた考え方と取り組みについて丁寧に解説する。
心の健康教育が必要とされる社会的背景と,心の健康教育の理論的枠組みを解説した第?部から,コミュニケーションスキル,怒り,子どものメンタルヘルスなど10のテーマについて心の健康教育の具体的な取り組みを述べた第?部を通して読むことによって,心の健康教育の総合的な理解と,その実践に際しての指針が得られるであろう。
序 文
第1部 心の健康教育ってなに?
第1章 心の健康教育はなぜ必要か? 本谷 亮
第2章 心の健康教育とは 坂野雄二
第3章 健康心理学とポジティブ心理学 百々尚美
第4章 こころの健康の出発点
ー今までの自分と向き合い,新しい自分を鍛える 岡島 義
第5章 ストレスと心身相関を理解する 小田原幸
第6章 ストレスマネジメントの原理 三浦正江
第2部 実践例から学ぶ心の健康教育
第7章 学校で取り組む心の健康教育 冨家直明
第8章 対人交流とコミュニケーションのスキルアップ
ー社会的スキルの有効性と,社会的スキル訓練 西山 薫
第9章 怒りとつきあう
ーアンガー・マネジメント 杉若弘子
第10章 子どものメンタルヘルス問題を予防する
ー子どものうつ,不安の予防,地域での援助 石川信一
第11章 健康な職場づくりの中の心の健康教育 中村 亨
第12章 自殺予防を考える 坂野雄二
第13章 生活習慣と健康
ー肥満,生活習慣病,行動変容 田山 淳
第14章 嗜癖(飲酒,喫煙,薬物使用等)の健康教育 横光健吾
第15章 高齢者への健康教育 百々尚美
第16章 災害時の心の健康教育 本谷 亮
索 引