池澤夏樹・坪井秀人・林圭介・佐藤美希・内山明子・邵丹・管啓次郎執筆。古典現代日本語訳からひらかれる文芸論の地平。20世紀モダニズム/ジャポニスムの時代ストラヴィンスキーと山田耕筰が、同期的にしかし逆方向で創作した〈和歌歌曲〉Waka-Lieder。翻訳版イラストを取り込み世界文学へリライティングしていく村上春樹的転回。世界文学全集の非西洋。探偵小説の移植と森下雨村。ヴォネガットSF受容の変遷。居ながらにして他者化されるアイヌ文学者の自己構築。東日本大震災後の気仙方言訳啄木あるいはロルカがまざまざと浮かび上がらせる詩の集合性・共同性。
「翻訳は再創造である。いわば一家をあげての長距離の移住。馬車に家財をすべて積んで大平原を進む。途中で失われるものも多いが新天地に着いたらそこで新しい繁栄の日々が始まる」(池澤夏樹)
「抒情詩が、歴史的状況を翻訳するのだ」(管啓次郎)
「文学と翻訳」は決してありきたりのテーマ設定でないどころか、文学において翻訳の探究の厚い蓄積がある日本で、これほどにも可能性に満ちている。刺戟的な全8篇。
はしがき
編纂・翻訳・創作ーー文芸論の序説のためのメモ 池澤夏樹
ジャポニスム/モダニズムの交差点としての〈和歌歌曲〉──和歌翻訳そしてストラヴィンスキー、山田耕筰らの音楽創作 坪井秀人
はじめに──〈事件〉としての『春の祭典』
1 山田耕筰の〈融合芸術〉
2 山田耕筰『幽韻』
3 ストラヴィンスキー『三つの日本の抒情詩』
4 詩歌におけるジャポニスム
5 和歌歌曲(Waka-Lieder)とジャポニスム
おわりに──未来の亡命者たちと山田耕筰
五つの「ぼく」たちーー村上春樹文学を世界文学に変える『図書館奇譚』 林圭介
はじめに
1 『図書館奇譚』の五種類のヴァージョン
2 三つのリライティングと二人のイラストレーター
3 短編の改稿と絵本への書きなおし
4 顔のない「ぼく」
5 顔のある「ぼく」
6 世界文学の「ぼく」へ
おわりに
「世界文学全集」の西洋と非西洋 佐藤美希
はじめに
1 外国文学選集の意図
2 二つの円本「世界文学全集」と非西洋文学の周縁化
3 1950年代の世界文学全集における非西洋
おわりに
『新青年』の文学的展開ーー森下雨村と「探偵小説」の翻訳 内山明子
はじめに
1 『新青年』と探偵小説
2 森下雨村の翻訳
3 文学探求の場としての『新青年』
おわりに
Welcome to the Monkey House--日本におけるカート・ヴォネガット文学の受容 邵丹
はじめに
1 60年代の黎明期ーーSFファンダム、共同体の形成
2 70年代の転換期ーー打ち寄せる「新しい波(ニューウェーブ)」、薄れゆく境界線
3 80年代以降の発展期ーーSFが豊かな文芸ジャンルへ
おわりに
証しの空文ーー鳩沢佐美夫と翻訳 佐藤=ロスべアグ・ナナ
はじめに
1 鳩沢佐美夫
2 「証しの空文」
3 「証しの空文」における翻訳
おわりに
詩、集合性、翻訳についてのノート 管啓次郎
編者あとがき
字で曖昧がカタチになる。理想の形とは、脳のイメージ。字は消えて、意味だけが残る。字は眼だけではなく、耳で読む。字は手で憶えると忘れない、直せない。デザインで字からイメージがふくらむ。ホントはすごい、字の話。
読んだらきっと試したくなる、大人が楽しいことばの遊び
戦時中の替え歌、和歌や落語、推理小説に外国曲の歌詞。
しりとり、アナグラム、回文、
マザーグース、不思議の国のアリス、クマのプーさん。
驚くべき記憶力とユニークな感覚で
和田誠さんがこつこつ集めた〈ことばのトリビア〉を紹介します。
ほのぼのする挿絵入り
言語権は、多言語社会における共通の課題であるが、日本社会もまた例外ではない。本書は、従来の言語権論の精緻な分析を通して、裁判・移住者・子ども・ろう者などの視点から、研究者と法曹実務家が新たな言語権論を展開する。
「コロナ禍」にあった激動の2020年度、広島大学外国語教育研究センターで行われたオンライン授業の実践報告。授業方針と成績評価、英語受容系技能、算出系技能、ドイツ語における各実践において得られた知見を1冊に。
はじめに
第1部:2020 年度の授業方針と成績評価の考え方
第1章 2020 年度広島大学語学教育オンライン授業の道のり【森田光宏・榎田一路・岩崎克己】
第2章 オンライン授業における単位修得条件と成績評価の工夫:基本的な考え方と2020 年度前期の実践例【森田光宏・天野修一】
第2部:英語受容系技能
第3章 広島大学教養教育英語科目の受容系クラスにおけるオンライン授業の概要【高橋有加・榎田一路】
第4章 コロナ禍の非同期型オンライン授業に求められる機能とその実装例【草薙邦広・阪上辰也】
第5章 非同期型オンライン授業のための音声・動画教材の作成【榎田一路】
第6章 非同期型オンライン授業における問い合わせフォームの活用【中川篤・鬼田崇作】
第7章 ログデータの利活用:基本と実践【阪上辰也・草薙邦広・榎田一路】
第3部:English Productive Skills(英語産出系技能)
Chapter 8 Using a Learning Management System for English Productive-skills Courses【Walter DAVIES, Simon FRASER, Julia TANABE】
Chapter 9 Using Zoom and M-Learning Methods for a Productive Skills Course【Jaime SELWOOD】
第4部:ドイツ語
第10章 ドイツ語の非同期型オンライン授業における教材ビデオ:その作成と受容【吉満たか子】
Kapitel 11 Erfahrungen mit dem Einsatz von Zoom im universitären Deutschunterricht in Japan【Axel HARTING】
第12章 ZoomとBb9を利用したオンライン同期型初修 ドイツ語授業の試み【岩崎克己】
事象と意味をつなぐ視覚化(=絵文字化)のシステム、ISOTYPE[アイソタイプ]。開発者であるオットー・ノイラートの多面的な活動とともに、あらゆる分野におけるビジュアル・コミュニケーションの発展に影響を与え、インフォグラフィックスのはしりとしてデザイン史に名を残すも、その志を著した出版物がこれまで邦訳されることはなかった。大戦の狭間、移民やナショナリズムを背景とし、国際化社会に向けた絵による教育・掲示の体系化と普及に勤しんだノイラート。彼が夢見た、国家を超える〈普遍的〉世界において、“個人のために”科学が、デザインが、果たすべき役割とは何であったのか。80年の時を経て、今なお問われているグローバリズムの課題、取り組まれているユニバーサルなコミュニケーションツールに通じる、その基礎的で壮大な取り組みに光を当てる。
※本書は、本邦初となる完訳『International Picture Language』(1936)、『Basic by Isotype』(1937)に『Modern Man in the Making』(1939)の全図を収録した、日本オリジナルの合本版です。
話し方が変われば人生が変わる!
呼吸、発声、滑舌の方法から無声化、鼻濁音、アクセントのルールまで従来の常識を覆す画期的講座!
プロの常識を破る画期的新理論!
声に自信をつけたいすべての人に贈る、これまでどの指導者も教えなかった「本当に声がよくなる」3大新理論!
発声を劇的に変える「笑うツボ」「舌の反り」、滑舌に問題を起こす最大の原因「前位舌」、これらを知れば、生涯を通じてあなたの声はあなたの強力なパートナーになります。
さらに「鼻濁音」「無声化」「アクセント」では日本語表現の豊かさ、奥深さをも追求し、「魅せる声」のメカニズムを解明!
論理的で聞きやすい、初対面でも印象に残る。成功を決めるひと言とは。
「言えなかった…」「言わなきゃよかった…」がなくなる話し方50。会話のあと「よかった!」と心から思えるヒント満載。
もう心配はいらない。この本に書いてある考えかた・理論・技術をマスターし実践すれば、あなたの悩みはたちどころに解消する。
アドラー心理学は人前で話すのが苦手な人をどう支援することが出来るのか?アドラー心理学による「勇気づけ」により、あがり症が抱える諸問題の解決策を提示する 世の中には人前で話すためのテクニック本があふれています。うまく話すための話し方のテクニック、話のまとめ方や理論。そして、あがらないで話すための呼吸法、姿勢、声の出し方、緊張と不安を抑えるための方法、等々。しかし、この本はそういった本とは一線を画したいと思っています。私はこの本では、人前であがらないで話すための話し方のテクニックなり技法は書きません。(中略)私は自分自身の体験や、これまで私が出会った人前で話すのが苦手な人達との関わりを通して、あがり症克服の核心は、あがらないためのテクニックよりあがることに対するあり方と他者との関わり方を変えていくことにこそあると思っています。あがらないようにするためのテクニックや技法には一切触れずに、あがることへのあり方と他者との関わり方を変えていくことで、あがり症を治さずしてあがり症を治す。これが私の方針です。不思議なことにあがり症は治そうとすると治らず、治すことを手放したとき治り始めます。--はじめにより
人前で話すのが苦手な人の特徴
アドラー心理学と人前で話すのが苦手な人の心理
人前であがってしまう人がハマっていく仕組み
人前で落ち着いて話せる自分になる
人前を恐れるあがり症の克服像
通訳のモットーは“得其意,忘其形”(意味は汲み取り、形は忘れる) 同じ漢字を使う日本と中国だからこそ起こる誤解、文化の違いによる摩擦を、ビジネスや通訳の「現場」で遭遇した笑い話、裏話を交えて解説。おもしろくてためになる、さらには元気が涌いてくる「一読三鳥」の語学エッセイ。
翻訳とは、ある言語で言われたことを別の言語で言い換える、ただ、それだけのことなのか。近現代の翻訳を問い直し、その背後にナショナリズム、言語純粋主義、標準語中心主義などのイデオロギーを見出すことにより、方言、語用、相互行為などを含む、社会文化的なコミュニケーションの地平で翻訳ーー言語間翻訳、言語内翻訳、そして記号間翻訳ーーその全体を捉える枠組みを提示する。すなわち、本書は、翻訳を、社会文化空間の中で生起するコミュニケーションという出来事とその連鎖が織り出す記号過程として描くことをとおして、今日の翻訳および現代翻訳研究の全体像を解き明かすものである。
本書は、生成文法におけるミニマリストプログラムを進展させてきたChomskyの主要論文を取り上げ、各論文の背景や理論間の繋がりを整理しながら、その内容や理論展開を体系的に解説する。また、過去の理論の中で残された問題や、現在の理論への示唆を提示し、読者がミニマリストプログラムの研究を進める際の足掛かりを提供する。生成文法理論に関心を持つ研究者・大学院生が、理論の流れを俯瞰し、発展させるために有用な一冊である。
第1章 ミニマリストプログラムに共通する考え方
1 ミニマリストプログラムとは
2 言語の仕組み
3 研究指針
[コラム1]Chomskyの論文の構成
第2章 1995 The Minimalist Program (MP)
◆ポイントまとめ
【Chomsky 1995 The Minimalist Program Chapter 1, 2】
1 導入: 研究目的と言語のモデル,基本的概念について
2 格
3 言語間変異とHMC
4 移動と局所性
【Chomsky 1995 The Minimalist Program Chapter 3】
1 導入:研究目的と言語のモデル
2 D構造の棄却:投射原理とθ基準
3 S構造の棄却:言語間変異と束縛条件
【Chomsky 1995 The Minimalist Program Chapter 4】
1 導入
2 ラベル,bare phrase structure,語順
3 移動の条件
4 投射から見た付加の制限
5 移動のケーススタディー
6 移動の最小性
7 Agrと多重主語構文
第3章 2000 Minimalist Inquiries (MI) & 2001 Derivation by Phase (DbP)
◆ポイントまとめ
1 導入
2 操作の導入
3 統語論中の概念,関係性
4 フェイズ
5 Agree
6 ラベル
7 一般的な構造
8 Th/Ex
9 object shift
10 主要部移動
[コラム2]Chomskyの考え方
第4章 2004 Beyond Explanatory Adequacy (BEA) & 2005 Three Factors in Language Design (TFLD)
◆ポイントまとめ
1 導入
2 派生の一般的な条件
3 併合
4 ラベル
5 フェイズ
6 一致
7 pair-Merge
第5章 2007 Approaching UG from Below (AUGB) & 2008 On Phases (OP)
◆ポイントまとめ
1 導入
2 併合と構造
3 ラベル
4 フェイズ
[コラム3]基本概念の変遷1
第6章 2013 Problems of Projection (PoP) & 2015 Problems of Projection: Extensions (PoP+)
1 共通部分(少なくとも矛盾が無いもの)
2 PoP
3 PoP+
第7章 2019 Some Puzzling Foundational Issues: The Reading Program (Reading) & 2020 The UCLA Lectures (UCLA)
◆ポイントまとめ
1 導入
2 併合
3 併合以外のメカニズム
[コラム4]基本概念の変遷2
第8章 2021 Minimalism: Where Are We Now, and Where Can We Hope to Go (GK)
◆ポイントまとめ
1 導入
2 派生を司るメカニズム
3 Form Copyとその適用
4 Form Sequenceとその適用
第9章 2024 The Miracle Creed and SMT (MC)
◆ポイントまとめ
1 導入
2 統語操作
3 派生
[コラム5]変化した概念