著者は、学問をそれをになう人、同時代の状況とのとりくみをとおして、学問をうきぼりにする。その仕事は、学習にたいする創造的破壊であり、読者の学習を能率的でなくするワナをしかける。
「俺にも神田の夜を賑やかにしてみせようという魂胆がある」-新宿、銀座と渡り歩いてきたバーテンダー・仙田は、神田の地に再びバー・ルヰを構え、最後の男の夢を賭ける。過去を背負った女たち、老やくざ、そして芸人たち。さまざまな人びとが交差する都会の夜を、小説の魔術師が小気味よく描く名品。
今井美樹の代表曲をやさしいピアノ・ソロにアレンジしました。
ビースト・ガーディアン頼往凱の奮闘によって、吸血貴族の魔手から逃れた女子高生ナオ。ところが、自らもガーディアンとして働くことを決心した矢先、またもメデューサの少女にまつわる事件に巻き込まれてしまう。ガーディアン初仕事に張り切るナオを待ちうけるものは!?好評のヴァンパイア・ガーディアンシリーズ第2弾。
本書は一九九六年十二月から翌九七年七月にかけて、朝日新聞経済面に随時連載した「なにわ金融事件簿」シリーズの正編、続編、続々編、それに二回の対談編を、ほぼ全面的に再録したものである。
権力欲に取り憑かれ、政敵を次々と闇に葬り去るために己が手を汚してきた中大兄皇子には、生駒の地でひっそりと暮らす無垢・無欲な有間皇子の存在が許せない。皇位継承権を持つとはいえ、何の後ろ盾もない孤独な有間を中大兄は凌辱する。そして他の勢力の同情が有馬に集まることを恐れ、中大兄は、腹心・中臣鎌足と相謀り、有間抹殺へと動き出した。その生まれゆえに権力抗争に巻き込まれ、すべてを、謀殺さえも“運命”として受け入れた悲劇の皇子の物語。中大兄と鎌足の出会いを描いた「番外編」を付す。
フォークナーの南部、そして今スペンサーの南部。イタリー、カナダと生活の場を移しつつも不変の「心の領域」を求め、絶えず故郷を望む珠玉の女流短篇集。
希代の緊縛師・須山耕平は「元美人女優・若松八重子を思う存分縛れれば本望。死んでもいい」とうそぶいた。そして野望を果たすべく…。