ホッブズとスピノザの政治哲学、さらにカンギレム、バシュラールらの科学哲学の成果を踏まえ、イデオロギーを非真理として排除してきた従来の真理概念を再考し、真理と非真理の共存を可能にする「真理のデモクラシー主義」を構想するバリバールの思索の精髄。
男には抱かれるが妻子持ちはお断りという美貌のバーテンダー・宮下馨は、付き合っていた男が独身だと嘘をついていたと知り、一方的に別れ話を突き付ける。だがその夜、酔いつぶれた馨はなぜか、バーの常連だった笠原省吾という男に抱かれていた。人と深く関わりたくない馨は一夜限りのつもりだったが、笠原はその後もバーに現れる。どこか正体不明の笠原に反発しながらも、その後も関係は続き…。
デザイン会社に勤めている鈴木は、仕事の関係で小学校の同級生・成島と偶然再会する。料理研究家として売れっ子になっていた成島だったが、親もおらず一人寂しく暮らしていた。それでもつらそうな表情も見せず、けなげに生活している成島に、鈴木は徐々に惹かれていく。二人っきりの時間を過ごしていたある日、成島の元に担当編集者の丸山が尋ねてくる。成島に異常な執着を見せる丸山に、鈴木は不安を覚えるが…。
植物名を五十音順に収録。漢字表記や学名、科名、別名、大きさ、形状などを記載。最大規模の32000件を満載した基本ツール。
八ヶ岳山麓から、京都へー他者を次々に篭絡していく朧の息子・太郎。膨らむ「王国」、そして血によって選別される神の子たち。「王国記」シリーズ、緊張の第七弾。
聖者の名前が付けられた人、お母さんの好きな歌から名前がついた人、両親の名前が合わさった名前の人、王様の名前が付いている人、こういう人になってほしいという願いがこめられた名前の人…。世界に住む仲間たちが現地を取材し、617人の名前の由来を集め、43カ国166人の「名前」とその物語を収録。
最新データによる吉名例1万余収録。名字からもすぐ探せる索引付き。
古代から現代までの日本人の名前106000種と、それらの読みかた137000種を収録。実名だけでなく、筆名、雅号、芸名なども収載。先頭漢字から引ける「表記編」と、耳で聞いた音から漢字がわかる「表音編」の2部構成。
原爆により、長崎三菱工場の六千名以上、広島市女の女生徒七百名近くが、一瞬のうちに命を落とした。その生死を分けたのはある偶然であったにせよ、生き残った者にとっても、この世は煉獄であった-死者への思いと行き場のない憤怒が、終りなき鎮魂の旅へ駆り立てる。本書は、名もなき被爆者二人の記録である。
十六夜、寝待月、宵闇、有明け、星屑、天の川、昴…。私たちの祖先が、繊細な感性と豊かな想像力で紡ぎ出した月や星、夜にまつわるロマンティックな言葉の数々を250点の写真で綴る、歳時記風天体図鑑。
夜空は、神話と伝説に満ちた煌きの地。天と地と、その間の宙に浮かぶ星月は神様が人類にくれた、かけがえのない贈り物。ひとたび星が囁けば、あなただけの物語が始まるー夜空の物語を綴った天体図鑑。宵闇に包まれ、静かに星が瞬き出す日の沈んだあとに訪れる、夜の世界250点余の写真とともに星物語を綴った本のプラネタリウム。
名前の魔法が支配する世界。名前を持たない妖魔使いと、一つの名前をその記憶とともに受け継いできた巫女がいた。巫女は、すべての生命の母にして守護者なる生命の女神に仕えていた。妖魔使いは、妖魔、つまり女神のことわりにまつろわぬものを使役する。本来なら出会うはずのない二人を出会わせたのは、長虫-ただ巨大な身体を前進させることしか考えない幻獣-だった。それぞれの思惑を胸に、二人は長虫を追って旅立った。