「地震リスクマネジメント」とは、リスクを定量的に認識して、それを低減する具体策を見いだすために、統計学、地震学、地震工学、構造工学などの分野の技術を集積し、実用的なツールとして体系化したものである。本書では、建設分野におけるリスクの定義からスタートして、リスクの記述方法、リスクマネジメントの方法論をわかりやすく解説したうえで、具体例を上げながらリスクマネジメントの実際を示していく。建設分野のみならず、あらゆる分野に応用できる内容である。
地震予知はいま革命前夜にある!ギリシャの地震予知法との出会いをきっかけに地震予測の研究に身を投じた著者が、予知は不可能とする最近の風潮に抗して、斬新なアイディアにもとづく新しい地震予測の戦略を語る。地震予知の研究の歴史をふり返ったうえで、VAN法や幅の広い周波数領域に及ぶ新たな電磁気的な手法とその成果を生きいきと紹介し、学際的な学問としての地震予測学を提唱する。地震国日本にとって希望の書。
兵庫県南部地震以降、鳥取県西部地震、芸予地震、あるいは三宅島の噴火など相次ぐなか、前地震予知連絡会長の著者が迫りくる東海地震も見据えて明快に解説。
本調査の目的は、1999年に起きたトルコ地震の地震動特性、地盤特性、構造物の被害の実態を科学的・統計的な手法により調査し、人類共通の経験として伝えていくために正確な記録として残すとともに、被害の発生要因を分析するための基礎データを整備することである。
本書は、学部の4回生や大学院の初年度の学生を対象とした地震学概論の講義のための教科書として執筆されている。
地震予知といえば東南海地震だが、阪神大震災をもたらした兵庫県南部地震はタイプの違う直下型。そもそも地震はどうして起きるのか?プレート型と直下型は何が違うのか?予知はできるようになるのか?地震が起きやすいのはどこか?日本列島で繰り返し起きてきた地震がいつまた起きるかは予知できないが、「ここからあそこまでの線に沿って地震が起きる確率が高い」とは言える。場所はかなりわかっているのだ。自然のメカニズムから防災の知恵まで、活断層と暮らす方法を考える一冊。
江戸末期から百四十年も大地震のない富山県だが…1858年4月9日(現暦)午前二時、M6・8の大地震が富山・岐阜県を襲った。突如、眠りを覚まされ戸外へ飛び出した人々が見たものは何か。立山の大トンビ山が崩落、せき止められた常願寺川は遂に大氾濫!泥突波は一気に平野へ。
FM電波による流星観測から地震の前兆現象を発見し、観測を続けていた著者。1995年1月、それまでに見たことのない異常なデータが観測され、その三日後、兵庫県南部地震が発生。この日を境に著者の人生は大きく変わったー。本書では、日々の観測結果から解析された数々の経験則と、その驚くべき成果を明らかにする。時期・場所・規模をどう予測するのか?得られた情報を広く公開し役立てるには、どのような危機管理体制が必要か?世界有数の地震国に暮らす私たち一人一人に、重い問いを投げかける。