家族と子どもたちのために必死に生きたー戦後の食糧難の時代。貧しいながらも支え合う家族の姿を描く。
鈴の音ひびく冬が、いとおしい人の温もりを伝えてくれる。ものがたりの歳時記ー「冬」の巻、12編。
アランドラの家に舞い込んだ一通の分厚い封筒。それは、グレンドヴィアという国のプリンスからの手紙だった。アランドラは慈善パーティなどのプランニングを手がけているのだが、プリンスは彼女に、十二月のあいだグレンドヴィアに滞在し、国の慈善事業の見直しをはかってもらいたいというのだ。思いがけぬ大役に戸惑いつつも、アランドラは依頼を承諾し、地中海を臨むその国に向かった。だが、プリンスの姿を目にしたとたん愕然とした。先日のパーティで、ベッドをともにしようと露骨に誘ってきた男だわ。アランドラは悟ったー彼の目的は仕事ではなく、私なのだと。
なぜ、私たちは別れたのだろう。理由なんてひとつもなかった気がする。-久しぶりの休日をカフェで過ごしていた由香は、偶然にも昔の恋人・長谷川拓に再会する。六年前に妻を亡くした拓と、二年前に離婚した由香。それぞれの人生を歩んできた二人に、高校三年生だった頃の淡く切ない記憶が昨日のことのように甦る。30年の歳月を経て、再び出会った男女の愛の物語。書き下ろし。
大人気ブログ「izumimirunのvege dining野菜のおかず」の著者による初の本格レシピ集。全レシピ書き下ろし。
“別れ”は壊れる愛とともに。だが時には愛あるゆえに、人は別れて生きる。河内丈六の里に住む深町は寺から手伝いにくる若い蕗子にひかれる。死んだ妻ルイへの思いがゆらめく。成秋文学が生んだ内面に潜む情念の世界。季節ごとに華麗に哀しく。文芸春秋社『文学界』ほかより四作品。
気、血、水のめぐりとスキンケア。漢方の専門医が説く皮膚のトータルライフ。
どんな時にもモーツァルトの曲が心の片隅に鳴っていた。戦後の日々のなかで、戦争で失った左腕と代償に著者は何を得たのだろうか。「私の母物語」入選作「母の語り口」ほか、珠玉のエッセイ42編。
征子、早穂、絵里子は、生まれも育ちも性格も違うけれど、気が合う親友同士。征子はインテリアデザイナー、早穂は公務員を目指し、社長令嬢の絵里子は婚約を決めた。だが征子は、アルバイト先で絵里子の婚約者、本城に偶然出会い、彼の隠された恋を知ってしまう。そして絵里子と早穂も、それぞれに秘密を抱えていてー。恋と友情の間で揺れながら、新たな季節を迎える三人の物語。瑞々しさが溢れだす著者初期の長編小説。
内容:壁掛型・中綴じ28ページ
サイズ:天地297mm×左右380mm
写真家・新倉万造が紡いだ季節の花のアンソロジー
仲村みうグラビア引退。デビュー作『フェアリー・仲村みう14歳』から、引退までを完全網羅。
1:愛の季節 NHK連続TV小説「つばさ」
『愛を拒むひと』-結婚を間近に控えたマギーは、漠然とした不安を抱いている。婚約相手は本当の私を理解していないのではないかしら?そんなとき、マギーのことを深く理解してくれる人物が現れた。彼女の勤める広告会社の新社長イアン・ドレイクだ。ついにマギーは婚約を解消し、イアンへの愛に生きようとする。ところが彼はなぜかマギーをかたくなに拒むのだった。『ソング・フォー・ユー』-ジェニーは自宅でピアノとギターを教えている。家族のいない彼女は下宿人トニーの誘いで、クリスマス休暇に彼の実家を訪れた。そしてトニーから兄のロバートを紹介されたとき、彼の強烈な魅力がジェニーの心に焼きついてしまった。彼女のような平凡な娘が相手にできる人ではないのに…。人気作家が描くクリスマスの情熱的な急展開。
『父の恋人』-リーとギャヴィンは知り合って二カ月だ。リーは週末、彼の父親の別荘に誘われ、なんの心配も抱かず出かけていった。同じ十八歳どうしの気安さで。だが父親のほうは油断できない。ピアーズ・シンクレアというもと超一流のカーレーサーで、名うてのプレイボーイらしい。息をのむほど美しい別荘に着いたとき、そのピアーズが現れた。『母の彫像』-この半年の間にキャリーは立て続けに不幸を体験した。母が病気で亡くなり、愛していたジェフも車の事故で奪われた。ある日、彼女は弁護士に呼び出され、意外な事実を知らされる。ジェフは名門スペンサー家の人間で、彼の莫大な遺産の受取人はキャリーだけだったのだ。キャリーは気の進まないままスペンサー家の屋敷を訪れたが…。クリスマスにこんな仕打ちを受けるなんて…ゆれる恋心を細やかに描く。
『青きフィヨルド』-島から食料の買い出しに来たカトリオーナは、海が荒れて帰れず、しかたなくラーウィックの町で一晩泊まることにした。ホテルはいっぱいだったが、厚意でやっと一部屋あけてもらう。ところが夜半、カトリオーナの部屋へ一人の男が入ってきた。長身の男は、ここは自分の部屋だと言って譲らず、出ていかないならいっしょにベッドを使うと言い出した。『サンタさんは魔法使い』-ノリーンは郊外の小さな町で四歳の息子とひっそり暮らしている。彼女が五年前まで名門ヘイル家の嫁であったことを町の住民は誰も知らない。クリスマスの買い物に最寄りの都市に出かけたノリーンは、会ってはならない人と再会して立ちすくんだ。それは亡き夫の兄で、弁護士のグラントだった。