本論文集には、七編が収録されている。テキスト『明六雑誌』の研究そのものではない。むしろ、もう少し広く近代日本における西洋文化の受容について、思想と言語を柱として考察した。
言語の研究は文字言語に傾きがちであるが、最近では話し言葉の研究が重視され、コンピュータによる応用もめざましい。本書では音声の産出から認識までのプロセス全体を、生物学的基礎から音声学、音韻論、そしてコンピュータによる応用まで重層的にとらえる。また最適性理論など、音声の理論的研究の最新の成果を紹介する。
British National Corpus(BNC)=一億以上の現代英単語を集め、コンピュータのデータベースに登録。大規模な英語コーパスとして世界中で活躍している。オックスフォード・コンピュータセンターのL.バーナード所長、ボローニャ大学のG.アシュトン教授が書き下ろした英語コーパスBNCの完全攻略法。
2001年7月、小林勝作のラジオドラマ台本73冊を入手。戦時中の1936年から戦後の1955年の間に、日本放送協会からラジオで放送されたものであった。現在の話しことばを研究するとき、その歴史的背景となる前時代の話しことばの研究は不可欠である。本書では、序章で、資料の解説をし、台本の性質とその扱い方を説明している。本論は大きく1部と2部に分けている。1部は台本に使用されていることばの分析に基づいて、当時の言語状況を知ろうとしたものである。2部は、台本に描かれた内容の中からいくつかのテーマを立てて考察し、当時のラジオドラマの世界を知ろうとするものである。
コーパス言語学において最も苦労するのは、データの構築である。コーパス言語学は具体的な学問である。何らかのデータに基づいて分析することから始めなければならないので、データがなければ始まらない。では、そのデータはどこにあるのか。本書では筆者たちが実践しているデータ構築法を中心に、可能な限りさまざまなデータの収集法とその加工法について紹介している。
コンピュータを用いて言語資格(コーパス)の編纂・分析を行う新しい言語研究法、「コーパス言語学」。本書は、その日本最初の総合的概説書として1998年に刊行された初版を、その後の発展を取り込んで全面的に改稿・増強した「改訂新版」である。英語研究に必須のツールとなった英語コーパス言語学を、その定義から説き起こし、具体的なコーパス編纂・分析の方法を懇切に解説。さらに英語学におけるその応用可能範囲を多角的に紹介する。
ピュタゴラス、コペルニクス、ガリレオ、ニュートン、アインシュタイン…西洋のものとされてきた科学の大発見は、遥か以前の非西洋世界で生まれていた。各分野における「認められていない」大発見を、古代、中世のバビロニア、エジプト、インド、中国、イスラム、マヤ、オセアニアその他の地域の豊富な実例とともに紹介。これまでの科学史の常識に挑む。
文字はひとを魅了する。とくに興味をそそるのは古代の文字である。まさに文字は究極の「タイムマシン」と言えるかも知れない。本書は176の図版を用いながら世界の文字のそれぞれの歴史をわかりやすく解説する。数々の驚くべき発見や蘊蓄を散りばめ、「ことば」や「文字」に関心のある方々をアームチェア・トラベリングに誘う。
ことばの意味は文そのものに宿るのか?それとも文脈に抱かれた発話行為から産まれるのか?分析哲学界・言語哲学界を二分してきた大論争に終止符を打つ気迫の力作。
「西洋」と「東洋」の思惟・文化表現のうちに隠された“主体”の形態と様相を対自化し、脱・神秘化の“明るみ”へとみちびく「一般文化学」定礎の試み。
言語を学習するときの脳内の活性状態をわが国最初の手法である光トポグラフィを使って観測し、言語情報処理のメカニズムを脳科学の視点から解明。2005年大学英語教育学会賞(新人賞)受賞。
本書は拙著『香港粤語「基礎文法1」』に準拠した問題集です。本書は発音を習得したばかりの初学者から、中級を目指そうとしている既習者まで、可能な限り読者を広く想定して設計がなされています。『基礎文法1』で扱った内容はもちろんのこと、『基礎文法1』では紙幅の都合で紹介できなかった語彙や文例、そして続刊『基礎文法2』で学習することになる発展的文法項目までもが盛り込まれています。未習・既習を問わず言語運用能力を高める上で有益な一冊となっています。