今日こそダンクラーに会えるかしら。ファッションモデルのマリー・ビショップは、義兄のジョン・ダンクラーの帰りを待ちわびていた。体調を崩したマリーは、休養のため、久しぶりに実家のダンクラー・B牧場に戻ってきたのだが、今回の帰省には、もう一つの目的があった。モデル引退後、モデル・エージェンシーの共同経営者になるために、亡き父が遺してくれた信託財産を一日も早く手に入れたかったのだ。けれど、父から財産管理を任されたダンクラーを説得しなければならない。十三才年上の彼は、マリーの保護者面をしてきっと反対するだろう。そう、私は父の再婚相手の息子であるダンクラーの妹なのだ。でも…いけないと思いながらも、十五のときから彼に恋い焦がれている。ダンクラーとの再会を考えただけで、マリーは胸が苦しくなって…。
デイジーはイギリスの田舎にあるハミルトン家の家政婦の娘。ハミルトン家の息子マットとは兄弟のように育った。十歳上のマットは、デイジーにとってあこがれの王子さまだった。彼は大学入学とともに家を離れ、卒業後もニューヨークに住んで、今は実業家として成功している。一年半前、マットは家族に黙って人気ロックシンガーと電撃結婚したが、半年前に彼の妻は生後間もない娘を残して事故死した。そのマットが娘を連れてクリスマスに帰ってきた。胸を高鳴らせて彼を迎えたデイジーだったが、以前と違ってよそよそしい彼の態度にとまどうばかりだ。けれども子供扱いされるのは相変わらず。私は十八歳、もう大人よ。あなたを誘惑してそれを証明してみせる。
PR会社の同僚に誘われて、ギリシア旅行に出かけたクロエは、その同僚に置き去りにされたうえ、パスポートとトラヴェラーズチェックまで奪われてしまった。ホテルの指示で、アテネまでヘリコプターで行くことになったが、クロエが降ろされたのは、見知らぬ小島だった。「ここはどこなの?」と彼女が恐る恐るきくと、「エオス島」と聞きなれた冷ややかな声が答える。レオン!3年間も別居中の夫だ。どういうことなのだろう?クロエは、レオンの胸に引き寄せられ、妻の役目をもう一度果たし、息子を産めと迫られたが…。
家族のないアンジーを休暇ごとに優しく迎えてくれたサルド一家ーラテン人郷士の典型とも言うべき父親ドン・カルロス、親友のマヤ、そして二人の兄。愛にあふれた楽しい思い出は、先週マヤから電話が入って以来、荒々しくかき乱されてしまった。「爆弾の破片が刺さって、リック兄さんは目が見えないの…ああ、アンジー、盲目になったのよ。」アンジーはいま、一人前の女性として、しかも一級の看護婦として、六年ぶりにバヤルター島へ戻ってきた。船が近づくにつれ、断崖の上に屋形がくっきりと姿を見せはじめた。
人心の荒廃は、一つには情操教育の欠如に原因があると思います。せめて幼少の頃から可愛いペットを飼育して、生き物をいたわる心優しい子供に育て、人間関係を大切にする情操豊かな社会人となって世の中を明るくしてほしいものと願って、この本を草した次第です。
霊能者である妹と共に体験する不思議の数々。霊に親しみがもてるようになる一冊。