現在の私たちは、音程・音階など西洋音楽に由来する音楽用語を当たり前のように使っているが、西洋音楽やその理論が日本に導入されてからまだ150年ほど。西洋の音楽理論は、近代日本でどのように導入され、展開、変化してきたのか。この問いについて、11人の著者が多様な領域から光をあてる。そこからは西洋の音楽理論に向きあい、自国の音楽について考察を深めようと奮闘した人々の姿が垣間見える。
西洋の音楽理論を非西洋圏の人々がどのように受容したかという一方向に注目するだけでなく、非西洋圏の音楽が西洋の人々にどのように受け取られてきたのか、また、それらの受容や交流の過程にどのような理論上・実践上の調整や文化的な摩擦がみられるのかにもせまる。
5つの章と6つのコラムはゆるやかに関連しているが、どこからでも読み始められる。
巻末には、本書に登場する音楽理論の基本用語と、索引付き。大学などのテキスト・参考書としても最適。
第1章 西洋の音楽理論に向きあうーー江戸後期からの100年 塚原康子
第2章 学校で和声学を教えるーー 音楽取調掛・東京音楽学校を例に 仲辻真帆
第3章 日独で相互に受容するーーフーゴ・リーマン周辺を例に 西田紘子
第4章 自国の音楽史を談じるーー中国知識人の「中国音楽」観の変化 新居洋子
第5章 新しい調性理論を構築するーー5度をめぐる思考 柿沼敏江
コラムvol.1 翻訳語としての「音楽」 菅原光
コラムvol.2 田中正平の音律理論 篠原盛慶
コラムvol.3 園山民平の調和楽 三島わかな
コラムvol.4 100年前の歌曲を演奏する 松岡あさひ
コラムvol.5 台湾の讃美歌にみる文脈化 劉麟玉
コラムvol.6 プリングスハイムの調性観 西原稔
高校の数学教育に焦点を当て.重要点をコンパクトにまとめた。数学教師をめざす学生の教科書,指導者の参考書。
第1章 高等学校における数学教育の意義
高等学校数学科の現状/高等学校学習指導要領 数学科の目標/高等学校における数学教育の意義
第2章 高等学校数学の内容
数と式/図形/関数/微分法・積分法/確率・統計/新たな内容/数学的活動
第3章 指導
学習指導と学習支援/何を指導するのか/どのように指導するのか/記述表現活動の指導と学習の成果についての議論
第4章 高等学校数学科の評価
評価の重要性/目標に準拠した評価/これからの評価
第5章 中等教育における数学教育の歴史的考察
はじめに/戦前の中等教育における数学教育/戦後の高等学校における数学教育/おわりに
第6章 新たな視点
数学的モデル化/数学的リテラシー/現代社会と批判的数学教育/文化人類学視点からみえる数学の歴史展開
付録 中学校学習指導要領 数学/高等学校学習指導要領 数学
北村小夜(95歳)さんは今、日本の現状に強い危惧を抱いている。身体も心も国に取り込まれてしまったのではないか!
東日本大震災と五輪誘致で「みんな化」が進み、日本中に同調圧力と忖度が拡がっている。象徴天皇制化の天皇の「巡行」のなかでなされる「慈愛」による差別、今も教育勅語から抜けられない日本人、健常者を奨励し傷害者を差別するパラリンピック。
※本書の底本は、1991年軌跡社から刊行された『慈愛による差別ー障害者は天皇制を見限り始めた』。このたび増補リメイクし新装増補版として復刊!
北村小夜さんは、現在94歳、1925年治安維持法の年に生まれた。
天皇のために死んで靖国に祀られるため看護婦の道を選び、敗戦は満州で迎え、めぐり合わせで八路軍と行動を共にした。その1年の間に、自分の考えは間違っていたと気付く。
日本に帰国後は、教師になり特殊学級の担任をし、さまざまな体験の中で、発言し行動している。子どもを分けてはいけないことに気づき、共にまなぶ地域の学校づくりを目指してきた。
序章 軍国少女はつくられた
第1章 教科書にみる天皇・障害者
第2章 分に応じる障害者・分を越える障害者
第3章 障害者を排除し続ける学校
第4章 「健康」もスポーツも人間のものでなくなった
第5章 「巡行」にあやかる人・犠牲になる人
増補1 天皇制と道徳の教科書
増補2 パラリンピックは障害者差別を助長する
増補3 教育勅語から脱却できない日本人
「志望理由書」の上手なまとめ方を、「ULTRA」と呼ぶ手順を示して、わかりやすく解説したのが本書である。「書き込みシート」を添えているので、読み進み、書き進むうちに、志望理由書や自己推薦書が自然と完成する仕組みになっている。この志望理由書のまとめ方は、AO・推薦入試だけでなく、就職の際、エントリーシートなどの書類を書くときにも大いに力を発揮する。また、本書では小論文をまとめるポイントについても明示。小論文の書き方は、大学に入ってからの論文試験やレポート作成に、そのまま応用できる。
序論ー現代の教育思想はどこへ
第一章:教育に思想は要るのか
第二章:問題と問いの違い
第三章:責任と応答可能性の違い
第四章:感情と感受性の違い
第五章:ものとことの違い
第六章:空想と想像の違い
第七章:何が「主体化」と呼ばれるのか
第八章:何が「力」と呼ばれるのか
第九章:何が「愛」と呼ばれるのか
第一〇章:何が「希望」と呼ばれるのか
第一一章:何が「いのち」と呼ばれるのか
第一二章:教育を支え援ける思想ー交感のはたらき
結論ー共存在と超越性の教育思想
スキンーテア,そしてIADの予防とケアを進めていくためには,WOCナースの知識とスキルの伝達が不可欠となります.本書では,スキンーテアそしてIADの実事例をもとに,時期・状況・状態別アセスメントとケアのポイント,予防を解説します.
【目次】
[総論]
脆弱皮膚の基本的スキンケア
[スキン?テアの予防とケア]
01 予防ケア
02 教育指導
03 手術室における予防
04 カテゴリー1aの創傷被覆材によるケア
05 カテゴリー1aの軟膏によるケア
06 カテゴリー1bの創傷被覆材によるケア
07 カテゴリー1bの外用薬によるケア
08 カテゴリー 2aの創傷被覆材によるケア
09 カテゴリー 2aの外用薬によるケア
カテゴリー 2aと 3 が混在した事例
10 カテゴリー 2bの創傷被覆材によるケア
ほか
[IADの予防とケア]
01 IAD-setによる評価
02 浸軟対策
03 尿失禁・下痢対策
04 紅斑の軟膏によるケア
05 紅斑の接着性耐久被膜剤などによるケア
06 びらんの皮膚保護剤や外用薬によるケア
07 びらんの粉状皮膚保護剤などによるケア
08 潰瘍の亜鉛華軟膏などによるケア
09 潰瘍の創傷被覆材・皮膚保護剤などによるケア
10 皮膚カンジダ症の粉状皮膚保護剤などによる局所ケア
ほか
高齢者・障害者などの当事者だけでなく、建築主や運営主体など施設にかかわる人々も含んだ、
利用者の視点に立った施設のあり方を、事例をとおして紹介。
解説では、どういったユーザーニーズが求められているのか、加えて建築的な解決方法について説明。
事例では、どのユーザーのどの点を考慮して計画した結果、どの使われ方が実現したかなどを示す。
はじめに「利用者本位の建築デザイン」を問い直す
1章 住まい手のちからを引き出す住宅
2章 ケアを必要とする人たちの共同の住まい
3章 在宅生活を支援する地域施設
4章 日常生活の延長にある医療施設
5章 多様性をはぐくむ教育施設
対人関係療法(IPT)は、近年、うつ病患者に治療効果のある心理療法として急速に普及しつつあり、米国精神医学会のうつ病治療ガイドラインに認定され、わが国においても厚生労働科学研究に採り上げられている。IPTについては、基本的なマニュアルはあっても、その「本質」を理解し、臨床応用するための実践書はまだ少ない。実際の臨床現場においてIPTをどのように取り入れるべきかを、IPT成立の歴史から他の精神療法との違い、IPTが適用される精神科的障害に対するケーススタディを通して、専門家「ならでは」の関心と疑問から明確にしたのが本書である。
日本のソーシャルワークは危機的な状況にある!
支援を受ける人が抱える生活困難が社会構造とどのようにかかわって生じているのかを読み解き、
与えられた制度の枠内で社会資源と結びつけるだけでなく、社会変革を現実のものとするために働きかけていくこと…
日本のソーシャルワークがその本来の姿に回帰するきっかけとなることを願って、「ソーシャルワークのいま」を問い直し、今後のあり方を模索する。
『三字経』は、約900年以上前の中国宋代から伝わる幼児・児童が文字を覚えるための教科書であり、道徳や教養を育むための啓蒙書。人と接するときに備えるべき「仁義礼」、そして社会を生き抜く「智信」など人間力の基礎の大事さを説く古典を、現代を生きる大人のために解読した。
「他者」との協同的な学習が推奨される教育現場で、いかに効果的な学習を促し、学習者の自律と社会的な共生を促すことができるのか。アクティブラーニングなどの実践から「多様性」が拓く学修の可能性を検討し、大学での教養教育デザインを再考する。
第1章 「他者」と学ぶ教育原理とアクティブラーニングの授業デザイン[佐藤智子]
1 大学教育におけるアクティブラーニング
2 大学生の学修の実態
3 アクティブラーニングの定義と課題
4 デューイの教育論からみるアクティブラーニングのあり方
5 授業の実践例:「学習理論入門」
6 アクティブラーニングの限界を超えた授業デザインへ
第2章 社会的マイノリティとの「対話」に向けたボランティア学習[江口怜]
1 ボランティア学習は世界を開くか
2 授業の実践例:「共生社会に向けたボランティア活動」
3 学生Aさんの学びの軌跡─野宿者支援の現場と向き合って
4 他者との出会いから学びを生み出すために
第3章 言語と文化の違いを超えて学生が学び合う国際共修授業[高橋美能]
1 国際共修授業発展の背景
2 東北大学の現状
3 国際共修授業における教育実践上の工夫
4 学習テーマとしての「人権」
5 別のテーマで実践した事例
6 学習テーマの選定と多様性を生かす教育実践
第4章 「言語の壁」を超えるトランス・ランゲージングの学び合い[島崎薫/プレフューメ裕子]
1 国際共修におけることばや言語の問題
2 「言語の壁」とは何か
3 トランス・ランゲージング
4 実践例:「Humans of Minamisanriku」
5 トランス・ランゲージングにおける学び
6 国際共修におけるトランス・ランゲージングの意義と今後の展望
第5章 コミュニティとの協働から学ぶサービス・ラーニング[菊池遼/藤室玲治]
1 サービス・ラーニングがコミュニティで果たすべき役割とは
2 被災地域のコミュニティとのサービス・ラーニング授業の成立経緯
3 授業の実践例:「被災者の生活再建・コミュニティ形成の課題とボランティア活動」
4 サービス・ラーニングはコミュニティにとって有効か
第6章 アートプロジェクトから学ぶ教養としての創造的思考[縣拓充]
1 アートプロジェクトと学び
2 教養としての創造的思考
3 千葉アートネットワーク・プロジェクト(WiCAN)
4 ワークショップ体験授業
5 アーティストとの協働によるプロジェクト
6 アーティストからの学びの機会をより有意義なものにするために
〈音声リズム〉
〈身体リズム運動〉
〈音声描画〉
〈わらべうた〉
〈リズミックなぞり〉
〈ロールプレイ〉
…など,本書はヴェルボトナル法の多様なテクニックを,多くの具体例をあげて解説しました.
古今東西の名言名句の中から、ビジネスマンの座右の銘となる言葉、スピーチなどに活用できる言葉をテーマ別に厳選。
日本語学習者の中には、古典日本語で書かれた資料を用いて研究を行う人たちがいる。日本研究を行う彼らに必要とされる言語教育上の支援とは何であるのか。この疑問に答えるために、海外教員への質問紙調査や学習者へのインタビュー、読解過程の分析等を通して彼らの古典日本語学習・理解の実態を明らかにし、それに基づく授業実践を行った。今まで明らかにされてこなかった古典日本語習得の実態とその支援について考える画期的研究。
人々の絆は消え去るのか!「自己利益優先」の社会から「助け合い」の社会へ。
協同組合の理論と実践をとおして、「相互扶助」を基盤とした新しい社会づくりを展望する。
はじめに 全労済協会 西岡秀昌
序 章 協同組合とはいかなる存在なのかー「国際協同組合年」と「協同組合の10年」の課題ー 杉本貴志
第1編 協同組合の事業
第1章 買い物が社会を変えるー協同組合における購買事業の可能性ー 杉本貴志
第2章 コミュニティの自立をめざしてー協同組合によるエネルギー事業と医療・福祉事業ー 杉本貴志
第3章 協同組織金融機関と社会 秋葉武
第4章 共済生協ー未来に向けて果たすべき役割ー 相澤浩也
第2編 協同組合の理念と組合員
第5章 現代協同組合教育論の基本視座 大高研道
第6章 組合員の多様化と協同組合のアイデンティティ 川島美奈子
第7章 情報社会における協同組合運動 伊丹謙太郎
終 章 未来へのメッセージー市場、民主主義、そしてシチズンシップー 中川雄一郎
本書は欧州から現れたまったく新しい経営戦略論研究「実践としての戦略」の全容を示すものである。「何が組織を戦略的にさせるのか」「戦略的であることの弊害は何か」、それぞれの組織で起きるひとつの組織的現象としてもう一度経営戦略を捉え直してみたとき、これまでとはまったく違う経営戦略の姿が見えてくる。