コロナ後の日本観光の“復活”は、コロナ以前への“復旧”であってはならない。正しい読書との相乗効果によって、知的に積極的な旅が生まれる。柳田國男の旅行論に学びつつ、人文学的旅の可能性を拓く観光学入門。
●著者紹介
井口貢(いぐち・みつぐ)
1956年滋賀県生まれ。滋賀大学経済学部卒業。滋賀大学大学院経済学研究科修士課程修了。岡崎女子短期大学助教授,岐阜女子大学文学部助教授,京都橘女子大学文化政策学部教授を経て同志社大学政策学部総合政策科学研究科教授。文化政策学・文化経済学専攻。著作:『反・観光学』(ナカニシヤ出版,2018年),『くらしのなかの文化・芸術・観光』(法律文化社,2014年),『まちづくり・観光と地域文化の創造』(学文社,2005年),『文化経済学の視座と地域再創造の諸相』(学文社,1998年),『観光文化と地元学』〔編著〕(古今書院,2011年),『地域の自律的蘇生と文化政策の役割』〔編著〕(学文社,2011年),他。
はじめに
序章 読書力と人文知、そして観光文化
第一章 「深掘り観光」序説
1 序説についての前口上
2 さらに「深掘り観光」について問う前に
3 「深掘り観光」の要諦、それは五つの文言あるいは三つの「心」
第二章 湖北の祈りと湖東の憂愁
--淡海を旅してーー
1 名作の復刊
--湖北の祈り
2 『星と祭』
--鎮魂と殯そして巡礼の旅
3 近代産業文化遺産の消滅q
--湖東の憂愁
第三章 金沢の影笛
1 豊かな学術と文芸のまち
2 金沢の光と影
3 観光文化論の視座と金沢の思想
4 金澤・読書ノオト
第四章 濃尾参州の惜日
1 「観光文芸」の巨星墜つ
2 『濃尾参州記』を惜しみつつ……
3 記されなかったことを少しばかり
補章 作中ゼミナール:「文化政策」私観
1 「文化政策」って何だろう?
2 さらに「文化政策」について、柳田とともに
3 「文化資源」について考える
4 文明と文化の差異
5 「文明」的挫折と「文化」の力
6 政治の季節から経済の季節へ、そして文化を希求する季節へ
7 高度成長の真っただ中で芽生える、文化への思い
8 人文知と社会科学的暴力
9 文化政策が創造的であるために
10 地域社会とその創造性の問題
11 「しごころ」の大切さ!
【資料】柳田國男の啓示
--文化と観光について考えるための導きの糸ーー
あとがき
著者は高知大学の黒潮圏海洋科学研究科教授。黒潮と人の関係を知るには不可欠の源流域の情報は皆無である。源流域のルソン島東北部沿岸には、海抜1500m級の脊梁山脈が縦走し、道はなく陸路での調査は不可能だ。ならば、と遂に命がけのシーカヤックでの調査を決行した。
悠久のロマンを感じる古墳や武将たちの館。
暮らしの発展を願ってつくられ、四季折々の美しい表情を見せる神社・仏閣など約60箇所の名所・旧跡について、埼玉県をかたちづくってきた人びとのエネルギーやドラマを美しいフルカラー写真とともに紹介。
【目次】
はじめに
埼玉県全図
古代
1 縄文の海辺の暮らしを伝える埼玉県を代表する貝塚/水子貝塚(富士見市)
2 埼玉を代表する「登れる」古墳/稲荷山古墳(行田市)
3 吉見百穴は墓か住居か? /吉見百穴(吉見町)
4 埼玉で最も新しい前方後円墳/小見真観寺古墳(行田市)
5 関東の石舞台といわれる大円墳/八幡山古墳(行田市)
6 東日本最大規模の窯跡群/鳩山町窯跡群(鳩山町)
7 大化の改新の藤原鎌足をまつる仙境/多武峯(ときがわ町)
8 歴代総理も参拝した出世明神/高麗神社(日高市)
9 国宝や重要文化財を数多く収蔵する埼玉最古の寺/慈光寺(ときがわ町)
10 将門伝説が残る山上の神社/城峯神社(神川町)
11 木曾義仲の父・源義賢の居館跡/大蔵館(嵐山町)
12 四万部の経典を誦えたことに由来する観音霊場の寺/四萬部寺(秩父市)
鎌倉・室町期
13 七年の歳月をかけた甦った極彩色の国宝/妻沼聖天山歓喜院(熊谷市)
14 栗橋の地に眠る悲劇の女性、静御前/静御前墓所(久喜市)
15 坂東武士の鑑と称された名将の館跡/菅谷館跡(嵐山町)
16 発掘でわかった河越館跡と河越氏の盛衰/河越館跡(川越市)
17 鎌倉幕府を支えた御家人の館/常光院(熊谷市)
18 慈悲深い高僧が建立した東国最古の禅寺/霊山院(ときがわ町)
19 新田義貞による鎌倉攻めの激戦地/小手指ヶ原古戦場(所沢市)
20 多くの武士が歩んだ鎌倉街道の峠道/笛吹峠(嵐山町・鳩山町)
21 中世のおもかげ残る里/苦林宿・苦林野古戦場(毛呂山町)
22 関東神楽の源流を伝える古社/鷲宮神社(久喜市)
23 戦乱の中の詩歌会/平沢寺(嵐山町)
戦国期
24 美しき伝承の残る山吹の里/龍穏寺(越生町)
25 古河公方足利政氏の居館と久喜藩陣屋/甘棠院(久喜市)
26 風流歌合戦を行った武将の館/難波田氏館跡(富士見市)
27 武家の盛衰と寺名の変遷/陽雲寺(上里町)
28 画人の戦国武将の城/一色館跡(幸手市)
29 秀吉の大軍に抗した武人の浮き城/寿能城(さいたま市)
30 関東屈指の戦国時代の名城/鉢形城跡(寄居町)
31 史上初? 犬を合戦に使った名将の城/岩槻城(さいたま市)
32 小説、映画の舞台になった成田家の城/忍城跡と石田堤(行田市)
江戸期
33 徳川幕府を支えた「黒衣の宰相」の寺/喜多院(川越市)
34 徳川幕府を支えた伊奈一族/伊奈氏屋敷跡(伊奈町)・赤山陣屋跡(川口市)
35 徳川家康ゆかり、関東郡代伊奈氏の墓のある寺/勝願寺(鴻巣市)
36 円空、日光街道を歩く/小淵山観音院(春日部市)
37 名君と算術の達人が開通させた用水路/本多緑道・野火止用水(新座市)
38 東日本を代表する美しき禅寺/平林寺(新座市)
39 今でも江戸時代から変わらぬ時を告げる鐘/遷喬館・時の鐘(さいたま市)
40 「にほんの里一〇〇選」に選ばれた江戸の大開発/三富新田と多福寺(三芳町)
41 パナマ運河と同じ構造をもつ用水路/見沼通船堀(さいたま市)
42 大流行した「坂東札所巡り」の名寺たち/慈光寺・正法寺・安楽寺・慈恩寺
43 信仰の対象となった富士塚/木曽呂の富士塚(川口市)
44 盲目の国学者の旧宅/塙保己一旧宅(本庄市)
45 渡辺崋山の名作を残す寺/少間山観音院龍泉寺(熊谷市)
46 日本一〇〇名城に選ばれた大広間の残る城/川越城本丸御殿(川越市)
47 皇女和宮が宿泊した埼玉県内唯一の遺構/桶川宿本陣(桶川市)
48 激動の幕末から明治を生きた根岸友山・武香父子/根岸家長屋門(熊谷市)
49 山あいの名瀑と旧幕府方勇士の碑/黒山三滝(越生町)
近現代
50 大宮の地名になった武蔵国の総鎮守/氷川神社(さいたま市)
51 近代最大の農民蜂起「秩父事件」決起の舞台/椋神社(秩父市)
52 日本の近代化を支えたレンガ工場/日本煉瓦製造株式会社上敷免工場の故地(深谷市)
53 若き宮沢賢治が宿泊した旅館/旧本陣寿旅館(小鹿野町)
54 「昭和の広重」も描いた美しい境内/上之村神社(熊谷市)
55 小江戸川越と万能の天才画家/蔵造の街並(川越市)
56 漫画の先駆者「北沢楽天」と盆栽村/盆栽町・さいたま市漫画会館(さいたま市)
57 成田一族の菩提寺/龍淵寺(熊谷市)
58 詩人・立原道造の夢/ヒアシンスハウス(さいたま市)
59 別所沼湖畔の「浦和絵描き」たち/別所沼公園(さいたま市)
60 楽しみながら学べる! 埼玉の歴史や民俗/埼玉県歴史と民俗の博物館(さいたま市)
埼玉県史跡関係年表
パリで日本語新聞発刊、「200年後」を描いたSF小説翻訳、くじで決めた元号「明治」、「東武皇帝」を頂く幻の「北部連邦政府」…みんなこの年!!「明治元年」にタイムスリップ!!激動の毎日を、リアルに再現!
赤ずきん、シンデレラ、キノコの家…物語の主役になりきって仲間たちが大活躍!
世界一周気分を楽しめる日めくりカレンダー。
●日付期間(掲載期間):2025年1月~12月
●寸法:201×132mm
●表紙:紙
●ページ数:-
兵庫県の歩く旅コース、100ケ所余りと地域の天然温泉、郷土料理、名物料理、特産物、伝統工芸品を紹介。峰山高原や再度山などの美しい景観、ノジギクやクリンソウなどの山野草、姫路城や生野鉱山跡などの史跡、神戸・北野異人館街などの街並みを歩いてゆっくりと楽しもう。
北アフリカのサハラ(砂漠)の国チュニジア。地中海沿いの町は青と白のメルヘンの世界のイメージ。カルタゴと古代ローマ遺跡が歴史の世界へ人々を誘う。デューダしたOLがカメラを片手に優しいアラブ世界を一人旅した記録。写真多数。
自然に寄りそったシンプルな生き方と、素の自分でいられる心地よさースリランカを旅していると体からも心からも、ムダな力が抜けるのを感じるときがあります。あわただしい日常から抜け出してゆるりと時が流れる国へ、忘れ物を取り戻しに行きませんか?おすすめアーユルヴェーダリゾート、パワースポットやショッピング&グルメ情報も!
この比類なき、奇跡のような信仰のかたち。受難の歴史をのりこえて400年、密かに脈々と信仰を伝えてきた「かくれキリシタン」。美しくも厳しき自然の中で、暮らしに根づいた独自の祈りのかたちを守り育んできた人々を訪ね、貴重な証言とともに、その聖地や史跡を丹念にたどる。各地に残る小さな聖堂も数多紹介。今年登録予定の世界文化遺産をめぐるガイドとしても必携の書。
「24H」シリーズの姉妹版、テーマで選ぶかわいい「旅NOTE」シリーズが初登場! 第1弾は東京から2時間前後で行ける軽井沢、箱根、熱海、甲府など13の小さな旅。新しくてかわいい話題のマイクロツーリズムが今の気分です。
この本の塗り絵の舞台は福岡県。豊かな自然に育まれた美しい情景や歴史文化、四季折々の姿が、個性あふれるイラストに描き出されます。ネコたちの目線でぶらりと旅する気分であなただけの塗り絵ブックを完成させてください。
温泉を切り口にした散歩コースをご提案するお出かけガイドです。特集(1)では絶景温泉を、特集(2)では温泉街レトロさんぽを、特集(3)では憧れの湯宿で大人の美食を掲載予定です。
不安を解消し、失敗しない個人旅行の組み立て方など、プランニングの手始めから、旅行手配のプロが裏技をアドバイス。※本書は、2016年4月7日にダイヤモンド社で発売されたものを、学研プラスが引き継いで販売しています。
自転車だから感じられる沖縄がある。爽快感マックスの道を駆け抜けよう。沖縄本島を味わい尽くすバラエティに富んだ16コースを紹介。走る、見る、食べる…etc.自転車で沖縄を満喫しよう。
40歳のとき、研修で滞在したカナダに魅せられ、教師生活に別れを告げ、移住し、フォトグラファーに転身。そんなRITSUKOが北欧で感じた“me time ”のすばらしさを伝えるフォト&エッセイ。フィンランドの森、スウェーデンの島、デンマークのビーチなど、それぞれの場所で “自分時間”をゆっくりと過ごす人々や動物。
長倉洋海作品集では初の女性特集であり、写真家自身による文を添えた。
修羅場を踏み越え人間の非力さをわきまえた上での無手勝流ナガクラのカメラ・アイによって写し撮られた内面の美しさは商業主義とは一線を画し、独特で力強い。よってタイトル「女、美しく」を「ヒト、ウツクシク」と読む。
尊厳と勇気、今を明日へとつなぎ、日々を生きる力を見る者に与えてくれる女性たちへのオマージュである。
豊かな色彩と意匠、飾りなど、女性が身にまとう衣服はアースカラーのなかでひときわ映え、見る者の目を楽しませてくれる。
序にかえてーーレンズの向こうに女たちがいた
写真と文
プロフィール