何のためにことばを教えているのか、ことばの教育にはどんな力があるのか、そして、その力を最大限に発揮するにはどのようなことばの教育を構想したらよいのだろうか。公教育の本質を〈自由の相互承認〉(一人ひとりが〈自由〉になるためには、その一人ひとりが他者の〈自由〉もまた承認すること」)の原理におき、それをことばの教育・研究や言語政策がどう扱ってきたのかを検証した上でこの原理をどう実質化していけるのかを論じる。
「意味論に興味はあるが、論理学の概念や記号が苦手だ」という初学者が、この事典で例えばProposition という項目を引くと、本書の特徴である綿密で周到なクロス・レファレンスを通じ、Predicate logic、 Logical operator などの項目に導かれ、たちどころに“論理学の通(つう)”になれる。一方、高度な研究者は、本書を、極めて多くの新概念・新思考法への跳躍台として活用できる。Chomsky、 Lakoff を初めとする約20人の学者に関する論評も貴重である。
壮大詳細な《翻訳の世界史》
文化や学術が栄える時と場所には必ずその直前に旺盛な翻訳活動が行われている。本書は〈知の転移〉とも言われるこの営みをテーマとして古代ギリシアから古代ローマ、中世アラビア・ラテン世界、そして江戸明治期に至る知の継承の実際とその全世界的な伝播の系譜に迫り、現代の学術翻訳の問題にも切り込む意欲的な作品である。
古代ギリシアの叡智の多くは直接西欧近代に伝わったのではない。まずはシリア語・ペルシア語に、ついでアラビア語・ラテン語に翻訳されていった過程を主に科学作品を軸に追ってゆく。外来知を、専門用語をどう訳しどう現地化するのか。ジュンディーシャープールやバグダード、トレド、江戸の地で、史上随一の翻訳家とされるフナインばかりか、多くの学者やネストリウス派の人々、遍歴知識人等の苦闘が知的ノンフィクションのごとく描かれ、翻訳とは時に原典内容を変形し新たな文化を創出することでもあると強調される。その営為の計り知れない意義とダイナミズムを活写して絶賛された本書は、西洋文明の成立史に一撃を加え、かつ我々の現在をも照射する。叡知の継承を壮大詳細に描く未踏の《翻訳の世界史》。
なにかにつけて「説明責任」が問われる昨今、では翻訳については?「意味わかんない」「へんな日本語!」「なんでこんな訳になるの?」と読者が思っても、翻訳者は「原文がそうなんだから」とまるで他人事、説明責任などどこ吹く風、だった。歯に衣着せずに欠陥翻訳と戦ってきた闘士・ベック先生、そこでまたも立ち上がった。この訳のどこがダメか、どうすればスッキリいい訳になるのか、懇切に説明。実践篇では中学レベルから上級まで、レベルに応じてさまざまなタイプの課題文を出題、悪訳と良訳を並べ、原文理解と翻訳のポイントを具体的にレクチャーする。
カフェのような活発な会話が生まれる対話の手法、ワールド・カフェの実践本。
英語偏重の傾向にあるわが国の外国語教育を再考し、様々な言語の学習によって多極的な世界観について学ぶ重要性を説く。
翻訳者・翻訳プロデューサ・翻訳教育者である著者による、文法力・論理力・表現力を三位一体化する指南書。 英文法を精密に理解し、一語たりともおろそかにせず忠実に英文を分析することでしか得られないプロレベルの訳文の作り方とは。
第一部 英文読解五つのポイント
1 アンド
対等のand/等位のand/andの別の切り口
butのいろいろ/orのいろいろ/実践
2 カンマ
カンマの意味/易しい文例/理解を深める/実践
3 記号
記号の意味/易しい文例/理解を深める/実践
4 掛かり方
掛かり方の原則/易しい文例/理解を深める/実践
5 日英語の誤差
8つのパターン/用途からみた切り分け/理解を深める/実践
第二部 翻訳に必要な知識
6 トリビアル文法
itとthatとthis/forの意味/it 〜 thatの意味/little、fewなどの両義性/onlyの訳/to不定詞の形容詞的用法/asのいろいろ/of/aとthe/agreeの意味/副詞+前置詞句/表の意味と裏の意味/接尾辞/補語となる副詞と形容詞/未来表現/その他
7 翻訳の要諦
訳し方の技術(曖昧文の読み解き/品詞を見分ける/前置詞句の連続の解釈/転移修辞の訳し方/英語には助詞がない/省略部分の復元/訳語の選択/辞書の定義にこだわらない/過去形を現在形に訳す/原文の構造が見える訳/形容詞+名詞/自動詞と他動詞/コロケーション/品詞を見分ける…)
業界知識(よい翻訳とは/読み易くするための留意点/編集者は新人翻訳者のどこを見るか/男ことば、女ことば/翻訳に資格は必要か/英語学と学校英語/読む力を伸ばすには/翻訳で食べてゆけるか/翻訳の勉強/翻訳者として独立したい/翻訳契約を交わすか/説得性ある訳語…)
「外国語を学ぶ」とは?外国語学部とは何か、外国語学部生とはどういう大学生か、そもそも現代日本にとって外国語とは何か。単なる大学生の日常を描写したエッセイとも、外国語学部論にも読める本。
初心者からプロまで!全司会者必携!司会者として必要な知識と技能、知っておくと差がつくテクニックの数々を、ベテラン司会者が惜しげもなく公開。大反響を呼んだ前著を「今」に合わせてバージョンアップした最新刊!
文字を入れ換える。表を使う。古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。密書を解読され処刑された女王。莫大な宝をいまも守る謎の暗号文。鉄仮面の正体を記した文書の解読秘話…。カエサル暗号から未来の量子暗号に到る暗号の進化史を、『フェルマーの最終定理』の著者が豊富なエピソードとともに描き出す。知的興奮に満ちた、天才たちのドラマ。
大好評につき、重版出来!!!
『ちいかわ』初のクロスワードパズルが登場!
小学生から大人まで、クイズとパズルで2倍楽しい一冊です。
初級編、中級編、上級編と3段階に分かれていて、
初級編ではキャラクターたちの「名前」を答える問題も!
ほか、漢字、算数、英単語、地理・歴史、連想するワードなど、
さまざまな問題を収録。
解いてつなげて…..!
すべての問題を解いてキーワードをつなげると、
“あのシーンのあの言葉”が導き出される……!
あなたもちいかわたちと一緒に、
全問クリアを目指してチャレンジしてみましょう!
声美人とは、言葉に気持ちをのせて、心を通わせるコミュニケーションができる人。声美人が使っている「まぁるい声・まぁるい言い方」を“声のソムリエ”が教えます。
勉強に、仕事に、ふだんの生活に、いつだって言葉はついてまわる。言葉の問題に悩まされることは多いけど、いままで「言葉」そのものを考えたことなんてなかった。「英語をネイティブみたいに話すって、どういうこと?」「どうして言葉が理解できるの?そもそも言葉の意味ってなに?」姪との対話から導かれる、言葉のすこし危なっかしくて豊かな世界。
「かちゃくちゃね」「えずくろしい」「ぬちぐすい」……一言で言い表せない感情や状況などを的確に言い当てた言葉というのが、方言の中にはある。英語に「木漏れ日」という言葉がなく、「森林の木の葉の間から日差しが漏れる光景」などと言うしかないように、日本の方言にもそういった例が数多く存在するということだ。簡潔に説明できそうな言葉でも、複雑で細かいニュアンスを含んでいることがあり、一単語で置き換えようとするとしっくりくる言葉が見当たらない。その結果「標準語に翻訳できない」と言われてしまうのだ。
そんな謎多き「標準語に訳しきれない方言」を、例文とともに約150語紹介する。本書を通じて方言の魅力や面白さを感じていただき、郷土の方言を見つめ直すきっかけとしていただければ幸いである。