鴎外は冷たいか?その“不遇への共感”に注目しつつ、新たな鴎外文学の受容をめざす。『石川啄木論』『漱石ーある佐幕派子女の物語』と、ゆるぎのない成果を示してきた著者平岡敏夫がここに初めて年来の鴎外論集を問う。
逍遙・四迷・おむろ・美妙・紅葉・忍月・柳浪・一葉ら、近代文学成立期の表現者たちが「小説」に求めたものを解き明かす。
透谷評価の一頂点を示した没後百年をひとつのメルクマールとして、さまざまな側面から編んだ。没後百年の透谷像(早大講演)・透谷とアメリカ革命(ハーヴァード大)・透谷とビュヒナー等を含む。
『鏡子の家』の父親はなぜ家から追いやられているのか?『春の雪』の冒頭はなぜ日露戦争の写真の話で始まっているのか?-など、これまで見過ごされてきた地点から作品世界を捉え、“魅せられる精神”の運動体として三島文学の全容を浮び上がらせる。“批評”と“研究”を融合させた本格的三島論。
蕪村発句をより深く理解するために、季題意識を重視し、なおかつ現行の歳事記的配列とは異なる、「古今集」以来の和歌、連歌、俳諧などの集のスタイルにならい配列。
大和三山の伝承と古代人の三山に寄せる熱き思いをつづる。