コロナ感染症パンデミックは、多くの人の生活スタイルを変え、職を失わせ、人間関係も変えていった。そのようななか、メンタルヘルスにおいて最もハイリスクなのが、最前線の医療従事者である。治療薬もない状況下、ワクチン接種のみで患者の治療やケアを担う医療従事者は、クラスター発生がもたらす混乱のなかで疲弊し、さらに偏見やデマ、スティグマなどが追い打ちをかけ、まさにギリギリの状態で医療活動に従事している。
このような背景のなか、クラスターの起きた病院関係者への心の支援に注力している福島県立医科大グループにより、第一線で感染症対応にあたっている医療・介護従事者(レスポンダー)への外部からのさまざまな支援方法、病院への対応方法、セルフケアなどをまとめたものが本書である。?部には医療従事者による座談会も掲載した。
互いに支え合うことすら制限される現場で、それでも離職者を減らし、レジリエンス・士気を高めるための奮闘の過程が示されている。
急速な少子化、超高齢社会が進展する日本。重い課題を突き付けられた都市は、いかに持続可能性を高め、経済活力を維持すべきなのか。さいたま市は今年5月、国土交通省スマートシティモデル事業の「重点事業化推進プロジェクト」に選定された。その実現に向け、市内では浦和美園地区を中心に着実な取り組みが進む。未来を開くカギをスマートシティに見いだす清水市長が、目指すべき「賢い都市」の未来像を語る。
「200CLUB」は、優れた心臓外科医の証といえる「年間執刀数200症例」にちなんだ名称。本書では、同CLUBメンバーが、プロフェッショナリズムの持論を展開し、心臓外科医の未来を推考。第一線で多くの困難を克服してきた外科医たちの、知恵と示唆の詰まった一冊。
精神保健福祉法2013年改正では、100年を超える日本型システム(強制入院の責任の一端を家族に負わせる制度)が撤廃され、歴史的大転換を遂げることが期待されていた。しかし結果は、医療保護入院の入院基準を緩和する“改正”でしかなかった。-精神保健・医療・福祉の構造的・普遍的問題を多様な視点から検証し、抜本的制度改革の方向性を明らかにする。
原発事故から7年。
福島関連の報道はめっきり減ったが、日本人にとって忘れることはできない。
放射能汚染はどこまで回復したのか、農業と地域はいまどうなっているのか。
農業者に寄り添い、継続して調査・研究しきた研究者たちの地に足がついた論稿。
真の復興とは経済成長依存社会からの脱却であり、農と土の見直しではないだろうか。
第1部 福島の農の再生と地域の復興ーー放射能汚染と向きあって
第1章 土と農のあるくらしが再生の道を拓く 菅野正寿
第2章 農地の放射性セシウム汚染と作物への影響 原田直樹
第3章 いま川と農業用水はどうなっているのか 吉川夏樹
第4章 いま里山はどうなっているのか 金子信博
第5章 東和地区における農業復興の展開と構造 飯塚里恵子
第6章 竹林の再生に向けて 小松崎将一
第7章 安心できる営農技術の組み立てを目指して 横山正
第8章 被災地大学が問われた「知」と「支援」のかたち 石井秀樹
第2部 農家と科学者の出会いと協働を振り返って
第1章 農家と研究者の協働による調査の最前線に立って 武藤正敏
第2章 <座談会>道の駅ふくしま東和で原発災害復興の1〜2年を語る
第3章 南相馬市小高区で有機稲作を続ける 根本洸一
第4章 試練を乗り越えて水田の作付けを広げる 奥村健郎
第5章 全村避難から農のある村づくりの再開へ 長正増夫
第3部 農家と共に歩んだ研究者・野中昌法
第1章 野中昌法の仕事の意義 中島紀一
第2章 「農」の視点、総合農学としての有機農業の必然性について 野中昌法
第3章 有機農業とトランスサイエンスーー科学者と農家の役割 野中昌法
第4章 科学者の責任と倫理 野中昌法
第5章 <書評>『農と言える日本人ーー福島発・農業の復興へ』 守友裕一
いま、そこにある人と「機械」が調和する未来社会の姿。
理系がお得!女子理系のススメ!女性研究者が語る理系進路選択のメリット。
化合物(薬物)と疾患の関係は医薬学の観点から,長きにわたって研究が進められています.一方,化学分子の観点から,予防・疾患・治療の分子論的な化学機構を系統だってまとめた著書は少ないのが現状です.それゆえ,化学分野の研究者(生体関連化学分野の研究者も含めて)にとって,どの分子が疾患の原因となり,どの分子が治療に役立つのか,そのメカニズムや手法の詳細をまとめて理解出来る著書は手に入りにくい.一方で,この分野の研究成果によって,化学を専門とする研究者にとって,興味深いメカニズムや治療の手法が,最近見出されてきています.
トヨタの開発試作工場にはもう一つのリーン生産システムの姿があった。工場責任者が試みたセル生産システムの構築を通じて、生産システムの自律化と統合化を解明した。技術開発やマザー工場機能の高度化が求められる日本の製造企業には成長のヒントとなろう。著者20余年にわたるセル生産システムの研究から、日本のモノづくりの明日が見える。
序 章 セル生産システムの課題
ー自律化と統合化の視点よりー
1.はじめに
2.セル生産システム
3.生産システムの自律化と統合化
4.セル生産システムの課題
5.結び
第1章 トヨタ生産システムの自律化と統合化
ー大野耐一の経営思想からー
1.はじめに
2.大野耐一の経営思想の原点
3.作業者による標準化の意義
4.トヨタ生産システムの自律化と統合化
5.結び
第2章 トヨタの開発試作工場に導入されたセル生産システム
1.はじめに
2.時代背景
3.開発試作工場の概要と課題
4.開発試作工場の再構築
5.トヨタの開発試作工場に導入されたセル生産システム
6.結び
第3章 セル生産システムの導入による工場現場の自律化
ートヨタの開発試作工場を事例としてー
1.はじめに
2.セル生産システムの導入による工場現場の自律化
3.セル生産システムの導入による自律性と生産性
4.結び
第4章 セル生産システムの導入による工場現場の統合化
ートヨタの開発試作工場を事例としてー
1.はじめに
2.セル生産システムの導入による工場現場の統合化
3.統合化を促進したリーンな生産体制
4.結び
第5章 工場現場の従業員から見たセル生産システムの実態
ートヨタ・開発試作工場の元従業員の座談会よりー
1.はじめに
2.工場現場の自律化
3.セル内の統合化
4.セルとセルの統合化
5.セルと他部署との統合化
6.セルと外注先との統合化
7.工場内の統合化
8.組織のフラット化
9.セル生産システムの継続
10.結び
終 章 セル生産システムの自律化と統合化
ートヨタの開発試作工場の新たな課題と試みー
1.はじめに
2.リーマン・ショック後の経営環境と企業業績
ーセル生産システムに取り組んだ製造企業を中心にー
3.トヨタの開発試作工場の新たな課題と試み
4.トヨタの開発試作工場におけるセル生産システムの総括
5.結び
企業理念(パーパス)に根ざしたサステナビリティ戦略のあり方を探る
サステナビリティへの取り組みが経営戦略上の重要事項となるなか、さまざまなステークホルダーの視点を取り入れ、議論や検討を行うための委員会を設置する企業が増加している。本書は、すでに取り組みをすすめている企業の先進的かつ多様な事例を紹介。サステナビリティ戦略推進に求められる実務を解説する。
子どもの心の発達に脳科学は何ができるか。社会問題化する子どもの発達の障害に脳科学者が向き合う。脳科学から人間の発達過程とメカニズムを解明し、新しい「発達科学」を構想する。
法律と行政の“プロ”の協力関係が、魅力的な自治体を作り出す。弁護士と自治体のWin-Winな関係をつくるヒントが満載。
中小企業再生に欠かせない、中小企業再生のための「財務DD(財務デューディリジェンス)」のすべて
◆数多くの再生案件に関与した専門家の手による、初めての本格的実務書。
◆事業再生等ガイドライン(中小企業版私的整理ガイドライン)、中小企業活性化協議会、スポンサー型案件にも対応。
◆中小企業の事業再生に不可欠な「財務DD」に臨む心得、具体的な作成の方法や着眼点を網羅。
◆公認会計士、税理士、弁護士、中小企業診断士などの専門家はもちろん、金融機関、ファンド、信用保証協会、コンサルタント、サービサーなど、中小企業の再生に携わるすべての関係者に。
【本書の主な内容】
第1章 財務DDの基礎知識
事業再生において財務DDが行われる目的、読み手/「7つの指標」/企業グループのDD/資金繰り見通しの把握 ほか
第2章 DDのスケジュール管理
スケジュール管理の重要性/事前準備/キックオフ/資料依頼/分析・調査・レポーティング/バンクミーティング ほか
第3章 DDの実施
DDのレベル感と対象企業の管理体制/実態BSにおける評価の考え方 ほか
第4章 売掛金、棚卸資産および簿外債務
個別手続に臨む姿勢/売掛金、棚卸資産、簿外債務の調査 ほか
第5章 借入金明細表・保全表の作り方
借入金明細表に必要な情報/保全表に必要な情報 ほか
第6章 窮境原因と除去可能性
記載する理由と記載すべき事項/窮境原因の把握手法/「窮境原因および除去可能性」「事業計画立案上の課題」の記載例/協議会実施要領との関係 ほか
第7章 清算BSの必要性と留意点
清算BSの基準日/「非保全」概念/経済合理性 ほか
第8章 スポンサー案件における計画立案上の留意点
案件の類型/金融支援の合理性(相当性)/保全・非保全弁済可能額の推計/数値計画と金融支援案の整合性 ほか
第9章 座談会・DDに臨む専門家の意義と姿勢
大きな粉飾と再生可能性/DDが目指すべき理想型・水準/調査対象(スコープ)の上手な絞り込み方/専門家の矜持 ほか
資 料 財務DDチェックリスト
レポート全体/会計方針/貸借対照表/損益計算書/キャッシュ・フロー関連の調査/税務関連の調査
コラム
バンクミーティングを活用せよ/隠れたキープレイヤー?/経営者への質問からみえるもの/不動産以外の担保設定の有無の確認方法/税金・社会保険料の滞納/回収状況の確認/棚卸資産の集計精度に大きな懸念がある場合の対応/職業的専門家の正当な注意と窮境原因の記載 ほか
精密重合法の発展により分子量分布の精密に構造された多様なブロック共重合体の合成手法が確立されている.それら
は生医学材料,電子材料など多様な分野での実用化が進む重要な高分子材料でもある.本書では,ブロック共重合体を
中心とした新奇ソフトマテリアルの精密合成,精密構造解析,物性,機能性の最新レビューを紹介する.
Part1 基礎概念と研究現場(フロントランナーに聞く/精密合成技術/相分離の理論• 高次構造形成/分子キャラクタリゼーションと溶液中での自己集合体形成/他)
Part2 研究最前線(付加重合を用いたブロック共重合体の合成/開環重合を用いたブロック共重合体の合成/希土類錯体触媒を用いたブロック共重合体の合成/ブロック共重合体が示す多彩な力学物性/電子顕微鏡による形態学的観察・評価/フォトニック材料/高性能熱可塑性エラストマー:オレフィン/他)
Part 3 役に立つ情報・データ(革新論文/他)
この12月から、労働者50人以上の事業所には毎年1度以上のストレスチェックを行うことが義務づけられます(50人未満では努力義務)。この制度は、単にアンケートをして症状チェックをすることだけでなく、心理的な負担の程度を把握し、その手前にあるメンタルヘルス不調を未然防止する「一次予防」と、社員が病気にならないような仕組み作りである「職場の環境改善」が主たる目的です。
そのためには、全ての労働者の受検と必要に応じた面接指導を行う体制づくりが必要です。ストレスチェック検査において高リスクと判定された方は、自ら結果を事業者に知らせて面接指導を受け、その結果を事業者は聞いて必要な事後措置をすることになります。
制度は導入してアンケートはしたが、面接希望の手が挙がらない・挙がりにくい仕組みでは制度導入の意味がなく、また面接指導から事後措置前の一連の流れをきちんと作れないと効果があがりません。
法改正対応のため、あるいはストレスチェック制度導入自体を目的とするのではなく、ストレスチェック制度を入口として、職場環境改善、従業員の健康管理、それを通じた生産性向上と企業の業績アップにつなげるための一冊です。