最近、耳にしなくなった「暦」ですが、日本に伝来したのは欽明天皇一四年(五五三年)、天皇が朝鮮半島の百済に暦博士・暦法などを要請したことによります。暦は「観象授時【かんしょうじゅじ】」といって、皇帝(天皇)が天体を観測して民に与えてきたものだったんです。
三嶋暦は、京から離れた伊豆国(流刑地であった)に本拠地をもったこともあり、権力(京・天皇)とは距離を置いた暦だったようです。織田信長、北条氏政、徳川家康らは関東圏で三嶋暦を採用しました。江戸幕府が三嶋暦を使用することになった基盤を彼らがつくったわけですが、それは三嶋暦の歴史の古さと優れた点が認められたからです。
この三嶋暦をつくったのが、伊豆国一宮である三嶋大社の下社家として仕えた、三嶋暦師の「河合家」(現在、第五三代)です。河合家は平安時代から明治一六年までの千余年の間、暦をつくり続けてきました。本書ではその歴史を、三嶋暦の会のメンバーが楽しく解説しています。
暦の楽しみ方は、歴史ロマンにのみあるわけではありません。天保一五年の暦を読み、江戸時代の人びとの生活を想像すると、「え!?」と思うことにたびたび出くわします。たとえば爪を切るのでも、「丑の日には手の爪を、寅の日には足の爪を切る」と書かれています。江戸の人びとは、朝起きて?をまず読み、その日にやることを決めたり、やりたかったことができなくて嘆いたりしていたのかもしれません。
さて、タイトルにある「せせらぎのまち」についてですが、三島といえばまず「湧水」です。もちろん、これ以外にも様々な顔をもつ三島市ですが、特筆したいのが「市民の力」です。三島で活躍している二〇歳代、三〇歳代の五人の若者に「座談会」というかたちで登場していただきました。三嶋暦を取り入れての様々な活動の記録を読んでいると、三島というまちの可能性の大きさを感じます。(すずき・たつこ 三嶋暦の会会員)
西村高等法務研究所「デジタル課税研究会」メンバーの実務家と研究者がデジタル技術の発展により生ずる経済的・社会的変化の解明に臨んだ意欲の書。
巻頭言──はしがきに代えて(中里 実)
第1章 デジタルエコノミーが引き起こした租税制度の変容
1 座談会:国際課税の潮流と日本の租税制度への影響(中里 実,太田 洋,伊藤剛志,中村真由子,吉村政穂)
2 デジタル化とAIの浸透に伴う経済社会の変容と課税(太田 洋)
3 国際最低課税額に対する法人税制度(グローバル・ミニマム課税)(秋元秀仁)
4 グローバル・ミニマム課税とCFC税制(中村真由子)
5 GloBEとインセンティブ税制(長戸貴之)
6 第2の柱は租税競争に「底」を設けることに成功するのか?──適格国内ミニマムトップ税がもたらす変容
(吉村政穂)
7 軽課税所得ルール(UTPR)と租税条約の抵触を巡る議論動向(増田貴都)
第2章 デジタル課税の諸相
8 暗号資産取引の情報申告と自動的情報交換(藤岡祐治)
9 シェアリングエコノミー・ギグエコノミーが付加価値税制に与える影響(伊藤剛志)
10 NFTに関する現状整理と今後の課題(西 海人)
11 税務分野へのAI補助の導入の可能性(佐藤英典)
12 メタバースと課税(太田 洋)
ビジネスにおけるAIツール活用が進む中、今なお存在する英語力の課題。
その現状打破を目指して、業務で英語を使うビジネスパーソン2,686名へのアンケート調査と
最前線で活躍する15名へのインタビュー調査を実施。『英語の壁』を突破した“成長要因”を
ジュニア、シニア、エグゼクティブごとに分析・解説します。テクノロジーが急速に進化、普及する
今の時代だからこそ必要な、英語によるビジネスコミュニケーションのポイントを“見える化”した、
国内初の産学連携研究書籍。
京都大学iPS細胞研究所 [所長・山中伸弥] 設立10周年記念出版
人類の運命を左右するiPS細胞
iPS細胞はいかに誕生し、
未来をどう変えていくのか
まだ見ぬ生命の謎を解き明かすため、
新たな治療法を世に送り出すため、
研究者の挑戦はつづく
プロローグ iPS細胞前史
第1章 iPS細胞の誕生
1 誕生秘話
2 iPS細胞とは?
第2章 再生医療と iPS細胞ストック
1 将来の医療を目指した研究
2 再生医療用のiPS細胞のストック
第3章 病気のしくみの解明と創薬
1 人類の歴史、薬の歴史
2 iPS細胞と創薬
第4章 iPS細胞を使った基礎研究
第5章 iPS細胞技術を患者さんに届けるために
1 iPS細胞の知的財産
2 iPS細胞技術が医療現場に届くまで
第6章 iPS細胞技術が社会に根付くために
第7章 CiRAの想い
第8章 特別座談会「iPS細胞の未来」
3名の解答のフローを秒単位で再現!手の内、明かします。
福島原発事故をテーマにした、朝日新聞連載の書籍化第6弾。事故からまる3年が経過したが、被災地の復興はほど遠い。故郷を追われた人々の多くは、帰還をあきらめはじめている。被災者の苦悩と真実の叫びを追い続ける渾身のルポルタージュ。
原子力損害賠償紛争解決センターに所属する法曹実務家が、2011年3月に発生した福島第一、第二原子力発電所の事故発生から12年の間に行ってきた数多くの原子力損害の賠償の和解仲介の蓄積を踏まえ、その実務を紹介し、さらに、その基礎にある理論や基本的な考え方を詳説した解説書!
〇原子力損害賠償紛争解決センター(ADRセンター)は、開設から12年が経過し、この間に2万8000件を超える案件(事件)を処理し、うち2万2000件を超える事件について和解成立という実績を有する同センター所属の法曹実務家が執筆。
〇ADRセンターで蓄積された知見やノウハウは、原子力損害賠償案件を扱う法曹実務家にとって非常に有益なものとなり、多くの被害者に対するよりきめの細かい賠償の実現につなげることができる。
〇2022年12月に中間指針第五次追補が策定され、被害者の精神的損害について、賠償の対象となる損害項目、賠償期間などを全般的に見直す内容になっていて、被害者の救済にとって重要な意味を有するものである。本書においては必要な範囲で第五次追補について説明、言及している。
付加重合や開環重合に加え,縮合重合,配位重合などでもすぐれたリビング重合系が開発されている.また重合機構や適用モノマーの広範な展開,触媒開発も進展し,重合の精密制御の一般的原理も確立されつつある.さらに精密重合・リビング重合の展開に基づいて,実用化・応用展開も進んでいる.本書では,最新の精密重合・リビング重合に関する基礎から技術,実用までをレビューする.
Part1 基礎概念と研究現場(フロントランナーに聞く/リビング重合の基礎/他)
Part2 研究最前線(カチオン重合/ラジカル重合/有機分子触媒を用いた開環重/配位重合/縮合重合を逐次重合から連鎖重合に変えて制御する/立体制御重合/ブロックポリマー/末端官能性ポリマー/星型ポリマー/連鎖制御ポリマー/精密重合の将来展望・課題・期待/実用化されたリビング重合技術/他)
Part3 役に立つ情報・データ(この分野を発展させた革新論文/他)
“美しい”だけでは伝わらない。“機能的”だけでは足りない。
空間が人の心を動かす理由を、感性と科学の両面から検証する
長い通路を抜けたあと、視界が広がるあのなんとも言えない気持ちよさ。
カーテンの色ひとつで空間の印象が一変する不思議さ。
木のぬくもりや素材の感触に、ふと心が和らぐ瞬間ーー。
様々な空間を訪れた時、「なんかいい」と感じることはありませんか?
本書は、博覧会や商業施設、オフィスなど多様な空間づくりを130年以上手掛けてきた乃村工藝社が、「空間における歓びと感動とは何か」という根源的な問いに挑む新しい研究の記録です。空間に宿る力が、どのように人の感情や行動、記憶、持続的な満足につながるのかを明らかにするために、「人についての研究」「空間についての研究」「人と空間の相互作用」という3つの軸から、科学的・学術的なアプローチで探究をしています。
感動のメカニズム、空間での感情の変化、床の質感が人の意識に与える影響、うるさくも静かでもない最適な音環境、木材の特性など。多彩な研究を通して見えてくるのは、空間の無限の可能性です。空間づくりに携わる人、そして空間を利用する人に伝えたい、新たな視点と創造のヒントが詰まった一冊です。
2019年6月,「公正なM&Aの在り方に関する指針」が公表された。本指針により,M&A実務にはどのような変化が起きるのか。本書は,本指針の策定に携わったメンバーを中心として,指針の意義や影響について多方面から検討を加える。企業法務関係者必読の一冊。
論 文
「公正なM&Aの在り方に関する指針」の意義……藤田友敬
ファイナンスの視点で見た「公正なM&Aの在り方に関する指針」の意義…井上光太郎
公正性担保措置⑴──特別委員会,MOM条件,マーケットチェック…加藤貴仁
公正性担保措置⑵──株式価値算定書,フェアネスオピニオン…田中 亘
「公正なM&Aの在り方に関する研究会指針」の実務上の意義…石綿 学
「公正なM&Aの在り方に関する研究会指針」のM&A実務に与える影響…別所賢作
座談会 「公正なM&Aの在り方に関する指針」の意義と影響
藤田友敬・神田秀樹・石綿 学・角田慎介・加藤貴仁・田中 亘・後藤 元・飯田秀総
[資料]公正なM&Aの在り方に関する指針
自然現象を善政か失政かのバロメーターとし、権力者に対する圧力としても機能させた儒教。地震は仏や菩薩の神通力による「吉祥」であると説き、人びとをなぐさめる仏教。イスラームやキリスト教などの一神教が、災害を神の意思のあらわれとしていることで、信者は苦難を受け入れ、団結して復興に向かうことができた。
近代朝鮮では日本の植民地支配を「天変地異」と見なし、琉球(沖縄)では、台風だけでなく軍隊なども海からの「来訪者」として受け止め、災厄を幸福へとかえる営みを続けてきた。
本書では、歴史・宗教・地域研究者9名が、アジア各地でこうした「天変地異」がどのように語られてきたかをひもとき、いま、自然災害にどう向き合うかを考えるきっかけを提供する。
第一部 宗教と天変地異
失政が天変地異を招くーー儒教(串田久治)
「大地震動」は吉祥ーー仏教(邢東風)
地震は神の徴か?--イスラームの信仰と災害(青山亨)
コラム 天変地異におけるキリスト教の預言と希望(一色哲)
第二部 王権と天変地異
「日本」の誕生と疫病の発生(細井浩志)
朝鮮における天変地異と予言ーー讖緯書『鄭鑑録』に描かれたユートピア(佐々充昭)
沸騰する南海北山ーースルタンの出番か(深見純生)
コラム 災異説から予言へ(串田久治)
第三部 外来者と天変地異
《琉球─沖縄》における海上からの「来訪者」と天変地異の「記憶」
ーーウルマ島とニライカナイをめぐって(一色哲)
植民地支配は天変地異に代わるものだったのかーー近代朝鮮での王朝交替予言の変容(青野正明)
天変地異は天子の責任か?--康煕帝の地震観とヨーロッパの科学知識(辻高広)
コラム インドネシアの外来者 ジョヨボヨの伝説(青山亨)
座談会 天変地異はどう語られてきたか? --天変地異の両義性
企画、デザイン、ツール、法律上の問題など、アーカイブ構築の際にだれもが直面する問題を整理し、それらをクリアするための実践例を紹介。理論編である『デジタル文化資源の活用』をふまえ、デジタルアーカイブをつくり、有効に運用するための具体的な方法と課題を紹介する「実践編」。
「正直不動産×全宅ツイ」奇跡のコラボ!!
本書は、大人気漫画『正直不動産』で取り上げてきたテーマのうちの24テーマを、宅建業者のTwitter集団・「全宅ツイ」の各専門クラスターが数人ずつトーク形式で語る本です。
テーマは、「売買」「建築」「賃貸」「ブローカー・業者取引」それぞれに6テーマずつ、計24テーマを収録。これを読めば、漫画『正直不動産』をより深く理解できる!!
表紙は『正直不動産』の漫画家・大谷アキラ氏描き下ろし!!
全宅ツイ幹部と『正直不動産』の主人公・永瀬財地との架空座談会も特別収録。
【編集担当からのおすすめ情報】
著者の全宅ツイは宅建業者なので、本来は消費者側を向いている人たちではありません。ですが、その全宅ツイが今回特別に、消費者側に立つ漫画『正直不動産』の公式副読本を書き、プロの宅建業者からの「消費者にとって得になる情報」を授けてくれます。『正直不動産』読者、そして不動産取引を考えてる人にとって、まさに必読の書です。
現代の若者の使う言葉やネーミング、広告表現、そしてテレビの言葉をターゲットにした著書・論文を中心としている。また、日本語教育に関する提案や国語施策に関する論、現代語に関するエッセイも収録してある。「1若者言葉に耳をすませば」「2ネーミングと広告」「3テレビの言葉」「4現代語の問題&エッセイ」の四部から成る。
グローバルに活躍する
コンサルタントの仕事が分かる!
「日本発、アジア発」の総合コンサルティングファームとして成長を続けるアビームコンサルティングを、「企業力」「経営理念(DNA)」「グローバル展開」「キャリア形成」「採用活動」などの側面から解説。また各クラスやグローバルに活躍するコンサルタントのインタビュー、グローバル拠点紹介、社長対談、企業事例などを通じて、アビームコンサルティングの魅力に迫る。
■主な内容
Chapter1 アビームコンサルティングの企業力
Chapter2 アビームコンサルティングのDNA
Chapter3 アビームコンサルティングのグローバル展開
Chapter4 アビームコンサルティングのキャリア形成
Chapter5 アビームコンサルティングの採用活動
交換価値よりも経験価値!想像を超える変化が起こっている現在だからこそ、ビジネスパーソンがすべきなのは、「あるべき姿」のために動くこと。踏み出した行動の結果としての「経験」は、どんなときも、次の一手のための貴重な価値だ。本書が著す17の取り組みと3つの特別企画が、前へと進むための智慧と勇気を提供していく!