2018年の入管法改定を契機に「移民時代」を迎えた日本では、多文化共生の課題は新たな段階を迎えている。本書は、それに対する考え方や進め方を具体的に構想し、「日本人性」の概念を問い直すことで、日本型多文化教育のグランドデザインを提案する。
日本経済の根幹を支えるのは、この国の全企業数の99%を占める中小企業である。その中小企業で事業継承の問題が深刻化してから久しい。本書の著者は、九州北部で躍進を続ける物流企業の2代目であり、すでにその長男に社長の座を託し終え、業績も右肩上がりで推移している。ロジテム九州ではなぜ、後継者問題がスムーズに解決したのか。その秘密と著者の後継者問題についての分析は、事業継承に悩む中小企業経営者にとって必読である。
発売:ワニブックス 発行:ワニ・プラス
協同組合の新たな一つのビジョンは、現代の協同組合人自身による「コミュニケーション・コミュニティとしての協同組合」の理念と実践の想像と創造にかかっている。「2012国際協同組合年」をふまえ協同組合運動の新たなビジョンをめざした3年にわたる研究成果の集大成。
公害を現代的に捉え直すために、公害経験の多面性を理解し、公害経験が持つ普遍性を考える。公害経験の継承というテーマに正面から向き合った論集テキスト。
第1部 なぜ今,公害経験を継承するのか
第1章 現在・未来に生きる公害経験
「記憶」の時代における継承 清水万由子
1 公害経験をめぐる時代状況
2 価値転換の模索
3 「記憶」の時代における公害経験の継承
4 公害経験を現在・未来に生きるものとするために
第2章 「困難な過去」から「地域の価値」へ
水俣,倉敷・水島の事例から考える 除本理史
1 なぜ公害経験を継承するのか:地域再生の視点から
2 「困難な過去」から「地域の価値」へ
3 「地域の価値」とパブリック・ヒストリー実践
4 水俣「もやい直し」は何をめざしたのか
5 「地域の価値」をつくる:「みずしま地域カフェ」の取り組みから
第2部 フォーラムとしての公害資料館
第3章 公害資料館ネットワークは何をめざしているか
多視点性がひらく「学び」と協働 林美帆
1 公害経験の継承をめぐる多視点性と協働
2 公害資料館ネットワークの設立までの基盤づくり
3 公害資料館ネットワークの設立と活動
4 他分野との学びの共有
5 円卓会議と協働
第4章 教育資源としての公害資料館
困難な歴史を解釈する場となるために 安藤聡彦
1 公害資料館は何のための施設か?
2 データにみる公害資料館の教育活動の実態
3 困難な歴史を解釈する場としての公害資料館
4 「困難な歴史」をめぐる「学習の困難」
5 教育資源としての公害資料館:その三つの要素
第5章 福島原発事故に関する伝承施設の現状と課題
民間施設の役割に着目して 除本理史・林美帆
1 福島県内の伝承施設
2 公的施設の現状と課題
3 福島県立博物館の震災遺産展示
4 民間施設は何をめざしているか
5 民間施設の意義と役割
第6章 記憶を伝える場としてのミュージアム
国際的な潮流を踏まえて 栗原祐司
1 博物館とは
2 ICOMにおける議論
3 Museumの定義の見直し
4 フォーラムとしてのミュージアム
第3部 公害資料の収集・保存・活用
第7章 公害経験の継承と公害資料
アーカイブズとしての公害資料館 清水善仁
1 アーカイブズとしての公害資料
2 公害資料の所在状況調査からみえてきたこと
3 公害資料の管理をめぐる論点
4 アーカイブズとしての公害資料館
第8章 社会変革に向けた社会運動アーカイブズの役割
薬害スモン被害者団体記録から 川田恭子
1 運動とアーカイブズ
2 薬害被害者運動からみる記録の力
3 経験の継承に記録を活かす
4 社会のなかの記録の役割と責任:豊かな未来をめざすために
第9章 公害資料の活用を促す仕組み
環境アーカイブズの活動から 山本唯人
1 公害資料の活用を促す:「深い活用の促進」という視点から
2 目録・資料群の充実を目的とした寄贈者への聞き取り:
資料の文脈を補う資料の収集
3 学部生向けガイダンス:大学教育との連携
4 「語り」という資料の将来:平和博物館との比較を通して
5 結 論
今日的な青少年の問題行動への精神医学的アプローチ。行為障害、ADHD、薬物乱用、不登校、引きこもり、家庭内暴力など50例を超える事例を掲載。精神科医・心理士はもちろん、教育・司法関係者にも好適の書。
ChatGPT等が登場して以降、医療現場でも、生成AIを活用する動きが活発となりました。
ただ、ChatGPT等AIの基本的な使い方はわかったが、さらに実務に落とし込むために、どのように活用したらいいか悩む医師に向けて、医療現場で実際に使われている生成AIの活用術をまとめた書籍が誕生しました。
日本医療AIアカデミーサロンディレクターである著者のアイデアや体験等を踏まえた実践的な内容で、「AIのおっちょこちょいな部分」、「AIに頼りすぎない工夫」「生成AIでこんなことができるんだ」といった今までの医療現場での常識を変える新しい視点・活用術を掲載しています。
また、実務の点のみならず、AIがもたらす新たな医療の扉を開けることにより、ベテランと若手医師の新しい関係、医師と患者の新たな関係等々、読後、生成AIのリテラシーが高まり、医師として、一人の人間として「人間的総合力」をいかに育み、発揮していくか生成AI時代の生き抜き方が分かるようになります。
子どもの読書活動の推進は、現在では重要な文教政策の一つとなっており、国、都道府県、市町村、それぞれの段階で読書推進計画が立案され、実施されている。小学校、中学校、高等学校の学校図書館も整備が進んでいる。そのことと児童生徒の読書活動が結びつくように、読書活動推進の内容と方法について具体的に解説していく。そして、学校図書館の整備、読書活動の推進についての司書教諭の役割について解説していく。
1.読書活動の意義と目的 2.読書能力の発達 3.読書興味の発達 4.読書の導入的な指導ー楽しむ読書を中心にー 5.読書の展開的な指導ー調べ学習を中心にー 6.読書の発展的な指導ー考える読書を中心にー 7.発達段階に対応した読書 8.集団読書と個人読書 9.読書資料の多様化と活用 10.読書資料の選択 11.読書後の表現 12.読書後の交流 13.家庭読書との連携 14.公共図書館などの活用 15.司書教諭の役割
電子立国日本の原点に、工作の〈文化〉があった! 厖大な史料を博捜し、インタビューを重ねて、ラジオ工作少年やフリーランサーの技術者、中小の部品メーカーなどを主人公に、日本のラジオ、テレビ、オーディオの歴史をあとづける。本書は、アマチュア精神へのオマージュであり、収録された457 点の写真・図版は、それだけで「ラジオ博物館」の趣をなす。元NHK放送博物館館長・中田薫氏推薦。
はじめに
第 I 部 ラジオの初めからテレビ普及まで
第1章 電波の発見、無線電話、真空管の登場、放送の開始
──欧米におけるラジオ
間章1 ラジオ雑誌の系譜1
──柴田寛と『ラジオ科学』
第2章 日本におけるラジオ放送開始とラジオ雑誌
──濱地常康の『ラヂオ』から『無線と実験』へ
間章2 ラジオ雑誌の系譜2
──第二次世界大戦後のラジオ雑誌
第3章 日本のラジオ工業のあゆみ
──自作ラジオと富士製作所(STAR)
間章3 山中電機の足跡
──第二次世界大戦前のラジオメーカーと戦中の成長
第4章 日本のテレビと受像機工業
──JAT、TVK、テレビキット、大企業による量産
間章4 ポータブルラジオの白砂電機(シルバー)
──ラジオ少年がつくった中堅企業
第II部 ラジオ工作とラジオ工業の諸相
第5章 ラジオ・エレクトロニクス技術通信教育の歴史
──ラジオ教育研究所の通信教育
間章5 神田・秋葉原の電気街
──ラジオ少年のふるさと
第6章 ラジオ・テレビと修理技術
──修理サービスの重要性
間章6 unofficialな研究グループ
──十日会、テープレコーダー研究会、学校のクラブ
第7章 オーディオ愛好家と日本オーディオ協会
──「世界のステレオ工場」への道
間章7 東京大学の「電気相談部」
──第二次大戦後の学生アルバイト団体
第8章 トランジスターラジオ輸出とロックンロール
──日本の電子工業の繁栄をもたらしたもの
間章8 戦争、政治とラジオ・テレピ
──技術進歩とプロパガンダ
第9章 ラジオ工作とunofficialなセクターの役割
──男性性、電気技術者教育、「電気リテラシー」
間章9 文芸に見るラジオ、女性とラジオ
──世につれて変わるラジオ
おわりに
史料・文献
索 引
多文化共生を目指す社会にある当事者という定義をさまざまな状況から再考し、偶発的な出会いが生み出す学習のありようやコミュニティの再編の方途を検討する。
はじめに
第1部 共生の創成過程において当事者性を問う意味
第1章 多文化共生をめぐる今日的課題と学習論的アプローチの必要性
第2章 当事者性をめぐる学習論とその枠組み
第3章 共生の創成過程において重視されるべき周辺的学習者
第2部 当事者性を軸とする共生の学習プロセスの実質化に向けて
第4章 当事者性の構造的課題と当事者性概念の再構築
第5章 〈当事者性の邂逅〉という現象
第6章〈当事者性の邂逅〉を基軸とする学習論
第3部 〈当事者性の邂逅〉を生む実践的環境
第7章 コンヴィヴィアリティと〈当事者性の邂逅〉
第8章 〈当事者性の邂逅〉を把持する観点
第9章 〈当事者性の邂逅〉仮説の援用可能性と今後の課題
おわりに
謝辞
引用・参考文献
索引
心とは何か。精神疾患はどこまで解明されたのか。脳神経生物学や精神療法、臨床哲学、科学哲学、実存哲学の専門家が、最先端の研究成果を交えて論じる。
自然災害、いじめ、体罰、学校事故等、学校を舞台とした紛争がマスメディアを賑わしている。
本書では、いわゆる学校教育紛争を法学と教育学の学際的観点から分析する。可能な限り現実に生じた事例に言及しつつ、学校運営の実務に依拠し検討する。また、訴訟大国であるアメリカ合衆国の裁判例、学校運営において近年注目を集めている、「学校教育の法化現象」、「スクール・コンプライアンス」等についても言及する。
1.学校教育紛争の現在 2.教育を受ける権利と学校の公共性 3.学校運営における学習指導要領・教科書の位置 4.学校教育における平等 5.学校教育と信教の自由・政教分離 6.特別支援教育と法 7.学校安全・学校保健と法 8.学校事故と法 9.体罰と法 10.いじめ問題と法 11.児童・生徒の問題行動と法 12.児童虐待と法 13.学校運営と個人情報 14.教員の非違行為と法 15.スクール・コンプライアンス
○1例から数例のサンプルに対する処置の有効性を評価する研究デザインの入門書.
○リハビリ,看護,心理療法,行動療法などの分野で「根拠に基づく実践(EBM)」を目指す人の最良のスタートガイド.
○基本的な考え方,研究実施の具体的なノウハウに加え,実際にSCDを応用した研究論文11編を紹介.それぞれの著者がポイントを解説する.研究レポートや論文を書くためのヒントが満載の実践的な内容.
【主な目次】
【基礎編】
1. シングルケースデザインの概要
2. シングルケースデザインの質を高めるために
【実践編】
1. 理学療法分野への応用(1)
2. 理学療法分野への応用(2)
3. 作業療法分野への応用(1)
4. 作業療法分野への応用(2)
5. 言語聴覚療法分野への応用
6. スポーツ分野への応用
7. 看護分野への応用
8. 心理臨床分野への応用(1)
9. 心理臨床分野への応用(2)
10. 教育分野への応用(1)
11. 教育分野への応用(2)
【基礎編】
1. シングルケースデザインの概要
2. シングルケースデザインの質を高めるために
【実践編】
1. 理学療法分野への応用(1)
2. 理学療法分野への応用(2)
3. 作業療法分野への応用(1)
4. 作業療法分野への応用(2)
5. 言語聴覚療法分野への応用
6. スポーツ分野への応用
7. 看護分野への応用
8. 心理臨床分野への応用(1)
9. 心理臨床分野への応用(2)
10. 教育分野への応用(1)
11. 教育分野への応用(2)
日本の高校で、どんな専門教育が行われているかご存じだろうか。商業や工業の他、農業、家庭、福祉、看護、水産などの学科がある。高校生の約四分の三は普通科に通っているが、残りの四分の一の生徒たちが通う専門学科では、実にさまざまな分野の教育が行われているのだ。
高校は、こうした専門教育を受けるなかで社会のありようを知り、自分の将来を考える場にもなりうると言える。しかし、現実には偏差値による序列があり、専門教育の多様性の価値が十分に認識されているとは言い難い。
こうした日本の状況を踏まえてスウェーデンの高校を見ると、その差に驚いてしまう。スウェーデンの高校にも多様な専門学科があるわけだが、それらの間には偏差値による序列はない。入学試験もなく、生徒は自分の関心や将来を考えて学科を選び、多くの生徒が希望する学科に入学することができる。そして、どの学科に入学しても、順調に学習をすすめて卒業すれば大学に進学することが可能となっている。
しかし正直、そのような概要を初めて知ったとき、そんなことは不可能なのではないかと感じた。理念的にはあるとしても、実態は異なるだろうと思ったのだ。仮にその理念が実現しているならば、どうしたらそれが可能なのだろうかと疑問をもった。
本書は、そんな問いからスタートし、スウェーデンの高校が現在の姿になるまでの半世紀にわたる教育課程改革の歴史を辿ったものである。
歴史をひもとくと、多様な学科を並置することが容易なことではなかったのがわかる。現在のシステムは、社会との関連のなかで学校教育の役割を定め、公教育全体のなかで高校の役割を定めながら改革を進めてきた賜物なのである。そして、それは現在もなお変化の途上にある。スウェーデンの試行錯誤から、高校教育の可能性を考え直してみたい。(ほんじょ・めぐみ)