『銀河鉄道の夜』『キッチン』ほか幅広いジャンルの文芸作品の原作と、翻訳テクストとの比較対照分析から日本語表現の本質に迫る。
多言語社会の実態はーヨーロッパも英語に飲み込まれるのか?多数の公用語を認めるEU諸機関、多国籍企業や大学教育では、実際にどんな言語が使われているのか。英語支配はどこまで進むのか。各国語成立の歴史をふまえつつ、グローバリズムにさらされる多言語社会の実態と課題を明らかにする。
本書は、Bloomsbury Publishingのキーターム・シリーズ全10巻中の1冊、Key Terms in Second Language Acquisition(second edition)の全訳である。文字どおり、第二言語習得研究に関わる専門用語や仮説について解説した事典である。「キー・クエスチョン」「キー・セオリーと基本的な枠組み」「キー・ターム」「キー・リーディング」の4部構成を取る。専門用語は平易なことばで、明確に解説されており、専門家のみならず、初学者のための入門書としても格好の書物となっている。
これはどうやって解く〈なぞなぞ〉なのか。
文字遊戯に心酔し、作品を創り、知的コミュニティを結成し、燈謎というものの価値を世間に大いに喧伝しようとした人々の思いとは。
漢字語彙の多義性を利用し、違う意味に読み替えていく、または、本来の語彙・文字を分解・変形させるなど、多様な技巧が含まれる、燈謎(とうめい)。長い間、性質と輪郭が曖昧な、文学と民俗のはざまにさまようコウモリのようなものになってしまっている、燈謎。本書は、透明にされがちな燈謎の作り手に光をあて、中国の燈謎文化史の欠けたピースを補うものである。
燈謎という漢字文化圏文字遊戯の七世紀にわたる変遷から、漢字文化の根底に潜んでいるエネルギーをダイナミックに描き出した書。附章「平城宮跡出土組み合わせ文字の水脈をたどる」では、遊戯的表現が誕生するきっかけになりうる様態を確認、検討することにより、民間信仰の深層に潜り込んだ文字遊戯からその背後に広がる豊かな文化世界への糸口として捉えようとする野心的な研究。中国文化文学のみならず、漢字文化圏の研究者必携の書です。
【本書は燈謎についてはっきりとした定義を提供することを目的としているわけではない。やや弁解じみた言い方をすると、本書は、研究対象の定義のしにくさを出発点としている。明白な定義を下しにくい現状を作り出したのは何なのか、それをめぐって先人たちはどのような葛藤を抱えてきたのかを考察したものである。ゆえに、本書は燈謎そのものに対する研究というより、そのような文字遊戯に心酔し、作品を創り、燈謎で知的コミュニティを結成し、燈謎というものの価値を世間に大いに喧伝しようとする人々の思いを描こうとするものである。】……序章より。
俳優、声優、歌手、アナウンサー、政治家、教師、営業マン…「人前で話す」すべての人のために、誰にでもできるレッスン方法を解説。大好評ロングセラーに寄せられた反響をもとにQ&Aを巻末増補した完全版。
41万部を突破した『雑談力が上がる話し方』の続編がついに登場です!「エレベーターで顔見知りと2人きり、この雰囲気が気まずい!」といったような、雑談に関するお悩み100について齋藤孝教授がズバッと回答。すぐに使えるお役立ちフレーズがついているので、読んだその日から人と話したくなります!
数多の指導者、研究者、学習者が支持する名著であり、プロ教育の指針や、問題の理解と解決法を提供する優れた理論的解説書。通訳学・翻訳学の最新研究動向が盛り込まれた改訂版、待望の邦訳。
誰かが何かを意味するとはどういうことなのか? グライス以来の「話し手の意味とは何か」という哲学的問いに新たな解答を提示する。
従来の議論では「話し手の意味」が話し手の意図を通して理解されてきたのに対し、本書ではそれを話し手と聞き手の共同体において生じる公共的な現象として捉える。話し手の心理と深く結びつきつつ、自らの意味したことをおおやけに引き受けなければならないという意味で公共的でもあるという両側面を説明しうる新しい理論を構築する。
はしがき
序章 話し手の意味の心理性と公共性
1 私たちはコミュニケーションをする
2 話し手の意味の心理性
3 話し手の意味の公共性
4 心理的であり公共的である話し手の意味
1 意図基盤意味論
第一章 意図基盤意味論という枠組みーーグライスの「意味」論文から
はじめにーー出発点としての「意味」論文
1 グライスの哲学的方法論
2 「意味」論文における分析
3 意図基盤意味論とは何なのか
4 意図基盤意味論の利点
本章のまとめ
第二章 意図基盤意味論と意図の無限後退
はじめにーー躓きの石としての意図の無限後退問題
1 意図の無限後退
2 「意味」論文以後の意図基盤意味論
補論 心的態度そのものとその記述とを峻別する柏端の見解
本章のまとめ
2 意味と意図を切り離す
第三章 意図の無限後退はなぜ起きるのか?
はじめにーー立ち往生する意図基盤意味論
1 話し手の意味の分析における前提
2 無限後退の原因
本章のまとめ
第四章 意味と意図の関係
はじめにーー意図基盤意味論は直観的にもっともらしいのか?
1 意図基盤意味論と話し手の意味に関する直観
2 意味と意図の乖離
本章のまとめ
3 公共性を基礎に据える
第五章 共同性基盤意味論
はじめにーー話し手の意味への新たなアプローチに向けて
1 テイラーによる意図基盤意味論批判
2 集合的信念としての「我らのこと」
3 共同性基盤意味論
4 共同性基盤意味論と語用論
本章のまとめ
第六章 話し手の意味の心理性を説明する
はじめにーー共同性基盤意味論と話し手の意味の心理性
1 意図基盤意味論からの説明
2 話し手の意味の心理性とはいかなる現象なのか?
3 共同性基盤意味論からの説明
本章のまとめ
結論 共同性に根差したコミュニケーション
注
あとがき
要約(英文)
文献一覧
事項索引
人名索引
1999年創刊の「日本語用論学会」の学会誌。語用論の研究は意味論、統語論、社会言語学、心理言語学、認知言語学、それに日本語学をはじめとするさまざまな語学教育などの活動が交差する領域を占める。これらの分野の論考等を掲載。年1回、3月刊行。
クロスワードパズルの作り方から売り込み方まで。プロへの道はこの1冊でOK!!
キリン「午後の紅茶」、資生堂「アネッサ」で大人気。マリ子の赤ん坊時代から都立高校生のいままで、心とカラダ、そして言葉のプロセスを80枚のプライベート写真と共にたどる。
「話す力」のある人には「知情意体」が備わっている。「知」は知識、「情」は相手の気持ちを読み取る感情、「意」は伝えようという意思。もう一つが「体」で、声の調子・顔の表情・ジェスチャー。これらをつねに意識し、ネタ主義(話す前の準備)、テーマ主義(話す内容の明確化)、ライブ主義(場の空気を読む)を実行すれば、「話す力」は驚くほどアップする。
本書は、ベテラン通訳者で、ソルボンヌ大学の通訳翻訳高等学院(ESIT)の学長も務めた著者が1968年に発表したもので、通訳関係の本の中でも古典として広く知られている。それまで、とかく通訳は言葉を訳すものと考えられていたのに対して、本書は「通訳は言葉ではなく話し手の伝えようとする意味を捉え、それを通訳者自身の言葉で表現するもの」という基本的理念を提示し、通訳研究の中で「意味の理論」として知られる大きな流れを打ち立てた。欧米では会議通訳を志す人の必読書となっており、日本でも英訳版が通訳教育の教材として使用されてきた。本書はそのフランス語原典からの翻訳である。
〈翻訳不可能なものの翻訳〉をめぐる、ポストコロニアル研究を牽引してきた最前線の研究者たちによる一大総括にして、新たな出発点
2020年2月、ポストコロニアル研究の世界的思想家がニューヨークに集結。異文化の間、政治と文化の間、男女の間など、いたるところに翻訳不能なものはある。それを超えたところに翻訳は成り立つのか。人間関係の他性、理解不能性の根源を問う、日文研主催の国際会議の成果。
◎目次
序文 磯前順一、平野克弥、プラダン・ゴウランガ・チャラン
開会挨拶ーータイムズスクエアの日文研 荒木浩
総論 タラル・アサド(茢田真司訳)
○第一部 翻訳不可能なものの翻訳
第一章 翻訳不可能なものを翻訳することーーポストコロニアル研究の総括 磯前順一
第二章 言語の数え方・人類の分け方 酒井直樹(大村一真訳)
第三章 翻訳とポストコロニアル研究の遺産 ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァク(舟橋健太訳)
第四章 神(々)を翻訳することーーポス トコロニアルという契機以後の宗教研究 ヘント・デ・ヴリース(久保田浩訳)
○第二部 東アジアにおける翻訳のポリティクス
第五章 日本酒 vs ワインーー夏目 漱石の「文化的翻訳(不)可能性」概念をめぐって プラダン・ゴウランガ・チャラン(山本昭宏訳)
第六章 セトラーコロニアルな翻訳ーー「文明化」作用とアイヌの声 平野克弥
第七章 日本の拡張主義イデオロギーを読み換えるーー戦時期の東亜聯盟運動に参加した朝鮮人 松田利彦
第八章 翻訳としての二〇世紀中国ーー中国及び空間革命における条件 汪暉(村島健司訳)
○第三部 円卓討論
ポストコロニアル翻訳論における翻訳不可能性とは何か?
酒井直樹、マリオン・エガート、ヘント・デ・ヴリース、ガヤトリ・C・スピヴァク、安井眞奈美、楠綾子、平野克弥、徐禎完、松田利彦、プラダン・ゴウランガ・チャラン、磯前順一(村島健司訳)
エピローグ 磯前順一、プラダン・ゴウランガ・チャラン
あとがきーー人文社会科学の今後に向けて 安井眞奈美
あなたの話し方に漂う「におい」はどっち?気づかずにイヤな「臭」を振りまいて、対人関係でソンをしていませんか?経験と年齢を重ねるうちに、いつの間にか身についてしまう話し方の「クセ」。このクセが原因で「加齢臭」が発生するのです。人生100年時代、ご近所デビュー必携の書。チェックリスト付き。
ミステリーよりスリリングな 知の考古学。言語をめぐる対話。
山口昌男にして「傑出した知の編集者」 松岡正剛にして「学者10人分」と
いわしめた高橋秀元が東西を繋いで言語を解説。 こんな言語論みたことない !
「言語の東西をつなぎ、チョムスキーに挑む 」
嗅覚のよい編集者でもあった空海も「完全言語」という意味のサンスクリットを捨てオリジナルの文字制作に取りかかったのはなぜか ?