力学特性,電気特性,磁性,触媒活性など特異な機能をもつ固体化合物は,構造材料や電子材料,エネルギー材料として極めて有用である.熱平衡条件下での反応により合成可能な固体化合物の構造や機能は限られるが,非熱平衡反応を利用した準安定な組成や構造をもつ化合物に目を向けると広大な未開拓領域が広がっている.
本書では,高圧環境,ナノサイズ化,エピタキシャル薄膜成長,電気化学反応やイオン交換などを駆使した合成と機能開発,第一原理計算や機械学習を用いた大規模な構造・機能予測を中心に,固体材料研究の最前線と将来展望をまとめた.
巻頭カラー 写真で見る固体材料の世界
Part1 基礎概念と研究現場
1章 Interview :フロントランナーに聞く(座談会)
2章 Basic concept-1:無機固体材料の化学
3章 Basic concept-2:熱平衡反応を超えた物質合成を実現する新手法
Part2 研究最前線
1 合成
1章 可視光応答型光触媒結晶のフラックス育成
2章 元素置換による準安定ナノ物質の合成
3章 液体急冷法による磁性準結晶の合成
4章 水熱・ソルボサーマル反応場を用いた環境応答機能ナノ粒子の創製と機能開拓
5章 金属ナトリウムを利用した非酸化物,金属間化合物の合成
6章 無容器法による機能性ガラスの合成
7章 トポケミカル反応を用いた物質変換
2 機能
8章 高い飽和蒸気圧をもつルチル構造二酸化ゲルマニウムのパワー半導体応用
9章 鉄系超伝導体の合成・非平衡相の安定化とキャリアドーピング
10章 薄膜プロセスによる相安定性制御と強誘電性発現
11章 ユニークなナノサイズ磁性体とその生成メカニズム
12章 ハイエントロピー合金型化合物の開発と超伝導・熱電材料としての可能性
13章 多元素ナノ材料の電子状態と触媒としての応用
14章 電池材料の非平衡合成と準安定性
15章 材料シミュレーションによるリチウムイオン電池電極材料におけるインターカレーション反応の解析
16章 準安定相を利用した新規熱電材料の開発
17章 不均一系アンモニア合成触媒の展開
18章 高圧合成法を用いた電気化学触媒材料の開発
Part3 役に立つ情報・データ
1 この分野を発展させた革新論文
2 覚えておきたい関連最重要用語
3 関連有用情報
風蓮湖流域は、風蓮川を中心に4本の主要な流入河川からなり、根室市、別海町、浜中町、厚岸町にまたがる北海道有数の酪農地帯である。人口より遙かに多い乳牛がのどかに草を食む雄大な風景のなかにあって、風蓮湖流域は酪農業の進展によって河川の水質汚濁が顕在化するという問題を抱えている。本書は、「流域の現状評価」「検討材料の提示」「住民意識の把握」といった視点から、森と川、森と農地、湿地と河口域の課題について多角的に解説する。
赤外線に分類される電磁波の波長領域は広く,中波長領域は分子振動のエネルギー領域にかかるところから,赤外分光の化学と関係が深い.本書は他の波長領域も含めて赤外線の化学利用を外観.テラヘルツ領域,新しい光源や分光法,近赤外波の生体透過性を活用する医療応用などを見る
ごく一部の富裕層を除き、多くの人々にとってすでに他人事ではない「貧困日本」の構造を、当事者たちへの取材を通して克明かつ平易に提示。「自己責任」大国日本の異様で身近な現実を浮き彫りにする。
照る時は照る、降る時は降る。高知=「土佐派の家」物語。日本建築家協会推薦図書。
◆本号は、『社会保障法研究』の創刊から20号となる節目として、20号と併せて、同時刊行◆
本号には、「特集:困難を抱える若者の支援」(座談会と研究論文)と、「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)」の「立法過程研究」を掲載。研究から実務まで幅広く有用の学術雑誌。
『社会保障法研究 第20号』
岩村正彦・菊池馨実 編集
【目 次】
◆「社会保障法研究」20号記念座談会◆
「社会保障法研究」と社会保障法学の過去・現在・未来
〔岩村正彦・菊池馨実・嵩さやか・新田秀樹・福島豪・石田道彦〕
1 はじめに
2 「社会保障法研究」創刊号(2011年5月)を読む
3 「社会保障法研究」の歩み
4 社会保障法学と「社会保障法研究」の今後
5 おわりに
◆特集 社会保障の新構想ーベーシックインカム構想を契機に◆
◇社会保障法学と全体構想ー特集の趣旨を兼ねて〔菊池馨実〕
◇ベーシック・インカムと社会保障法ー権利論からの考察〔秋元美世〕
1 はじめに
2 法的権利と政策
3 権利としてのBIの可能性
4 所得保障制度としてのBIの固有の意義
5 おわりに
◇ベーシックサービス論ーふたつの「生」を保障するライフセキュリティの時代へ〔井手英策〕
I 格差是正論の陥穽
2 UBSをめぐるふたつの問題点
3 おわりにーライフセキュリティが満たす承認欲求
◇20世紀型福祉国家の終焉とベーシックアセット〔宮本太郎〕
1 はじめに
2 ケインズ・ベヴァリッジ型福祉国家の隘路
3 新たなセーフティネットとしてのベーシックアセット
4 日本の福祉政策とベーシックアセット
5 むすびにかえて
◆立法過程研究◆
◇居住支援強化等のための生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しについてー「生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律」の立法過程〔石原珠代・金崎由莉子・杉本聡子〕
1 本稿の目的
2 検討経過
3 改正法の概要
4 国会審議の状況
5 終わりに
人口減少とそれに伴う日本社会の産業や消費の縮小は、地域社会や都市圏に広がっており、日本の国内では生産の現場と担い手が大きく変容している。例えば「里地」が「里山」に、「里山」がもののけ姫の世界である「奥山」になろうとしている。
社会全体がシュリンクするという、今までにはなかった状況のなかで、獣害、生産人口減少、サプライチェーンの崩壊などが連動して起きる可能性が指摘されている。
しかし一方で、ビッグデータを用いた国土計画、市民とともに取り組む都市の農業・地域の再生、農産物のブランド化や伝統産品の輸出戦略など、新しい方向性も次々に生まれている。
本書は社会の転換を、地域社会、地方都市などさまざまな地域と方法論から分析を試み、食の生産のゆくえを見定めるとともに、地域のブランド化・ブランド産品に代表されるような新たな生産のあり方を探り、縮小期において豊かさを享受する方法の提案を行っていく。
はじめにー縮小と豊かさの萌芽 香坂玲
序 論 縮小社会と里山 佐藤洋一郎
座談会 縮小する生産の現場と現代日本社会 佐藤洋一郎・香坂玲・飯田晶子・内山愉太・岸岡智也・神代英昭・徳山美津恵
第一章 縮小する都市から考える「農」ある豊かな暮らし 飯田晶子
第二章 人口減少期の国土計画ーストーリーからデータへ 内山愉太
第三章 縮小する生産現場と獣害 岸岡智也
第四章 縮小する生産の再生ー伝統野菜から 中村考志
第五章 農業を起点とするプレイス・ブランディングの可能性ー丹波市のブランド資産とブランド構造に関する検討 徳山美津恵
第六章 地域資源・産品の知識から考える縮小とその共有化と継承への課題 香坂玲
材料開発において注目されている「超分子ポリマー」について,自己組織化,超分子ポリマーの基礎,歴史,高次・精密組織構造形成や,応用材料開発など最新の研究を紹介する.進歩が著しいこの分野について,超分子や自己組織化の基礎と超分子ポリマーの最先端を同時に学ぶことができるバイブルとなる一冊.
Part1 基礎概念と研究現場
1章 フロントランナーに聞く(相田卓三,澤本光男,E. W. Meijer,杉安和憲,矢貝史樹,高田十志和)
2章 超分子化学の基礎:分子認識から超分子ポリマーまで(秋根茂久)
3章 超分子ポリマーとは(灰野岳晴)
4章 1 NMR による超分子ポリマーの会合評価および分子量決定(河合英敏)
2 熱力学モデルによる超分子ポリマー形成過程の解析(廣瀬崇至)
3 原子間力顕微鏡:超分子ポリマーを可視化する(吉川佳広・矢貝史樹)
4 超分子ポリマーにかかわる速度論の研究(杉安和憲)
5 蛍光顕微鏡:超分子ポリマーのリアルタイムイメージング(窪田亮・浜地格)
6会合様式と吸収・蛍光スペクトル(大城宗一郎)
7 超分子ポリマーの線形粘弾性挙動とその解析(浦川理)
8動的架橋ゲルのレオロジー・破壊(眞弓皓一・伊藤耕三)
5章 研究会・国際シンポジウムの紹介(前田大光)
Part2 研究最前線
1 章 超分子ポリマーのトポロジー制御(矢貝史樹)
2 章 環状スピロボラート型分子接合素子を利用した超分子ポリマー作製(檀上博史)
3 章 動的共有結合ポリマー(大塚英幸・青木大輔)
4 章 超分子ポリマー,環状ホスト連結体・オリゴマー(角田貴洋・生越友樹)
5 章 二次元金属錯体ポリマー「配位ナノシート」(前田啓明・西原寛)
6 章 特異な分子認識により形成される超分子ポリマー(池田俊明・灰野岳晴)
7 章 リビング超分子重合:エネルギーランドスケープの観点から(杉安和憲)
8 章 高分子化学にならう精密超分子重合(宮島大吾・相田卓三)
9 章 エネルギーランドスケープの分子組織化制御と光エネルギー変換(君塚信夫)
10 章 アミロイド線維:変性タンパク質が形成する超分子ポリマー(宗正智・後藤祐児)
11 章 トポロジカルポリマー:高分子鎖のロタキサン連結がもたらす動的機能と物性(高田十志和)
12 章 トポロジカルゲル(環動ゲル)の合成,物性と応用(伊藤耕三)
13 章 水素結合を活用した超分子材料の合成と機能(加藤隆史・山口大輔)
14 章 人工オルガネラとしての超分子ポリマー(吉井達之・浜地格)
15 章 巨視的レベルでの超分子組織体形成(大崎基史・高島義徳・原田明)
Part3 役に立つ情報・データ
この分野を発展させた革新論文38
覚えておきたい関連最重要用語
知っておくと便利!関連情報
「3.11」「偽ベートーヴェン騒動」「コロナ前夜」……
音楽界を襲った内憂外患を作曲家たちはどう受けとめたのか──
2010年代に作曲・発表された作品を4人の評論家が語り合う。
片山杜秀、白石美雪、長木誠司、野々村禎彦の4人が、2010年から2019年までに作曲あるいは発表された作品のなかから、88人の作曲家による160作品を座談会形式で論評。
2011年、日本を襲った大地震による津波災害と原発事故。
2014年、大ヒットした現代作品の作曲者をめぐる騒動。
2020年から始まるコロナ禍前夜の音楽界の状況……
作曲家たちはみずからを取り巻く世界にいかに反応し、どのように創作に反映させているのか。
現代音楽はアクチュアリティを取り戻せるのか。
『日本の作曲1969-1989』『日本の作曲1990-1999』(いずれもサントリー音楽財団発行)、『日本の作曲2000-2009』(サントリー芸術財団発行/アルテスパブリッシング発売)に続き、2010年代の日本の作曲界を回顧し俯瞰する。
巻末には、各作品の作曲年・楽器編成・演奏時間・楽譜出版・CD・初演(年月日、場所/演奏者)・委嘱者/受賞などのデータを掲載。また、作品データと論評のダイジェストを英文でも掲載した。
サントリー芸術財団創設50周年記念出版。
[座談会]日本の作曲2010-2019(片山杜秀・白石美雪・長木誠司・野々村禎彦)
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
総括
座談会を終えて(長木誠司)
[資料]
作品一覧
Summary of Works
コロナ感染症パンデミックは、多くの人の生活スタイルを変え、職を失わせ、人間関係も変えていった。そのようななか、メンタルヘルスにおいて最もハイリスクなのが、最前線の医療従事者である。治療薬もない状況下、ワクチン接種のみで患者の治療やケアを担う医療従事者は、クラスター発生がもたらす混乱のなかで疲弊し、さらに偏見やデマ、スティグマなどが追い打ちをかけ、まさにギリギリの状態で医療活動に従事している。
このような背景のなか、クラスターの起きた病院関係者への心の支援に注力している福島県立医科大グループにより、第一線で感染症対応にあたっている医療・介護従事者(レスポンダー)への外部からのさまざまな支援方法、病院への対応方法、セルフケアなどをまとめたものが本書である。?部には医療従事者による座談会も掲載した。
互いに支え合うことすら制限される現場で、それでも離職者を減らし、レジリエンス・士気を高めるための奮闘の過程が示されている。
環境と経済が共生するまちづくりを実現する超一級の講義録。講師陣は都市、建築、エネルギー、社会など各領域の第一人者。延べ1800人超の社会人が学んだ塾の1年間を凝縮。エコの叡智が持続可能な社会をつくる。
1 地球温暖化リスクと人類の選択ーーIPCCの最新報告から/江守正多(国立環境研究所 気候変動リスク評価研究室長)
2 経済的視点からみた環境政策ーー成長戦略とグリーン経済/末吉 竹二郎(国連環境計画 金融イニシアティブ 特別顧問)
3 協働を通じた、都市での環境取り組み/小林 光(慶應義塾大学 教授)
4 わが国のエネルギー政策の現在/中上 英俊(株式会社住環境計画研究所 代表取締役会長)
5 欧州における既成市街地のビル低炭素化ーーヨーロッパのZEB最新動向/川瀬 貴晴(千葉大学教授)
6 都市再生におけるエコまちづくりの役割ーー都市システムデザインとコミュニティシステムの構築/村上 公哉(一般社団法人エコまちフォーラム理事長 芝浦工業大学教授)
7 地球環境・防災とこれからのエネルギーシステム/佐土原 聡(横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院)
8環境不動産、普及の鍵は?--建築物の環境性能の向上と評価制度/高口 洋人(早稲田大学教授)
9都市における温暖化対策・エネルギー対策をどう進めるかーー都市計画・都市づくりの役割を考える/小澤 一郎(公益財団法人都市づくりパブリックデザインセンター理事長)
特別講演:東京都心の防災とエネルギー事情/尾島 俊雄(早稲田大学名誉教授)
基調講演:東京の秘められた「文化資源区」/伊藤滋(早稲田大学特命教授)
座談会:2020年への東京の都市環境と国際都市間競争力/伊藤滋+尾島俊雄+吉見俊哉(東京大学教授)
「優秀な人材を採用したいが、外資系や有名企業に採られてしまう」「採用にかなりの費用をかけても、思うような人が採れない」そんな悩みを解決するのが、「戦略採用メソッド」です。採用担当者の印象や直感に頼る面接は今すぐやめて、戦略的な面接方法に切り換えてください。解決法は本書の中にあります。
精神保健福祉法2013年改正では、100年を超える日本型システム(強制入院の責任の一端を家族に負わせる制度)が撤廃され、歴史的大転換を遂げることが期待されていた。しかし結果は、医療保護入院の入院基準を緩和する“改正”でしかなかった。-精神保健・医療・福祉の構造的・普遍的問題を多様な視点から検証し、抜本的制度改革の方向性を明らかにする。
巻頭カラー 写真で見る生物活性リガンドの世界
<Part1 基礎概念と研究現場>
1章 フロントランナーに聞く(座談会:上杉志成・上村大輔・長田裕之,司会:上田 実)
2章 Basic concept-1:生物活性リガンドと分子標的の基礎(上田 実)
Basic concept-2:分子標的同定の基礎(細谷孝充・吉田 優)
Basic concept-3:標的バリデーションの実例(井本正哉・川谷 誠)
3章 天然生物活性リガンドによる歴史と将来展望(吉田 稔)
4章 学会・シンポジウム・研究会の紹介(上田 実)
<Part2 研究最前線>
1 標的探索の実際
1章 ビオチン体を利用した生化学的標的精製法(佐藤慎一・勝田陽介・上杉志成)
2章 標的同定の迅速化を目指した生物活性小分子の非古典的修飾・固相担持法(叶 直樹)
3章 天然物ライブラリーを用いたタンパク質間相互作用制御物質の探索と解析(新家一男)
4章 光親和性標識法の基礎と実際(細谷孝充・吉田 優)
5章 大規模プロファイリングを用いた標的同定(室井 誠・長田裕之)
2 標的同定とバリデーションの実際
6章 ビッグデータを利用した標的同定の実例(井本正哉)
7章 半田ビーズを用いたサリドマイド標的同定(坂本 聡・伊藤拓水・半田 宏)
8章 ケミカルプローブを用いたプラジエノライドの標的同定(横井 晃・小竹良彦)
9章 生体膜微小環境への挑戦:膜ステロールに作用する海洋天然物セオネラミド(西村慎一・掛谷秀昭)
10章 植物ペプチドホルモン受容体同定の新展開(松林嘉克・篠原秀文)
11章 ケミカルプロテオミクスによる定量的特異性の評価とその後の標的バリデーション(小田吉哉・山本 昇)
3 リガンド構造展開と活性制御の実際
12章 アプリシアトキシンの骨格を利用した抗がん剤シーズの開発研究(入江一浩)
13章 リン酸化酵素に対する選択的阻害剤の開発(喜井 勲・萩原正敏)
14章 海洋天然物ハリコンドリンBをシードとする新規抗がん剤エリブリンの開発(田上克也・吉松賢太郎)
4 ケミカルバイオロジーからの展開
15章 “Glycosylation Switching”による内因性リガンドの活性制御(上田 実)
16章 アルキンタグを用いた化合物の生細胞ラマンイメージング(??孝介・袖岡幹子)
<Part3 役立つ情報・データ>
1 研究のヒントになる! 生物活性分子の標的同定101例
2 覚えておきたい関連最重要用語
3 知っておくと便利!関連情報