クローン動物、遺伝子組み換え食品、遺伝子治療、医薬品合成、肥満遺伝子…遺伝子と生命をあやつる技術の最先端はいま、どうなっているのか?本を読んでも人に聞いてもわからなかったことがこの一冊で“見えて”くる。
子ども、特に、乳幼児の場合は、苦痛を言葉で正確に伝えることができません。世話をなさる方(主に母親や父親)の配慮一つで、病気が良い方向に向かう場合もあり、逆に悪化させることもあります。したがって、父母には、子どもの病気に対する、ある程度の知識が必要です。本書は、主に父母を対象に、病院受診の手助けとして、家庭でできる簡単な処置や心構えを解説しています。
地球規模で解決が求められている緊急課題である保健・医療の問題を実践的な視点から、地域における人々の生活と疾病・保健の現状に焦点を当て、社会的な問題にも光を当てる。
日本に定着した外来生物、その防除と駆除の最前線。近年、話題となっている外来生物種に焦点をおて、それぞれの日本への導入経緯や被害の現状、世界的な動向を掘り下げて分析し、これからどのように外来生物と向き合っていくべきかを考える。
・日本における死因究明制度の不備が指摘されるようになり、政府として死因究明制度について議論されるようになった。
・千葉大学は法医学教育研究センターを設置するに至り、法病理学、法中毒学、法医画像診断学、臨床法医学、法歯科学、法遺伝学などのさまざまな分野を担う若手研究者が多く所属するようになっている。
・本特集は、主にそうした千葉大学に所属する30〜40代の比較的若手といえる研究者を中心に、日本の法医学の現状や課題を執筆してもらい、次世代における議論を喚起できればと考え編纂したものである。
■ 法医学の新たな展開
・はじめに
・死因究明における法医学の新たな展開ーー諸外国の制度と比較して
〔key word〕死因究明関連2法、調査法解剖、死因究明等推進基本法
・生きた人を診る法医学ーー臨床法医学
〔key word〕臨床法医学、診断書、児童虐待、臨床法医外来、記録
・子どもの死をいかに防ぐかーーチャイルドデスレビュー(CDR)における法医学の役割
〔key word〕チャイルドデスレビュー(CDR)、死亡診断書、死因、法医解剖、法医学
・死後画像も生体の画像もーー法医画像診断学の役割
〔key word〕死後画像診断、臨床法医画像診断、死後CT、死後MRI、児童虐待
・大地震・津波の教訓を生かすーー災害法医学の課題
〔key word〕災害、検視・検案、個人識別、DVI(disaster victim identification)、多数遺体取扱訓練
・法医学における薬物検査のあり方ーー裁判化学講座の復興をめざして
〔key word〕法中毒学、裁判化学、薬物検査、質量分析
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は何を問うたかーー感染症と法医学
〔key word〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、死因究明制度、感染症疫学、剖検事例レジストリー、公衆衛生学
・死者の情報をいかに社会に還元するかーー異状死体データベース
〔key word〕データベース、異状死、検案、法医解剖、チャイルドデスレビュー(CDR)
●TOPICS
神経精神医学
・ヒューマノイドロボットを用いた自閉スペクトラム症治療の可能性
腎臓内科学
・便秘薬による腎臓病の進行抑制と心血管疾患予防の可能性
細菌学・ウイルス学
・気道上皮組織でインフルエンザ感染を感知する病原体センサーMxAの発見
●連載
臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学
・17.自己免疫疾患発症機構に迫るMHCクラスII分子の新たな機能ーー自己抗体の標的分子としてのミスフォールドタンパク質/HLAクラスII複合体
〔key word〕MHC、HLA、疾患感受性アレル、ミスフォールドタンパク質、Invariant chain分子
バイオミメティクス(生体模倣技術)の医療への応用
・13.微視的ヘテロ力学場を用いた治療効果増強幹細胞の培養技術
〔key word〕間葉系幹細胞(MSC)、非一様力学場、非定住培養、細胞内部応力
●フォーラム
天才の精神分析ーー病跡学(パトグラフィ)への誘い
・11.夏目漱石IV--過去への囚われ
●書評
・書評『遺伝/ゲノム看護』(有森直子・溝口満子 編著/井ノ上逸朗 医学監修)
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・卵円孔は、胎児循環において酸素飽和度の高い臍帯から流入する血流を胎児の全身に送るために必須の心内構造である。出生後は数日から数カ月以内に機能的に閉鎖する。
・卵円孔が完全に癒合しない場合、フラップ状の一方向弁の形態となり、右房圧が左房圧を越えた場合に右左短絡を生じるようになる。この状態を卵円孔開存(PFO)とよぶ。
・本特集ではPFOの解剖学的特徴から、潜因性脳梗塞の病態、PFOの診断と閉鎖術の基本的知識、さらにさまざまな病態との関連について各領域のエキスパートに執筆をお願いする。
■ 卵円孔開存の問題と新しい治療
・はじめに
・卵円孔開存とはーー形態と閉鎖栓開発の歴史
〔key word〕卵円孔開存(PFO)、AMPLATZERTM PFO閉鎖栓、心房中隔瘤(ASA)
・潜因性脳梗塞とはーー潜因性脳梗塞の診断過程と経皮的卵円孔開存閉鎖術の適応評価
〔key word〕潜因性脳梗塞、卵円孔開存(PFO)、経皮的PFO閉鎖術
・潜因性脳梗塞再発予防としての経皮的卵円孔開存閉鎖術ーーこれまでのRCTの解析
〔key word〕潜因性脳塞栓、奇異性脳塞栓、経皮的卵円孔開存閉鎖術(TC-PFO)、無作為比較試験(RCT)、心房細動
・卵円孔開存のエコー診断ーーハイリスクPFOとは
〔key word〕塞栓源不明の脳塞栓症、カテーテル閉鎖術、ハイリスクPFO、バルサルバ手技、バブルテスト
・卵円孔開存のカテーテル閉鎖術ーーstep by step
〔key word〕卵円孔開存(PFO)、潜因性脳梗塞、AmplatzerTM PFO Occluder、心腔内エコー(ICE)
・卵円孔開存カテーテル閉鎖術に対する Brain Heart Team Approach
〔key word〕卵円孔開存(PFO)、Brain Heart Team
・卵円孔開存を有する潜因性脳梗塞に対する至適抗血栓療法ーー卵円孔開存閉鎖術後の管理も含めて
〔key word〕卵円孔開存(PFO)、抗血栓療法、抗凝固療法、抗血小板療法、術後管理
・脳梗塞以外の病態と卵円孔開存ーー片頭痛、減圧病、platypnea-orthodeoxia syndrome
〔key word〕卵円孔開存(PFO)、片頭痛、減圧病、Platypnea-othodeoxia syndrome
●TOPICS
循環器内科学
・難治性心筋症研究におけるゲノム編集
麻酔科学
・麻酔薬ケタミンとうつ病の関係
脳神経外科学
・アデノシン製剤の静注による超短時間循環静止を利用した脳動脈瘤手術
●連載
臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学
・18.近未来ワクチンーーパンデミックから生活習慣病まで
〔key word〕ワクチンアジュバント、非感染性疾患ワクチン、vaccine-preventable disease、新型コロナウイルス
バイオミメティクス(生体模倣技術)の医療への応用
・14.生物に学ぶ防汚材料:カタツムリから学ぶ
〔key word〕カタツムリ、環境負荷低減、セラミックス、防汚、抗菌
●フォーラム
日本型セルフケアへのあゆみ
・9.標準治療は、本当に患者にとって最適な治療か
天才の精神分析ーー病跡学(パトグラフィ)への誘い
・12.自然主義作家ゾラと19世紀医学ーー病跡学の余白に
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・医学・生命科学研究は、その歴史においてとてもユニークな状態に入ろうとしている。その第1の要因は大規模・高精度データの出現である。古来からの方法論に加えて、データ駆動型の科学が相対的に重要になってきた。
・第2の要因はデータ科学、とくにAI技術応用の登場である。人海戦術では不可能なデータ解析を、高精度・高速に実現できるようにしている。
・そして、ますます重要となっていることが、ELSI(倫理的・法的・社会的課題)という学問を成熟させることである。本特集ではこのメッセージを“新型データ駆動型サイエンス”とよぶ。
■ 新型データ駆動型サイエンスの起動
・はじめに
・HPCと感染症数理モデル
〔key word〕感染症数理モデル、個人ベースシミュレーション
・「富岳」で飛躍するコンピュータ創薬
〔key word〕富岳、分子動力学(MD)、プレシジョンメディシン、分子シミュレーション、創薬
・保健医療のための空間データサイエンス
〔key word〕空間疫学、空間データ、集積性の検定、クラスタリング、症候サーベイランス
・説明可能なAIによるパーソナルゲノム医療・予防の実現
〔key word〕大規模データ、スーパーコンピューティング、説明可能な人工知能(XAI)、個別化医療、遺伝子ネットワーク
・腫瘍特異的ネオ抗原の数理的解析とがんの免疫病態解明への応用
〔key word〕がん、免疫病態、ゲノミクス、ネオ抗原(NeoAg)、次世代シークエンサー、結合親和性予測
・マテリアルズインフォマティクスによる新物質探索ーー高分子材料の設計を中心に
〔key word〕機械学習、ベイズ推論、分子設計、ポリマー、合成
・自然言語処理と説明可能なAIによる新次元サイエンス
〔key word〕人工知能(AI)、自然言語処理、説明可能なAI、ゲノム医療、遺伝子変異
・ラーニング・ヘルスケア・システムの思想ーー“進化し続ける医療”を支える道徳規範をめぐる議論
〔key word〕ラーニング、倫理、個人情報、同意
●TOPICS
腎臓内科学
・小児期発症の非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)に対するエクリズマブの有効性と安全性の検討:市販後調査より
神経精神医学
・性犯罪者は治療できるのか:SPIRiTSを用いた挑戦
眼科学
・ブルーライトと疾患
●連載
臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学
・21.免疫不全症の新展開
〔key word〕原発性免疫不全症(PID)、自己炎症性疾患、自己免疫性疾患、遺伝子検査、新型コロナウイルス感染症
バイオミメティクス(生体模倣技術)の医療への応用
・生物に学ぶ低摩擦材料:微細構造による摩擦の制御
〔key word〕摩擦、微細構造、昆虫、ゴム
●フォーラム
特報
・PCR検査の感度と特異度
・PCR検査の実際
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・潰瘍性大腸炎やクローン病に代表される炎症性腸疾患(IBD)は日本における患者数増加が著しく、これを専門としない消化器医も診療する機会が増え、診断・治療について、よく理解しなくてはならない疾患となっている。
・本特集では、IBDのトップランナーの先生に執筆をお願いした。現在および将来のIBD診断や治療を俯瞰して理解できるようになり、難治例については適切なタイミングで専門施設へ紹介されるようになることを期待したい。
・すべてのIBD患者に適切な診断、疾患活動性評価、および積極的で適切な治療選択が行われ、予後が改善されることに、本特集が寄与することを期待したい。
■ 炎症性腸疾患 -診療と研究の最新情報
・はじめに
・腸内細菌と粘膜免疫から見た炎症性腸疾患の病態
〔key word〕腸内細菌、Th17、制御性T細胞(Treg)
・炎症性腸疾患における新規薬剤の使い分け
〔key word〕炎症性腸疾患(IBD)、抗TNF-α抗体製剤、抗接着分子抗体製剤、抗IL-12/23 p40抗体製剤、JAK阻害薬
・炎症性腸疾患における画像検査の疾患活動性評価とTreat-To-Targetの意義
〔key word〕炎症性腸疾患、大腸内視鏡検査、Treat-To-Target(T2T)
・炎症性腸疾患におけるバイオマーカーによる疾患活動性評価とTreat-To-Targetにおける役割
〔key word〕バイオマーカー、粘膜治癒、Treat-to-Target(T2T)、Leucine-rich alpha 2 glycoprotein(LRG)
・スペシャルシチュエーション(高齢IBD患者、妊娠)における課題
〔key word〕高齢者、妊娠前教育、日和見感染、胎児毒性、悪性腫瘍、胎児毒性
・炎症性腸疾患におけるレジストリ研究ーー明らかになる臨床課題
〔key word〕レジストリ、コホート、QOL、患者報告型アウトカム
・再生医療研究から生まれる将来の新規非薬物治療
〔key word〕粘膜治癒、腸管上皮幹細胞、再生医療
●TOPICS
循環器内科学
・プロテインキナーゼNが関与する心不全の新規メカニズム
輸血学
・東京オリンピック・パラリンピックに向けた輸血の新興・再興感染症対策ーー新型コロナウイルスの影響は?
神経精神医学
・腸内細菌と脳機能、ビフィズス菌による認知機能改善作用の可能性
●連載
臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学
・22.免疫疾患とゲノム医科学
〔key word〕自己免疫疾患、遺伝因子、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、ヒト免疫学、ゲノム機能学
バイオミメティクス(生体模倣技術)の医療への応用
・18.生物に学ぶ水中防汚技術
〔key word〕高分子電解質、ポリマーブラシ、親水性、防汚性、生物汚損
●フォーラム
パリから見えるこの世界
・99.プラトンの『テアイテトス』、あるいは「真に知る」ということ
天才の精神分析ーー病跡学(パトグラフィ)への誘い
・15.童謡詩人 金子みすゞ--心の軌跡
●速報
・全国国民健康保険診療施設協議会会員病院施設職員における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染状況把握のための血清疫学調査
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・ケトン体は脂肪酸酸化で生じたアセチルCoAから産生されるアセトン、アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸の総称である。飢餓状態では脂肪組織から脂肪酸が放出され、肝臓で脂肪酸酸化を受けることでケトン体が産生される。
・近年、ケトン体自体が受容体を活性化してシグナルを伝達することや、ヒストン修飾を介したエピジェネティックな遺伝子発現制御を行うこと、細胞内のシグナル因子を変化させることが報告されている。
・本特集では、エネルギー基質としての側面とシグナル因子としての側面から、ケトン体の生体制御に関する臨床的および基礎的研究の最新の知見を、第一線の先生方に紹介していただく。
■ ケトン体による生体制御
・はじめに
・ケトン体受容体による生体機能制御
〔key word〕Gタンパク質共役受容体(GPCRs)、代謝機能制御、ケトン食
・ケトンによる概日リズム制御
〔key word〕3-ヒドロキシ酪酸、概日リズム、エピゲノム制御
・ケトン体と低酸素応答
〔key word〕ケトン体、HIF-1α、低酸素、コハク酸(succinate)
・ケトン体による脂肪細胞機能制御
〔key word〕3-ヒドロキシ酪酸、アディポネクチン、Hmgcs2、β-hydroxybutyrylation
・ケトン体による腎機能制御
〔key word〕ケトン体、3-ヒドロキシ酪酸、慢性腎臓病、急性腎障害、糖尿病性腎臓病
・ケトン体による心機能制御
〔key word〕心機能制御、ケトン体、エネルギー基質
・ケトン体による心保護作用
〔key word〕3-ヒドロキシ酪酸、SGLT2阻害薬。心筋代謝リモデリング
●TOPICS
臨床検査医学
・在宅医療と臨床検査ーー在宅臨床検査学
神経精神医学
・認知症鑑別におけるドパミントランスポーターSPECT
小児科学
・βアレスチンバイアスAT1受容体アゴニストは新しい乳幼児心不全治療薬の有力候補である
●連載
臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学
・23.ヒト免疫研究の重要性
〔key word〕ヒト免疫学、自己免疫疾患、T細胞サブセット分化、超多色フローサイトメトリー、シングルセル遺伝子解析
この病気、何でしょう? 知っておくべき感染症
・はじめに
原虫症
・1.マラリア(熱帯熱マラリアを見逃さない)
〔key word〕マラリア、抗マラリア薬、防蚊対策
●フォーラム
病院建築への誘いーー医療者と病院建築のかかわりを考える
・特別編ー感染症対策と建築4
天才の精神分析ーー病跡学(パトグラフィ)への誘い
・16.ジャン=ジャック・ルソーーー子どもの発見
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・“特定行為に係る看護師の研修制度”は、医師の判断を待たずに一定の診療補助行為を行うことができる看護師を養成することを目的として2015年から施行された制度で、タスクシフティングの切り札となる可能性がある。
・一方、医師事務作業補助者は医師が行う業務のうち事務的な業務をサポートする職種で、診療報酬制度ではこの配置人数によって診療報酬加算が認められており、急速に普及しつつある。
・これら2つの職種は医師の業務を肩代わりするという意味だけでなく、それぞれの人材のキャリアパスとしても重要な制度である。本特集では2つの職種の現状、とくに養成課程や配置について専門家に解説いただく。
■ 特定行為看護師,医師事務作業補助者の現状 -養成と配置
・はじめに
・特定行為研修制度の創設と進展
〔key word〕看護師、特定行為研修、チーム医療
・看護師特定行為研修修了者をいかに活かすか
〔key word〕看護師特定行為研修、チーム医療、タスクシフティング、ジェネラリスト、キャリアパス
・看護師特定行為研修修了者のキャリアパスーーキャリアデザインの探求
〔key word〕特定行為に係る看護師の研修制度、看護師特定行為研修修了者、キャリアデザイン、キャリアパス
・特定機能病院における特定行為看護師養成と配置
〔key word〕特定行為研修、特定行為研修修了者、特定行為看護師
・医師事務作業補助者の配置と実際
〔key word〕医師事務作業補助者、医師事務作業補助体制加算、医療クラーク、タスクシフト
・医師事務作業補助者の活用と教育
〔key word〕医師事務作業補助者、医療クラーク、チーム医療、タスクシフト、生涯教育
●TOPICS
生理学
・宇宙医学を地球上の健康増進に活かそうーー抗重力筋線維の反応
スポーツ医学
・e-スポーツの効能と弊害
医療行政
・学校心臓検診の課題
●連載
この病気、何でしょう? 知っておくべき感染症
・2.ジアルジア症(本当にジアルジア症?)
〔key word〕ジアルジア症、ランブル鞭毛虫、メニール鞭毛虫
いま知っておきたい最新の臨床検査ーー身近な疾患を先端技術で診断
・はじめに
がん
・1.がんゲノムプロファイリング検査
〔key word〕プレシジョンメディシン(精密医療)、がんゲノムプロファイリング検査、次世代シーケンサー、ドライバー遺伝子異常、Genotype Matched Treatment
●フォーラム
日本型セルフケアへのあゆみ
・10.究極のセルフケア:がんの在宅死
天才の精神分析ーー病跡学(パトグラフィ)への誘い
・17.ウィトゲンシュタインーー極めつきの高い知性・感性の保持者
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・生体内では細胞にDNA損傷などの細胞傷害が生じた際に、腫瘍化や傷害細胞の蓄積を防ぐため、これら傷害を受けた細胞の細胞周期を不可逆的に停止し、生体系から排除しようとする機構が知られている。
・この現象を“細胞老化”とよび、老化した細胞では種々の特徴的な形態学的変化(細胞質の膨化や空胞化など)や、ミトコンドリアを主体とした細胞内小器官の機能不全が生じることが示されてきた。
・細胞老化は種々の疾患の病理/病因に密接に関係するが、近年注目されているのが細胞老化機構の破綻と腫瘍化の関連性である。本特集が癌研究の領域でも比較的新しい本分野への理解を深めていただけると幸いである。
■ ここまでわかった細胞老化と腫瘍
・はじめに
・細胞老化と腫瘍化ーー防御機構の破綻
〔key word〕老化細胞、発がん、ゲノムストレス
・がんにおける細胞老化の多彩な機能
〔key word〕がん、細胞老化、therapy-induced senescence(TIS)、細胞老化関連分泌形質(SASP)、細胞外分泌膜小胞(small extracellular vesicle)
・細胞老化随伴分泌現象(SASP)のがん微小環境における役割
〔key word〕細胞老化、細胞老化随伴分泌現象、cGAS-STING経路、TLR、がん微小環境、腸肝軸
・細胞老化と肺がん発生
〔key word〕加齢、肺がん、慢性炎症、細胞老化随伴分泌現象(SASP)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・CAFs(cancer associated fibroblasts)と細胞老化
〔key word〕癌関連線維芽細胞(CAFs)、癌微小環境、細胞老化、免疫組織化学
・副腎腫瘍と細胞老化ーーコルチゾール/ストレスと細胞老化
〔key word〕副腎腫瘍、コルチゾール、細胞老化
・乳癌・前立腺癌ホルモン療法後の細胞老化を介した治療抵抗性獲得
〔key word〕細胞老化、治療抵抗性、前立腺、乳腺、去勢
●TOPICS
泌尿器科学
・前立腺肥大症の薬物療法の最前線
放射線医学
・頭頸部腫瘍に対するホウ素中性子捕捉療法の現状
放射線医学
・ポリビニルアルコールでホウ素中性子捕捉療法の治療効果を向上
●連載
この病気、何でしょう? 知っておくべき感染症
・3.赤痢アメーバ症(海外には行っていないのにどうして?)
〔key word〕Entamoeba histolytica、腸管アメーバ症、アメーバ性肝膿瘍、栄養体、シスト
いま知っておきたい最新の臨床検査ーー身近な疾患を先端技術で診断
・2.血液検査によるがん診断の展望
〔key word〕ctDNA、miRNA、血中循環腫瘍細胞、エクソソーム、tumor-educated platelets
●フォーラム
天才の精神分析ーー病跡学(パトグラフィ)への誘い
・18(最終回).デイヴィッド・リンチーー“発症”する映画
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・冬眠する動物は多岐にわたることから、特定の動物種が獲得した特殊な能力ではなく哺乳類に広く存在する機能であり、また通常の体温調節機能の可逆的な変容によってもたらされるものである可能性が高い。
・実際に近年、冬眠しないマウスなどの哺乳類においても、神経系の操作により冬眠に似た低体温状態を誘導できることが明らかになり、中枢制御による人工冬眠の実現にも光明がさしはじめた。
・将来の人工冬眠の実現を視野に入れたさらなる研究展開が期待されるところであるが、中枢性の制御機構にくわえ、末梢臓器の低温耐性機構の理解も含めた、体温調節機構とその拡張モードとしての冬眠の理解が求められる。
■ 冬眠研究の最前線 -人工冬眠への挑戦
・はじめに
・人工冬眠技術の未来と臨床応用
〔key word〕休眠、臨床応用、低体温療法
・哺乳類冬眠の現象論
〔key word〕冬眠動物、異温動物、深冬眠、中途覚醒、概年リズム
・哺乳類屈指の低酸素・高二酸化炭素耐性動物ーーハダカデバネズミ
〔key word〕ハダカデバネズミ、低酸素耐性、高二酸化炭素耐性
・匂い物質による恐怖反応に伴う体温低下の神経メカニズム
〔key word〕恐怖、2-methyl-2-thiazoline(2MT)、体温低下、Fos遺伝子、Trpa1、外側傍小脳脚核(PBel)、視床下核(PSTh)、孤束核(NTS)
・冬眠様の低体温・低代謝状態QIH
〔key word〕Qrfp、Qニューロン、視索前野、背内側核、QIH
・トーパーの神経メカニズム
〔key word〕体温、代謝、冬眠、トーパー、視床下部
●TOPICS
循環器内科学
・虚血性心疾患におけるマイオネクチンの役割
社会医学
・順天堂大学オープンイノベーションプログラム“GAUDI”--医療・ヘルスケア領域における社会実装追求型オープンイノベーション
医療行政
・EU離脱と英国医療ーー「合意」成立を受けて
●連載
この病気、何でしょう? 知っておくべき感染症
・4.トキソプラズマ症(悪性リンパ腫? トキソプラズマ症?)
〔key word〕トキソプラズマ脳炎、HIV感染症、悪性リンパ腫
いま知っておきたい最新の臨床検査ーー身近な疾患を先端技術で診断
・3.Nematode-NOSE:線虫の嗅覚によるがんの一次スクリーニング検査
〔key word〕がん、線虫、スクリーニング
●速報
・大阪市内の熱中症死亡に対する気象・居住環境の影響
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・職業性感染症は一般集団においても起こりうる感染症が、職業性のばく露を受けた特定の個人や集団において発生したものである。。
・本特集では、血液媒介病原体、空気・飛沫感染病原体の基本的事項を整理するとともに、ワクチン、曝露後予防のための薬剤投与、職業感染防止のための標準予防策・感染経路別予防策、サーベイランスなどについて議論する。
・さらに、COVID-19流行を機にクローズアップされた職業感染・健康危機管理対応、個人防護具(PPE)の使用方法、労災補償の仕組みや災害統計の実態を含め、自分と仲間を守る職業感染に関わる知識と技術を確認したい。
■ 医療従事者のための感染予防 -COVID-19流行を機会に見直す自分と仲間を守る職業感染予防技術
・はじめに
・職業感染対策のための院内組織とシステム
〔key word〕感染制御、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
・HIVの病態と曝露後対応
〔key word〕ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、感染、予防
・肝炎ウイルスの病態と曝露後対応
〔key word〕B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ワクチン、針刺し事象、曝露後対応
・結核と接触者健診
〔key word〕潜在性結核感染症(LTBI)、インターフェロンγ遊離試験(IGRA)、デインジャーグループ、ハイリスクグループ
・「医療関係者のためのワクチンガイドライン」の読み方・使い方
〔key word〕医療関係者のためのワクチンガイドライン、MMRVワクチン、B型肝炎ワクチン、百日咳含有ワクチン、帯状疱疹ワクチン
・職業性感染症の労災補償統計と針刺し切創サーベイランス
〔key word〕職業感染、労働災害、針刺し切創、サーベイランス、エピネット日本版
・職業感染対策としての個人防護具
〔key word〕医療関連感染、職業感染予防、個人防護具(PPE)
・医療機関における新型コロナウイルスの職業感染予防
〔key word〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、職業感染
●TOPICS
薬剤学
・フォーミュラリーの導入の現状と効果
病理学
・病理組織診断で活用される深層学習
神経内科学
・脳ドックの現状と将来展望
●連載
この病気、何でしょう? 知っておくべき感染症
・6.皮膚リーシュマニア症(ただの虫刺され?)
〔key word〕皮膚リーシュマニア症、粘膜リーシュマニア症、皮膚潰瘍
いま知っておきたい最新の臨床検査ーー身近な疾患を先端技術で診断
・5.糖尿病の病態診断マーカーとしてのグルカゴン測定
〔key word〕グルカゴン、α細胞、糖尿病、サンドイッチELISA
●フォーラム
子育て中の学会参加
・2.放射線科医の育児中の学会参加
パリから見えるこの世界
・100.「人類の遺産に分け入る旅」のこれまでを振り返る
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・NAFLD/NASHの診療ガイドラインは、2014年に日本消化器病学会の編集で協力学会として日本肝臓学会の協力を得て作成された。
・しかしその後、疾患概念、病態、画像診断法、治療方法に関してさまざまな新たな知見が報告されており、このたび改定の運びとなった。
・生命予後に関わる肝線維化、肝硬変の効率的な拾い上げ方法、非ウイルス性肝疾患を基盤とする肝細胞癌が近年増加しており、そのスクリーニングの必要性も唱えられている。
■ NAFLD/NASHの診断と治療 -ガイドラインの改訂点と問題点
・はじめに
・NAFLD/NASHの疫学と今後の予想
〔key word〕非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、有病率、肥満、非肥満、疫学、小児
・NAFLD/NASHとメタボリックシンドローム、心血管イベント
〔key word〕メタボリックシンドローム、心血管イベント、動脈硬化
・NAFLDの非侵襲的肝線維化診断と消化器内科専門医への紹介方法
〔key word〕肝線維化、Fib-4 index、NFS、VCTE、MRE
・NAFLD/NASHの現状の治療方針
〔key word〕非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、減量、運動療法、GLP-1アゴニスト、SGLT2阻害薬
・NAFLD/NASHの新規治療薬とその展望
〔key word〕非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、創薬、臨床試験
・NAFLD/NASHの予後と発癌、そのスクリーニング体制の問題点
〔key word〕肝癌、スクリーニング、予後
●TOPICS
神経精神医学
・COVID-19感染拡大下の自殺予防
内分泌・代謝学
・ACE2機能の新知見ーーACE2発見から20年経って
輸血学
・洗浄血小板「日赤」に続くものーー副作用のない輸血を求めて(第2弾)
●連載
この病気、何でしょう? 知っておくべき感染症
・7.救急医療現場における胃アニサキス症(食歴を尋ねよう)
〔key word〕胃アニサキス症、急性腹症、上部消化管内視鏡検査
いま知っておきたい最新の臨床検査ーー身近な疾患を先端技術で診断
・6.カルニチンの作用および欠乏症ーーカルニチン2分画検査の解釈
〔key word〕カルニチン、脂肪酸代謝、カルニチン2分画検査
●フォーラム
子育て中の学会参加
・3.病理医の視点からーー日本病理学会の取り組みとともに
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・災害医療活動の目的は防ぎえる災害による死亡を低減することにある。災害により発生した患者の救命が注目されてきたが、東日本大震災以降、災害により医療継続困難になった患者の救命も重要な目的と指摘された。
・できるだけ多くの傷病者にできるだけ早く安定化治療・根本治療を行うこと、入院患者への医療を継続することが必要である。この2つの目標を果たすためにも、まず病院の機能保持・拡充を行うことが重要である。
・本特集では災害医療対応の最前線として、病院支援の考え方が整理された過程を紹介し、体制の確立のために必要な情報、物資支援や病院避難、復興支援などの活動、COVID-19対応の実際について、最新の知見を紹介する。
■ 災害医療対応の最前線 -近年の災害対応からの教訓
・はじめに
・日本の災害医療対応の変遷
〔key word〕災害医療、災害派遣医療チーム(DMAT)、災害拠点病院、災害医療コーディネーター、広域災害救急医療情報システム(EMIS)、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、北海道胆振東部地震
・被災地情報を集約する情報システムの最前線ーーSIP4DとD24H
〔key word〕基盤的防災情報流通ネットワーク(SIP4D)、災害時保健医療福祉活動支援システム(D24H)、情報システム、災害支援、支援チーム
・災害時診療情報管理の最前線ーー災害診療記録/J-SPEED
〔key word〕災害診療記録、J-SPEED、J-SPEED+、J-SPEEDオフサイト解析支援チーム、Emergency Medical Team Minimum Data Set
・医療機関へのライフライン支援最前線
〔key word〕ライフライン、医療機関、補給、広域災害救急医療情報システム(EMIS)
・病院避難の最前線
〔key word〕病院避難、建物倒壊、耐震化、被災病院の行動指針、ハザードマップ
・災害時における診療所復興支援ーー困りごと解決型支援を目指して
〔key word〕診療所復興支援、寄り添い型支援、リスト化
・新型コロナウイルス感染症のクラスター対応と災害対応は違うのか?--ALL Hazard対応に向けて
〔key word〕災害派遣医療チーム(DMAT)、PCR、コロナウイルスクラスター対応チーム(C-CAT)、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
●TOPICS
小児科学
・先天性心疾患に対するカテーテルインターベンションの進歩:卵円孔開存と未熟児動脈管開存
加齢医学
・加齢とエピジェネティクス:新しい取り組みーーエピジェネティック時計
神経精神医学
・多文化間精神医学ーー在日外国人や海外在留邦人のメンタルヘルス支援
●連載
この病気、何でしょう? 知っておくべき感染症
・8.糞線虫症(渡航歴や居住歴、いつ・誰に・どのように聞きますか?)
〔key word〕糞線虫、自家感染、過剰感染症候群、奄美・沖縄諸島、渡航歴・居住歴
いま知っておきたい最新の臨床検査ーー身近な疾患を先端技術で診断
・7.アミノインデックス
〔key word〕アミノ酸分析、アミノインデックス、がんスクリーニング
●フォーラム
日本型セルフケアへのあゆみ
・11.新型コロナウイルスの検査について知っておきたいこと
子育て中の学会参加
・マンパワーの子育て:育児は母親限定ではないーーリハビリテーション科医の視点から
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・グルタミン酸受容体のひとつであるNMDA受容体は精神疾患の病態に深く関わっていることが知られている。NMDA受容体遮断作用を有するケタミンをヒトに投与すると、統合失調症と酷似した臨床症状を惹起する。
・このことから、統合失調症のNMDA受容体機能低下仮説が提唱され、多くの研究者に支持されている。また、NMDA受容体抗体による精神症状発症もこの仮説を支持している。
・本特集では、わが国において第一線で精神疾患とNMDA受容体について研究をされている基礎から臨床の先生方に執筆いただく。専門外の方にも精神疾患におけるNMDA受容体の最新情報を理解できると信じている。
■ NMDA受容体と精神疾患
・はじめに
・NMDA受容体サブユニットの構造と機能ーー 生理機能と精神疾患への関与
・統合失調症におけるNMDA受容体とガンマオシレーション異常
・NMDA受容体とミスマッチ陰性電位
・精神疾患の病因における抗NMDA受容体抗体
・統合失調症の病態におけるNMDA受容体の役割と新規治療薬の展望
・気分障害の病態におけるNMDA受容体の役割と新規治療薬の展望
・心的外傷後ストレス障害の病態におけるNMDA受容体の役割と新規治療薬の展望
●TOPICS
循環器内科学
・心血管系システムとβ3受容体
神経内科学
・脳神経内科におけるオンライン診療ーー現状と可能性
神経精神医学
・暴力への対応ーー司法精神医療の実践から
●連載
この病気、何でしょう? 知っておくべき感染症
・9.蟯虫症(コンバントリンを投与しても陰性化しません。どうすればよいでしょうか?)
いま知っておきたい最新の臨床検査ーー身近な疾患を先端技術で診断
・8.質量分析装置による薬毒物検査
●フォーラム
日本におけるワクチン不信を巡る謎
・1.19世紀後半から1920年代までのワクチンの位置づけ
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・口腔内の細菌とウイルスは血流や誤嚥を介してほかの臓器に運ばれるため、歯周疾患や齲蝕などの口腔感染症を単に口腔内に限局した疾患ではなく、全身に影響を及ぼしうる疾患として捉える必要がある。
・口腔ケアをはじめとする口腔健康管理が糖尿病や誤嚥性肺炎の予防に有効であることは広く認知されて久しい。とくに、周術期における口腔ケアが、口腔微生物に起因する肺炎などの術後合併症を減少させる。
・そこで本特集では、豊富で固有な微生物層を抱える口腔と全身疾患との関連を研究する各分野の第一人者の先生方に、疾患発症に関わる最新知識を解りやすく解説いただく。
■ 口腔と全身疾患研究の最前線
・はじめに
・ 口腔細菌叢解析の臨床意義とその手法
〔key word〕口腔細菌叢、メタゲノム解析、アンプリコン解析、分子疫学
・口腔と脳機能・認知症との関連性
〔key word〕Porphyromonas gingivalis(P. gingivalis)、菌血症、アミロイドβ、脳炎症
・口腔と呼吸器疾患との関連ーー口腔細菌による下気道炎症進展の可能性
〔key word〕口腔細菌、歯周病、肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
・齲蝕原性細菌の引き起こす循環器疾患
〔key word〕Streptococcus mutans(S. mutans)、コラーゲン結合タンパク、感染性心内膜炎、脳血管疾患
・歯周病と糖尿病の相互作用
〔key word〕adipocyte-macrophage interaction、急性期タンパク、インスリン抵抗性
・口腸連関から紐解く歯周病と全身疾患の相互作用
〔key word〕口腔細菌叢、腸内細菌叢、歯周炎、全身疾患
・口腔内細菌と妊娠
〔key word〕胎盤、妊娠合併症、妊娠高血圧症候群
・歯周病と関節リウマチ
〔key word〕関節リウマチ(RA)、歯周病(PD)、破骨細胞、抗シトルリン化タンパク/ペプチド抗体(ACPA)、PAD
・口腔とフレイル・サルコペニアとの関連ーー口腔健康管理の重要性
〔key word〕高齢者、口腔機能、QOL、フレイル、サルコペニア
●TOPICS
腎臓内科学
・フェロトーシスを標的とした急性腎障害の治療薬の探索
遺伝・ゲノム学
・精子幹細胞の自家移植による先天性男性不妊マウスからの子孫作成
癌・腫瘍学
・肺腺癌の初期からstratifinは腫瘍性タンパク質のユビキチン化による分解を抑制し、悪性化に関与する
●連載
この病気、何でしょう? 知っておくべき感染症
・10.広東住血線虫症(髄液検査で好酸球増多が?)
〔key word〕広東住血線虫、好酸球性髄膜炎、好酸球増多症、アフリカマイマイ
いま知っておきたい最新の臨床検査ーー身近な疾患を先端技術で診断
・9.鉄代謝検査
〔key word〕トランスフェリン、トランスフェリン飽和度、フェリチン、ヘプシジン
●フォーラム
日本におけるワクチン不信を巡る謎
・2.戦後の日本におけるワクチンと予防接種
●速報
・新型コロナウイルス感染症の初年度死亡率からみた消化器がん検診の必要性
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・“病は気から”ということわざにも示されるように、神経系と免疫系がなんらかの形で影響を及ぼし合っていることが古くから経験的に知られていた。
・神経ー免疫相互作用のメカニズムが分子レベルで解明されるようになったのは、今世紀に入ってからのことである。今日に至るまで自律神経系と免疫系の相互作用のメカニズムに関する知見が蓄積されてきた。
・本特集が、自律神経系と免疫系の機能連関についての最新の知見を読者の先生方と共有する機会を提供し、わが国における研究者コミュニティーの裾野を広げる一助となれば幸いである。
■ 自律神経と免疫 -ここまでわかった神経ー免疫相互作用のメカニズム
・はじめに
・ゲートウェイ反射による組織特異的な炎症の制御
〔key word〕ゲートウェイ反射、IL-6アンプ、組織特異的炎症性疾患、交感神経、迷走神経
・交感神経による免疫細胞動態の制御
〔key word〕交感神経、アドレナリン受容体、免疫細胞動態、免疫応答、日内変動
・自律神経による自然リンパ球の制御
〔key word〕自然リンパ球、2型自然リンパ球、2型炎症応答、β2アドレナリン受容体(β2AR)
・中枢神経障害による免疫系の変容
〔key word〕脊髄損傷、脳梗塞、免疫、自律神経
・心臓恒常性と心疾患における自律神経ーー免疫連携
〔key word〕自律神経、神経ー免疫、心筋梗塞、恒常性
・腸ー肝臓ー脳相関による炎症制御
〔key word〕脳腸相関、自律神経系、迷走神経、抗原提示細胞(APC)、制御性T細胞(Treg)
●TOPICS
血液内科学
・炎症性微小環境から迫る骨髄異形成症候群の病態
アレルギー学
・脳内報酬系の活性化はアレルギーを緩和する
医用工学・医療情報学
・医療機関における勤務環境改善・働き方改革とIT
●連載
この病気、何でしょう? 知っておくべき感染症
・11.旋毛虫症(食歴を尋ねよう)
〔key word〕旋毛虫症、熊肉、トリヒナ、Trichinella spp.
いま知っておきたい最新の臨床検査ーー身近な疾患を先端技術で診断
・10.造血器腫瘍の遺伝子検査:臨床的意義と測定原理
〔key word〕造血器腫瘍、遺伝子関連検査、診断、予後、微小残存病変
●フォーラム
日本におけるワクチン不信を巡る謎
・3.1950〜1980年代の日本における信頼の動きーーポリオ、百日咳、MMR
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。もなっている。