コルシカ島出身の一軍人から皇帝にのぼりつめた英雄ナポレオン。ヨーロッパ各地に侵攻し、フランス革命がうみだした近代的価値を広めた。一八四八年の二月革命から大統領に当選、クーデターによって皇帝になったその甥、三世。ともに戦争に敗れて歴史の表舞台から退く。革命と激変の時代に、「ナポレオン」は議会や民衆にどう利用され、また求められたのか。誰もが知る二人の皇帝とその息子に光を当て、ナポレオンの一族からフランス近代史を読み解く。
自殺、 いじめ、 登校拒否など、 現代の子供が抱える問題に“人間は神の子、 永遠の生命” の視点から光を当てた画期的な教育論。 ここに現状を打破し、 輝かしい人生を築くための叡智がある。
バブル崩壊後の不況期に就職活動をせざるを得なかった「就職氷河期世代」。本書は1993〜2004年に高校、大学等を卒業した人々を就職氷河期世代と定義し、雇用形態や所得、格差などを統計データから明らかにする。不況がこの世代の人生に与えた衝撃は大きい。結婚・出産など家族形成への影響や、男女差、世代内の年収差、地域間の移動、高齢化に伴う困窮について検証。データから見える現実、講じ得る支援策とは。
北日本を中心に、豊かな生態系と美しい景観を保ってきたブナの森。このブナの森は、かつて広く伐採され、質的にも大きく変わってしまった。しかし近年、その豊かさの再評価が進み、生物多様性保全の重要性が社会的に認知されるようになり、ブナの森の伐採に歯止めがかかったばかりでなく、再生への取り組みが各地で始まっている。こうした取り組みでは、その土地独自の生物多様性への配慮が不可欠になる。科学に裏打ちされた、健全で効率的なブナ林復元に必要な技術、考え方を紹介。
「日本の復興は、鉄道が中心となってやらなければならない」(1945年8月15日、堀木鉄道総局長官)。進駐軍専用列車の運行、続発する事故などの混乱のなか、独立採算制の企業体・日本国有鉄道は誕生した。ビジネス特急「こだま」、東海道新幹線、通勤5方面作戦など近代化に努めるが、過大な投資等により赤字が膨らみ、分割民営化により40年の歴史を閉じた。その後のJR30年も含め、鉄道から見た日本現代史を描く。
日清戦争で清が敗北すると、朝鮮王朝は清の「属国」から離脱し大韓帝国を建国、皇帝高宗(コジョン)のもと独自の近代化を推進した。だが、帝国日本は朝鮮半島での利権を狙い同地を蚕食していく。日露戦争下、日韓議定書に始まり、1904〜07年に三次にわたる日韓協約によって外交・財政・内政を徐々に掌握、10年8月の併合条約によって完全に植民地化する。本書は日韓双方の視点から韓国併合の軌跡を描く。今なお続く植民地の合法・不法論争についても記す。
鎌倉時代は幕府の終焉で幕を閉じる。しかし「鎌倉」はその後も日本の歴史を規定した。本書では、その鎌倉を2つの視点で考える。第1部では、中世後期東国史の大局を語る。第2部では、鎌倉の史跡に宿された記憶を掘り起こす。
国家資格・公認心理師が誕生し、より一般普遍的なカウンセリングの方法が求められている今、ロジャーズのカウンセリング理論(自己一致、共感的理解、肯定的関与)から発展したフォーカシングをベースとした心理療法は、日本のカウンセリングにおける共通基盤としての実践理論にもなりうると考えられる。本書では、基礎や専門用語を解説したうえで、実際の臨床場面での実践、プロセスを、具体的な事例に即して丁寧に示す。
大正時代を生きた人々に抉るような傷を与えた大逆事件。時代が再びきな臭さを増す今日、福島泰樹の眼の前に、死者がよみがえり、踊りながら歩き出した。ひらめくナイフの光のように危険な第三十一歌集。
年相応の問題ができない。教科書を見ても意味が分からない。説明を聞いても分からないまま。そうして周りから冷ややかに見られ、ときには怒られ…。こんなつらい思いを、もししたとしたら。学校へ行く気も失せてしまいますよね。しかし、一定数いるのです。努力しても、がんばろうとしても、できないつらさを抱えた子どもたちが。
学習でつまずく子どもの気もちを理解し、察して対応策を考えて実行していくことがもっともっと浸透するといいな。本書は、そのような願いから「興味をそそる・短めの課題」を意識した手作りの教材です。一人でも多くの子の自己肯定感・自己有能感の向上に繋げられれば幸いです。(後書きより)
まえがき
さんすう
こくご 漢字の巻/読み取りの巻/音読の巻
あとがき
ここ30年間に不登校児童数といじめの報告件数は、小学生で5.2倍と46倍、中学生で2.5倍と6倍、特別支援教育対象児童は、15年間に小中学生ともに3倍近い。少子化にかかわらずだ。本書は深刻な混迷の中にある日本社会と教育の歴史を辿る。なぜここまで行き詰まったのかーー。貧困、学校紛争、日教組、財界主導、校内暴力、政治介入、いじめ、学級崩壊、発達障害の激増など、各時代の問題を描きつつ、現在と未来の教育を考える手掛かりとする。