姉のレイチェルは39歳。知的障害を持つ妹ベスは38歳。レイチェルは長年つきあっていた彼と別れて以来、成功だけを夢見て仕事に没頭する日々を送っている。かたやベスは生活保護を受けながら、働かずに暮らしていた。ベスは路線バスに乗るのが大好きで、始発から好きな運動手のバスを次々と乗り継いでは、夕方まで車内の人たちとおしゃべりを楽しむのだった。離れて暮らし、あまり連絡もとりあわなかったふたり。だがベスの突然の提案で、1年間いっしょにバスに乗ることになる。はじめはベスに「つきあってあげていた」レイチェルだったが、ストレートに愛情を示すベスや車内の個性的な人々と交流するうちに、自分が変わりはじめたのに気づき…。
一瞬の生と永遠の美の間で麻薬の罠に陥ち、バリ島で逮捕された画家・哲郎。誰にも兄を殺させはしない!妹カヲルはバリ島へ飛んだー。意志と祈り、西欧とアジア、死とエロスの対立と融合を描く7年ぶりの書下ろし傑作長編。
満州開拓団国民学校の教師として、満州に赴任した若い女性が、敗戦から死の淵をたどった逃避行、囚われの身となり、建国まじかの共産中国の政府職員となり、惜しまれながら日本へ帰国するまでの、十一年間の数奇な体験を語る。
長女涼子。ひとりっ子の舞とともに別居生活を始めたばかり。舞を名門幼稚園に通わせるためで夫と離婚する訳じゃない。次女美雪。大学受験を控えて上京。独り住いの義兄の家に居候中。ただならぬ恋の予感を感じている。そして三女由香。オテンバな高校受験生。不思議な恋人ができたようだ。美しい三人の姉妹をめぐる恋模様が次々と波瀾を呼び奇妙な事件が巻き起こる。家族と愛とサスペンスの物語。
北京で過ごした幼い日々、11歳で逝った兄との思い出…幸せも不幸せも、愛も憎しみも言葉にできず、その時その時に力を使い果たして生きた「子供時代」。忘れていた記憶が鮮やかに蘇り、溢れだす、珠玉の童話集とエッセイ。
かつての女性が、より「けだかく」「さかしく」信仰の主要な担当者であった時代、霊の力を認められていた時代の神秘を、広範な民俗学の方法によって解明する。女性の清明な「たましい」と「ちから」の回復でもある。
かわいい妹たちに囲まれて幸せな日々…というわけにもいかない久志。かつて地球存亡の危機を救った秋帆も、今や普通の女の子。しかも宇宙規模の難題はまだ解決していないのだ…。そんな中、新たなる“妹”や謎の勇士も現れ、久志の生活はますます波乱含み!?全ての謎が明らかになる結末やいかに。