早熟の高校生寺山初恋の人Yさん発見!彼女に宛てた多数の手紙と句に触発され紡ぎ出された青春純愛物語。
船べりから見おろすと、海は真っ赤な血の色にそまっていた。その中からとつぜん、巨大な、悪魔のような、黒い背びれが海面を割った。「ホオジロザメじゃ!」オジイがうめいた。動いているものなら、なんにでもおそいかかる海のギャングだ。一瞬そいつと目が合った。ガラス玉のような、ぞっとするような冷たい目をしていた。第17回小川未明文学賞大賞受賞作品。
19世紀ロンドン。マイケル・ケニヨン卿は、ワーテルローの戦いで瀕死の重傷を負う。命を救ってくれた美貌の従軍看護師キャサリン・メルボーンに、強烈な愛情を感じるが、彼女は将校の妻だった。かつて人妻を愛し、人生を狂わせた過去を持つマイケルは、彼女の夫婦生活の破綻を知っても、その心を封印する。一方、自分のある欠陥に怯えるキャサリンは、苦い結婚から解放されても、彼を愛する気持ちをひた隠す。そこへ運命が、財産と地位、娘のための遺産をもたらすことに。マイケルが夫になりすまし、コーンウォールの自然あふれる島を一緒に訪れてくれるなら、それが何もかも手に入る。マイケルはしかたなくこの仮面劇に応じる。はじまりはただの旅にすぎなかった。だが、しだいにふたりは、危険と裏切りが渦巻く世界へ引きずりこまれていくーそして、もはや拒むべくもない灼熱の愛の世界にも。
意識と物質の発生をイメージさせる虹の体験は、文化を閉じ込める、終わりなき解釈のらせん階段からの脱出の方法を示唆してくれる。メタフィジカルな8つの物語。
自己と文化を解放するための〈科学の寓話〉
意識と物質の発生をイメージさせる虹の体験は、文化を閉じ込める、終わりなき解釈のらせん階段からの脱出の方法を示唆してくれる。
メタフィジカルな8つの物語。
人生とは何か。いかに生きるべきか。この永遠のテーマに82歳のシゲおばあちゃんが答えます。「常に前へ、前へ進むこと」そうすれば道は必ず開け、「虹の橋」が見えてくる。おばあちゃんの実体験に基づいた人生論が私たちを圧倒し、導いてくれます。
“天支竜”と“天潰竜”、強大な竜同士の戦いで地上へと降り注いだ竜の身体の欠片ー“竜鱗”。“竜鱗”に宿る竜の力の残滓は、周囲の大地を怪物が跋扈し異常気象が渦巻く“魔境”へと変えた。拡大を続ける“魔境”を消し去れるのは、“竜鱗”を身に宿し、竜の力を操ることができる“竜脈使い”のみー。主人を救うため“虹色に輝く竜鱗”を求める影武者の少女、彼女に忠誠心と恋心を抱く魔法士、村と婚約者を失った過去を笑顔に隠す聖女、ただ「最強」のみを求める流浪の戦士。4人の“竜脈使い”たちの旅を通して、3年前に世界を揺るがした事件「中原の悪夢」の真実が明らかになるー。グループSNEの気鋭によるファンタジーTRPGのリプレイ、書き下ろしの完結編を加え単行本化。
臆病者で失敗続きのNY市警の巡査ハリー。刑事への昇格を打診されるものの、自信がもてず、すぐに返事ができない。昇格すれば、恋人でもある刑事ドイルが相棒になるからだ。公私を混同し、ドイルの足手まといになるのでは、という不安ばかりが募る。その翌日、ダイヤモンド街で強盗事件が発生、ハリーは現場に急行した。
アフガニスタンに散った男の恋と宿命を壮大なスケールで綴る長編物語。京都、哲学の道での出会いから始まり、国境を越えて大きく花開く、日本人青年と韓国人少女との恋。その陰で一輪、ひっそりと咲く大和撫子の想い。