本論文集は、1993年の誕生以来、生成文法における代表的な形態理論であり続けた分散形態論(Distributed Morphology,DM)の30周年を記念する論文集です。具体的には、日本の第一線で活躍する統語論・形態論の研究者による論文9本に加えて、編者による分散形態論の概要、そして分散形態論の提案者の一人であるニューヨーク大学のAlec Marantz氏による序章が収録されています。
第I部 理論的基盤
Chapter 1 Distributed Morphology and Japanese
Alec Marantz
第2章 分散形態論の概要
大関洋平
第II部 形態統語論
第3章 複雑述語の縮約現象ー形態構造と隣接性条件ー
岸本秀樹
第4章 日本語の動詞連鎖におけるテ形前項に関する一考察
青柳 宏
第5章 形態分離に基づく受動RAREの分析
高橋英也・中嶌 崇
第6章 東北地方における自発表現に関する比較研究
新沼史和
第III部 形態音韻論
第7章 動詞由来複合語の統語・音韻・意味
西山國雄
第8章 数詞の形態
渡辺 明
第9章 語と句の相違からみる省略・削除の再考
木村博子・成田広樹
第10章 分散形態論におけるゼロ形態とその削減
田川拓海
第11章 日本語否定接頭辞の諸相ー分散形態論の説明力ー
漆原朗子
変化するのは、言語の本質である。現在、世界に数千あるとも言われる多様な言語が存在するのも、変化の結果である。しかし、個々の言語理論が、その変化・変異のメカニズムの全容を解明するには限界がある。だからこそ、形態論・統語論・意味論・社会言語学・歴史言語学・方言研究・言語獲得・実験心理学などの諸分野の研究者がその最新の研究成果を持ち寄る場が、いまこそ必要である。
音声学の知識や面白さを学び、実際にその知識が使えるようになろう! 各章は、実験、その解説、クイズ、発音記号チェック、復習テストなどで構成され、わかりやすいことばで書かれており楽しく学べます。音声学の基礎ともいえる音声記号の書き方・読み方は、とくに重点的に解説しました。実際の言語聴覚士国家試験の過去問にもチャレンジしてみよう。サポートサイトも充実。
「雑談の急所は数字と固有名詞」「大事なことは『中身』ではなく『話し方』」……当代一のストーリーテラーが雑談の秘術を開陳!
在住外国人200万人時代のFAQ集。
なぜ、相手に理解してもらえないのか、受け入れてもらえないのか、人間関係がうまくいかないのか…自信をもって人とつきあえる幸せのプラスワードがこの本に詰まっています。
「話す力」のある人には「知情意体」が備わっている。「知」は知識、「情」は相手の気持ちを読み取る感情、「意」は伝えようという意思。もう一つが「体」で、声の調子・顔の表情・ジェスチャー。これらをつねに意識し、ネタ主義(話す前の準備)、テーマ主義(話す内容の明確化)、ライブ主義(場の空気を読む)を実行すれば、「話す力」は驚くほどアップする。
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その気づかい、逆にエラそうです!仕事がスムーズになる。人づきあいのストレスが軽くなる。夫婦、親子の仲がよくなるー相手の心のツボをつく会話のコツ。
池澤夏樹・坪井秀人・林圭介・佐藤美希・内山明子・邵丹・管啓次郎執筆。古典現代日本語訳からひらかれる文芸論の地平。20世紀モダニズム/ジャポニスムの時代ストラヴィンスキーと山田耕筰が、同期的にしかし逆方向で創作した〈和歌歌曲〉Waka-Lieder。翻訳版イラストを取り込み世界文学へリライティングしていく村上春樹的転回。世界文学全集の非西洋。探偵小説の移植と森下雨村。ヴォネガットSF受容の変遷。居ながらにして他者化されるアイヌ文学者の自己構築。東日本大震災後の気仙方言訳啄木あるいはロルカがまざまざと浮かび上がらせる詩の集合性・共同性。
「翻訳は再創造である。いわば一家をあげての長距離の移住。馬車に家財をすべて積んで大平原を進む。途中で失われるものも多いが新天地に着いたらそこで新しい繁栄の日々が始まる」(池澤夏樹)
「抒情詩が、歴史的状況を翻訳するのだ」(管啓次郎)
「文学と翻訳」は決してありきたりのテーマ設定でないどころか、文学において翻訳の探究の厚い蓄積がある日本で、これほどにも可能性に満ちている。刺戟的な全8篇。
はしがき
編纂・翻訳・創作ーー文芸論の序説のためのメモ 池澤夏樹
ジャポニスム/モダニズムの交差点としての〈和歌歌曲〉──和歌翻訳そしてストラヴィンスキー、山田耕筰らの音楽創作 坪井秀人
はじめに──〈事件〉としての『春の祭典』
1 山田耕筰の〈融合芸術〉
2 山田耕筰『幽韻』
3 ストラヴィンスキー『三つの日本の抒情詩』
4 詩歌におけるジャポニスム
5 和歌歌曲(Waka-Lieder)とジャポニスム
おわりに──未来の亡命者たちと山田耕筰
五つの「ぼく」たちーー村上春樹文学を世界文学に変える『図書館奇譚』 林圭介
はじめに
1 『図書館奇譚』の五種類のヴァージョン
2 三つのリライティングと二人のイラストレーター
3 短編の改稿と絵本への書きなおし
4 顔のない「ぼく」
5 顔のある「ぼく」
6 世界文学の「ぼく」へ
おわりに
「世界文学全集」の西洋と非西洋 佐藤美希
はじめに
1 外国文学選集の意図
2 二つの円本「世界文学全集」と非西洋文学の周縁化
3 1950年代の世界文学全集における非西洋
おわりに
『新青年』の文学的展開ーー森下雨村と「探偵小説」の翻訳 内山明子
はじめに
1 『新青年』と探偵小説
2 森下雨村の翻訳
3 文学探求の場としての『新青年』
おわりに
Welcome to the Monkey House--日本におけるカート・ヴォネガット文学の受容 邵丹
はじめに
1 60年代の黎明期ーーSFファンダム、共同体の形成
2 70年代の転換期ーー打ち寄せる「新しい波(ニューウェーブ)」、薄れゆく境界線
3 80年代以降の発展期ーーSFが豊かな文芸ジャンルへ
おわりに
証しの空文ーー鳩沢佐美夫と翻訳 佐藤=ロスべアグ・ナナ
はじめに
1 鳩沢佐美夫
2 「証しの空文」
3 「証しの空文」における翻訳
おわりに
詩、集合性、翻訳についてのノート 管啓次郎
編者あとがき
本書は、生成文法をできるかぎりやさしく解説。もうチョムスキーはこわくない!はず…。
NHKで培ったプロの技法を、ビジネスやプライベートの場で役立てる、トクする話し方のコツを大公開!誰でも3日でマスターできます。
小説『バラの名前』『フーコーの振り子』のミリオンセラーで著名なウンベルト・エコは、本職の記号論の世界でも、長年にわたり革新的・生産的な論理を展開し、常に国際学界をリードしてきた。本書では、サンパウロ大学の講議録がもとになっているだけに、記号論・意味論・テクスト論が新しい観点から一般読者に判り易く提示されている。
言語教育の「教室」という場所から離れて、「評価」を考える。
会議、プレゼン、試験、商談、面接、結婚式、発表会…日本一のカリスマ講師が自らの体験から得た究極の「あがり症」克服術を大公開。ここ一番で力を出し切るテクニックが満載。
『赤毛のアン』をはじめとする名作を競訳!勝つのは作家か翻訳家か?
言葉のコミュニケーションは、希望と切実さと複雑さに満ちている。
「紀伊國屋じんぶん大賞2023」第2位『言葉の展望台』著者が贈る、最新哲学エッセイ!
「痛み」を伝える言葉、webの中の私の「言葉だけの場所」、「どういたしまして」の可愛さ、当事者視点からの語りかた、「からかい」が起きる場面、メタファーが見せてくれるもの、定義することへの懐疑、カミングアウトの意味とその先……。
さまざまな哲学の概念や理論はそれぞれが一個のレンズで、このレンズを使って見た風景と、別のレンズを使って見た風景と、その両方を通した風景はすべて違っているかもしれないし、そのどれかが正しいわけではないかもしれない。でもいろいろなレンズを通してみることで、裸眼で見たのとは違う風景の可能性に気づき、新しい仕方で物事を理解したり語ったりしていくきっかけになるかもしれない。(本書「はじめに」より)
【目次】
痛みを伝える
言葉だけの場所
「どういたしまして!」の正体
該当せず
からかいの輪のなかで
たった一言でこんなにもずるい
給料日だね!
言葉のフィールド
カミングアウト
ぐねぐねと進む
安全な場所ーー『作りたい女と食べたい女』
命題を背負う
一緒に生きていくために