ノーベル賞に最も近いといわれたスター学者の不正を、ベル研究所や科学ジャーナルは、なぜ防げなかったのか?科学界を蝕む病巣とは?国内外のコンクールで受賞のNHK番組を書籍化。
・量子情報に興味のある初学者が基本の考え方を一から学ぶことができ,かつ,研究へと繋げられるレベルにまで理解を深められる
・学部程度の量子力学から始めて知識を整理し,「量子系の操作」という量子情報科学の基本的な考え方を身に付け,量子通信の理論を学んだうえで,量子情報と理論物理の学際的な研究テーマに取り組む
【主な目次】
第I部 量子論の復習
1. 数学的記法
ヒルベルト空間とDirac記法,テンソル積/有界演算子/Pauli演算子とClifford演算子/行列値関数/極分解と特異値分解
2. 量子論の一般的な枠組み
量子論の五公理/混合状態/時間発展/一般化量子測定
第II部 量子情報の基礎
3. 量子情報科学の基礎
量子状態/時間発展/量子回路
4. 量子状態や量子チャンネルの尺度
様々な尺度/クローン可能・不可能定理/量子状態識別/距離と識別可能性
5. ノイズレスな量子通信の基礎プロトコル
通信プロトコル/通信リソースの組み合わせ/完全な特徴付け
6. エントロピー
古典系/量子系/Renyiエントロピー/平滑化Renyiエントロピー
7. エントロピーの応用
アクセス可能な情報量とHolevoの定理/エントロピー不確定性関係/量子状態識別/エンタングルメント・エントロピー
第III部 ノイズレスな量子情報理論
8. 情報源と情報源の圧縮
典型系列と典型部分空間/古典情報源/量子情報源
9. LOCCによる量子状態操作
純粋状態のLOCC変換/エンタングルメント蒸留と希釈
第IV部 ノイジーな量子情報理論
10. 量子系におけるノイズ推定
定量的指標/乱択ベンチマーキング
11. 量子誤り訂正の基礎
基礎理論/スタビライザー符号とスタビライザー形式
12. ノイジーな量子通信理論1
量子通信容量定理/デカップリング・アプローチ/性能評価
13. ノイジーな量子通信理論2
漸近極限とsuperactivation/達成可能な量子通信レート/複雑性と復号方法
14. ノイジーな量子通信路の様々な通信容量
古典通信容量/共有エンタングルメント
第V部 量子情報と物理
15. Haarランダムと孤立量子系での熱平衡化現象
ミクロカノニカルアンサンブル/カノニカル典型性/相対的な熱平衡化現象/量子誤り訂正
16. Hayden-Preskillプロトコル
デカップリング・アプローチ/ハミルトニアン時間発展/ランダム符号化と符号衝突/Petz写像/Yoshida-Kitaevの復号
17. Haarランダム・ユニタリとユニタリ・デザイン
モーメント演算子とフレーム・ポテンシャル/Haar測度/ユニタリt-デザインと状態t-デザイン/量子回路を用いた近似的な生成方法
付録
文献
索引
「過去、現在、未来」から成り、前後関係を定めることができるような「時間」を、私たちも、そして科学者も疑っていない。しかし、私たちがすべてを経験するのは常に持続する「今」なのだとすれば、二つの時間をともに捉えなければならない。「内部観測」の発見者である著者が、自身の理論をバージョンアップするべく試みる大胆な挑戦。さまざまな科学の最前線を横断しながら展望される、前人未到の領域を目撃せよ!
「時間」とは何か?──そう問われたとき、人は「過去、現在、未来」から成る流れのようなものを想像するだろう。その時間の中では「過去」、「現在」、「未来」が明確に区別され、それらの前後関係を定めることができると考えられている。そのような時間は、経験科学も自明の前提としてきたものである。しかし、その一方で、私たちは常に「今」に生きていて、「今」から離れることはできない。つまり、私たちがあらゆる経験をする現場は「今」以外ではなく、そこには「過去」も「未来」もない。
だとすれば、ここにある「現在」と「今」は同じものなのか。本書は、この問いを出発点にして、前後関係としての時間に依拠する経験科学が、経験の現場である「今」を捉える方法を探っていく。
そのためのカギになるのが、著者が発見し、世界的に影響力を及ぼし続けている「内部観測」という方法にほかならない。内部観測とは、個物が他の個物と関係をもつとき、相手から受ける影響を相互に同定しながら相手を観測する、という私たちが経験の現場で日々行っている事実を指す。すでに『内部観測とは何か』(2000年)でその概要を示したこの方法をバージョンアップするべく、著者は私たちがもっている「言語」に注目する。
通常、言語は「過去」、「現在」、「未来」を区別する「時制」をそなえている。しかし、時制は三人称で捉えられるものであり、それは一人称でしかありえない経験を捉えることはできない。ところが、物理学をはじめとする経験科学は、三人称での記述を行うものとして、確立・発展してきた。そこで扱われる対象は、すでに完了形になった「過去」のものでしかないが、経験というのはいつでも進行中であり、完了とは無縁の一人称のものである。では、経験科学は一人称を捉えることはできないのか? 量子論、熱力学、インフォメーション現象から「生命の起源」に至るまで、さまざまな科学の最前線を横断しながら、著書は前人未到の領域を目指して大胆な可能性に挑戦していく。
戦前は「国際文化事業」の、戦後は「国際文化交流事業」の一環としての「日本語の普及」に関連して使われる海外の「日本語学習熱の高まり」とは、いったい、何を意味しているのだろうか。その実態はいかなるものなのだろうか。この漠然とした言葉をめぐる問題を歴史的に検証する。
高校化学をもう一度初めから学び直したい社会人に最適の学習書。今学校で習っている化学が難しいと感じている高校生も使える。基礎の基礎から高校化学の内容を学習できる。著者は「化学の新研究」の卜部先生。
細胞が不死なのはそれ自身が時間を循環させている小宇宙だからだ!晩成の思想家が展開する21世紀の自然哲学としての生命論。
本書は、電験三種への新規参入者向けに、かつ計算問題に対応できるように企画されたテキストです。したがって、初心者用に受験ガイダンスもあり、例題や問題では、どの公式を使ってどのように計算しているか、また計算過程も省略しないで解説してあります。
宇宙のさまざまな現象を理解する輻射の理論の基礎を学ぶための教科書。改訂版では、さらに記述を加え、充実した内容に仕上げた。
本書では、高分子の力学的・熱的性質の測定法を取り扱い、応用につなげるための測定結果をしっかり理解することを目標にしてまとめた。
第1章 p-v-Tおよび熱移動測定
第2章 熱分析(ガラス転移、融解転移、結晶化転移)
第3章 溶融体・溶液中の高分子の拡散
第4章 溶融体・溶液の線形粘弾性
第5章 溶融体・溶液の定常流のレオロジー
第6章 溶融体・溶液の非定常レオロジー
第7章 レオオプティクス(流動光学)
第8章 固体の粘弾性
第9章 強度と寿命
大学あるいは高専で初めて伝熱学を学ぶ者を対象とした1学期間の講義用教科書。伝熱の各現象の物理的な説明を簡潔に行うとともに、その定式化をわかりやすく示すことによって、伝熱学の基礎的な考え方が身につく。伝熱現象の理解にとって本質的に重要である熱抵抗の概念を一貫して用いた。通常よく遭遇する代表的な場合の伝熱計算に必要な式を示すとともに、例題を数多くあげて、考え方と問題を解く能力が十分に身につくようにしている。
科学のあらゆる分野において、おそらく最も重要とみなされるエネルギーの概念を平易に解説。
1章 力学エネルギー
1.1 エネルギー
1.2 仕事
1.3 仕事はエネルギーの形を変える
1.4 運動エネルギーと運動量の比較
1.5 エネルギーの保存
1.6 仕事率
1.7 機械
1.8 エネルギー源
2章 熱エネルギー
2.1 温度
2.2 熱
2.3 熱の量
2.4 比熱
2.5 熱膨張
2.6 相の変化
3章 熱の移動
3.1 伝導
3.2 対流
3.3 放射
3.4 ニュートンの冷却の法則
3.5 温室効果
3.6 太陽エネルギー
3.7 地球の温暖化
3.8 魔法びん
4章 熱力学
4.1 絶対零度
4.2 熱エネルギー
4.3 熱力学の第一法則
4.4 熱力学の第二法則
4.5 エネルギーと相変化
4.6 秩序から無秩序への傾向
4.7 エントロピー
見開構成、図版多数のわかりやすいテキスト
建築環境/外部気候/室内気候/伝熱/結露/換気と通風/日照/日影/日射/採光/色彩/音環境/計画一般/各部の計画/構法・材料・生産/住宅/商業施設/社会施設/文化施設/空気調和設備/電気設備/消火・防災設備/給排水衛生設備/建築史
本書では、相変態をともなう現象を「連続体力学」の観点から統一的に記述。つまり、力学、熱力学、金属組織学(相変態論)など異なった分野の、境界領域における問題としてこれらの諸現象をとらえ、「連続体力学」の手法を応用することにより、相変態過程中の材料の力学的挙動を追求。
ナノインプリントの基礎とともに現状で最新のナノインプリント装置と関連部材、多様なデバイス応用についてわかりやすく解説。実際にナノインプリント技術に取り組む際に参考になる最新の研究成果を網羅している。