世界最高水準の研究教育拠点形成を目標とする平成15年度21世紀COEプログラム(社会科学分野)の1拠点として、東北大学「男女共同参画社会の法と政策-ジェンダー法・政策研究センター」が採択された。この拠点は、21世紀の日本と世界がめざす男女共同参画社会形成のための理論的課題を、法学および政治学を中心とする視点から明らかにし、「ジェンダー法・政策」研究という新たな学問分野を確立するとともに、ジェンダーセンシティヴな若手研究者・法曹実務家・政策担当者等を育成することを目的としている。また、研究教育の成果を世界に発信してアジア地域と欧米の諸機関をつなぐネットワーク拠点を形成し、地方公共団体・弁護士会等とも連携して、研究成果を政策実践にフィードバックさせることをめざすものである。
既成の戦後論/民主論/占領論は何を語らないのか──。いま・ここの構造的暴力に抗うために、敗戦後という時空間、ジェンダーというまなざし、東アジアという問題領域を照射し「戦後」を歴史化して、戦後思想の政治性を射抜くフェミニズム文化批評。
「戦後・暴力・ジェンダー」全三巻の刊行にあたって 大越愛子/井桁 碧
はじめに──ジェンダーから読む「戦後」 大越愛子
第1部 戦後とは何か
第1章 戦後思想のパラドックス 大越愛子
1 敗戦後から戦後へ
2 「家父長制」デモクラシー
3 大日本帝国の崩壊、民族差別・人種差別の隠蔽
4 象徴天皇制という欺瞞
5 ジェンダーの「戦後」
6 パラドックスは超えられるか
第2章 敗戦/占領とジェンダーのポリティクス 井桁 碧
1 「大きなアメリカ人」
2 挑発する〈ジェンダー〉
3 〈性〉の未来に
4 占領軍兵士の「慰安」
5 書くことの/読むことの〈位置〉
6 占領と「性的比喩」
7 GIの日本と「日本の女」
8 従属の象徴としての「パンパン」
9 戦後思想の特徴としての「男性的」
10 敗戦/占領と〈性〉の修辞/ポリティクス
第3章 沖縄から広がる戦後思想の可能性──戦場における女性の体験を通じて 洪★王偏に允★伸
1 人種化された体──「朝鮮人従軍慰安婦」と「辻遊郭の女性」
2 住民の統治手段となった女性の体と「強かん恐怖」
3 「慰安婦」たちの戦後と拠点としての沖縄──結論に代えて
第4章 リブの可能性と限界──主婦と娼婦の分断 菊地夏野
1 女性と国家
2 抵抗の「場」をずらす
3 主婦的状況の意識化
4 娼婦と主婦の分断
5 主体化を超えるエロス
6 臨界点
第5章 女性学の戦後──よりよく〈わたし〉を生きるために 大橋 稔
1 男性と女性学
2 ブラック・フェミニズムと日本の女性学
3 女性学の現在
第2部 戦後思想を外部の視点で捉える
第6章 リドレス不可能性について──サイゴン、広島、フランツ・ファノン 米山リサ
1 解放とリハビリの米国神話──フィリピン、日本人女性、ヴェトナム難民
2 戦争犯罪を銘記することの意味
3 リドレス不可能性の意味と可能性
第7章 大虐殺の後で──済州島における女性の痛みと生存の連帯 金成禮[藤枝 真 訳]
1 アンティゴネーと悲嘆する権利
2 歴史の廃墟のなかの女性の地位
3 国家暴力という統治体の「アカ」大量虐殺
4 反共産主義という見せ物における性化された身体
5 家父長的言語に対する沈黙の身体
6 連帯と痛み──夢、哀しみ、霊魂憑依
7 生き残るための連帯──「寡婦」ネットワーク
8 トラウマの消えない記憶と女性の人権
第8章 東アジアの戦後の歴史を考える──日韓を横断する視点は可能か 権憲益/金成禮/大越愛子/井桁 碧
おわりに 井桁 碧
まえがき
序章 フェミニズム国際法学の視座
はじめに
1 国際組織の動きとジェンダー
2 フェミニズム国際法学の視座
3 女性差別撤廃条約の実施措置とNGOの参画
4 女性差別撤廃条約と国内法
1
第1章 国際人権保障における女性の人権
はじめに
1 「女性の権利は人権である」--フェミニズム国際法学誕生の契機
2 男女平等概念の変遷ーー国際人権保障における女性の人権の展開
3 女性に対する暴力ーーフェミニズム国際法学の背景
4 国連世界女性会議文書にみる女性差別撤廃条約
第2章 女性差別撤廃条約ーーフェミニズム国際法学の基盤
はじめに
1 女性差別撤廃条約の法理
2 女性差別撤廃条約締約国の差別撤廃義務
3 女性差別撤廃条約の現状と課題
第3章 女性差別撤廃条約選択議定書の概要
1 選択議定書制定の経緯
2 選択議定書の概要
3 日本の選択議定書批准に向けて
第4章 女性差別撤廃委員会における日本レポートの審議とNGO
はじめに
1 日本レポート審議とNGO
2 JNNCのアプローチ
3 「最終コメント」とJNNCの見解
4 JNNCの委員会審議後のコミットメント
5 国内への影響
2
第5章 政策としての男女平等
1 日本の女性政策の変遷
2 日本国憲法制定の男女平等
3 女性差別撤廃条約国会承認審議における男女平等
4 21世紀日本の男女共同参画政策ーーNGOの参画と地方分権の進捗
第6章 女性差別撤廃条約と男女共同参画社会基本法
1 国連の動きと21世紀の日本
2 女性差別撤廃条約と男女共同参画社会基本法
おわりに
第7章 日本の女性NGOと国連
はじめに
1 日本女性の国連への窓ーー国連NGO国内婦人委員会
2 女性差別撤廃条約の署名・批准の実現ーー国際女性年連絡会
3 国連女性2000年会議に向けた日本NGOレポートの策定ーーNGOレポートをつくる会から日本女性監視機構へ
4 女性差別撤廃条約日本レポートの審議ーー国際女性の地位協会と日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク
おわりに
補論
第1章 衆議院における女性差別撤廃条約承認審議
はじめに
1 会議の日程と構成
2 条約と国際社会とのかかわり
3 条約に対する日本政府の見解
4 他の人権条約との関係
5 関連して触れられたトピック
6 その他の事項
第2章 参議院における女性差別撤廃条約承認審議
はじめに
1 第102回国会参議院外務委員会:会議の日程と構成
2 条約制定過程における日本政府の態度
3 条約締結の意義
4 条約各条文と国内法制の関係
資料
1 女性差別撤廃条約
2 女性差別撤廃条約選択議定書
3 女性差別撤廃条約・選択議定書締約国ーーレポート提出・審議状況一覧
4-1 第2次・第3次日本政府レポート審議に対する女性差別撤廃委員会による「最終コメント」
4-2 第4次・第5次日本政府レポート審議に対する女性差別撤廃委員会による「最終コメント」
あとがき
索引
初出一覧
「プリキュアより仮面ライダーのほうが強い」と息子に言われたら、どうすればいい?--前著『これからの男の子たちへ』が大反響だった弁護士の太田啓子さんと、「男性学」研究の第一人者・田中俊之さんが語り合う“令和版・ジェンダーレスな男子の子育て論”。雑誌『STORY』のWEB連載を再構成し、かつ書籍化にあたり、灘中高等学校の名物教師や、YouTubeの性教育コンテンツが話題のバービーさんなど、4名のキーパーソンを取材。
人は必ず死ぬことを知っている。
それが感性の源泉であり、
AIとの決定的な違いである。
AI、ゲノムと生命倫理、ヒトクローン、
ジェンダー、寿命、人間らしさ…etc.
20年後の将来ビジョンを養成する、
慶應SFC教授の人気講座が一冊の本になりました!
序章 将来ビジョンを持とう
第1章 歴史から読み解く「AIの実力」
第2章 A I と人間の違いとは?
第3章 ゲノムと生命倫理
第4章 これからのジェンダー論
第5章 ヒトクローン技術の倫理
第6章 人はなぜ老いるのか
第7章 なんのために生きているのか
トランス男性はどこにいるのか。移行後の実生活に根差して「男性」の範疇でトランス男性をとらえ直すとともに、これまでその存在がまったく想定されていない「男性学」に対して、当事者の視点から新たな見方を提起する意欲作。
はじめに
第1章 トランス男性とは
トランス男性とは
トランスジェンダーの用語
トランス男性の人生
トランス男性の治療
トランス男性が社会的に男性化するときのステップ
第2章 既存の男性学と、トランス男性の不在
男性学とは何だったのか
日本の男性運動の歴史
男性学はフェミニズムと手をとるのか
男性同士で同じものへ向かう
男性学においてトランス男性はどこにいる?
男を男たらしめる、覇権的男性性とは
トランス男性が獲得させられる男性特権
メディアにおけるトランス男性の不在
トランス男性の現状から
トランス男性は弱者男性なのか?
弱者男性論の抱える問題
男性差別の実態
ラディカル・マスキュリズムへの警戒
コラム 『幽☆遊☆白書』から読みとるトランス男性の不在
第3章 トランス男性の発掘
男性外部からのアプローチ
男性内部からのアプローチ
新しい視点から
第4章 第一の切り口:フェミニズムに囚われるトランス男性
なぜトランス男性とフェミニズムは親和性を持ちうるのか
「ピンクの赤ん坊」だったトランス男性
ラディカル・フェミニズムへの接近
トランス男性がフェミニズムに関わり続けることの困難さ
だからトランス男性はフェミニズムと別れなければならない
第5章 第二の切り口:トランス男性は男性学に潜在していたのか
トランス男性は主張しない?
少年と成人男性の対比
男性内部の多様性
トランス男性とゲイセックス
男性ホルモンによる性的感覚の変化
トランス男性の孤立した心理
男性同性愛という歴史
トランス男性にとっての同性愛
ゲイの男性性
コラム 『POSE/ポーズ』に見るトランス男性の不在と、夫人の抱える“名前のない問題”
第6章 第三の切り口:トランス男性の男性性を探して
トランス男性の男性性
Self-Organizing Men--トランス男性によるトランス男性のための本
女性コミュニティにいたトランス男性
女性との差異ーートランス男性の「胸」
ペニスのない男性
トランス性を残したいトランス男性について
なぜ手術要件なしで戸籍変更希望のトランス男性がいるのか
トランス男性の孤独と向き合う
おわりに
参考文献
戦争、災害、夢、ジェンダーなど「トラウマ」をめぐる今日的なテーマについて、精神分析に軸足をおく臨床家の粋を尽くした一冊。
序 文……藤山直樹
第一部 精神分析とトラウマ
第一章 フロイトの外傷概念の展開とその今日的意義に向けて……岡田暁宜
第二章 フェレンツィとトラウマ……細澤 仁
第三章 トラウマとビオンーー非表象領域の探究……松木邦裕
第四章 ウィニコットと外傷……関真粧美
第二部 人間存在とトラウマ
第五章 「私」たちのトラウマと罪悪感についてーー「母殺し」から「巻き込まれ型原光景」へ……北山 修・荻本 快
第六章 夢見ることができない、についてーートラウマをめぐる夢の試論……筒井亮太
第七章 戦争とトラウマ……上田勝久
第八章 芸術とトラウマーー三島由紀夫と虐待後遺症……祖父江典人
第九章 災害とトラウマ……浜内彩乃
第一〇章 ジェンダー論から見たトラウマーーヒステリー、ホモソーシャル、女性のエクリチュール……日野 映
なぜみずからの性別に違和感をいだくのか?どのようにして、割り当てられた性別とは異なる性同一性を形成していくのか?「ある性別として生きる」とはどういうことなのか考えてみたい、すべての人におくる一冊。
序章 「ある性別として生きる」とはどういうことかー新たな性別観呈示のために(多様な性に関する諸概念
本書の構成)
第1章 これまでの性別観はどのようにつくられてきたかー本書の背景(性別観をめぐる学校教育領域とマス・メディア領域の立場の違い
これまで性同一性は、何によって形成されると考えられてきたのか
遺伝と環境要因をつなぐ行動遺伝学研究
“病理”としての性的自己の非典型性)
第2章 研究1 双生児データによる性同一性障害傾向の発達メカニズム(小児期から成人期までの性同一性障害傾向の遺伝と環境の影響)
第3章 研究2 多様な性同一性の形成(性同一性の測定法
身体への医学的介入とジェンダー・アイデンティティの関連
典型的性役割とジェンダー・アイデンティティの関連
性的指向の諸側面
他者や社会からの受容とジェンダー・アイデンティティの関連
ストレスコーピング・スタイルとジェンダー・アイデンティティの関連
規定されないものとしてのジェンダー・アイデンティティ)
終章 これからの性別観ー総合考察(多次元モデルからみた性同一性
多様で流動的な性別のあり方)
認知科学の概念「プロジェクション」とは、自分の内的世界を外部の事物に重ね合わせるこころの働きのことである。
プロジェクションには “推し”の存在に生きる意味を見出すようなポジティブな面がある一方で、霊感商法、オレオレ詐欺、陰謀論、ジェンダー規範など、他者によってこころを操られたり自分自身を無意識のうちに縛ったりすることでネガティブな問題を生じさせる面もある。
実際には起きていないことや存在しないものを想像して現実に投射できるがゆえに生まれる「イマジナリー・ネガティブ」を認知科学の視点で考察する一冊。
久保(川合) 南海子 (くぼ(かわい) なみこ)
1974年東京都生まれ。
日本女子大学大学院人間社会研究科心理学専攻博士課程修了。
博士(心理学)。
日本学術振興会特別研究員、京都大学霊長類研究所研究員、京都大学こころの未来研究センター助教などを経て、現在、愛知淑徳大学心理学部教授。専門は実験心理学、生涯発達心理学、認知科学。著書に『「推し」の科学 プロジェクション・サイエンスとは何か』(集英社新書)、『女性研究者とワークライフバランス キャリアを積むこと、家族を持つこと』(新曜社)ほか多数。
エッセイスト・酒井順子氏 推薦!
「ここまで書いてしまっていいの?」と思わせるほどの筆致が清々しい。
部活動での体罰や、勝利至上主義、アスリートのメンタルヘルスなど、近年スポーツに関する様々な問題が浮上している。
この構造を温存させてきたのが、理不尽なことにも従順に従う風土である。
それによって「体育会系」学生は、無理な仕事も拒まないと見なされ、就職活動でも有利に働き、組織の中で重用されてきた側面がある。
しかし、スポーツの価値はそこにあるのではない。
スポーツによって磨かれるのは、論理的かつ戦略的な思考、コミュニケーション能力、そして何より忖度なくフェアにプレー(行動)する精神である。
これらは社会の分断を乗り越え、コミュニティを支える基盤ともなる。
つまりスポーツには、社会を変革する力がある──。
本書では日本のスポーツ界に潜む病根を忖度なく指摘し、スポーツの真の価値を提言する。
【「はじめに」より】
スポーツを通して自分とは異なる他者と出会い、力を合わせて競技する中で、多様性の重要性を理解したり、コミュニケーション能力が高まります。
スポーツを介したつながりは、コミュニティを支える基盤にもなり得ます。また、スポーツによって鍛えられる分析力や行動力、戦略性は、学業やビジネスにも役立ちます。
本書ではこのような「スポーツの多様な価値」を考えたいと思います。
【目次】
はじめに…スポーツは感動の「打ち上げ花火」?/スポーツ観が変われば社会が変わる
序章ー東京五輪の「レガシー」とは何だったのか?…東京五輪検証の意義/勝利至上主義が選手を追い詰める/アスリートのメンタルヘルスを守るために/希望の萌芽
第1章ー子どもが輝くスポーツのあり方…若年層の全国大会は必要ない/フランスの親はなぜ子どもに柔道をさせるのか/自己評価ができれば弱くても続けられる
第2章ースポーツから考えるジェンダー平等…指導者の資質に男女差はない/「数」から「質」へ
第3章ー沈黙するアスリートたち…声を上げる海外の選手たち/毅然とした態度が取れない日本のスポーツ界
終章ースポーツの価値とは何か…スポーツは社会を映す鏡/「体育会系」がもてはやされる時代の終焉/スポーツが文化となるために
おわりに
【プロフィール】
山口香(やまぐち かおり)
筑波大学教授。柔道家。第1回全日本女子体重別選手権大会で最年少優勝。以後10連覇を達成。世界選手権では4個の銀メダルと、日本女子初の金メダルを獲得。1988年ソウル五輪では銅メダルに輝き、翌年引退。シドニー五輪、アテネ五輪で日本柔道チームのコーチを務めた後、日本オリンピック委員会(JOC)理事などを歴任。