乳幼児期のことを思い出して、ああだったこうだったと言って興奮したり
涙を流したりすること自体が治療だと思う
治療の鍵は,乳幼児期の記憶。その記憶は,人間の一生に深い影響を与える。本書は,児童精神科医として稀代の存在である小倉と,発達障碍の臨床実践・臨床研究において第一人者である小林による論文・対談を収録した1冊である。「乳幼児期のことを思い出して、ああだったこうだったと言って興奮したり涙を流したりすること自体が治療だと思う」とする小倉と,臨床実践や調査・研究から母子の関係性と病理を解明してきた小林による治療論。子どもから成人まで多くの事例をもとに,こころが形作られる原点をめぐる治癒を探る。
小倉 ケースバイケースで、そのときの勘でもって決めればいいんじゃないかと思う。自分の勘を信じて。
小林 小倉先生。それはとってもよくわかるんですけど……その、勘でとかいうふうになっちゃうとそれ以上に議論が進まなくなって。ああ、やっぱり名人は違うなっていう感じになっちゃうわけですよ。
小倉 そうかあ。
小林 だから、勘があんまりよくない人間にとっても、ああそういうことでそうなるのかっていうふうに、わかるようにしていかないといかんなという感じで、今日は先生からいろいろ話を探ろうとしているわけですよ。
はじめに──本書が生まれた経緯
1
乳幼児期の母子関係からみたこころの病の成り立ち
関係に着目するようになったのはなぜか/母子関係の観察をどのように行なったか/「行動」ではなく「情動(甘え)」に着目すること/一歳台にみられる母子関係の様相/母親から見た子どもと母子関係からみた子ども/甘えのアンビヴァレンス/アンビヴァレンスによる子どもの反応の多くは誰にでも理解できる/二歳台にみられる母子関係の様相──アンビヴァレンスによる不安と緊張への対処法/アンビヴァレンスを捉えることによって治療は展開する
2
患者の面接で語られる乳幼児体験
大学も教科書も、まるで面白くない/犯罪者の幼少期体験/子育てを勉強するためにアメリカに行ったところ……/医学部に入るための二歳塾?/赤ちゃんを観察して思うこと/親たちの世代の時代環境と子育て/さいごに
3
対談 乳幼児体験とこころの臨床
写真を見る/幼い頃の記憶が蘇る/治療のターニングポイント/土居のカルテ・日本語/ジェノグラム/観察の大切さ/乳幼児体験/親への怒りをどう扱うか/負の世代間伝達について/生まれる前の記憶/まとめ
4
患者の面接で語られる乳幼児体験
はじめに/1 思春期症例の臨床/2 思春期の特徴とその家族との関係性/3 症例の提示/4 治療戦術について/おわりに
5
罪を犯した人との面接でみられる「甘え」のアンビヴァレンス
はじめに/詐欺事件を起こした人との面接を通して感じたこと/犯罪者の生育史からうかがわれる幼少期体験/罪を犯した人の対人的構えを「発達」という視点から考える/「甘え」とアタッチメント/犯罪者との面接で大切なこと/乳幼児期の母子臨床からみた「甘え」のアンビヴァレンス/彼の変化にどう応じたか/面接で「関係」をみるコツ/おわりに
ほか
糖尿病診療や療養指導の現場で感じるいまさら聞けない教科書には載っていない様々な疑問に対し,朝日生命成人病研究所を中心としたベテランの医師・医療スタッフが,Q&A形式で明快に解答.知っていると差がつくコラムやホットなトピックスも多数収載.わかりやすい説明で,臨床現場での実践のレベルアップが図れる.付録として,フットケアの記録用紙や糖尿病食の献立例なども収載.
5年ぶりの改訂により最新のエビデンスを反映し,日本における糖尿病診療の指針を示したガイドラインの2024年版.今改訂においてもClinical Question(CQ)形式を踏襲し,作成手順・基準は 『Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020』を参考とした.国内外問わず,精査された多くのエビデンスを盛り込み,糖尿病専門医だけでなく,糖尿病患者を診るすべての医師にとって必携の一冊.
管理栄養士・栄養士において重要かつウエイトの高い業務である「栄養の指導」,「栄養教育(指導)」についてのテキスト。栄養教育の概念,理論的基礎,栄養教育マネジメント,国際的動向などを網羅。
日本人の食事摂取基準の改定(2020)に応じた変更、修正、第4章ライフステージ・ライフスタイル別栄養教育に栄養教育プログラムの実際の項を設け、隣地郊外実習など実務に役立つ内容を追加した第6版。
<執筆者>
土江 節子、安田 敬子、井上 久美子、小川 万紀子、小林 実夏、秋吉 美穂子、橋本 弘子、清水 扶美、平田 庸子、小倉 有子、高橋 律子、馬渡 一諭、大瀬良 知子
1 栄養教育の概念
1.1 栄養教育の定義
1.2 栄養教育の対象と機会
2 栄養教育のための理論的基礎
2.1 行動科学の理論やモデルと栄養教育
2.2 行動科学の理論とモデル
2.3 行動変容技法と概念
2.4 栄養カウンセリング
2.5 組織づくり・地域づくりへの展開
2.6 食環境づくりとの関連
3 栄養教育マネジメント
3.1 健康・食物摂取に影響を及ぼす要因のアセスメント
3.2 栄養教育の目標設定
3.3 栄養教育計画立案
3.4 栄養教育プログラムの実施
3.5 栄養教育の評価
4 ライフステージ・ライフスタイル別栄養教育
4.1 妊娠期・授乳期
4.2 乳幼児期の栄養教育
4.3 学童期・思春期の栄養教育
4.4 成人期の栄養教育
4.5 高齢期の栄養教育
4.6 傷病者および障がい者の栄養教育
4.7 障害者の栄養教育
5 栄養教育の国際的動向
5.1 わが国と諸外国の食生活の比較
5.2 先進的における栄養教育
5.3 開発途上国の栄養教育
巻末資料
1 栄養教育に必要な基礎知識と教材
2 栄養教育に関係する法律・通知および疾患治療ガイドライン
<演習問題>
索引
地域に密着した臨床心理士たちによる子育て支援実践のレポート。子どもの発達年代ごとに、各施設での実践を豊富に盛り込んだ希有の書。
●管理栄養士国家試験出題基準に沿って目次を立て、要点を簡潔に解説。
●大学・短大・専門学校など、管理栄養士・栄養士養成施設のテキストに最適です。
●管理栄養士を目指す方の参考書として、毎日の学習をサポート。
●図表を多数活用。視覚を通じて本文の流れがわかります。
●直近5回の管理栄養士国家試験で出題された語句や内容について、出題番号を併記。
●重要なキーワードを色つきで表記。解説を同ページ内に掲載し、スムーズな理解を助けます。
●コラムでは、知っておきたい知識について解説。
●各章末には、その章に関する復習問題を掲載しました。
この本を読むだけで、国家試験合格力がきっちり身につきます。
国試対策に必携の一冊です!
【本書の特長】
■よくわかるテキスト、イラスト、写真
■過去問を徹底分析!項目ごとに重要ポイントを収録
■隠しておぼえるチェックシートつき!
第1章 婦人科領域
第2章 産科領域
第3章 新生児〜思春期
第4章 助産概論
第5章 母子保健
第6章 助産管理
がん治療が生殖機能に及ぼす影響、生殖補助医療の基本と妊孕性温存治療など、がん・生殖医療に携わる医療者に必須の知識をビジュアル解説。さらに、妊孕性温存に至るまでのチーム医療を事例で紹介するとともに、多様で個別的な支援に役立つ視点をQ&Aで提供。患者・家族説明にも役立つ一冊。
1:春の予感ーI’ve been mellow
2:赤い風船
3:思春期
4:木綿のハンカチーフ
5:まちぶせ
6:UFO
7:ひまわり娘
8:グッドバイマイラブ
9:タッチ
10:木枯らしに抱かれて
11:時をかける少女
12:プレイバック Part2
13:せんせい
14:セカンドラブ(セカンド・ラブ)
15:やさしい悪魔
16:セーラー服と機関銃
17:オリビアを聴きながら
18:瞳はダイヤモンド
不定愁訴の画期的著作、待望の翻訳!このような症状はどのように生じていて、どのように治療するべきなのか!?心療内科医・総合診療医・あらゆる内科の専門医と不定愁訴に携わるすべての方へ!
曲を聴けば名シーンがよみがえる
ガンダムシリーズ45周年を記念し、数々の名シーンを彩り、シリーズの魅力のひとつでもある“劇伴”にスポットをあてたアルバム。
収録曲は各作品からファン投票の結果をもとに収録。ジャケットは、メカニックデザイナー・大河原邦男による新規描き下ろし(RX-78-2 ガンダム、シャア専用ザク)。
外来小児科の重要点を明確に示した小児プライマリ・ケア診療の決定版!!これからの未来に向けて、小児科医が小児プライマリ・ケアに適切な対応ができる知識と、それに必要な新しい視点を示唆する。小児内科に限定せず、骨折など外傷に対する対応や眼科疾患、耳鼻咽喉科疾患、歯科口腔外科、さらに今まで他書であまり触れられていない薬物中毒やエナジードリンクによる健康被害、小児虐待、家族ケア、ヤングケアラーの問題など、内容は多岐に及んでいる。これらは今後、小児科医にとって必須の情報になるはずである。本書はプライマリ・ケアで小児を診るすべての医師に必読の書である。
1型糖尿病患者の療養指導に必要なカーボカウント(Carbohydrate Counting)、インスリンポンプ(Continuous Subcutaneous Insulin Infusion: CSII)、CGM(Continuous Glucose Monitoring)の3Cについて、80題の演習問題を解きながら知識を身につけていくことができる。設問には基礎的な知識を問うものや、療養指導上で対応に迷う場面などを取り上げている。改訂にあたっては,日本国内で使用が可能となったリアルタイムCGMを搭載したセンサー付きインスリンポンプ(SAP)の解説を中心に内容の充実をはかった.
反響を呼んだ『ヒトはなぜ神を信じるのか』『性倒錯者』『ヒトはなぜ自殺するのか』の著者によるエッセイ集.性と信仰の話題に加え,自殺についても語る.生物学や進化心理学の視点から,われわれ人間の本性を,ユーモアも交え鋭く分析.気になる題名のエッセイから読んでほしい.下品,不謹慎の先にある真実.
1 どうしてぶら下がっているの? その理由
2 自己フェラチオの道(もうちょっとなんだけど)
3 なぜペニスはそんな形なのか? 亀頭冠の謎
4 早漏のなにが「早過ぎ」?
5 ヒトの精液の進化の秘密
6 あそこの毛ーーヒトの陰毛とゴリラの体毛
7 カニバリズムの自然史
8 なぜにきびができるのか?--裸のサルとにきび
9 脳損傷があなたを極端なほど好色にする
10 脳のなかの性器
11 好色なゾンビーー夜間の性器と夢遊
12 マスターベーションと想像力
13 小児性愛と思春期性愛
14 動物性愛
15 無性愛者の謎
16 足フェチーーポドフィリア入門
17 ゴム偏愛者の物語
18 女性の射出
19 「ファグ・ハグ」--男が好きな男を好きな女
20 女性のオルガスムの謎
21 意地悪の進化ーーなぜ女の子どうしは残酷なのか?
22 ゲイに道は聞くな
23 抑圧された欲望としてのホモ恐怖
24 失恋,性的嫉妬ーーゲイの場合
25 トップかボトムか,それとも
26 プレ同性愛者ーー性的指向を予言する
27 (日曜だけは)敬虔な信者
28 産めよ,増えよーー信者の産む子どもの数
29 亡き母の木
30 自殺は適応的か?
31 自殺者の心のなか
32 ヒトラー問題で考える自由意志
33 笑うネズミ
ストレス科学最前線の知見から、ライフサイクルに寄り添う臨床心理学を構想する。生涯発達と生物ー心理ー社会のアプローチから、周産期、児童期、高齢者、生活習慣病、がん、災害被災者などのストレスの問題とその対処、コーピング実践を考える。