本書は環境教育学の基礎理論の構築、および、その深化と越境を求めるという複眼的な視点を併せ持ち、環境教育の発展のために教育学的見地からアプローチした意欲的な研究書である。前半では基礎理論の構築を目指し、後半では環境教育の教育的価値論の検討と他の教育分野への越境をもくろんでいる。
第一部の「環境教育学の基礎理論」では、学理論の構築を目指すために、用語の詳細な検討と環境教育の黎明期の歴史について検討する。用語、環境教育史、環境問題史を概観した後で、教育学的アプローチの特質と意義やその必要性、理論的な研究の意義について論じる。底流に流れる問いは「そもそも環境教育とは何か」である。
第二部の「環境教育学の越境を求めて」では、環境教育のダブルバインド状況を描出し、環境教育における教育的価値論の必要性を確認する。また、環境教育の教育的価値論を本格的に検討する。さらに、環境絵本を手掛かりに環境教育の領域の境界を超える試みを行う。底流に流れる問いかけは「環境教育はなんであることにしようか」である。
第一部 環境教育学の基礎理論
序 章 本書の課題と構成
第一章 用語「環境」「環境教育」の系譜
第二章 黎明期の環境教育成立史に関する教育学的考察
第三章 環境問題史に関する基本的考察
第四章 環境教育に対する教育学的アプローチの基盤
第五章 環境教育学の学理論に関する基礎的考察
第二部 環境教育学の越境を求めて
第六章 環境教育ダブルバインド論を超えて
第七章 「持続可能性」概念を基盤とした環境教育理念
第八章 「ある存在様式」を手がかりとした環境教育理念
第九章 絵本のなかの 既存型環境教育を求めて
終 章 生きる環境教育学
SDGsを「知る」から「実行する」へとステップアップするために必要な考え方・動き方を解説。システム思考、シナリオ・プランニング、異分野コミュニケーション、環境倫理、感情知性、統合報告などを使いこなし、組織・分野を超える環境・社会・経済の統合的イノベーションを実現する「ソーシャル・プロジェクトの担い手」の思考法がこの一冊でわかります。20世紀型思考を超え、持続可能な世界を創る一員となりたい方は必読です。
ブルデューの原点。大学における形式的平等と実質的不平等の謎を科学的に解明する文化的再生産論の古典的名著。
1:■第1章:ソルフェージュの背景
2:1.ギリシャとローマ
3:2.フランス
4:3.日本
5:■第2章:音楽大学の入学試験
6:1.聴音
7:2.視唱
8:3.その他、初見視奏など
9:■第3章:教育の歴史と現状
10:1.フランス
11:2.フォルマシオン・ミュージカル
12:3.日本
13:■第4章:教育の現状と問題点
14:1.視唱
15:2.聴音
16:3.その他
17:■第5章:教育への提言
18:1.視唱
19:2.聴音
20:3.その他
21:■第6章:基本的理解
22:1.拍と拍子
23:2.旋律
24:3.調とは
25:■第7章:リズムの理解
26:1.リズムとは
27:2.溜めとは
28:3.動いてみる
29:■第8章:和声の理解
30:1.和音とは
31:2.和声とは
32:3.非和声音
33:■第9章:本質的理解
34:1.速度標語
35:2.強弱記号
36:3.発想標語
37:■第10章:総合化へ向けて
38:1.日本人の特質
39:2.フォルマシオン・ミュージカルの応用
40:3.創造性
公害を現代的に捉え直すために、公害経験の多面性を理解し、公害経験が持つ普遍性を考える。公害経験の継承というテーマに正面から向き合った論集テキスト。
第1部 なぜ今,公害経験を継承するのか
第1章 現在・未来に生きる公害経験
「記憶」の時代における継承 清水万由子
1 公害経験をめぐる時代状況
2 価値転換の模索
3 「記憶」の時代における公害経験の継承
4 公害経験を現在・未来に生きるものとするために
第2章 「困難な過去」から「地域の価値」へ
水俣,倉敷・水島の事例から考える 除本理史
1 なぜ公害経験を継承するのか:地域再生の視点から
2 「困難な過去」から「地域の価値」へ
3 「地域の価値」とパブリック・ヒストリー実践
4 水俣「もやい直し」は何をめざしたのか
5 「地域の価値」をつくる:「みずしま地域カフェ」の取り組みから
第2部 フォーラムとしての公害資料館
第3章 公害資料館ネットワークは何をめざしているか
多視点性がひらく「学び」と協働 林美帆
1 公害経験の継承をめぐる多視点性と協働
2 公害資料館ネットワークの設立までの基盤づくり
3 公害資料館ネットワークの設立と活動
4 他分野との学びの共有
5 円卓会議と協働
第4章 教育資源としての公害資料館
困難な歴史を解釈する場となるために 安藤聡彦
1 公害資料館は何のための施設か?
2 データにみる公害資料館の教育活動の実態
3 困難な歴史を解釈する場としての公害資料館
4 「困難な歴史」をめぐる「学習の困難」
5 教育資源としての公害資料館:その三つの要素
第5章 福島原発事故に関する伝承施設の現状と課題
民間施設の役割に着目して 除本理史・林美帆
1 福島県内の伝承施設
2 公的施設の現状と課題
3 福島県立博物館の震災遺産展示
4 民間施設は何をめざしているか
5 民間施設の意義と役割
第6章 記憶を伝える場としてのミュージアム
国際的な潮流を踏まえて 栗原祐司
1 博物館とは
2 ICOMにおける議論
3 Museumの定義の見直し
4 フォーラムとしてのミュージアム
第3部 公害資料の収集・保存・活用
第7章 公害経験の継承と公害資料
アーカイブズとしての公害資料館 清水善仁
1 アーカイブズとしての公害資料
2 公害資料の所在状況調査からみえてきたこと
3 公害資料の管理をめぐる論点
4 アーカイブズとしての公害資料館
第8章 社会変革に向けた社会運動アーカイブズの役割
薬害スモン被害者団体記録から 川田恭子
1 運動とアーカイブズ
2 薬害被害者運動からみる記録の力
3 経験の継承に記録を活かす
4 社会のなかの記録の役割と責任:豊かな未来をめざすために
第9章 公害資料の活用を促す仕組み
環境アーカイブズの活動から 山本唯人
1 公害資料の活用を促す:「深い活用の促進」という視点から
2 目録・資料群の充実を目的とした寄贈者への聞き取り:
資料の文脈を補う資料の収集
3 学部生向けガイダンス:大学教育との連携
4 「語り」という資料の将来:平和博物館との比較を通して
5 結 論
大阪・保育所聖愛園の「障害」児共同保育50周年を記念して刊行するブックレット(インクルーシブ(共生)教育研究所双書)。本書は,長年にわたる保育実践の研究成果をまとめたもので,子どもたち一人ひとりが, 民主的な社会を担う人として生きていってほしい,との願いをこめて記した子ども讃歌。
メコン流域諸国はアジア先進国から資本・技術・経営資源が導入されアジアでのダイナミックな分業に参加することで発展が促されてきた。また、ASEAN後発国であるこれら諸国はASEAN共同体や東アジア共同体の形成を通じてさらなる発展が期待される。本書はアジアダイナミズムのコンテクストの下で、その潜在性と発展条件を様々な視点から究明する。
圧倒的大多数の現地語といくつかのヨーロッパ諸語の織りなす重層的な多言語使用の実態。危機言語、母語主義といった西側世界による介入。それらがつくり出す複雑な言語状況を概観し、サハラ以南アフリカ14カ国の、ことばと社会をめぐる諸問題を具体的に論じる。アフリカ社会を理解するうえで、なぜ言語問題が重要なのかを明らかにし、アフリカ地域研究への新たな視点を提示。
『社会保障裁判ーー戦後社会保障権運動の発展』(小川政亮編・ミネルヴァ書房・1980年)の続編。裁判の背景・原告の思い・実務家等との協働を重視する「現場主義」に基づき1980年以降の社会保障をめぐる裁判を分析する。
また、困難を抱えている人々の生活と法制度の実態を解明し、すべての人が人間の尊厳に値する生活ができる社会を創ることを目的とした学問体系である「創造的法学」の視座・手法を裁判研究を通して提示。
単なる判例分析に留まらない人権保障のための学問のあり方を、自分たちの裁判活動を含む研究活動を以て示した一冊。
日本語学習者による韻律の習得研究は、重点領域「日本語音声における韻律的特徴の実態とその教育に関する総合的研究」(1989〜1992)により広がった。本書では、東京語アクセントテスト、OJAD開発等の研究史を振り返り、国内外の音声指導、学習者音声の韻律的特徴、日本語音声の国際化と、盛り沢山の内容で日本語学習者音声研究の過去から未来に迫る。
執筆者:阿部新、磯村一弘、上山素子、王睿来、王可心、金村久美、河津基、木下直子、木元めぐみ、クリス シェパード、柴田智子、孫悦、伊達宏子、陳凱僑、中川千恵子、中村堯、波多野博顕、林良子、松田真希子、峯松信明、林萍萍
はじめに
第1部 学習者による韻律習得研究
第1章 日本語学習者による韻律の習得研究
林良子
第2章 日本語アクセント・イントネーション研究と教材開発を振り返って
河津基・中川千恵子
第3章 OJADが生まれるまで
ー異分野交流に基づくシナジーの裏話ー
峯松信明・伊達宏子・中川千恵子
第2部 学習者による日本語韻律の音声的特徴
第4章 日本語学習者による韻律の典型的特徴について
ー母語別にみた疑問発話と非疑問発話の比較ー
波多野博顕
第5章 学習者による日本語韻律実現からみたダウントレンド
ーロシア人学習者が産出した平叙文的な名詞句との対比からー
木元めぐみ
第6章 日本語におけるフォーカス発話の音声的特徴とその習得
ー中国人学習者を対象としてー
孫悦・陳凱僑・王可心
第7章 イタリア人上級日本語学習者の感情音声
ー異文化適応の視点からー
上山素子
第8章 日本語学習者による感動詞文の音声的特徴
ードイツ語母語話者を対象としてー
中村堯・林良子
第9章 アクセントの「モヤモヤ」
中川千恵子
第3部 日本語韻律の表記・計測と評価
第10章 「方向観」にもとづいた日本語アクセント表記の必要性
ー日本語教育の立場からー
磯村一弘
第11章 第二言語のリズム習得と評価
木下直子
第12章 日本語学習者の読上げ音声に対する母語話者の聴取崩れ計測とその音声的要因に関する分析
峯松信明・金村久美
第4部 世界の日本語音声教育における指導・評価と実践
第13章 世界各地の日本語音声指導の実態
ー教師対象アンケート結果による分析ー
阿部新・磯村一弘・林良子
第14章 日本語初級学習者のための発音の自律学習
柴田智子
第15章 中国語母語話者を対象とした日本語発音教育シラバス作成の試み
ー中国語母語話者教師の判定に基づいてー
王睿来・波多野博顕・林萍萍
第16章 日本語アクセント学習において高低観に基づく読み上げ対応表示形式を用いる利点
ー日本語教育現場での実践からー
金村久美
第17章 異なるアクセント理論がE2E 音声合成の自然性に与える影響とそれに基づく教育的考察
峯松信明
第5部 日本語音声の受容と国際化
第18章 日本語非母語話者の発音への適応
ー「聞き手の国際化」に向けてー
木下直子・クリス シェパード
第19章 コンタクトゾーンにおける日本語複言語話者の発音「戦術」の諸相
松田真希子
巻末資料
あとがき
索引
2000年に国連加盟国が合意した「ミレニアム開発目標」を軸に、現代の国際社会が抱える主要な問題群を解決するための理論と実践をともに学ぶテキスト。国際機関、援助実施機関、NGOなどでの実務経験をもつ執筆陣が自身の経験もふまえて解説する。
ホンモノ(人や物)を通して異文化と出会う学びの場を、
教育現場でいかにつくりあげるか。そこでは、どんな学びを目指し得るのか。
本書はワークショップを切り口に、体験を通じた学びの意義と手法が学べる一冊。
桜美林草の根理解教育支援プロジェクトの四半世紀の実践・研究の成果として、
8つのワークショップをオールカラーで一挙紹介!
【序章】桜美林草の根国際理解教育支援プロジェクトとは
【第1章】ホンモノを活かす教育支援の仕組み
【第2章】大公開!草の根プロジェクトのワークショップメニュー〈モノ編〉
【第3章】大公開!草の根プロジェクトのワークショップメニュー〈ヒト編〉
【第4章】人材・実物を活かした学びづくりのヒント
【第5章】ワークショップとはーーーーヒト・モノを活かすための教育手法として考える
【第6章】異文化とともに生きるために
早稲田大学教育総合研究所による“教育最前線公開講演会”を収録。
特別支援教育の考え方と制度を正しく認識し、対象者である発達上の遅れや問題をもつ子どもたちに
共通して見られやすい「がまんできない」という現象を、生物・心理・社会の各立場から論考。
読みやすい平易な文章で、今日の教育的な課題や問題について専門家の視点から解説。
【執筆者】
上月正博、筒井和義、坂爪一幸、村松 励、湯谷 優、村松 励、宮古紀宏
第1部 「がまんできない」を考える
・特別支援教育と今後の学校教育・・・・・上月正博
・「やる気」の根源を探るー生物学の立場からー・・・・・筒井和義
・「がまんできない」の」症候学ー高次脳機能の立場からー・・・・・坂爪一幸
・少年犯罪における「衝動性」-非行臨床の立場からー・・・・・村松 励
第2部 青少年非行の実態と対策ーあらためて非行と子どもを考える
・非行の実態ー面接・電話相談の現場から・・・・・湯谷 優
・犯罪の心理臨床ー機序と対応法・・・・・村松 励
・矯正教育の現場からー対応と課題・・・・・宮古紀宏
本書はヴィゴツキーから始まる社会文化理論に依拠し、日本語教室における主体性に基づく自発的発話とプライベートスピーチを分析した研究である。本書では日本語学習が個人の認知過程に還元されるものではなく、相互行為を通じて社会的に構成される過程であることを、上記の分析に基づき実証的に明らかにした。これは第二言語習得研究と日本語教室研究に新たな視座を提示し、教育実践と学術的議論の架橋を試みる学術的成果である。
2017年からドイツで適用された、多様な特性を持つ子どもに対応した新しい学習指導要領が、実際の学校現場にどのように反映されているのか、現地視察をもとに紹介。障害児者をはじめ移民・難民の子どもも含めたドイツのインクルージョンの最新事情を知る上でも有益な一冊。