昭和38年11月、アメリカから初めて衛星放送された映像が伝えるケネディ暗殺のニュースは今も脳裏から離れない。これは衝撃醒めやらぬ翌年1月に行なわれた追悼ミサのライヴ。ドキュメントとしての貴重さは言うに及ばず、演奏の質の高さも特筆すべきである。
33歳で亡くなったルーマニア出身のピアニスト、リパッティの代表的なアルバムのひとつ。ショパンもモーツァルトも唯一の録音だが、現代のピアニストからは味わえない独特の香りを放っており、大いに聴く価値がある。