・後天的なDNA変異を持った細胞がクローン性に増殖する現象はがんに代表されるが、DNA解析技術の進展により、がんを持たない個人においても同様の現象(体細胞モザイク)は決してまれではないことがわかってきた。
・この体細胞モザイクの細胞が持つ後天的変異は、一塩基レベルだけでなく染色体レベルにも及びうること、それらは同じ細胞に同時に発生する場合もあればそうでない場合もあることなどがわかってきた。
・臓器・組織ごとの後天的なDNA変化とクローン性の細胞増殖の病態基盤が明らかになれば、なにより個人ごとの疾患発症リスクの同定や早期発見・治療や介入が可能になり、健康寿命の延伸や福祉につながることが期待される。
■ 体細胞モザイク -後天的ゲノム変化がもたらす未来
・はじめに
・血液の体細胞性モザイク(一塩基)
〔key word〕体細胞性モザイク、クローン性造血(CHIP)、ドナー由来白血病、治療関連骨髄性腫瘍、造血幹細胞移植
・知っておきたい血液中の体細胞における常染色体由来のモザイク
〔key word〕体細胞、染色体モザイク、クローン性造血(CH)
・SNPアレイデータによる血液のY染色体モザイク解析
〔key word〕モザイク型Y染色体喪失(mLOY)、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、多遺伝子形質(polygenic trait)、SNPアレイ
・体細胞モザイクと感染症
〔key word〕体細胞モザイク(mCA)、感染症、加齢
・クローン性造血における遺伝子変異とコピー数異常の相互作用
〔key word〕クローン性造血(CH)、遺伝子変異、染色体コピー数異常(CNA)、血液腫瘍、心血管疾患
・正常気管支上皮における体細胞変異
〔key word〕モザイク、気管支、体細胞変異、肺がん、喫煙、
・食道の体細胞モザイク
〔key word〕加齢、生活習慣、変異原、体細胞変異、ドライバー変異
・大腸における体細胞モザイクとクローン拡大
〔key word〕大腸のクローン拡大、潰瘍性大腸炎(UC)、IL-17シグナル経路、自然選択、NFKBIZ
●TOPICS
糖尿病・内分泌代謝学
・メタボリックシンドロームの病態制御に新しい考え方をもたらした代謝産物センサー分子の同定
癌・腫瘍学
・新規ミトコンドリア呼吸鎖複合体I阻害剤ペタシンの抗がん作用
神経精神医学
・がん患者におけるスピリチュアリティへのアプローチ
●連載
バイオインフォマティクスの世界
・12.臨床におけるバイオインフォマティクス
〔key word〕がん、正常組織、臨床検体
●フォーラム
中毒にご用心ーー身近にある危険植物・動物
・16.スイセンーー若芽をニラと誤食すると……
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・ウイルス肝炎のうち、A型肝炎とE型肝炎は経口感染により発症することが知られている。A型肝炎は上水道の完備に伴い、加熱不十分な海産物からの感染が主な感染経路であり、現在も一般生活者では最も多い感染経路である。
・発展途上国への渡航の際はHAワクチンの接種が強く推奨されている。グローバル化の進むなか、HAワクチンの接種と並び、抗ウイルス薬の開発が進められている。
・E型肝炎は診断キットの開発・上市に伴い、急性肝障害のかなりの割合を占めることがわかってきた。ウイルス増殖のメカニズムが詳細に解析できるようになり、治療薬、さらにはワクチン開発などが加速した。
■ A型・E型肝炎の最新動向
・はじめに
A型肝炎
・最近のA型肝炎の疫学・臨床像・診断の特徴
〔key word〕アウトブレイク、性感染症、伝染性単核球症、IgM-HAV抗体
・A型肝炎の予防と治療
〔key word〕A型肝炎ウイルス(HAV)、重症化、ワクチン
E型肝炎
・E型肝炎ウイルスに関する最近のトピックス
〔key word〕E型肝炎ウイルス(HEV)、準エンベロープ型HEV(eHEV)、非エンベロープ型HEV(neHEV)、組換えレポーターウイルス、薬剤スクリーニングシステム
・最近のE型肝炎の疫学・臨床像の特徴
〔key word〕E型肝炎、水系感染、経口感染、IgA-HEV抗体、acute-on-chronic hepatitis
・E型肝炎の遺伝子診断・ゲノム解析
〔key word〕E型肝炎ウイルス(HEV)、HEV genotype、HEV subtype、Nested RT-PCR法、リアルタイムRT-PCR、サンガー法、次世代シーケンス法(NGS)
・E型肝炎ウイルスワクチン開発の現状
〔key word〕経口感染肝炎、動物由来感染、組換えキャプシドタンパク質、ウイルス様粒子(VLP)、動物モデル
●TOPICS
皮膚科学
・Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症における好中球の役割
疫学
・ナショナルデータベースを用いた中心性漿液性脈絡網膜症の疫学
腎臓内科学
・蛋白尿発症の分子メカニズムーーネフローゼ症候群の成因
●連載
バイオインフォマティクスの世界
・13.やってみようバイオインフォマティクスーーSNP解析編
〔key word〕SNPs、SNP変異検出、ゲノムワイド関連解析、仮想マシン
人工臓器の最前線
・はじめに
・1.植込型補助人工心臓ーー重症心不全治療における役割
〔key word〕重症心不全、植込型左室補助人工心臓(LVAD)、実施基準、destination therapy
●フォーラム
中毒にご用心ーー身近にある危険植物・動物
・17.イヌサフラン、グロリオサ(コルヒチン)--球根や塊茎を誤って食べると……
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・めまいはさまざまな疾患により発症する。最近、メニエール病や遅発性内リンパ水腫の難治例に対する中耳加圧治療が保険収載された。また、良性発作性頭位めまいに対する耳石置換法のエビデンスも確立されてきた。
・内耳造影MRIを用いた内リンパ水腫画像検査が広く行われるようになり、メニエール病の病態である内リンパ水腫が画像診断できるようになった。本特集では、これらの新しい検査法についても解説する。
・また最近、デバイスを用いた前庭リハビリテーションが開発され、有効性が報告されている。これまで両側前庭機能障害によるめまいは治療が困難であったが、ノイズ前庭電気刺激治療が開発され、有効性が報告されている。
■ めまい -治療と研究の最前線
・はじめに
・メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2020年版
〔key word〕メニエール病、遅発性内リンパ水腫、メニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドライン2020年版、クリニカルクエスチョン(CQ)
・良性発作性頭位めまい症診療ガイドライン2022年版
〔key word〕半規管結石症、クプラ結石症、耳石置換法、半規管遮断術
・前庭神経炎診療ガイドライン2021年版
〔key word〕前庭神経炎、診断基準、診療ガイドライン、クリニカルクエスチョン(CQ)
・新しいめまい疾患ーーPPPDと前庭性片頭痛
〔key word〕持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)、前庭性片頭痛(VM)、Niigata PPPD Questionnaire(NPQ)
・新しい平衡機能検査ーーvHITとVEMP
〔key word〕半規管、耳石器、前庭ー(動)眼反射(VOR)、前庭ー頸反射
・内耳造影MRIによるメニエール病周辺疾患の内リンパ水腫陽性率
〔key word〕内耳造影MRI(ieMRI)、内リンパ水腫(EH)、メニエール病非定型例前庭型(vMD)、メニエール病非定型例蝸牛型(cMD)、低音障害型感音難聴
・平衡訓練/前庭リハビリテーションの基準ー2021年改訂ー
〔key word〕前庭障害、前庭代償、めまい、ふらつき
・ウェアラブルデバイスを用いた平衡訓練の開発
〔key word〕感覚代行(sensory substitution)、感覚再重み付け(sensory reweighting)、ウェアラブルデバイス
・両側前庭障害に対するノイズ前庭電気刺激治療の開発
〔key word〕両側前庭障害、前庭電気刺激、体平衡、確率共振、前庭リハビリテーション
●TOPICS
アレルギー学
・FADSマウス:アトピー性皮膚炎およびアトピー性角結膜炎の新たなマウスモデル
神経内科学
・脳卒中後てんかん患者の機能予後と生命予後:PROPOSE研究の結果から
消化器外科学
・ロタウイルス感染症と胆道閉鎖症
●連載
バイオインフォマティクスの世界
・14.やってみようバイオインフォマティクスーーRNAseq解析編
〔key word〕RNA-Seq、発現量、マッピング、Wald検定
人工臓器の最前線
・2.人工関節の最近の動向とそれについて思うこと
〔key word〕人工股関節、人工膝関節、最近の動向
●フォーラム
中毒にご用心ーー身近にある危険植物・動物
・18.ドクガ、チャドクガ、イラガの仲間ーー誤って幼虫に刺されたら
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・2019年末より続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックは、世界中に大きな影響を及ぼしており、2022年4月現在で全世界の死亡者数は624万人に達している。
・このように多大な死亡者が発生した原因について、ウイルス感染症に加えて非感染性疾患である高血圧や肥満、糖尿病、心血管疾患、慢性呼吸器疾患、がんなどの慢性疾患との相互作用が関連している。
・本特集では、糖尿病や肥満によるCOVID-19の重症化と、新型コロナウイルス感染による血糖コントロールの変化について網羅した内容を、わが国の基礎および臨床の研究者にご解説いただく。
■ 肥満・糖尿病とCOVID-19
・はじめに
・肥満症による感染症の重症化機構
〔key word〕肥満症、免疫異常、炎症、感染症
・脂肪組織GRP78は高齢、肥満、糖尿病に関わる新型コロナウイルスのホスト因子である
〔key word〕肥満、糖尿病、脂肪組織、GRP78、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
・海外における肥満・糖尿病とCOVID-19
〔key word〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、肥満、2型糖尿病
・糖尿病とCOVID-19の重症化ーー自施設データも踏まえて
〔key word〕糖尿病、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、重症化リスク
・COVID-19による死亡リスクに対する肥満の影響
〔key word〕肥満、BMI、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、院内死亡
・COVID-19と1型糖尿病
〔key word〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、1型糖尿病、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
・コロナ禍における血糖コントロールの変化と医療者の関わりの意味を考える
〔key word〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、パンデミック、血糖コントロール、医療学、療養支援
・COVID-19禍における血糖コントロールーーCOVID-19流行による生活習慣の変化と糖尿病血糖コントロールに関する調査結果を踏まえて
〔key word〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、糖尿病、動脈硬化リスク管理
●TOPICS
腎臓内科学
・異種胎仔を活用した腎臓再生への挑戦
生理学
・状況に応じて価値を判断する脳の仕組み
●連載
バイオインフォマティクスの世界
・15.やってみようバイオインフォマティクスーーメタ16S解析編
〔key word〕メタ16S解析、16SリボソームRNA配列、バイオインフォマティクス
人工臓器の最前線
・3.光電変換色素薄膜型の人工網膜OUReP(オーレップ)
〔key word〕人工網膜、光電変換色素、医師主導治験、網膜活動電位、製造品質管理
●フォーラム
日本型セルフケアへのあゆみ
・16.ストーマ(人工肛門・人工膀胱)を持つ人のセルフケア
中毒にご用心ーー身近にある危険植物・動物
・19.ヤマカガシーー河原や田んぼの近くで捕まえて遊んでいるときに誤って咬まれると……
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・ω3不飽和脂肪酸などの脂質は細胞膜の構成成分であり、その組成割合により神経細胞の活動性が変化することから、精神活動への影響が注目された。
・これまで、胎生期のω3摂取量と精神疾患との関連を論じた興味深い研究をはじめ、その発症リスクが高い状態であるアットリスク精神状態(ARMS)などを対象とした多数の報告が行われている。
・本特集では、わが国で精神と脂肪酸組成に関する研究に取り組むエキスパートの先生方に執筆をお願いし、それぞれのお立場から、最新の知見について読みやすくまとめていただく。
■ 精神・神経疾患とω3不飽和脂肪酸
・はじめに
・多価不飽和脂肪酸に着目した統合失調症病態メカニズムの理解と創薬の可能性
〔key word〕脂肪酸、統合失調症、peroxisome proliferator-activated receptor(PPAR)α
・食とメンタルヘルスーーω3不飽和脂肪酸を中心に
〔key word〕メンタルへルス、ω3不飽和脂肪酸、うつ病
・うつ病とω3不飽和脂肪酸
〔key word〕ω3不飽和脂肪酸、うつ病、観察研究、介入研究、メタ解析
・アルツハイマー病による認知症とω3不飽和脂肪酸
〔key word〕アルツハイマー病(AD)、認知機能、認知症の行動・心理症状(BPSD)
・統合失調症と多価不飽和脂肪酸ーー発症リスクの軽減に向けて
〔key word〕ω3不飽和脂肪酸、ω6不飽和脂肪酸、細胞膜リン脂質、精神病、早期介入
・自閉症スペクトラム症における多価不飽和脂肪酸の代謝の役割
〔key word〕自閉症スペクトラム症(ASD、グリホサート、母体免疫活性化、可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)
●TOPICS
輸血学
・へき地・離島における輸血医療
臨床検査医学
・ナノスーツ技術による感染症への診断戦略
●連載
バイオインフォマティクスの世界
・16.やってみようバイオインフォマティクスーーエンリッチメント解析編
〔key word〕DAVID、gProfiler、エンリッチメント解析
人工臓器の最前線
・4.小児に対する補助人工心臓
〔key word〕小児、重症心不全治療、補助人工心臓
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・はじめに
感染症で苦しむ人々の声に応えて
・1.結核対策ーー世界戦略構築への現場からの発信
中毒にご用心ーー身近にある危険植物・動物
・20.カサゴ、オコゼ、ゴンズイ --ヒレにある毒棘に刺されると……
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・心筋炎は、心臓の筋肉の炎症性疾患と広く定義される。一般にウイルス感染をきっかけとした自己免疫が本態であり、重症心不全をきたし、しばしば致命的であるが、発症頻度は低く、少し特殊な心疾患と認識されてきた。
・昨今、COVID-19急性心筋炎、それに関連した小児多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)、さらにCOVID-19 mRNAワクチン関連心筋炎といった新たな疾患カテゴリーが次々と提唱され、心筋炎に対する関心は急速に高まった。
・本特集では、現在日本で行われている心筋炎の診断、治療に加え、病態メカニズム、特に病原体感染と免疫の関与に関する最新の知見を紹介し、今後の課題を明らかにする。
■ 心筋炎 ─医療と医学の最前線
・はじめに
・心筋炎・心膜炎の診断と病理
〔key word〕心筋炎、病理診断、リンパ球性心筋炎、好酸球性心筋炎、巨細胞性心筋炎、心膜炎
・ウイルス性心筋炎の病原ウイルス検索手法とその意義
〔key word〕心筋炎、ウイルス、polymerase chain reaction(PCR)、免疫組織化学、in situ hybridization
・心筋炎の薬物治療・非薬物治療
〔key word〕心筋炎、薬物治療、補助循環、免疫抑制療法、免疫調節療法
・慢性心筋炎と拡張型心筋症
〔key word〕慢性心筋炎、拡張型心筋症(DCM)、炎症性心筋症、CD3陽性Tリンパ球、リスク層別化
・心筋炎と免疫応答
〔key word〕心筋炎、免疫応答、T細胞、樹状細胞、ウイルス
・Onco-Cardiologyにおける心筋炎
〔key word〕腫瘍循環器、自己免疫、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、免疫関連有害事象(irAE)
・小児心筋炎とCOVID-19--MIS-C/PIMS
〔key word〕小児心筋炎、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、小児多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)、ワクチン後心筋炎
・COVID-19ワクチン関連心筋炎
〔key word〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、ワクチン、副反応、心筋炎、臨床像、病理組織
●TOPICS
消化器内科学
・潰瘍性大腸炎の診断に有用な新たな自己抗体マーカー
腎臓内科学
・宇宙旅行時の腎臓の役割ーー“うちゅうじん”の正体
●連載
バイオインフォマティクスの世界
・18.プレシジョン・メディシンII--がんゲノミクスの応用
〔key word〕精密医療、がん変異、プロテオゲノム、腫瘍マイクロバイオーム、人工知能(AI)
人工臓器の最前線
・6.呼吸不全に対する膜型人工肺(VV-ECMO)--withコロナの時代に向けて
〔key word〕ARDS、重症呼吸不全、ECMO、体外式模型人工肺
医療AI技術の現在と未来ーーできること・できそうなこと・できないこと
・はじめに
・1.医療へのレディオミクスAIの貢献
〔key word〕レディオミクス、治療法選択、悪性度予測、予後予測、医療AI
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・3.グローバルヘルスにおけるジェンダー平等と女性のエンパワーメント
●書評
・書評『免疫学者のパリ心景 新しい「知のエティック」を求めて』
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・近年、ウェアラブルデバイスによる健康管理が可能になってきており、深部体温や心電図、発汗量、昇降高度、SpO2なども測定可能になっている。
・さらに血糖値の連続測定が可能な機器もあり、食後のスパイク血糖値がはかれるばかりではなく、食事指導や栄養指導との連携も期待されている。
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行対策として、医療の情報化の現状の課題が多く指摘されてきたなかで、新しい動きが進みつつある。
■ ウェアラブルデバイスと未来の医療
・はじめにーーPHRとウェアラブルデバイスの連携による医療の未来への期待
・わが国におけるPHRの現況と課題・展望ーーPHRを活用した健康社会の実現に向けて
〔key word〕PHR(personal health record)、PGD(person generated data)、標準化、社会基盤
・ウェアラブルデバイスの生活に対する密着性と利便性および将来
〔key word〕生活密着、実際の利便性、未来の用途、技術革新、小型高度化
・オンライン医療の現状と医療DXの展望
〔key word〕オンライン診療、オンライン服薬指導、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、診療報酬改定、医療情報
・ウェアラブルデバイスとそのデータによるPHRの実現
〔key word〕Personal health record(PHR)、EHR(電子健康記録)、ウェアラブルデバイス、IoT(Internet of Things)、モバイルヘルス(mHealth)
・薬局の対人業務におけるスマートフォンの活用
〔key word〕スマートフォン、薬局、薬剤師、電子薬歴、電子お薬手帳、PHR(personal health records)
・デジタル投資によるヘルスケア創薬の発展
〔key word〕リアルワールドデータ(RWD)、AI技術、プラットフォーム
・ウェアラブルデバイスから得られるデジタルバイオマーカーの医薬品開発への活用
〔key word〕医薬品開発、ウェアラブルデバイス、デジタルバイオマーカー(dBM)、デジタルセラピューティクス(DTx)
●TOPICS
救急・集中治療医学
・新しいAED--オートショックAEDへの期待
糖尿病・内分泌代謝学
・インスリンによるタンパク質・脂質代謝制御経路の解明
●連載
人工臓器の最前線
・7.リードレスペースメーカの最前線
〔key word〕Micra TPS、適応基準、VDDモード
医療AI技術の現在と未来ーーできること・できそうなこと・できないこと
・2.画像認識技術の近年の動向
〔key word〕画像認識、AI、深層学習
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・4.障がい児の療育ーー誰もが大切にされる社会を目指して
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・COVID-19は医療の多くの面に計り知れない影響をもたらしているが、そのひとつに、もとよりバーンアウト(燃え尽き症候群)の危険性に曝されていた医療従事者にさらなる大きなストレスをもたらしていることがあげられる。
・本特集では、パンデミック下で医療従事者のバーンアウトをいかに防ぐかをテーマとし、国内で行われた複数の調査研究によるエビデンスに基づいた議論を行い、精神医学の観点から医療従事者を守るためのヒントを共有する。
・本特集が多くの医療従事者に読まれ、バーンアウトの危険因子や対策を正しく理解することや、自身を冷静に見つめ、バーンアウトに対するレジリエンスを高めることに役に立てば望外の喜びである。
■ パンデミック下における医療従事者のバーンアウトを防ぐ
・はじめに
・パンデミック前の医師のバーンアウトの状況と対策
〔key word〕バーンアウト、レジリエンス、仕事の有意義性、働き方改革、上司
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下の聖路加国際病院における多職種バーンアウト調査から考える対策ーー研修医のサポートも含めて
〔key word〕バーンアウト、職種別、研修医
・パンデミック下の国内外の主要研究から考える対策
〔key word〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、ワークエンゲージメント、リーダーシップ
・東京都コロナ専門病院の実態調査から考える医師のバーンアウト対策
〔key word〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、バーンアウト、専門診療、離職、医療の質
・COVID-19対応スタッフへのメンタルヘルス・ケアーークラスター発生対応に焦点を当て
〔key word〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、クラスター発生、職業モラルの傷つき、睡眠障害、メンタルヘルス・ケア
・COVID-19によるパンデミックが医療従事者に及ぼした影響と今後の対策ーー国外、国内の文献レビューを通じて
〔key word〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、バーンアウト、パンデミック、医療従事者
●TOPICS
血管生物学
・新生血管成熟化分子Ninjurin1の役割ーー微小血管を標的とした新しい動脈硬化治療の可能性
小児科学
・川崎病の病態と酸化リン脂質
●連載
人工臓器の最前線
・10.人工血管の歴史と進歩
〔key word〕人工血管、ステントグラフト、tissue engineered vascular graft(TEVG)
医療AI技術の現在と未来ーーできること・できそうなこと・できないこと
・5.画像診断AIシステムーー外傷全身CTを例に
〔key word〕画像診断支援、機械学習、人工知能(AI)、外傷全身CT
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・7.傾聴の次に来るものーー先人から学び、先人を超える
医療MaaS--医療と移動の押韻
・1.肉体の存在
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・哺乳類のエピジェネティクスの代表例として知られる“X染色体不活性化”をイギリスの女性研究者Merry Lion博士、およびアメリカの日系研究者大野乾博士が発見して約60年がたつ。
・今回の特集では、1モデル動物によるメカニズム解析、2幹細胞における初期化現象、3ヒト疾患の3つのテーマで、各分野の専門家に研究の紹介してもらう企画を立案した。
・本特集が、謎に満ちた“X染色体不活性化”の理解の一助となることを願っている。将来、ヒト疾患解析、再生医療も含め、これまでの基礎研究がさまざまな方向に発展することを期待したい。
■ X染色体不活化と疾患 ─新たな展開
・はじめに
・X染色体不活性化の分子メカニズム
〔key word〕ヘテロクロマチン、Xist(X-inactive specific transcript)RNA、長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)、H2AK119ub、H3K27me3、H3K9me3
・不活性X染色体の三次元構造と遺伝子発現制御
〔key word〕X染色体不活性化(XCI)、遺伝子発現制御、ゲノム三次元構造、Hi-C、複製タイミング
・非メンデル遺伝とX染色体不活性化異常ーー思い込みを除いて、新たな発見へ
〔key word〕X染色体不活性化(XCI)、Ftx non-coding RNA、性差を示す疾患
・霊長類におけるX染色体遺伝子量補正
〔key word〕霊長類、カニクイザル、X染色体不活性化(XCI)、XCU(X chromosome up-regulation)
・生殖細胞初期化におけるX染色体再活性化のイメージング
〔key word〕X染色体再活性化(XCR)、X染色体不活性化(XCI)、始原生殖細胞(PGCs)、リプログラミング
・iPS細胞誘導におけるX染色体再活性化
〔key word〕X染色体再活性化(XCR)、iPS細胞誘導、Xist、Xtreme
・女性多能性幹細胞における不可逆的X染色体不活化破綻と病態モデリング
〔key word〕ヒト多能性幹細胞、XCI erosion、病態モデリング
・女性特有の神経発達障害に関するX染色体不活性化ーーMICPCH症候群
〔key word〕MICPCH症候群、CASK、TBR1、GluN2B、シナプス
●TOPICS
解剖学
・歯の硬化に必要な血管新生と象牙質形成のカップリング
臨床検査医学
・新型コロナウイルス核酸検査手引き書ーー日本遺伝子診療学会 新型コロナウイルス感染症検査委員会編「はじめて新型コロナウイルス検査を行う方のために」
●連載
人工臓器の最前線
・14.バイオマテリアルと組織再生型人工臓器
〔key word〕脱細胞化組織、組織工学、再生医療、小口径血管、ダチョウ頸動脈
医療AI技術の現在と未来ーーできること・できそうなこと・できないこと
・9.公共シークエンスレポジトリを用いた大規模トランスクリプトーム解析からの知識発見
〔key word〕トランスクリプトーム解析、スプライシング異常、ビッグデータ解析、クラウド
医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識
・3.行動変容を伴う医療機器プログラム評価の考え方
〔key word〕認知行動療法、医療機器プログラム、二重盲検ランダム化比較試験、シャムアプリ、プラセボ効果
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・11.コロナ禍でベトナム人技能実習生が自分自身の健康を守るためには
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・本特集では、臨床において重要であり、かつ日本から優れた仕事がでている自己免疫性肝疾患のテーマを選び、それぞれのエキスパートに執筆をお願いする。
・自己免疫性肝炎(AIH)は中年以降の女性に好発する肝炎である。原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、中年以降の女性に好発する慢性進行性の胆汁うっ滞性肝疾患である。
・原発性硬化性胆管炎(PSC)は肝内外の胆管に多発性・びまん性の狭窄が生じ、胆汁うっ滞をきたす慢性肝疾患である。
■ 自己免疫性肝疾患 ─いま何が問題となっているのか?
・はじめにーー自己免疫性肝疾患の基礎知識
・自己免疫性肝炎ーー急性肝不全の隠れた成因?
〔key word〕急性肝不全、自己免疫性肝炎(AIH)、急性肝炎様発症(AP)、急性肝炎期、急性増悪期
・原発性胆汁性胆管炎の予後予測
〔key word〕原発性胆汁性胆管炎(PBC)、予後予測、GLOBE score、UK-PBC risk score
・自己免疫性肝炎・原発性胆汁性胆管炎のオーバーラップ
〔key word〕自己免疫性肝炎(AIH)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、オーバーラップ症候群
・原発性硬化性胆管炎の発症への腸内細菌の関与
〔key word〕原発性硬化性胆管炎(PSC)、腸内細菌、バクテリアルトランスロケーション、胆汁うっ滞、Th17細胞
・自己免疫性肝疾患患者のQOL
〔key word〕生活の質(QOL)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、自己免疫性肝炎(AIH)、原発性硬化性胆管炎(PSC)
・小児の自己免疫性肝疾患
〔key word〕原発性硬化性胆管炎(PSC)、自己免疫性肝炎(AIH)、炎症性腸疾患(IBD)、肝移植
・自己免疫性肝疾患に対する肝移植
〔key word〕肝移植、自己免疫性肝炎(AIH)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)
●TOPICS
細胞生物学
・サイクリックAMP濃度を光で一過的に操作する分子ツールの開発
腎臓内科学
・Meflinを発現する血管周囲間葉系細胞の腎線維化における役割
●連載
人工臓器の最前線
・15.人工膵臓の現状と将来展望
〔key word〕人工膵臓療法、外科的糖尿病、ベッドサイド型人工膵臓
医療AI技術の現在と未来ーーできること・できそうなこと・できないこと
・10.医療時系列データへのAI応用
〔key word〕時系列、RNN、Transformer、PhysioNet
医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識
・4.AIを用いた内視鏡画像診断支援
〔key word〕上部消化管内視鏡、大腸内視鏡、胃癌、大腸癌、食道癌、人工知能、computer-aided diagnosis
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・12.ミャンマーの人々の団結と行動ーーコロナとクーデターの二重苦のなかで
●速報
・小児が発端者である新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の家庭内感染調査
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・近年、クライオ電子顕微鏡解析の技術革新により、患者脳内に蓄積する異常タンパク質の構造が次々と解明される時代となった。
・本特集は、クライオ電顕解析の原理と現状、タウ、αシヌクレイン、アミロイドβ、TDP-43、TMEM106Bの構造、疾患脳ごとに蓄積するタンパク質の種類や構造がどう異なるのか、病理、病態形成の観点から執筆していただく。
・また、クライオ電顕による構造解明の応用として最も期待される診断薬や創薬の開発へのトピックスにも言及することとした。今後発展が期待されるトモグラフィについても記述していただく。
■ クライオ電顕が解き明かす神経変性疾患のメカニズム
・はじめに
・クライオ電顕の原理と日本の現状
〔key word〕アミロイド線維、らせん、クライオ電子顕微鏡(cryo-EM)、単粒子解析法
・タウ線維構造に基づいたタウオパチーの疾患分類
〔key word〕タウオパチー、タウ、アミロイド様線維、構造多型、クライオ電子顕微鏡
・シヌクレイノパチー線維の構造
〔key word〕αシヌクレイン(αSyn)、アミロイド線維、構造多型、パーキンソン病(PD)、多系統萎縮症(MSA)
・Aβ線維の構造
〔key word〕アミロイドβタンパク(Aβ)、構造多型、シード、抗体医薬、クロスβシート構造
・ALS患者脳に蓄積するTDP-43線維の構造
〔key word〕筋萎縮性側索硬化症(ALS)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、TAR DNA binding protein of 43kDa(TDP-43)
・クライオ電顕解析でみつかった新規アミロイドTMEM106Bの役割
〔key word〕TMEM106B、一塩基多型、前頭側頭葉変性症(FTLD)、アミロイド線維
・構造をもとにしたタウPETプローブ開発
〔key word〕タウオパチー、タウPETイメージング、ドッキングシミュレーション
・クライオ電子線トモグラフィ法を用いた神経変性疾患の病態解明
〔key word〕神経変性疾患、タンパク質凝集、クライオ電子顕微鏡、クライオ電子線トモグラフィ(cryoET)、in situ構造生物学
●TOPICS
麻酔科学
・周術期アナフィラキシーと好塩基球活性化試験
免疫学
・B細胞由来のGABAは抗腫瘍免疫を抑制する
●連載
人工臓器の最前線
・16.アフェレシス療法:最近の進歩
〔key word〕イミュノピュア、レオカーナ、COVID-19、血漿交換、LDLアフェレシス
医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識
・5.医療機関のサイバーセキュリティ・マネジメント
〔key word〕サイバーセキュリティ、サイバー攻撃、マネジメント、経営資源
●フォーラム
・古代人のゲノム解析と人類の進化ーー2022年ノーベル生理学・医学賞によせて
・新たな機能性分子を合成する手法“クリックケミストリー”--2022年ノーベル化学賞によせて
グローバルヘルスの現場力
・13.HIV母子感染ーー生き延びた青年たちがともに切り開く人生
医療MaaS--医療と移動の押韻
・3.寒立馬さんたちへ
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)患者が日本ではじめて確認されたのが2012年12月、正式に公表したのは2013年1月のことである。
・日本国内外のSFTSの疫学、マダニに咬まれて感染する事例以外に、ネコやイヌもSFTSVに感染するとSFTS様症状を呈し、かつその感染ペットから飼い主や獣医師などが感染することがある。
・病態・病理と抗ウイルス薬(ファビピラビル)による抗ウイルス療法や開発されたワクチンの有効性、SFTSVの自然界における存在様式が解明されつつある。
■ 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)研究における最新知見 ─感染経路,病態,予防,治療
・はじめに
・SFTSの臨床的特徴
〔key word〕重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ダニ媒介感染症
・SFTSの疫学研究における最新知見
〔key word〕重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、疫学
・B細胞感染によるSFTSウイルスの発病機構
〔key word〕ウイルス性出血熱、B細胞、形質芽球、抗体
・ペットのネコ・イヌにおけるSFTSとヒトへのリスク
〔key word〕重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、伴侶動物、人獣共通感染症
・自然界におけるSFTSウイルス伝播様式
〔key word〕マダニ、吸血、野生動物、経齢間伝播、経卵伝播
・抗ウイルス薬ファビピラビルとSFTS
〔key word〕ファビピラビル、抗ウイルス薬、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
・高度弱毒化痘そうワクチン株LC16m8をベースとしたSFTSワクチン開発
〔key word〕組換えワクチン、ワクシニアウイルス、SFTS、LC16m 8
・ダニ媒介性ウイルス感染症とSFTS
〔key word〕ダニ媒介性ウイルス、ブニヤウイルス、網羅的ウイルス検出
・SFTS重症化と自然免疫応答
〔key word〕自然免疫、I型インターフェロン、サイトカインストーム、NSs(non-structural)タンパク質
●TOPICS
免疫学
・RNA分解酵素Regnase-1を標的とした炎症制御法の開発
神経精神医学
・Xenophobia(外国人恐怖症)
●連載
人工臓器の最前線
・17.人工臓器開発におけるレギュラトリーサイエンス
〔key word〕レギュラトリーサイエンス、評価科学、ヒト病態を模した実験系・評価系
医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識
・6.SaMD(国内/米国)動向調査
〔key word〕SaMD、医療AI、FDA、トレンド
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・14.ガーナーー「生きる力」を育む母子手帳
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・0〜15歳の小児期における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の一部の例において、多臓器に強い炎症反応を引き起こし、重篤となりうる小児多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)を続発することが報告されている。
・MIS-C/PIMS発症とCOVID-19との関連性が強く示唆されているが、本症は新しい疾患概念であり、病態に関しては今なお多くが不明である。川崎病の類縁疾患と考えられているが診断は難しく、治療法も確立されていない。
・本特集では、川崎病を含む重症炎症症候群の診断、治療の経験豊富な臨床のスペシャリストに、そして小児の感染症学研究のエキスパートにMIS-C/PIMSの疫学、病態、診断、検査、治療について概説していただく。
■ 小児COVID-19関連多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)の診療
・はじめに
・小児のCOVID-19の動向
〔key word〕オミクロン株、神経学的合併症、新型コロナワクチン、ツインデミック、間接的健康被害
・MIS-C/PIMSの疫学
〔key word〕小児多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)、疫学、mRNAワクチン
・MIS-C/PIMSの病態
〔key word〕MIS-C/PIMS、COVID-19、SARS-CoV-2、スーパー抗原、スパイクタンパク、免疫調節障害
・MIS-C/PIMSの診断
〔key word〕診断、MIS-C(multisystem inflammatory syndrome in children)、PIMS(pediatric inflammatory multisystem syndrome)、川崎病、鑑別
・MIS-C/PIMSの薬物治療
〔key word〕免疫グロブリン製剤(IVIG)、ステロイド製剤、生物学的製剤
・MIS-C/PIMSの全身管理
〔key word〕MIS-C(multisystem inflammatory syndrome in children)/PIMS(pediatric inflammatory multisystem syndrome)、集中治療室(ICU)、免疫調節療法
・MIS-C/PIMSの今後の課題
〔key word〕小児多系統炎症性症候群(MIS-C/PIMS)、免疫、診断、病態生理、治療
●TOPICS
遺伝・ゲノム学
・VEGFシグナルを介したダイナミックな内皮エピゲノム修飾と抗血管新生手法の確立
医療行政
・ICD-11改訂ーー国内の普及に向けた取り組みと今後の課題
●連載
医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識
・7.スマホアプリを活用した糖尿病重症化予防の取り組み
〔key word〕糖尿病、重症化予防、スマホアプリ、行動科学
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・15.タイ北部におけるHIV感染者ケア強化事業ーーサンパトンモデルの形成
日本型セルフケアへのあゆみ
・18.よくわかるがんゲノム医療1:がん遺伝子パネル検査
医療MaaS--医療と移動の押韻
・4.住処の隅から
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・リアルワールドデータ(RWD)を用いた臨床研究においてわが国は諸外国の後塵を拝してきたが、臨床疫学、公衆衛生学などの専門家たちは、臨床の専門家と協同してRWDのデータベースを構築し、ラインアップは充実してきた。
・入手可能なRWDを最大限活用した“エビデンス創出”や“臨床への応用”にすでに舵は切られている。ひととおりのデータベースが用意できた今、データをフル活用してアウトプットを量産するフェーズに突入したといえるであろう。
・本特集では、データベースごとに各論を配した患者レジストリの代表例(SOS-KANTOとNCD)、電子カルテ由来診療情報データベース、DPCデータベース、NDB、介護データなどについて最新知見を紹介している。
■ リアルワールドデータを用いた臨床研究の進化
・はじめに
・リアルワールドデータが切り拓く医療の未来
〔key word〕リアルワールドデータ(RWD)、患者レジストリ、電子カルテ情報、保険データベース
・SOS-KANTO 2017 studyの研究計画とデータ収集
〔key word〕心停止研究、レジストリ、多施設共同研究
・National Clinical Database--全国レジストリプラットフォームの研究利用
〔key word〕National Clinical Database(NCD)、レジストリ、臨床研究
・電子カルテ由来診療情報データベース
〔key word〕構造化データ、非構造化データ、検査データ、自由記載
・DPCデータを用いた研究の現状と今後
〔key word〕Diagnosis Procedure Combination(DPC)、データベース、リアルワールドデータ
・NDBを用いた研究の現状と今後
〔key word〕NDB、オンサイトリサーチセンター、レセプト、SQL、直腸癌
・介護データを用いた研究の現状と今後
〔key word〕介護報酬明細情報(介護レセプト等情報)、要介護認定情報、科学的介護情報システム(LIFE)、介護保険総合データベース(介護DB)
・DeSCデータを用いた研究の現状と今後
〔key word〕保険データベース、臨床疫学研究、DeSCデータベース
・リアルワールドデータに対するデータ駆動型アプローチとシグナル検出
〔key word〕データ駆動型、仮説駆動型、シグナル検出、シグナル強化、医薬品副作用自発報告データベース
●TOPICS
産科学・婦人科学
・フェムテックへの期待
神経内科学
・大脳皮質一次体性感覚野アストロサイトmGluR5による神経ネットワーク再編と慢性疼痛
●連載
医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識
・10.AIを用いた感染症診断の可能性
〔key word〕感染症診断、AI医療機器、新医療機器、身体診察AI
●フォーラム
グローバルヘルスの現場力
・18.マラリアーー伝統的知識からの解放
●書評
・『相談事例から考える 研究倫理コンサルテーション』(松井健志 監修・編著/山本圭一郎・伊吹友秀・井上悠輔 編著)
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・抗アクアポリン4抗体と抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク抗体の発見と光干渉断層法の進歩によって、多発性硬化症による視神経炎は診断法、治療法ともに大きく変化した。
・両眼性複視を訴える症例の多くは、眼窩内と眼球周囲に存在する結合組織であるプリーの異常が原因となっていることが判明し、“sagging eye syndrome”として注目されている。
・本特集ではこのように神経眼科の最前線フォーカスを当て、各分野のエキスパートの先生方にまとめていただく。
■ 神経眼科の最前線
・はじめに
・昨今の視神経炎の疫学的特徴
〔key word〕自己抗体陽性視神経炎、抗AQP4抗体、抗MOG抗体
・視神経炎治療ーーこれまでとこれから
〔key word〕ステロイドパルス療法、分子生物学的製剤、免疫グロブリン大量点滴治療
・新たなる複視の原因ーーSagging eye syndrome
〔key word〕Sagging eye syndrome(SES)、眼窩プリー、アイフレイル、開散麻痺、上下斜視
・斜視の外科的治療の進歩
〔key word〕固定内斜視、西田法、調節糸法、ボツリヌス療法
・甲状腺眼症の外科治療の進歩ーー眼窩減圧術
〔key word〕甲状腺機能異常、甲状腺眼症、眼窩減圧術
・対光反射とメラノプシン
〔key word〕対光反射、視細胞、メラノプシン含有網膜神経節細胞、波長光
・神経眼科領域におけるOCT、OCTAの役割
〔key word〕視神経炎、前部虚血性視神経症(AION)、乳頭ドルーゼン(ODD)、うっ血乳頭、経シナプス逆行性変性
●TOPICS
加齢医学
・宿主と細菌の共生関係の理解に基づく褥瘡感染制御戦略
神経精神医学
・治療抵抗性統合失調症に対する非定型抗精神病薬クロザピンの使用
●連載
医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識
・11.スマートフォン医療機器“Smart Eye Camera”を使用した眼科遠隔診療
〔key word〕スマートフォン、遠隔診療、人工知能、眼科、Smart Eye Camera
救急で出会ったこんな症例ーーマイナーエマージェンシー対応のススメ
・はじめに
・1.トゲが刺さった!--対応と合併症
〔key word〕皮下異物、エコー、軟部組織感染症、破傷風
●フォーラム
病院建築への誘いーー医療者と病院建築のかかわりを考える
・9.病院建築への誘い─医療者と病院建築のかかわりを考える
●速報
・高気圧酸素治療ーー現状と今後の可能性
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・先進国では、大気汚染や水質汚濁、典型的な産業中毒症例は減り、低濃度の環境化学物質などによる環境ストレスの長期曝露による影響が深刻化しているが、発展途上国では、環境汚染は喫緊の課題となっている。
・人体に影響を及ぼす環境要因は、われわれの健康を脅かすのみならず、次世代への影響も危惧される。社会の持続的な発展を目指すためにも、環境の健康への影響を科学的に明らかにすることが重要である。
・本特集では、現時点で問題となっている環境化学物質を中心に、そのヒトへの影響に関する話題や職業がんについて専門家に解説いただくほか、近年、立て続けに発生し問題となっている職業がんについても紹介する。
■ 環境化学物質が人体へ与える影響
・はじめに
・PM2.5・超微小粒子の健康影響
〔key word〕大気汚染、疫学、酸化ストレス、炎症、PM2.5(微小粒子状物質)、超微小粒子(UFP)
・環境中のカドミウムと人への健康影響
〔key word〕カドミウム(Cd)、イタイイタイ病、腎尿細管障害、骨軟化症、腎性貧血
・ヒ素による健康影響ーー高血圧、動脈硬化、糖尿病との関連
〔key word〕ヒ素、高血圧、動脈硬化、糖尿病、血管内皮細胞、筋肉
・農薬類の健康影響リスク評価とリスク管理
〔key word〕農薬取締法、食品衛生法、残留農薬基準、不確実係数(安全係数)、1日許容摂取量(ADI)
・アスベストの人体への影響
〔key word〕アスベスト(石綿)、中皮腫、肺がん、近隣曝露、疫学
・ダイオキシンによる健康影響と日本の規制の現状
〔key word〕ダイオキシン、環境汚染、健康リスク
・有機フッ素化合物(PFAS)への曝露とヒト健康リスク
〔key word〕有機フッ素化合物(PFAS)、フッ素化アルキル化合物、曝露、健康リスク
・職業性胆管がんの発見
〔key word〕胆管がん、職業がん、1,2-ジクロロプロパン(1,2-DCP)、ジクロロメタン(DCM)
●TOPICS
生化学・分子生物学
・ヒト胎児卵母細胞発生過程の体外再構成
細菌学・ウイルス学
・SARS-CoV-2オミクロンBA.2株のウイルス学的性状の解明
●連載
医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識
・14.診療情報の利活用と個人情報保護法
〔key word〕診療情報、個人情報保護法制、次世代医療基盤法、匿名加工情報、仮名加工情報
救急で出会ったこんな症例ーーマイナーエマージェンシー対応のススメ
・4.その発赤、壊死性筋膜炎では?--軽微な皮膚の発赤が生死を分ける!?
〔key word〕壊死性筋膜炎、壊死性軟部組織感染症、LRINECスコア
●フォーラム
・「第14次労働災害防止計画」のねらい
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・泌尿器科の外来で最も多い主訴のひとつは頻尿である。典型的な膀胱炎症状を訴えられると診察は容易であるが、そうでない場合は患者の基礎疾患、内服薬、生活のスタイルなど問診すべきことは多岐にわたる。
・超高齢社会においてのcommon diseaseとして、前立腺肥大症と過活動膀胱があり、泌尿器科以外の医師が診療を行う機会が増えている。
・「たかが頻尿、と思うなかれ」が、本特集の大きなメッセージである。頻尿にはさまざまな病態が潜んでいるからである。悪性腫瘍が隠れていることもあり、膀胱癌と前立腺癌が代表である。
■ 頻尿に潜む病態を見破る
・はじめに
・過活動膀胱・頻尿とフレイル・認知機能低下との関係
〔key word〕過活動膀胱、フレイル、認知機能、抗コリン薬、β3アドレナリン受容体作動薬
・頻尿をきたす泌尿器重要疾患を見破るーー尿路性器感染症・尿路結石症・悪性腫瘍
〔key word〕頻尿、尿路性器感染症、膀胱癌、尿路結石症
・前立腺肥大症による男性下部尿路症状
〔key word〕下部尿路症状(LUTS)、前立腺肥大症(BPH)、前立腺腫大、病態、治療
・過活動膀胱
〔key word〕過活動膀胱(OAB)、尿意切迫感、頻尿、尿失禁
・夜間頻尿の病態と治療ーー夜間多尿を中心とした解説
〔key word〕夜間頻尿、夜間多尿、高血圧、うっ血性心不全、デスモプレシン
・神経因性下部尿路機能障害
〔key word〕神経因性下部尿路機能障害(NLUTD)、排尿筋過活動、排尿筋低活動、排尿筋無収縮、機能的膀胱出口部閉塞
・心因性頻尿(心因性頻尿ー尿意切迫症候群)
〔key word〕心因性頻尿、心因性頻尿ー尿意切迫症候群、心因性下部尿路機能障害、心身症、過活動膀胱
・間質性膀胱炎・膀胱痛症候群と慢性前立腺炎・慢性骨盤痛症候群
〔key word〕間質性膀胱炎(IC)、膀胱痛症候群(BPS)、慢性前立腺炎(CP)、慢性骨盤痛症候群(CPPS)
●TOPICS
循環器内科学
・フェロトーシスにおけるミトコンドリアタンパク質MITOLの新たな可能性
免疫学
・クローン病型腸内細菌叢によるリゾホスファチジルセリン産生を介した病態増悪機構
●連載
医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識
・15.ICTとAIを活用して、救急隊と医療機関をシームレスにつなぐーー“情報共有”は医療技術
〔key word〕ICT、AI、ACES、Smart119、救急搬送時間短縮
救急で出会ったこんな症例ーーマイナーエマージェンシー対応のススメ
・5.節足動物による刺咬傷ーー虫に刺された! ムカデに刺された! 節足動物の刺咬傷の対処法
〔key word〕ムカデ、アリ、ハチ、刺咬傷、アナフィラキシー
●フォーラム
医療MaaS--医療と移動の押韻
・7.消え入る「見えざる手」
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている
・全身性強皮症(systemic sclerosis:SSc)は、皮膚のみならず内臓諸臓器の線維性変化が特徴の慢性疾患であり、膠原病の中で最も予後不良かつ病因不明の希少難病で、厚労省の指定難病である。
・SScの主な合併症は、間質性肺疾患や肺高血圧症であり、重症度や進行度は患者ごとに大きく異なる。近年、SScの病態理解が進み新規治療法開発が盛んに行われ、症状・合併症に応じた治療薬が多彩となった。
・SScの診療においては、できるだけ早期に診断を行い、合併症の有無やその程度を評価したうえで、症状に応じた治療法を取捨選択し、患者に応じた治療法のカスタマイズが大切となる。本特集では、多彩な診療科領域の執筆陣に、各分野の最新の知見を解説いただいく。
■ 全身性強皮症 ─病態解明と診断・治療UPDATE
・はじめに
・全身性強皮症における自己抗体とその意義
〔key word〕全身性強皮症(SSc)、抗核抗体、蛍光抗体間接法(IIF)、臨床的特徴
・エピジェネティクスから紐解く全身性強皮症の病態
〔key word〕線維芽細胞、SScモデルマウス、ATAC(assay for transposase-accessible chromatin)-seq、樹状細胞
・全身性強皮症の間質性肺疾患ーー病態と治療の最新知見
〔key word〕全身性強皮症(SSc)、間質性肺疾患(ILD)、進行性線維化、分子標的薬
・全身性強皮症に伴う肺高血圧症ーー病態・診断・治療
〔key word〕全身性強皮症に伴う肺動脈性肺高血圧症(SSc-PAH)、潜在的左心疾患に伴う肺高血圧症(occult PVH)、間質性肺炎に伴う肺高血圧症(ILD-PH)、肺静脈閉塞症(PVOD)
・強皮症腎クリーゼーー病態と治療の進歩
〔key word〕強皮症腎クリーゼ(SRC)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、抗RNAポリメラーゼIII抗体、MPO-ANCA
・全身性強皮症の消化管病変ーー病態と治療戦略
〔key word〕全身性強皮症(SSc)、逆流性食道炎、胃前庭部毛細血管拡張症(GAVE)、下部消化管病変、腸内細菌叢
・皮膚硬化と末梢循環障害に対する新規治療戦略
〔key word〕皮膚硬化、末梢循環障害、新規治療、リツキシマブ、ボツリヌス毒素局所注入療法
●TOPICS
神経内科学
・神経核内封入体病の新規封入体構成タンパク質、ホルネリンの同定
循環器内科学
・心房細動アブレーション:ビッグデータの解析からみる日本の最新状況
●連載
医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識
・16.救急医療の情報分断を解決する医療DX
〔key word〕医療DX、救急医療、医療情報、個人情報保護法
救急で出会ったこんな症例ーーマイナーエマージェンシー対応のススメ
・6.動物に咬まれた! 犬、猫、ヒト、ハムスターーーよくある咬傷からまれな合併症まで
〔key word〕動物咬傷、アナフィラキシー、アレルギー、人獣共通感染症
●フォーラム
日本型セルフケアへのあゆみ
・20.よくわかるがんゲノム医療3:進行がんのセルフケア
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・エムポックス(サル痘)のヒトでの感染例は1970年にコンゴ民主共和国ではじめて報告されている。2022年5月からアフリカから欧米各国へ流行が拡大し、同年7月にはWHOが国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
・エムポックスの流行の背景は1天然痘対策の中止、ウイルスの遺伝子的変化、動物との接触、国際的な交通網の発達、感染症への不十分な対策、感染症に対する偏見や差別などのさまざまな要因が密接に関わりあっている。
・本特集では、過去の知識から現在流行中の疾患の特徴までを理解しやすいように、ウイルス、疫学、診断、治療、予防の観点から国内でエムポックスの流行対応に第一線で活躍されている先生方にご執筆をいただく。
■エムポックス(サル痘)の疫学・感染経路・症状・診療指針
・はじめに
・エムポックスウイルスの特性と今後のリスク
〔key word〕サル痘ウイルス(monkeypox virus)、ヒトエムポックス(hMPX)、エムポックスウイルス(MPXV)
・国内外のエムポックスの流行と対策
〔key word〕国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)、男性間性交渉者(MSM)、痘そうワクチン、テコビリマット、性感染症対策
・エムポックスの臨床症状と診断方法ーー2023年1月現在
〔key word〕接触感染、性器病変、肛門周囲病変、行政検査、PCR
・エムポックスの治療
〔key word〕エムポックス、治療薬、テコビリマット
・エムポックスの予防
〔key word〕LC16、MVA-BN(modified vaccinia Ankara-Bavarian Nordic)、曝露前予防、曝露後予防
・エムポックスのリスク低減の自己決定を支援するコミュニケーション
〔key word〕リスクコミュニケーション、コミュニティエンゲージメント、RCCE、エムポックス(サル痘)
●TOPICS 糖尿病・内分泌代謝学
・ポリオール経路の生理機能
●TOPICS 免疫学
・遠隔炎症ゲートウェイ反射の発見
●連載 医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識(17)
・ウェアラブルデバイスで生活を見守る医療
〔key word〕Apple Watch、ウェアラブルデバイス、ヘルスケア
●連載 救急で出会ったこんな症例ーーマイナーエマージェンシー対応のススメ(7)
・指輪が抜けない!--軽いトラブルから重症絞扼例まで
〔key word〕指輪、外し方、摩擦、浮腫
●FORUM 医療MaaS--医療と移動の押韻(8)(最終回)
・不幸is非効率?
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。
・ヒト細胞を利用した生体模倣システム(MPS)の利用法は、主に薬剤の安全性評価、有効性評価、薬物動態評価がある。安全性評価では薬剤の安全性を評価するため、有害性の評価と標的組織の生理学的な応答を評価する。
・従来の動物実験に代わる創薬研究において代替手段として注目され、MPSがどのように創薬支援に貢献するのか、またどのような技術的な進展があるのか、さまざまな角度から取り上げる。
・本特集が、動物モデルの代わりに創薬開発や個別化医療のためのMPSの使用が実現に近づいていることより、MPSの実用化・社会実装を医学に携わる方々に広く知っていただくきっかけとなれば幸甚である。
■生体模倣システム(MPS)の発展と創薬応用
・はじめに
・動物実験代替法に関する国際機関の動向
〔key word〕動物実験代替法、NAM(new approach methods)、生体模倣システム(MPS)
・生体模倣システムの医薬品の研究開発への活用ーーその価値と可能性
〔key word〕生体模倣システム(MPS)、創薬、beyond animal model movement
・小腸と肝臓の生体模倣システム
〔key word〕生体模倣システム(MPS)、小腸、肝臓、ヒトiPS細胞
・生体模倣システムを利用した薬物動態学研究
〔key word〕薬物動態、細胞透過性、薬物代謝、吸収上皮細胞、in vitro-in vivo translation
・薬剤性肝障害回避に向けた肝臓生体模倣システムへの期待
〔key word〕薬剤性肝障害(DILI)、生体模倣システム(MPS)、医薬品研究開発、新規モダリティ
・薬物の肝胆系輸送を担うトランスポーターの重要性と機能予測の現状
〔key word〕トランスポーター、肝胆系輸送、OATPトランスポーター、拡張クリアランスコンセプト、サンドイッチ培養肝細胞
・小腸上皮細胞を用いた生体模倣システム
〔key word〕生体模倣システム(MPS)、organ on a chip、body on a chip、腸管チップ(intestine on chip)、gut on a chip、オルガノイド、自己組織化
・AMED-MPS事業
〔key word〕生体模倣システム(MPS)、薬物動態、安全性評価、動物実験代替、社会実装
●TOPICS 疫学
・食の炎症性ーー食事性炎症指数(DII)と高齢者の生活の自立度
●TOPICS 細菌学・ウイルス学
・腸管感染性ウイルスの無症候性感染
●連載 医療DX--進展するデジタル医療に関する最新動向と関連知識(19)
・AIの目で心電図を読み直す
〔key word〕人工知能(AI)、心電図、ディープラーニング、心房細動、自動診断
●連載 救急で出会ったこんな症例ーーマイナーエマージェンシー対応のススメ(9)
・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは?--新型コロナウイルス感染症や熱中症に紛れている危険な感染症を見逃すな!
〔key word〕COVID-19、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、熱中症
●FORUM
・ものごとの見方、考え方ーーCritical Thinking、Critical Readingのすすめ
本雑誌「医学のあゆみ」は、最新の医学情報を基礎・臨床の両面から幅広い視点で紹介する医学総合雑誌のパイオニア。わが国最大の情報量を誇る国内唯一の週刊医学専門学術誌、第一線の臨床医・研究者による企画・執筆により、常に時代を先取りした話題をいち早く提供し、他の医学ジャーナルの一次情報源ともなっている。