宮廷の私室から生まれ、人間の精神を表す小宇宙にまで成長を遂げた室内楽の歴史。
本格派巨匠高木彬光長編最新作。なにもない空から瀕死の女性が降って来た。あり得るはずのない不可能犯罪がなぜ成立したのか。清水香織は神津に出馬を依頼するが…。
なぜ銭湯には絵があるのか。“あの絵”は一体、いつからあるのか。誰がどのようにして描いているのか。日本人の生活にどんな影響があるのか。ご町内のポップ・アート、浴場背景画の魅力をあらゆる角度から検証した初めての本。カラー写真多数使用。
写楽の毒に魅入られた著者が、かずかずの別人説を打破してついに確信にいたった新説「写楽=歌麿説」。美術評論家の名において、いまここに明かす新事実。
キリスト教と原始宗教、文明と野蛮、聖なるものとエロス的なもの…。自己の根源を探求し、両極を激しく揺れるゴーギャン。楽園を目指して行動する画家が、ケルトの故地ブルターニュと熱帯の島タヒチに見たものはなにか。北欧の妻メットと南海の“イヴ”テハマナに求めたものはなにか。「芸術の殉教者」の破天荒な生涯と心の叫びを、画家自身に語らせながら鮮やかに描き切る。
本書は、そのほとんどがこれまで発表されたことのない、300枚をこえる貴重な写真と、ロブスンの演説やノートからの抜すい、さらに簡潔で要を得た孫娘スーザンの解説から構成された、写真によるポール・ロブスン伝である。
恐竜のタマゴからインディアン・ブレスレットまで100のアイデアとつくり方紹介。4歳から9歳の子どもと親がいっしょにつくるアート&クラフト。
出産をひかえた妻が、傷だらけで帰ってきた。心配するわたしに、妻は平気だといいはるが…。驚愕のスプラッター小説「怪我」、ようやく探りあてた妻の浮気相手は自分自身だった。ドッペルゲンガーに出会った男の生活「寝ぐせの男」、ふと思いたって久しぶりに訪ねた友人のマンションで見たものは。「元気でやってるかな」など、短篇の名手・中井紀夫が趣向をこらして描く奇妙な世界。オール新作でおくる、ふしぎ文学館・現代恐怖小説シリーズ第一弾。
「機械は本当に思考できるのか」-この難問に正面からとりくんだ壮大な思考の実験が、人工知能であった。最先端のコンピュータ技術と深い人文的教養を兼ね備えた気鋭の思想家が、レトリック、ファジイ理論、記号論、言語哲学、形式論理と意味論、記憶心理学、マニエリスム芸術、汎智学などの該博な知識を駆使して、この現代の思考実験を人間の太古からの「知」の様相に重ね合わせ、その可能性を探る知的冒険の書。
ルネッサンスより800年前の奈良・天平時代に、ミケランジェロ級の大彫刻家がいた。七世紀の日本は、紀元前五世紀のギリシア、十六世紀のイタリアと並ぶ、世界的な美術の黄金時代だった。その天才群の中で、ひときわ輝く、「奈良の大仏」を作った公麻呂…。今まで、だれも問題にしなかった、天平時代の名作の作者を推理・特定し、西洋のミケランジェロなどと同じ水準の評価を、世に問う。江戸時代の『万葉集』再評価に匹敵する、世紀の野心作。
詩・小説・評論・絵画・映画・演劇・バレエージャンルを越え、時代を刺激する表現者ジャン・コクトー。特定の運動に与することなく幻視を追求した芸術家の足跡を辿る。
13世紀末、イタリアの小さな共和国ジェーノヴァに連行された一人の捕虜。世界をまたにかけた大商人であり冒険家・マルコ・ポーロ。だが、人は彼を「百万マルコ」と呼び、その話を信じようとはしなかった。彼の博識に心酔する数少ない一人、書記のジューリオが奇怪な殺人事件に巻き込まれた時、マルコ・ポーロの推理が冴える。中世イタリアの風物を悠揚せまらぬ筆致で活写しながら、「東方見聞録」執筆の謎にせまる傑作歴史マステリ。
人の心の温かさ、優しさ。強さ、脆さ。人間っていいもんだなぁとしみじみ思う、感動の体験手記集。
名探偵・金田一耕助の事件簿!本書には、傑作「ハートのクイン」をはじめ、「悪魔の降誕祭」「魔女の暦」等、読みごたえの百枚読切りを中心に、全7篇を収録。
この宇宙の物語は真実なのか、それともフィクションなのか…。火星文明の崩壊、砕け散った惑星マルデクを含めた太陽系の失われた歴史が、宇宙の知られざる歴史とともに今、私たちに語られる。