本書のキーワードは、ネットワークである。
モノとモノ、コトとコトの関係も結局は人間が中心にある。ここで考えたいのは、人を中心とした、近代京都の美術工芸にまつわるヒト・モノ・コトのネットワークである。点でも線でもない、ネットワークという「面」からアプローチするこころみは、他の地域の近代を考えるときにも重要な手がかりになるだろう。
ビックネームだけでは構築されない美術工芸の現場をあぶり出すことにより、よりヴィヴィッドな美術史が見えてくる。
目次
1浅井忠
工部美術学校/アール・ヌーヴォー/関西美術院/水彩画/九雲堂
2飯田新七(四代)
高島屋/百選会
3池邊義象
浅井忠と池邊義象/京都高等工芸学校教員の文人趣味
4稲畑勝太郎
化学染料/京都染工講習所/京都織物会社
5小川治兵衛(七代)
第四回内国勧業博覧会/無隣庵
6神坂雪佳
琳派/図案集/競美会/図案科
7川島甚兵衞(二代)
川島織物/京都美術協会/武士山狩図/祇園祭
8河原徳立
瓢池園/京都瓢池園
9錦光山宗兵衛(七代)
京薩摩/大日本窯業協会/粟田焼/遊陶園/美工商社
10黒田天外
『日出新聞』/『京都美術協会雑誌』/『ほとゝぎす』/『方寸』
11高坂三之助
京都図案協会・晨紅会/京都図案会/図案団体
12幸野楳嶺
京都府画学校/如雲社/京都青年絵画研究会/円山・四条派
13杉林古香
『小美術』/小美術会/京漆園
14竹内栖鳳
後素協会/竹杖会/日本画/京都市美術工芸学校・京都市立絵画専門学校/文部省美術展覧展(文展)
15武田五一
近代建築/セセッション/古社寺保存/マルホフ式/『表現派図案集』
16龍村平藏(初代)
織物美術/時代祭/古代裂・名物裂の復元/織寶会
17伊達弥助(四世)
西陣織/帝室技芸員/ウィーン万国博覧会/京都博覧会
18田村宗立
洋画/西宗/関西美術会
19土田杏村
無名会/国画創作協会/美術史学/京都の美術館・博物館
20鶴巻鶴一
臈纈/道楽園と真美会/美術刺繍/墨流し
21富岡鉄斎
南画(文人画)/日本南画協会
22中澤岩太
内国勧業博覧会/1900年パリ万国博覧会/京都高等工芸学校/図案/購入資料・図案模写/農商務省図案及応用作品展覧会(農展)
23中村弥二郎
法隆寺金堂壁画複製製作/京都における写真の普及/ガラススライド(幻燈)/美術出版
24西川一草亭
京都における琳派顕彰/西川一草亭と浅井忠/挿花芸術/『瓶史』
25西村總左衛門(一二代)
千切屋(千總)/ビロード友禅/友禅協会
26西村彦兵衛(八代)
京漆器/五二会
27丹羽圭介
輸出工芸/商品陳列所/京都陶器会社
28廣瀬治助
染殿/写し友禅/ローラー捺染(機械捺染)
29藤江永孝
京都市陶磁器試験所/松風陶器合資会社/音羽焼
30ゴットフリート・ワグネル
化学用陶磁器/釉下彩/七宝
文献一覧
関連年表
図版一覧
索引
執筆者一覧
2016年、京都大学理学研究科で型破りな教育プログラムが始動した。事前にゴールは定めないし、成果は出るか出ないかわからない。そんな「狙わない」知の冒険こそが、真に新しい研究を創出するのだという。溢れる好奇心を旗印に集ったメンバーが、数理という共通言語を介して交流しながらその先にある何かを追求する。京大理学が挑む知の航海記。
突然天涯孤独になり路頭に迷いそうになったことり。ピンチを救ってくれたのは華道家元の青年、緋水だった。彼を頼りに京都に行ったことりは温かい家族に迎えられるが……!? 恋と着物と時々猫の花カフェ事件簿!
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旅や京都人の裏側をコミカルに描いた作品で人気のグレゴリ青山が、都会と田舎の「いいとこどり」をした“京都「トカイナカ」生活”をマンガで紹介。京都ガイドとしても使えるコミックエッセイ。
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【怪談×説法 史上最恐傑作!】
怪談和尚書き下ろしシリーズ第5弾
清掃会社から仕事を請け負った「私」が現場のマンションで見たものは、エレベーターの壁にびっしり書かれた落書きと最上階の廊下の手すりに括り付けられた鳥居だったーー(「清掃」)。雨のなか全速力で走る雨ガッパの女、究極の心霊スポット、メモに記された恐怖体験など、現役住職による大人気、怪談×説法シリーズ第5弾!
「怪談和尚の京都怪奇譚」シリーズ好評既刊
●怪談和尚の京都怪奇譚
●続・怪談和尚の京都怪奇譚
●続々・怪談和尚の京都怪奇譚
●怪談和尚の京都怪奇譚 幽冥の門篇
●コミック『怪談和尚』
冬の気配が色濃くなってきた11月の京都。真城葵は、今日も“いけず”な京男子、家頭清貴とともに寺町三条商店街の骨董品店『蔵』で働いていた。ある日、人気歌舞伎役者・市片喜助が『蔵』を訪れる。南座での『顔見世』が迫る中、“襲名を辞退しろ”という脅迫状が届いたという。翌日、舞台の上で喜助は大怪我をする。その裏には“道ならぬ恋”が…。大ヒットキャラミス第3弾!
専業主婦として家庭を仕切り、子育てや地域活動に精をだすお母さん。バブル崩壊などとも無縁の昭和50年代、京都で暮らす家族の家計簿から、当時の暮らしを垣間見る。第2部としてがんの発病、転移、再発に苦しんだお母さんのことと、現代医療の抱える問題に言及する。
船岡山で女の死体が発見された。京都府警の若き刑事・田村は捜査の最中、口は 悪いが美しい土産物屋の未亡人・月寺松葉と出会う。古き時代に風葬地だった蓮 台野、化野、鳥辺野の「三無常の地」で起きる殺人事件。松葉の助けを借りなが ら真相を追う田村が、事件の果てに見出した慟哭の真実とは!? 京都の名所も満 載。多様な魅力に彩られた連作ミステリー!
京ことば学の著者が放つ「待望の京都ジン論」
「一見さんお断り」はサービス精神の裏返しだった!「遠回しなモノ言い」は「よそさん」への気づかい?「いけずな町」に飛び込んだ外国人学者、「悪戦苦闘」の30年。
料理教室やテレビ出演、雑誌の取材など日々活躍の場を広げる料理研究家・小宮理実。京都室町の生地問屋に生まれ育ち、本書では京都の暮らしの楽しみかた、うまいもの、お楽しみ処……などを織り交ぜて、暦に沿った家庭料理や行事食をエッセイと共におくる。生粋の京都人だからこそわかる、京のハレとツネの暮らしとは。実用書としても楽しめる、暮らしのヒントも満載。レシピ付き。
物語の舞台は京都。芸術大学に入学した如月椿は、孤高なオーラを放つ同じ学部の三日月紫苑と、学内の大階段でぶつかり怪我を負わせてしまう。このことがきっかけで、椿は紫苑の屋敷へ案内され、彼の代わりにある大切な役割を任される。それは妖たちの肖像画を描くことーつまり、彼らの“なりたい姿”を描き、不思議な力でその願いを叶えてあげることだった…。妖たちの心の救済、友情、絆、それらすべてを瑞々しく描した最高の感涙小説。全4話収録。
★ 小さな空間にディープな世界が凝縮された
マニアもうなる個性あふれる57名館をご紹介します!
★ 大都会の片すみで未知の世界への扉を開く!
★ 身近なモノに歴史あり。
★ コアな魅力全開!
ふぐ博物館/益富地学会館
キャッシュレジスター博物館
★ 大人の知的探求心を満たす
眼科・外科医療器具歴史博物館
大阪府立狭山池博物館
★ 極めれば全てアート! !
お辮當博物館/神戸映画資料館
★ 静かな感動を呼ぶ
大阪商業大学商業史博物館
甲子園歴史館
◆◇◆ 本書について ◆◇◆
京阪神には専門分野に特化した
博物館や資料館が数多く存在します。
中にはマンションの一室で開かれているような
小さなスペースのところもありますが、
その分野の収蔵・展示品の珍重さにおいては日本一、
いや世界一とも言えるかもしれません。
本書はこれらの博物館・資料館に光をあてた、
より深い京阪神を楽しむためのガイドです。
銭湯、納豆、霊柩車、甘栗、牛乳瓶の蓋、
蚊取り線香…カバーする分野は驚くほど広く、
またマニアックなモノばかり。
庶民文化研究の先駆けにして第一人者である町田忍が、
マニアック博物館の楽しみ方をご案内します!
◆◇◆ 監修者からのコメント ◆◇◆
博物館にもいろいろあって、国立博物館などは
テーマを広く浅くカバーしていますが、
専門分野に特化した博物館というのは
大きな博物館に負けないくらいのモノが
収蔵・展示されている場合がありますね。
この本で挙げた中で、必ず一つや二つは
自分が興味ある博物館があるはずです。
ただ見るだけでなく、
学芸員や係員に質問するのもいいですね。
彼らはその道の専門家で、すごく詳しい。
いろいろ教えてくれるし、
他の施設やイベント情報も教えてくれます。
そうすると次へ、次へと、
自分の関心や行動範囲が広がっていきます。
できれば家族や友達と複数で行った方が
盛り上がると思いますね。
親子で行けば自分の子供の頃の思い出を話してあげたり、
ブログやSNSで「行ってきました! 」ってレポートしたら、
同じ分野に関心を持つ人とつながることが
できるかもしれない。
コミュニケーションの輪も広がりますよ。
◆◇◆ 主な目次 ◆◇◆
☆ コアすぎ!
堺刃物ミュージアム/造形博物館/
シャレコーベ ミュージアム/西宮市貝類館
・・・など全17館
☆ ためになる!
くすりの道修町資料館/ニッシャ印刷歴史館/
竹中大工道具館
・・・など全18館
☆ ワクワクする!
箕面公園昆虫館/まほうびん記念館/
小さな駄菓子屋さん博物館
・・・など全15館
☆ 感動する!
大阪暮らしの今昔館/茨木市立キリシタン遺物史料館/
立命館大学国際平和ミュージアム
・・・など全7館
お腹も心も満たされたい、そんな夜こそ「カフェごはん」。1200年の歴史が現在へと一直線に続く街、京都。そして、伝統と上手に折り合いをつけながら常に変化し続ける街、京都。そんな京都の魅力をテーマごとに小さく可愛くまとめた一冊。
社寺仏閣だけではない京都の魅力。祇園祭と老舗の四条通で京都人のならわしを知り、西陣で平安京に思いを馳せ東山で歴史をたどる。町中皆法華、四条通をギザギザに挟む、丈夫で長持ち「京提灯」、京都に春を告げる「都をどり」などコラム満載。