1942・46年に刊行されて以後、キリシタン研究に不可欠の基礎文献として用いられてきた『豊後切支丹史料』・『続豊後切支丹史料』。
両書はイタリア人のサレジオ会宣教師マリオ・マレガ神父が大分在任期間中に集めた史料をもとに編纂されたが、収載史料の原本の所在は長く不明とされてきた。
本書は、2011年にバチカン図書館で大量に発見されたマレガ氏収集史料に含まれていた両書の原史料に基づき、改めて忠実に校訂・翻刻。さらに関連する史料を併せて提供する。
マレガ氏収集史料の成り立ちと歴史的・文化的意義、『豊後切支丹史料(正・続)』の位置づけを明らかにした詳細な解題に加え、参考資料、人名索引も付し、近世史・キリシタン史・藩政史・地域史等、幅広い分野の研究に資する決定版。
2000年にデンマークのNGO(Stop the Violence)が、北欧最大級の音楽祭であるロスキレ・フェスティバルで始めた「人を貸し出す図書館」ヒューマンライブラリー。障害者、ホームレス、性的少数者など、社会のなかで偏見やスティグマを経験したことのある人々が「本」になり、一般「読者」と対話をするこの「図書館」は、世界中に広がり、現在では90カ国以上で開催されている。本書では、大学や団体をはじめとする国内外の多様な実践を紹介すると同時に、偏見の低減効果、ヒューマンライブラリーの運営がもたらす学習効果などに関する分析を行い、自己と他者の関係性の再構築、また、日常の生活空間と差異を再構築する場としてのヒューマンライブラリーの意義を論考する。
はじめに 藤巻修一
開講の挨拶 山下道輔
惰眠論の真実 オカノ・ユキオ
惰民論の不当性 鈴木禎一
一日目の討論
松本馨の「将来構想」 田中裕
国際ハンセン病センター構想について 国本衛
成田構想について 成田稔
二日目の討論
「思想善導」機関としての役割を担った戦前の図書館の歴史から情報統制の問題を再確認し、子どもたちが情報を得る権利を支援する教育環境としての学校図書館の在り方・未来像を提唱する。人権をベースに子どもの「学び」と「育ち」を考える。
子どもの学びを支え、創造性と自主性を培い、批判的精神を形成する学校図書館。その教育的意義や歴史的経緯を再確認し、外部の力学からの独立を訴え、特定の図書の閉架や「焚書」の検証を通して、子どもの成長に不可欠な対話力を備えたあり方を提言する。
はじめに
第1章 『はだしのゲン』の提供制限問題
1 『はだしのゲン』が閉架に
2 世論の動向、そして「撤回」へ
3 『ゲン』に関する教育委員会会議の内容
4 『ゲン』問題から学校図書館を考える
第2章 学校図書館の「自主性・自立性」
1 学校図書館資料に対する「主体性」の確保
2 学校図書館に関する専門的知識・技能ーー学校図書館担当者、校長の「校務」
第3章 「自ら考え自ら判断」する態度を養うーー「皇国民」教育、「自発的学習」、そして学校図書館への期待
1 学校図書館の母体としての「新教育」
2 「批判的精神に乏しく権威に盲従」--言論弾圧の治安立法
3 「批判的精神に乏しく権威に盲従」--国定教科書による思想統制
4 「生徒が自ら考え自ら判断」--教育観の転換と学校図書館
5 学校図書館への期待
6 教育改革の「視座」としての学校図書館
第4章 教育の多様性、そして学校図書館
1 教育の多様性ーー教科書との関連
2 学校図書館資料ーー教育委員会「改革」との関連
3 「環状」にある民主主義と図書館、そして教育
4 日本国憲法に規定された人権群ーー図書館、教育と関連して
第5章 学校図書館の力、子どもを変える力ーー「教育課程の展開」「健全な教養」と結び付け
1 「教育課程の展開」と学校図書館
2 「健全な教養」の育成と学校図書館
第6章 「ファースト・アメンドメントは、ぼくのものになった」
1 『誰だ ハックにいちゃもんつけるのは』
2 「子どもの権利条約」と学校図書館
第7章 検閲は「生徒の知的、精神的成長を妨げる」--『学校図書館の検閲と選択』に学ぶ
1 学校図書館への「検閲」
2 「検閲」への対処方法
3 わが国の問題に引き付けて
第8章 「書物を焼くものは、早晩、人間を焼くようになる」
1 『アンネ』、相次ぎ破られる
2 「自由にものが言えなくなる時代」--ナチスによる焚書
3 アメリカ図書館協会の長き苦闘
4 『敦煌』--人間の「思い」は時空を超えて
日本は、世界でもめずらしいくらい、きれいで安全な水に恵まれています。そしてそんな日本ならではの、独特な食文化や伝統産業、水の文化が発展してきました。また、大切な水を、手に入れ、守り、使ってきた、先人たちの利水や治水のたくさんの知恵やくふうもあります。この巻では、日本人のくらしの中の水についてとりあげています。風呂、手水舎、打ち水など、清めとしての水、日本庭園や清流など、楽しむものとしての水など、身近にある水の伝統的な文化を紹介しています。ずっと昔から今日までうけつがれてきた、水とくらす和のわざのすばらしさをこの本で発見してみてください。
春の嵐が吹き荒れたある日。突風とともに、小学5年生の元と瑠香のクラスにひとりの少女が転校してきた。彼女の名は、夢羽。とびっきりの美少女だった。しかし、ぶっきらぼうだし、授業中はどうどうと居眠り。なのに、誰もがわからない謎を簡単に解いてしまったり。謎だらけの夢羽の出現で、元と瑠香の毎日も謎めいたものに変わる。いったい、夢羽とは何者…?小学校中学年〜中学生向き。
この本は児童の学習に少しでも役立つことができるよう考えて作成しました。東京都荒川区立第六日暮里小学校では、「学校図書館活用ノート」と「伝統・文化ノート」を使った学習が日常的に進められています。このノートを元に、全国のどこの学校でも活用できるようアレンジしたものが、この本です。授業はもちろん、ちょっとした自主的な学習時間にも活用できることと思います。
図書館の中がどうなっているのかを公共図書館を取り上げながら紹介。本の分類・探し方や司書の仕事、それに予約の仕方、バーコードの仕組みなど知っておきたいことを網羅。
就活に失敗した寺沢優一は、ある日、異世界ペルムに廃館前の図書館と共に召喚され高圧女王リーネから強制労働を命じられてしまう。「ユーイチ、この世界で生きたければ図書館とアナタに価値がある事を証明してみなさい!」本や図書館、興味なし。勤労意欲もありません。しかし、女騎士ベルと共に様々な種族の問題と向き合う内に次第に注目され始め!? あなたの悩み、本の力で解決します!! 異世界と図書館が織りなすビブリオファンタジー、開館!